紅葉の水平歩道 欅平〜阿曽原温泉往復



- GPS
- --:--
- 距離
- 24.0km
- 登り
- 3,964m
- 下り
- 3,754m
コースタイム
10/19
07:15 欅平
08:01 パノラマ展望台
09:36 蜆谷
10:52 志合谷
11:21 大太鼓周辺
12:48 折尾谷
13:03 折尾大滝
15:09 阿曽原温泉小屋
10/20
06:53 阿曽原温泉小屋
09:02 折尾大滝
09:19 折尾谷
10:42 大太鼓周辺
11:16 志合谷
13:15 パノラマ展望台
14:15 欅平
天候 | 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
北陸新幹線で「黒部宇奈月温泉」駅へ http://www.jreast.co.jp/train/shinkan/hokuriku.html 「黒部宇奈月温泉」駅から徒歩数分で富山地方鉄道(富山地鉄)の「新黒部」駅。そこから「字奈月温泉」駅へ http://www.chitetsu.co.jp 富山地鉄「字奈月温泉」駅から徒歩数分で黒部峡谷鉄道「字奈月」駅へ。そこから「欅平」駅へ http://www.kurotetu.co.jp 黒部峡谷鉄道のトロッコ列車、乗るだけで童心に戻れます。 字奈月>欅平は進行方向右側、欅平>字奈月は進行方向左側に座ると、川側なので写真など撮りやすい。時間帯によっては、トンネル通過時などに寒いので、寒さに弱い人は一枚羽織れる準備を。 トロッコ列車は全て予約制。海外からの観光客にも人気のようだし、シーズンの週末だと大型バスが何台も連なって各地からやって来るようなので、混み具合によっては目的の列車に乗れない場合もあり得ます。要注意。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
水平歩道の状況は、阿曽原温泉小屋ブログに詳しいです。随時チェック。10/21時点の情報によると、2015年シーズンは通り抜け不可、ほぼ確定のようです。 http://azohara.niikawa.com 阿曽原温泉小屋の露天風呂には石けんおいてありました。トイレも水洗(ペーパーは箱へ)、水が豊富な場所は良いですね。 初めて行く水平歩道、インターネット上の情報や山ガイド・雑誌などから受ける印象に比べて、山慣れしていて高所恐怖症でなければ、大きな問題なく通過できると感じましたが、もちろん油断は禁物。一見よくある登山道に見えても、高度が違うので、つまずいて落ちたら確実に重大事故となる場所多数。「黒部に怪我人なし」(事故があったら怪我では済まない)という昔からの格言を肝に銘じながら進みました。 行く前は、水平歩道核心部の "大太鼓" のような場所が長時間続くと想定していたので、体調急変時や不測の事態に対応できるように、ハーネス・スリング・カラビナを用意しました。結果的には、積極的に使う必要ありと思った場所はありませんでした。また、ヴィア・フェラータを経験した事がある人は、ワイヤーに2個のカラビナを付け替えつつ進むイメージを持つかもしれませんが、それも不要です。 装備 - ヘルメット: 必携。同行者も自分も、一、二回がっつり天井に頭をぶつけ、ありがたみを知る。落石も多そうだし、行き交った他の登山者さんも8割は装着していた印象。 - ヘッドランプ: 必携。途中の志合谷トンネルは150mほど真っ暗。 - ハーネス・スリング・カラビナ: 非常用に持参しましたが、今回は使う場面なし。 - 登山靴が入る大きさのビニール袋: トンネル内で水量が多い場合があるとのことで持参。今回は使う場面なし。 - 国土地理院2.5万分の1地図: 例えば山と高原地図などだとルートの詳細が現場で見にくいので、今回持参。重宝しました。 - グローブ: 所によって番線(針金)を伝わりながら歩くので、あった方が便利。素手の感覚を大事にしたい人は不要。 - ストック: 水平歩道上では突き損なってバランスを崩したりするリスクが高いので、個人的には、使わない方がよいと思います。ただし、普段使いしている人は、欅平〜水平歩道、阿曽原温泉〜水平歩道の上り下りがそこそこ標高差あるので、一本でもザックの中に入れておくとよいかも。 - ザックの外にはあまりモノをぶら下げず、中に収容。 - 荷物はできるだけ軽くするのが吉。欅平駅の外にコインロッカーあり、駅が開いていない時間帯でも使えるので便利。 - 意外な盲点だったのが、欅平駅で朝に調達しようと思っていた水のペットボトル。