篠山〜伊土国境の由緒ある山をさくさく〜
- GPS
- --:--
- 距離
- 1.7km
- 登り
- 278m
- 下り
- 274m
コースタイム
- 山行
- 0:30
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:30
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
・9/18(金)東伏見駅+++高田馬場駅+++東京駅+++(夜行寝台サンライズ瀬戸) ・9/19(土)+++高松駅=高松西IC=[高松自動車道][松山自動車道][宇和島道路]=宇和島IC=津島集落=篠山第一駐車場 [復路]篠山駐車場=宿毛(国民宿舎「椰子」) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・ルートは明確、指導標もあり全く問題ありません。 ・第一駐車場にはトイレがあります。 ・4〜5月のアケボノツツジの季節には駐車場が満杯になるようなので早めの到着が必要です。 |
その他周辺情報 | <アクセス> ■列車<サンライズ瀬戸> ・出発日の1ヶ月前の日の午前10時からみどりの窓口で販売開始する。 (カミさんに並んでもらい10時ピッタリに購入した) ・東京駅は9番線から22:00出発、7:50高松駅到着。 ・当日はシルバーウィーク初日ということもあり満室。 ・シャワーやタオル販売などは過去にあったらしいが、今はない。 ・オープンスペースなので財布の盗難や女性への痴漢行為などが若干心配。 ・乗車券(東京23区内〜高松駅)11310円 ・特急券3240円 指定席券520円 合計15070円 ・JRレンタカーと同時購入するとJR線運賃が2割引き、特急料金1割引となる。われわれはレンタカーがJRではなかったので、割引なし。 ■レンタカー<オリックスレンタカー> ・高松駅前西の丸店(087-822-3901)は、駅前徒歩1分にあり超便利。 ・高松駅前店で借り、高松空港店(087-840-5288)で返却とした。高松空港店〜高松空港間は無料のマイクロ送迎付きで快適。 ・Vitzクラスで8日間で41800円。 <宿泊> ■公営国民宿舎「椰子」 高知県宿毛市大島17-27 電話番号:0880-65-8185 http://www.sukumo-yashi.jp/index.html ・宇和海を望む大島の西斜面に建てられたている。部屋のカーテンを開けると素晴らしいオーシャンビューが望めます。お風呂も同様のオーシャンビュー。リーゾナブルな価格の割に満足度の高いお宿です。夕食は宿毛なのにどういうわけかカツオが出ませんでした。焼酎「土佐藩」を呑みましたが絶品でした。朝食は朝取れの生卵を有料で売っていました。 <日帰り湯>(自分は行っていません) ■一本松温泉 あけぼの荘 日帰り湯 510円 愛媛県南宇和郡愛南町増田5470番地 電話:0895(84)3260 http://www.town.ainan.ehime.jp/kanko/sightseeing/shukuhaku/akebonoso.html ■道の駅 津島やすらぎの里 日帰り湯 650円/人 愛媛県宇和島市津島町高田甲830−1 電話:0895(20)8181 http://www.yasuragi-egao.jp/ ■祓川温泉 日帰り湯 300円/人 愛媛県宇和島市津島町槙川203-1 電話:0895(36)0333 http://www.uwajima.org/onsen/ ■アケボノツツジ / 曙躑躅 高さ2〜6メートル。4月から5月に枝先に直径約5cmの桃色の花が咲きます。本州の近畿地方以西と四国、九州の山地に分布しています。変種のアカヤシオはアケボノツツジに似ていて花の白いものをユキヤシオといいます。 ■ミヤコザサ / 都笹 日本特産。茎の節が球状に腫れているようになっているのが特徴。冬には葉に白い縁取りが出ます。葉は薄くて柔らかく裏に毛があります。北海道、本州太平洋側、四国・九州に分布。京都の比叡山(ひえいざん)で発見されたのでこの名があるそうです。 http://blog.goo.ne.jp/gooyamachuu/e/74da12b7408ae7661e30386ddb86c289 |
