川浦谷林道 シアン谷以北(百間橋跡)踏破
- GPS
- 05:35
- 距離
- 9.4km
- 登り
- 882m
- 下り
- 874m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
シアン谷~檜尾根ー3か所のルンゼ超えのうち始めの2か所は残置トラロープで底へ降り登り返す。3か所目は残置ロープが底まで届いておらず危険のため手前の急斜面を下って登り返し。 檜尾根~沢又沢ー2か所のルンゼ超えは全て懸垂下降。この間は残置ロープが一切無く人跡感じられず。懸垂ができない人、檜尾根までに不安を感じた人はこの間に踏み込まず檜尾根を下った方が賢明。 沢又沢~秩父林道ーピンクテープが頻繁に付いていて問題なく中川林道に下りられる。林道の先も降り口さえ見つかれば容易に秩父林道の祠に下りられる。 檜尾根~沢又沢間は、逆コースの場合、垂壁のクライミングとなりほぼ不可能と思われます。 |
写真
感想
百間橋(約180m⁉︎)が架かっていたという川浦谷林道シアン谷以北。
平成5年(1993年)まだ橋が架かっていた当時の追憶文を読むと、立って歩くなど恐ろしく四つん這いで進むと書かれている。
歩行経験のある麓の蕎麦店和美のご主人も、「コワい所だったよ。よくあんな所に橋を架けたよね。橋が落ちた今は通れるわけがない」とおっしゃっていた。
シアン谷から檜尾根までは最近の記録がいくつかあり、おおよそ雰囲気は分かっているが、その先の記録は見当たらず果たして通行可能なのか、不可能な場合引き返すことはできるのか。
身の程知らずとは重々分かっているけど、歴史ある杣径をたどりたいという好奇心はいかんともしがたく、旧後山林道や大ダワ林道を共にしてくれたHクンを誘い挑んでみた。
日野造林休憩所の右手前に中が空っぽの祠が安置されているが、前述の追憶文の筆者は、山仕事の安全を祈ったであろう場所としてここを川浦谷林道の始点として歩いている。
また国有林図に記載のある川浦谷林道の始点もこの祠地となっている。
秩父橋から入渓、シアン谷右岸尾根の末端から取り付こうか悩むが時間がかかりそうなので今回は諦め素直にシアン谷を遡行する。
前夜降雨があり水量が多い。
750m圏の脱渓ポイントには赤テープが付いていてわかりやすい。
しばらくは赤テープに誘導され、シアン谷右岸尾根に乗り上がり、わずかで川浦谷林道に出る。
ハーネスなど装着し静かに緊張する。
歩き出してすぐシアン谷を超え、下に大きな廃小屋を見る。
最初の沢超え、沢というより岩壁に食い込んだルンゼである。
残置されたトラロープを利用し底へ降り、対岸を登り返す。
二つ目のルンゼも同様にして越える。
三つ目のルンゼもトラロープがあるが、どうやら底まで届いてないようで下が見えず危険なので、少し手前の急斜面を歩いて下り残置ロープを利用して対岸へ登り返し。
三つのルンゼを越えて檜尾根の手前にハナド岩のような飛び出した展望地があり、ザックを下ろしてしばし緊張感を解く。
怒涛の緊張感MAXの川浦谷林道の中でオアシスのような場所である。
ここからしばらくは良い道が檜尾根の下降点まで続く。
下降点にある通せんぼの枯れ倒木を跨ぎ、いよいよ未知の廃道に進む。
一つ目のルンゼ、5〜6mの垂壁を降りるが、これまでのように残置ロープが全く無いためロープを出し懸垂下降。
二つ目のルンゼも同様に懸垂下降。
この二つのルンゼには崩れ落ちた木橋やそれを吊っていたであろうワイヤーが一切無く、道が合っているのか疑念が湧くが、先へ進むと道がハッキリしてきて沢又沢に降り立つことができた。
伏流だがとても雰囲気の良い場所で、樹々の新緑に癒される。
ここまで来れば、沢沿いに秩父林道へ出られることを知っているので最悪の状況は脱出したと言っていいのだろう。
沢又沢からはピンクテープがしっかり道案内をしてくれ難なく中川林道に降り立つ。
林道の先も崩落によりわかりにくいが降りてきた道の延長を探れば次第に道は幅広く明瞭になり朝通った祠にドンピシャリ出て短くも厳しかった川浦谷林道は終わった。
ところで百間橋の所在だが、前述の追憶文の中にある図から判断すると、シアン谷から檜尾根間のルンゼ越えに架かっていたようである。
実際に百間(約180m)あったのか、和美のご主人は「九十九里浜と同じ、長いことの喩えで実際にはそんなに無かった」という。
今となっては想像するしかないが、崖沿いに架けられた長い木橋を通って、杣人たちが川浦谷の奥へ奥へと入っていったことは間違いない。
秩父林道から塩地平まで歩き通せたことになり感無量である。
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