那須:牛ヶ首,姥ヶ平,沼原湿原,白笹山,南月山


- GPS
- 08:25
- 距離
- 16.2km
- 登り
- 1,130m
- 下り
- 1,144m
コースタイム
- 山行
- 6:38
- 休憩
- 1:48
- 合計
- 8:26
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
良く整備されており特に危険な個所は無かった。 |
その他周辺情報 | 北温泉:ロープウェイ駐車場から車で6,7分の駒止の滝駐車場に駐車して,下りの舗装路を400m歩く。700円。8:30〜16:30。日帰り入浴は「天狗の湯」のみ。シャンプー,石鹸の類はないので持参か,売店で。 |
写真
感想
雨の合い間に1日だけ晴天が来そうなので,久しぶりに那須岳へ。これまで歩いたことのないルートとして,沼原湿原や南月山などを巡った。
深夜1時前に自宅を出発するが雨が降っている。途中の高速道路でもずっと降りっぱなしでいささか天気が心配だが,予報を信じてひたすら走る。那須ICの辺りから小降りとなり,那須高原線を走る頃には止んでいた。ロープウェイ駐車場には4時少し前に到着し身支度を整える。駐車場には他に1台も居らず,時折,脇の道路を車が登って行く。駐車場を少し行ったところでテンが佇んでいるのを見つけたが,2,3秒して目が合うと近くの茂みに隠れてしまった。野生のテンを見るのは初めてなので何だか嬉しくなる。
駅の脇を通って山道に入り,直ぐに峠の茶屋に着くと,駐車場は多くの車で埋まっていた。ここを起点にする人が大半ということか。気温は8度程度とそれ程低くはないが風が冷たく,セーターの上に雨具まで着こんで登る。朝日を浴びる茶臼岳,朝日岳を間近に見ながら快適に進み,峰の茶屋跡の小屋脇で風を避けながら,小休止する。
ここから牛ヶ首方面の道を辿る。特に悪いところもなく,「無限地獄」に上がる煙を見ながら姥ヶ坂に到着。すぐ下に姥ヶ平の広場が見えており,茶臼岳の影が落ちていた。20分弱の下りで姥ヶ平に到着する。広場にベンチが幾つか置いてあり,景色を眺めながら休憩するには格好の場所だ。秋の紅葉が綺麗なようなので,再訪したい所だった。
ここから僅かな処のひょうたん池に立ち寄ってみる。木道が通じているが,所々で支えの杭がぐらついていたり,両脇の木から枝が路の上に張りだしていたりで慎重に歩く。手前にある樹木が茂っていて,ひょうたん池自体はあまり良く見えなかったが,大きな声でカエルが合唱していた。
元の路に戻り,再び沼原方面へと進む。樹林帯の路で風もなく気温も上がってきたので,三斗小屋への路の分岐でセーターを脱ぎ半袖になる。路は良く整備されて歩き易く,鳥のさえずりを聞きながら一人静かに歩けた。日の出平の登山口では更に雨具を脱いで身軽になる。気持ち良く歩いている内に沼原湿原の木道に出た。直ぐの所に休憩舎があったので一服する。
案内板を見ると,湿原を周回する木道が敷かれているので一周することにする。ズミの白い花が方々に咲いており,背景の緑に映えて美しい。カエルの声が大きく,池塘にはものすごい数のオタマジャクシの群れが見られる。何匹かのサンショウウオも見かけた。小さな湿原ではあるが好天も相まって気持ちの良いひと時を過ごせた。駐車場が近いこともあってか,軽装の人たちの姿も結構あった。
広い駐車場には,20〜30台が停まっていた。駐車場の脇にある車道の終了地点から白笹山への登山路は始まっており,両側に藪が茂る幅広の路だった。ここに入って1分も進まないうちに,近くの茂みでガサゴソと何か大きな動物が動く気配がする。もしや熊かと思い,「オーイ,オーイ」と声をかけてみるが反応はなく,相変わらずガサゴソ。ここは引返すべきか,静かに通り過ぎられるかと1,2分迷っていたが,もうすこし先の茂みでもガサゴソと音がしだす。これは逃げ出そうかと2,3歩後ずさったところで現れたのは,山菜取りの年配の女性だった。こちらに気付かないようなので,後ろから挨拶の声をかけるが反応がない。横に並んだところで気が付いたようで,少し耳が遠い方のようだ。何はともあれ,ホッとして先へと進む。
古いガイドブックには白笹山手前辺りは藪が煩いと記載されていたが,実際には下刈りされていて難儀する箇所は無かった。何時もながら,整備して頂いている方には感謝。途中には,シロヤシオ(ゴヨウツツジ)等が咲いていて,遠方の山並みをバックに一幅の絵のようである。先ほど歩いた沼原湿原も小さく望める。白笹山頂上は周りを樹木で囲まれており,眺望がないため,写真だけ撮って通過する。
路の脇に咲く高山植物や,時々,樹間から見える山容を眺めながらのんびりと歩いている内に南月山(ミナミガッサン)に到着する。視界が開けていて,牛ヶ首や茶臼岳が手に取るように望める。ベンチもあるので,腰を落ち着けてコンビニおにぎりをほうばりながら一休みする。ここから日の出平までは稜線上のざれた道を進む。左手には,先ほどまでの姥ヶ平やひょうたん池が見え,正面には無限地獄の煙が見える。日の出平からは背の低い樹林の中を進むが,牛ヶ首は再び,周りに遮るものが何もない砂礫の広っ原で幾つかのベンチがある。少々,風が冷たいが,眼前に迫る迫力満点の茶臼岳を眺めながら,最後の休憩を取る。
ここからロープウェイの山頂駅まではアッと言う間だが,途中で白いイワカガミを見かけた。イワカガミはピンクだと思い込んでいたので,間違いかと思ったが,形状は全く同じである。後で調べるとそういう品種があるようだ。茶臼岳に寄っていくことも考えたが,過去に2,3度登っているし,人で一杯そうなので割愛して駅に直行する。待ち時間20分ほどでロープウェイにて下山。結構,満員に近かったが,登山姿の人は1割程度か。数分の乗車で片道1,200円は少々割高感があるが,膝の調子を考えると止むを得ない出費と割り切る。朝は1台も居なかった駐車場も7割がた埋まっていた。
お楽しみの温泉は,これまで行ったことのない北温泉とし,車で10分弱を下る。「駒止ノ滝」の駐車場に車を停め,そこから約400mの舗装路を下る。傾斜が結構あるのでゆっくり歩いて7,8分かかった。最初に目に入るのが屋外にある大きな温泉プールで小さな滑り台などもついているが,入浴者はいない。建屋はかなりの時代を感じさせるもので,中に入ると更に時代がかった雰囲気になり,玄関を入ったところにある休憩所の様なところには2,3人の宿泊客らしき人達が寛いでいた。受付のおばちゃんに700円を払って,薄暗い廊下を辿って行くと,仕切りも何もない浴場に突き当たった。小さな湯舟の周りには3つの巨大な天狗の面がかけられている。まるでつげ義春の漫画の世界だなと思って,後で調べると実際に何度か訪ねていたようだ。フロント(?)周りに古民具が並べられていたり,明治時代の軍人の一覧写真があったりと,ほんとに面白い。ここを起点にした三本槍岳への登山路もあるようだし,今度は宿泊してみるのも面白そうかと思った。
今回は少しマイナーな那須岳を十分に楽しめた。未だ訪れていない三斗小屋温泉も含めて,紅葉の頃に再訪したいと思った。
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