外にある自動販売機は全て水が売り切れ。駅が開いていない時間帯だったので、外の自動販売機で、仕方なくアクエリアスを調達。水は宿泊場所で用意しておきましょう(笑) 行く前は、大太鼓のような場所が長時間連続すると想像しており、どうやってすれ違うものかと思っていましたが(いざというときに確保出来るように装備した理由の一つ)、全体的に、一部の箇所(大太鼓付近等)を除けば、すれ違いで困る場所ではなかったです。 個人的な印象として、三大リスクは、 1. 油断。ちょっとつまづいてバランス崩して落ちたらアウト。長時間集中して歩く必要があるので、子供はやめた方がよい。また、自分のザックが壁に当たって谷側に押されたり、他人のザックが不意に体に当たって谷側に押されたり、というのは気をつけたいところ。 2. 頭上注意。(ヘルメット被れば、ある程度ぶつけても安心) 3. 急な体調不良など、不測の事態。途中にエスケープルートはないので、万全の体調で。 |
その他周辺情報 | 下山後は、トロッコ電車を途中下車して黒薙温泉で、と考えていたが、日帰り入浴は16:00までらしく、黒薙駅で降りようとしたら、「もう閉まっているから、降りられるのは泊まり客だけですよ」と駅員さんから教えてもらい、降りようとした列車に速攻で戻る(笑) 字奈月駅到着後、駅のインフォメーションで教えてもらい、近場で時間的に可能なのは、フィール字奈月、と宇奈月温泉会館のみ。駅から近いフィール字奈月を選択、歩いて数分、540円。十分でした。 http://www.f-unazuki.net 山行前もしくは後に、是非、映画や小説で楽しみましょう。 - 映画「黒部の太陽」三船敏郎・石原裕次郎主演 https://ja.wikipedia.org/wiki/黒部の太陽 - 小説「高熱隧道」吉村昭著 https://ja.wikipedia.org/wiki/高熱隧道 - トロッコ駅近くの黒部川電気記念館、低年齢層向けの展示だが、15-20分程度で簡単に知識を仕入れるには便利。無料。 http://www.kepco.co.jp/corporate/info/community/pr/kurobe/ - 欅平駅内に、高熱隧道冒頭の原稿(レプリカ)と吉村さんが使っていた万年筆が展示してあり興味深い。 |
写真
感想
久々のレコ登録、今回の目的地は、水平歩道の先、阿曽原温泉。
温泉好きとしては、以前から気になる場所で、お湯に浸かりに行ってみたかったのですが、今回やっと実現しました。
今シーズンは、下の廊下の通過ができず、このままシーズンが終わりそう。そのため、例年だと紅葉シーズンは激混みのようですが、小屋は空いていました。テン場には2張のみ、小屋では一般客12名、撮影隊(2チーム)と出演者が15名ほど。ただし、撮影機材収容等でスペースを取るようで、空いてはいましたが、一般客10名は一部屋に入りました。とはいえ、布団一枚に人ひとりは余裕、この時期としては破格の空き具合だそうです。
お目当ての露天風呂は、小屋から5分程度下った場所にあり、脱衣場もなくワイルドでしたが、湯加減もほどよく、とにかく最高。特に、夜、他に誰もいない真っ暗な闇の中で、満天の星空を眺めながら入ったのは、一生ものの体験。
小屋のご主人佐々木さんは、山番組などでお見かけしていましたが、とても気さくな方でした。山男風ですが、お客さんの様子にさりげなく目を配っていたのが印象的。
夕食後はビデオ上映。昭和28年に撮影された下の廊下探検ものを20年以上前?にNHKが紹介した番組のようで、撮影当時の映像も驚くことにカラー映像。ただし、当時の機材では音声を同時に録音できなかったので、語りは後から追加していた模様。戦後十年も経っていない時期の下の廊下踏破記録、非常に興味深かったです。
好天。紅葉。日常離れしたルートと景色。山友。所々で出会った、気持ちのよい登山者さん達。日々黒部を守ってくれているプロ集団。
小説や映画などで知っていたとはいえ、現実のスケール感や非日常感は凄い。紅葉も素晴らしく、また、幸か不幸か、今シーズンは下の廊下の通り抜けができないため、例年に比べ登山客はかなり少なめのようで、道も小屋も空いていて快適。
黒部峡谷を切り開いて来た先人達に感謝しつつ、欅平へ下山して、今回の恵まれた山行を締めくくりました。
以前読んだ吉村昭さんの「高熱隧道」読み直そう。
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