記録ID: 7437589
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無雪期ピークハント/縦走
白神山地・岩木山
白神山地 白神岳(蟶山直登↑二俣コース↓)〜1156m峰、核心地区
2024年11月01日(金) 〜
2024年11月03日(日)


体力度
5
1泊以上が適当
- GPS
- 33:01
- 距離
- 20.1km
- 登り
- 1,995m
- 下り
- 1,988m
コースタイム
1日目
- 山行
- 4:30
- 休憩
- 0:14
- 合計
- 4:44
距離 6.4km
登り 1,077m
下り 38m
2日目
- 山行
- 11:11
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 11:33
距離 4.2km
登り 215m
下り 501m
天候 | すべて曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山口から少し行ったところに登山ポストあり。 蟶山直登コースは、途中お助けロープがあったり、踏み跡が残るところもあり、ヤブもほとんどなく問題なく登れる。 途中、後ろに日本海、深浦や能代が段々と見えてくる。 蟶山からは一般道で刈払されており問題ない。 山頂手前に更に少し高いピークがあるが藪の中。 また、白神大権現の祠がある。トイレに避難小屋もあり、こちらは新しく、青森ヒバ?の良い香りがした。銀マット多数あり。3階から入れるハシゴもある。 白神岳山頂への最後の上り手前から少しヤブ化した谷を少し下れば水場があり助かった。 白神岳から先の向白神岳への稜線はずっと笹ヤブ、枝ヤブ、踏み跡なんかないしピンクテープや標識もない。エントリーはトイレ横より、細かく稜線部分を忠実に上り下りした方が楽に進める。稜線はドコモがつながった。 遅々として進まず、分けても分けても終わりがないので心折れそうになる。 雪が積もっているときじゃないと到達は難しい。 夕刻迫り、1156m峰までで進出は諦める。 核心地区の指定コースから少し外れるが、水もなくなってきたので、沢に降りてみることにした。木や笹を掴みながら急斜面を降りて小さな谷筋に着く。ここから小さな谷を下ると水が出て始めたので汲む。谷に入ると電波も入らない。 さらに下がれば指定ルートの三の沢に至るのでぴょんぴょん下っていった。途中、1m程度の段差や小滝がいくつかあったが、戻って来れるかを考えながらおりていった。苔があり滑りやすい岩で滑ったりしつつ、いつしか大胆に飛び降りたり軽く転んだり、気づけばいくつもの岩壁や沢の分岐を降りてきてしまった。谷の左右には壁のような土と岩の斜面が両側に迫り、これは登れないし岩が落ちてこないか心配なゴルジュだった。 日も暗くなるころ、何とか横になれる平地が沢水横にあり、直接の落石もなさそうなのでそこで幕営した。念の為、ヘルメットを被って寝たが、何ら落石がなかったので途中から脱いでしまった。疲れていたので、冷静になって悪いケースを受け入れられない状態だった。 お腹を満たし横になって今後のことを考えた。このまま下って三ノ沢に合流して追良瀬川を遡上し白神岳に登るパターン、その場合、沢を歩けば稜線のヤブよりは楽だし速いだろう。核心地域の沢を歩いてみたかった。でも、三ノ沢までもまだまだあり、川に会合するまでにまだどんな滝があるか分からず、進めなくなったときに戻って来なくてはならない。それからあの稜線を戻るのでは時間切れになる。それにあの稜線のヤブをまた何時間もかけて戻るのか…。それより飛び降りてもいいからどんどん下って行けば追良瀬川にぶつかる、それならあのヤブを行くこともない。でも、遡上に時間がかかれば明日中に白神岳に戻ってこれなくなるかな。 でも待てよ、これって遭難するパターンじゃないか。どんどん沢を下り滝で下れなくなり上れもしなくなる、無理してケガする、電波も届かない、食料が尽きる、と気づき、冷静に判断することにした、白神山地の渓谷を歩きたかったけど、あの藪道を何時間もかけて帰りたくないけど、いま大事なのは命を大切に生きて帰ること。改めて、下ってきた谷を登り返せるか思い出した。大丈夫いける、多少は濡れても沢靴に変えて登れば大岩や小滝を越えられるだろう。場合によっては空身で登ってロープでザックを引き上げればいい、心配だけど今は寝ることが大切だと言い聞かせ、幸い雨の予報もないので安定した沢の水音を聞きながら眠りについた。 翌朝、明るくなってくると渓谷の様子もよく見えてきて、さらに登り返す自信が出てきた。 少し登っていくと、脇にそびえる土壁が尾根につながっていて、立ち木も見えた。ここなら登れそうだ。不安定な谷の岩を登るより、ここを登ったほうが安全だろう。地図を確認して尾根が1156m峰につながっており急斜面の崖がないことを確認して急な斜面を足場を確認し枝を掴み一歩一歩登って行った。ここで滑らせたら岩の谷に飲み込まれるし、もう後戻りして下ることは危なくてできない。慎重に慎重を重ねルートを選び、足場を確保し登り続けると、ようやく斜度も落ちつき、手がかりになる木々も多くなり、ようやく一安心できた。途中からヤブをかき分けて登ると、とうとう稜線に戻ってきて安できた。 さあ、ヤブの稜線を帰ろう。往路と同じ時間がかかるだろうから日没までに白神岳に戻れるだろう。 帰りは少しはヤブのルート選定がうまくなり案外楽に進むことができた。無心になってヤブを漕ぎ夕暮れ迫る頃、ようやくヤブの先にトイレ脇の一般道が見えた。終わった…。もともとヤブの道しかなかったはずなのに、それを切り開いて歩きやすくしてくれた多くの方に感謝。人間の冒険心やフロンティア精神に感服した。 白神岳山頂に行き、二股コースを下りた。都合3日連続同じピークを踏んだことは初めてな気がする。 二股コースは初めて急斜面をお助けロープ手がかりに降りていくのでスリップ注意。その先は暗くなっていたので足元は付近しか見えなかったが踏み跡もある一般道のようだった。ふと見上げると、晴れてきて澄んだ星空がとてもきれいだった。二股に着くと河原の水路は地図とズレているので注意、山道につながるところを間違わなければ河原はどこを歩いても良いし、大雨でなければ渡渉も苦労しないだろう。山道に入ってからは沢を避けるように曲がったり上り下りしたり、踏み跡が落ち葉に隠れていたり、斜面に作られた道幅が狭くなっていたりして注意が必要。特に細くなっている道は一歩半分しか幅がないところもあり、踏み外すと谷に落ちそうになるところもあるので注意。沢を渡った先にある道が半分崩壊したり落ち葉で分かりにくいところもあるが、よく見ると地図通り対岸にある。 |
その他周辺情報 | 近くのお殿水は津軽のお殿様が甘露カンロとおほめになさった名水。たしかにほんのり甘くおいしかった。 |
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あこがれも千里の道も生きてこそ
ヤブ分けて知る 優しさ強さ
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