飯豊山


- GPS
- 15:14
- 距離
- 21.8km
- 登り
- 2,016m
- 下り
- 2,106m
コースタイム
- 山行
- 5:16
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 5:43
- 山行
- 8:41
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 9:30
天候 | day1 晴れ。昼過ぎからガス。雨はなし。 day2 2:30時点で満点の星空。6:00ごろまで雲なし。6時過ぎたら大日岳あたりから雲がかかり、8:30にはかなりガスっていた |
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過去天気図(気象庁) | 2024年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雪渓歩きはあるも踏み固められており、アイゼンは不要 |
その他周辺情報 | いいでの湯は大変混んでいそうだったので回避。安達太良山方面の硫黄泉を目指すも、連休だからか日帰り入浴受け付けていなかった…電話すべきだった。 |
写真
感想
本来は尾瀬歩きの予定が、天気を考慮して直前に飯豊山に変更した。元々は7/20-22で行く予定だったのを一週間早めた形。
考えることは皆同じのようで、駐車場は首都圏から東北、北陸まで様々な車で溢れていた。途中、草刈りの方は300人くらい通過していったのではないか言っていた。実際、前日に宿泊予約すべく切合小屋に電話したら、満員だからテントの方が良いよと言われた(結果正解だった、富士山の山小屋以上に寿司詰めな印象だった。)
久々のテント泊装備に加え、暑さと湿気でペースが中々上がらなかった。0.8倍ペースで計算していたが、そこまでは追いつけなかった。日帰りピストンする人もいるようなので、コースタイムの偏差値が高いのかもしれない。登りであんなに追い抜かれたのは初めて。
【教訓】ロングコースでテント泊装備の時は、1.0倍のコンサバなコースタイムで計画するべし。
深い飯豊、の意味を身をもって体感した。山を越えても越えても、飯豊連峰が見えてこない。横峰、剣ヶ峰、三国岳、駒返し、種蒔山までたどり着くのも一苦労なのに、景色はほとんど変わり映えしない。なんでこんな辛い登山に来てしまったのか、と内心辛かった。(正直、丹沢を延々と歩いてるのと変わらないぞ、このまま退屈な樹林帯の感じだったらどうしようと思っていた…)
連れも足を攣ってしまうなど、互いに満身創痍だった。やっとの思いで切合小屋まで着いたとき、ようやく飯豊連峰が姿を現してくれた。この時は感無量だった。別の人が、双六岳と同じ展開だと言っていたので、小池新道もこんな感じなのだろうか。テント場では同郷の山屋さんたちが設営を手伝ってくれてその温かさに心が洗われた。一瞬だけ霧が薄れて、飯豊連峰をうっすら臨むことができた。なおこの時、飯豊本山と思っていたピークは、そうではなく手前の飯豊山神社のものだった。本山はどれだけ遠いんだ…。
連れの提案で2:30出発。これがビンゴで、ご来光も稜線の晴れ間も完璧なタイミングだった。ナイトハイクに抵抗はあったものの、樹林帯でなければそこまで恐怖心は無かった。day1とは打って変わり、高山植物をたくさん発見することができた。
草履塚まで登って初めて、本山を拝むことができた。確かに、ここで草履を脱ぎたくなる。それだけ本山が遠く偉大に感じられた。決して最高峰ではないし、単体の山容としては大日岳の方が目立っているように思われるが、ここまで喘ぎながら登ってきた身からすると、ようやくお見えになる本山こそがこの連峰の代表なのだと感じられた。
御前坂から振り返ると、あまりに険しい稜線であったことがわかる。谷川岳でよく撮る写真の背景の稜線を歩いてきたのか、と思うとその険しさも一際になった。そして、これでもかというほど飯豊山神社には辿り着かなかった笑。
飯豊山神社を越えてからは、イイデリンドウ探しと稜線歩きの楽しみとで忙しかった。ほんとうに目を凝らしながら歩いて、一輪だけだけ咲きかけている種を見つけることができた。8月になればもっと咲くのだろうが、暑さ的に乗り越えられる気がしない。同じく、飯豊山荘の方まで縦走するにはまたまだレベルが足りないと痛感した。
高山植物も、もちろん長大な飯豊連峰の稜線も素晴らしいものであったが、それ以上にスピリチュアルな良さを感じた山行であった。出来レースで計画して、余裕でピークを踏むのではなく、悪戦苦闘しながら、無理かなと思いながら、それでもようやく辿り着く、という登山本来の良さを感じられた。修行の山は、それに応じた楽しみ方、良さがある。三国岳から御西岳まで細長く福島県になっているが、これだけ険しくも魅力的な山だと、昔から登山信仰のあった福島県に属しているのも納得感がある。
ちょうど同じ信仰の山であり、自分にとっては地元の山でもある男体山に初心者時代に登頂した時のことが思い出された。男体山も、延々と辛い急登を繰り返し、もう無理だろこの岩場…(初心者目線)というのを乗り越えた先に一気に景色が開け、目下に中禅寺湖が広がる感動があった。いまでもその時の感動は鮮明に覚えている。レベル的には男体山も余裕で登れるようになってしまったが、それと同時に苦労する登山の良さも忘れてしまっていた。飯豊山はそれを思い出させてくれた。
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