写真
感想
四国100山である篠山---名前も特徴的ではないし、篠山駐車場からだと山全体の姿が望めない上に30分で登れてしまい、どうしても味わい深い印象ということになりません。
しかし、蓮華座と呼ばれる頂上ドームは、古来、神仏のおわします場所であり、遍路者にとっての大切な祈祷の場所であり、地元民から「おささ」と呼ばれて愛されてた山です。
『四国遍礼名所図会』には「雲に御するが如く篠一面にはへ、小さき枯木ばかり也、不思議の山也」と記されていて、遍路者の関心も昔日からひいてきました。
頂上には篠山神社と中腹には観世音寺がかつてあって神仏混淆の霊山として歴史を刻んできました。観世音寺には用命天皇の勅願所があって、後に平城天皇の時代の大同元年(806年)に弘法大師により開山されたといわれています。
大月町にある月崎神社とともに四国八十八ケ所の番外札所ともなっており、第40番「観自在寺」の「奥の院」として巡礼の旅人は絶えなかったといいます。
元禄2年(1689)刊『四国徧礼霊場記』によると篠山観世音寺と篠山権現について「此山、南は蒼海漫々として天水つらなり、東は高山かさなり、雲常に起り、西は千嶺めぐり、九州目下に見ゆ。坂をのぼる事壱里也。大師のひらき玉ふと也。寺を観世音寺と名く、本尊十一面長五尺。山上は三所権現といふ、熊峰の神にや。わきに池あり、中に矢筈の形なる岩あり、まはりにささ竹繁し。霊異の事をいひ、諸病に用ゆ、皆験ありといふ。別して馬のやむによし。此所札所の数とせずといへども皆往詣する霊境なり。」と記して札所の番外ながら篤い信仰を得ていたことが分かります。
篠山は、麓からチャレンジする山というよりも歴史を想いつつ祈りを込めて寄り添う山という方が相応しい山なんだろうと思います。
四国に馴染みのない人は模式的に地図の左上(北西)が愛媛県、左下(南)が高知県ということを頭に描きがちですが、よく見てみると、愛媛は広く、宇和島までずっと垂れ下がっていることがわかります。
そして、四国の”左下”にありながら、愛媛と高知の国境にあるのがこの篠山です。
江戸時代の明暦年間、土佐藩と宇和島藩は、篠山と宇和海にある沖の島との2ケ所で熾烈な国境争いを演じていました。
宿毛市のHP見ると、この篠山周辺で住民たちが伐採した木の取り合いをしたり、見張りをつけたり、その見張り番所を壊したりという諍いが書かれています。
『愛媛県風土記』には、宇和島・土佐両藩の国境紛争について、「遠く明暦2年(1656)土佐藩との間に篠山の境界を巡る紛争にまで発展して以来、万治2年(1659)、時の老中松平伊豆守の裁定により国境を決定し、同時に篠山権現の神主は土佐側から、観世音寺の別当は伊予側から出し、お堂やお宮は両国共有のものとして伊予側の正木村庄屋を篠山権現の大檀那頭人とすることにより解決を図った。」と記されています。
最終的には、沖の島では土佐藩の主張が認められた代わりに(今でも沖ノ島は宿毛市となっており一応、高知県に所属しています)篠山では宇和島藩に有利な裁定がもたらされたようで、わずかな面積の取り合いですが、当時は両藩のメンツを保ちながらの判断がとても重要だったようです。
いま山頂には明治六年(一八七三)建立の「南伊予国・北土佐国」の国境の碑があり、国境争いがあった昔日を伺うことができます。
国境の目印としてうたわれた直径二mたらずの矢筈の池もありました。
高松から高速道路を飛ばして、さらに地道を走って、林道を進むとやっと篠山スカイライン第一駐車場です。
林道は狭く対向車が来ないかヒヤヒヤしていたが、幸運なことに一台も来ませんでした。
頂上は駐車場からは30分の距離。
途中、第二駐車場との合流点では、観世音寺の跡に出て脇には丸いカタチをした歴代の住職の墓もありました。
篠山の頂上にたつと、それはそれは素晴らしい景色が拡がっていた!
こんなに簡単に頂上にたっていいの?と申し訳ない気持ちさえしたサクサク登山でしたが、静かな山頂にたちながら、長い信仰の歴史に思いを馳せていました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する