【安達太良】奥岳登山口〜薬師岳〜安達太良山(乳首)


- GPS
- 04:39
- 距離
- 10.8km
- 登り
- 775m
- 下り
- 786m
コースタイム
- 山行
- 4:24
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 4:39
天候 | くもり時々はれ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
奥岳登山口から薬師岳コース入り口まではスキー場の脇を通ります。詳しくはあだたら高原スキー場の登山者向け案内(リンク先)を参照のこと https://www.adatara-resort.com/ski/pdf/top-fuyu-tozan-2.pdf 今回は最初からチェーンスパイクを装着。トレースが付いているので五葉松平〜薬師岳〜仙女平分岐あたりまでは問題なく前進可能です。1519mピークの少し先で樹林帯を抜けるので、ここでチェーンスパイクから12本爪アイゼンに換装。そこから山頂まではほぼ一直線ですが、地吹雪でホワイトアウトしたためトレースがよくみえず、たびたびコースアウト。踏み跡を逸れるとたちまち腰まで沈み込みます。晴れていれば何てことないところですが、この日のコンディションなら、いっそ山頂までの往復はワカンに履き替えた方が良かったかも知れません。勢至平方面への周回ルートも考えましたが、吹雪の中では現在地の把握が困難だろうとピストンに。それでも気を抜くとあらぬ方向に進んでしまいそうになるのでGPSでの現在地確認は必須です。 |
その他周辺情報 | 岳温泉での宿泊は「mt.inn(マウントイン)」さん。アウトドア愛好者向けのよい宿です。滞在中は温泉に入り放題なのが嬉しい。下山後の温泉は登山口の「あだたら山 奥岳の湯」へ。通常700円JAF優待で650円 |
写真
感想
【岳温泉に前泊】
1月20日から21日にかけて福島県は二本松市にある岳温泉に泊りに行ってきました。1月19日から3日間の休みを確保していたのですが、具体的な山行計画は直前まで決まらず、初日は日光の雲竜渓谷に行くことに。この時に思いのほか疲れてしまったので、2日目(福島旅行初日)は移動と休養の日としました。温泉に行く前には郡山で途中下車して映画鑑賞(ガンダムシリーズ最新作ジークアクス、なかなかの衝撃作でした)を楽しみ、二本松駅からバスに乗って向った岳温泉では、宿の酸性泉の湯に呆れるほど繰り返しつかったり、のんびりとすごします。
【奥岳登山口〜五葉松平】
結局、翌日は素直に岳温泉の最寄りの山である安達太良山に登ることにしました。無雪期には何度か登ったことがありますが、厳冬期に登るのはこれがはじめてです。天気自体は前日の方が良かったようですが、嘆いたところで後の祭りです。
宿での朝食とチェックアウトを済ませ、温泉街からバスに乗り、登山口がある あだたら高原スキー場前のバス停に到着したのは午前9時頃。そこからゲイターやらチェーンスパイクやらの準備をして、歩きはじめたのは9:20頃でした。しばらくはスキー場の端の方の道を歩きます。詳しくはスキー場のHPにある案内を確認して下さい。勢至平方面への分岐を右手に見送り、急斜面のゲレンデをひたすら登ります。歩きはじめはくもり空でしたが、時折雲の合間から日の光りが差し込んできます。やがて傾斜が緩やかになり、低木帯に突入したところが五葉松平です。右手の方には真っ白に染まった山並みが見えます。鉄山(1709m)や箕輪山(1718m)でしょうか? これから向う乳首山(1699m)よりも高いピークですが、一般には乳首の方が安達太良山の山頂扱いされています。不思議です。
【薬師岳〜安達太良山山頂(乳首)】
カーブを描くように五葉松平を登っていくと、冬期運休中のロープウェイの山頂駅がある薬師岳に到着です。このあたりまで来ると目指す安達太良山の山頂(乳首)が視界に入って来ます。あとは山頂までほぼ一直線、しばらくは緩やかな登りが続きます。踏み跡は多少錯綜していますが、尾根を外さなければ迷うようなことはないでしょう。気づかぬうちに仙女平分岐を通過し、樹林帯の終わりが近づいてきたところで小休止を取ります。ダウンジャケットを着込み、魔法瓶のお湯でお茶を淹れて、岳温泉にある玉川屋山という和菓子屋で購入した くろがね焼きをいただきます。寒い中で熱いお茶とあんこの甘さが染みわたります。
休憩後、山頂付近の風に備えミドルレイヤーのフリースの上にダウンベストを1枚追加、その上にアウターのジャケットを着るという4枚重ねのレイヤリングに。足元もチェーンスパイクから12本爪アイゼンに履き替え、山頂への最後の登りに挑みます。山頂に近づくにつれ地吹雪は勢いを増し、数十m先を先行するパーティの姿も定かではなくなるほどのホワイトアウト状態になりました。途中、追い抜いてきた何組かのパーティは、その後に下山する時にも姿を見かけなかったので、おそらく撤退したのでしょう。自分も一瞬撤退が頭をよぎりましたが、GPSで確認する限り、もう山頂までは数百mの一本道です。トレースをたどればそれほど危険はないだろうと判断して、登山を継続しました。ところが、ホワイトアウトの影響で、いつの間にか踏み跡を見失ってしまいました。おそらく晴れていればそれとわかる先行者の踏み跡が、地吹雪で薄暗くなった雪面上では視認が困難になっていたのでした。ふたたびGPSで現在地を確認し、軌道修正を加えて最後の頑張りどころです。山頂直下の山名標があるところで、先行した3人組みのパーティに追いつきました。これから下山する様子で「これからどっちに下ります?」と訊ねられました。「自分はピストンで帰るつもりです。この天候じゃ、あっち(勢至平)の方は広くて迷いやすいでしょうから」と答えると「周回するつもりでしたが、その方がいいですよね」といった感じのことを言って下山していきました。一人残された自分は「ほんとの山頂」に向いました。たしか無雪期には岩山のようになっていたはずですが、雪があるので却って簡単に山頂に立つことができました。相変わらずのホワイトアウト状態で、周囲の展望はゼロでした、厳冬期の安達太良山の山頂に立てたことに満足しました。
【往路を下山】
長居をしてもしかたないので、さっさと下山を開始。登りよりは楽ですが、下山時にもたびたびトレースを外れて、踏み抜き地獄に突入してしまいます。時には腰まで沈み込みながら、ホワイトアウトを抜けると一息付けるようになりました。距離が短いのでアイゼンでゴリ押ししてしまいましたが、場合によってはワカンに履き替えた方が快適に下れたかも知れません。後はひたすらもと来た道を引き返すだけです。山頂こそ地吹雪でしたが、下山中の天気は回復傾向で、登りよりも雄大な展望を楽しむことができました。登りの大変さにくらべると、あっという間に下山を完了。登山口にある奥岳の湯で汗を流し、スキー場のレストハウスの売店でビールを買って祝杯を上げました。16:15すっかり人気のなくなったスキー場にやってきた本日最初で最後の奥岳バス停発のバスに乗り込んで、二本松駅へと向いました。
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