鳳凰山(薬師岳・観音岳) 〜2016年は白峰三山モルゲンロートで始まる〜
- GPS
- 32:00
- 距離
- 20.8km
- 登り
- 1,987m
- 下り
- 1,984m
コースタイム
- 山行
- 10:28
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 11:07
- 山行
- 7:14
- 休憩
- 3:13
- 合計
- 10:27
天候 | ◆2015年12月31日 晴れ 西からの強風 深夜から明け方にかけて雪が舞っていた ◆2016年1月1日 快晴 西からの強風→徐々に弱まる 7:52時点での気温は氷点下14.7℃ |
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過去天気図(気象庁) | 2015年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
100台ぐらい駐車可(まさに駐車場) トイレあり 登山ポストあり 飲料の自販機あり 【注意!】通行止め情報あり http://www.pref.yamanashi.jp/rindoujyouhou/kisei.php?id=4 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆積雪状況 登山口から夜叉神峠まで積雪はほとんどなし。 杖立峠あたりから積雪量が増える。 苺平あたりから南御室小屋までは雪道。 南御室小屋からの樹林帯は雪道。砂払岳から薬師岳小屋、さらに薬師岳、観音岳は雪と岩と砂のミックス。 ◆使用装備 南御室小屋まではストック。クランポン未使用。ピッケルの出番なし。 南御室小屋から砂払岳までストック+クランポン。 砂払岳から薬師岳、観音岳までピッケル+クランポン。 |
その他周辺情報 | ◆コンビニ 中央自動車道 甲府昭和ICから夜叉神峠登山口までコンビニは多数あり。 芦安入口交差点のローソンが最後。 |
写真
感想
【2015年12月31日】
年末年始を山で過ごす計画を鳳凰山と仙丈ヶ岳の2パターン考えたが、自宅を出発しても決まらず、結局は中央自動車道の釈迦堂PAで、自分たちの雪山レベルを考慮して鳳凰山に決まった。仙丈ヶ岳は1年後に登ろうと思う。
鳳凰山は2012年6月に青木鉱泉から登っているが、夜叉神峠登山口から登るのは初めてだ。目指すは年末年始営業の南御室小屋。
夜叉神峠までの樹林帯に雪はほとんどなく、ゆるい登りが続く。背負ったザックの重さはおそらく今までで最も重い。なにしろ2泊分の食糧(鴨鍋・すき焼き)が入っているからだ。正月を山で迎えるためとはいえ、ちょっと欲張り過ぎたか。夜叉神峠小屋は年末年始営業をしておらずテント1張もなく静かだ。正面には雪を纏った白峰三山が見えるビューポイント。営業していれば1泊したかった。
南面の崩壊している大崖頭山の西側を巻いた登山道を歩いて杖立峠へ。ほとんど樹林帯なので白峰三山はほとんど見えない。展望がある火事場跡まで登ると登山道の雪も増えてくる。凍結はしていないのでクランポンは使わず苺平へ。苺平も展望はないが、辻山まで行けば素晴らしい景色が見られるようだ。しかし今回は荷物が重いので南御室小屋に向かう。辻山は下山時に立ち寄ろうと思う。
苺平からだらだらと下って南御室小屋に到着。テント場は小屋のすぐ近くで、全面積雪あり。西側が樹林帯なので風は弱いが日陰なので寒い。持参したショベルでパウダースノーの雪面を均してテントを立てる。
17時になると日が暮れて気温も低下。夕食は鴨鍋と年越しそば。18時にテントから出ると星空が広がっていた。明日の2016年元旦は晴れそうだ。
【2016年1月1日】
元旦。3時25分に目が覚める。予定より25分遅れた。朝食のおせちと味噌煮込みうどんを食べるが、寒さで正月の実感がない。前回の本沢温泉のときと同じように出発準備に時間が掛かり、6時過ぎに出発となった。
小屋前からは既に東の空が赤く染まっている。初日の出は樹林帯で拝む可能性が高いが、良く見える場所がないか探すため初日の出暴走気味に一人で先行する。行けども樹林帯は続き、東を見れば空がどんどん明るくなってくる。それでも諦めずに登ると西側の展望が良さそうな巨岩を発見。登って見れば白峰三山と富士山が見える。ここしかないと思った。到着して2分後、富士山の左側から真っ赤な太陽が昇ってきた。2016年の始まりだ。白峰三山はモルゲンロートで赤く染まる。北岳、間ノ岳、農鳥岳、そして仙丈ヶ岳が燃える。諦めずに登れば素晴らしいものが見えるものだ。
モルゲンロートを堪能してから登り、2600mの森林限界を越える。砂払岳あたりからは遮るものがない稜線なので西風が直撃する。日差しは温かいが風はとても冷たい。稜線歩きとなるので装備はトレッキングポールからピッケルに変更。砂払岳は巨岩の重なった美しい山で、強風のためか雪は少ない。巨岩の隙間を抜けて年末年始営業中の薬師岳小屋に到着。気温は手元の温度計で氷点下14.7℃。強風により体感温度はもっと低いだろう。身体が冷える前に登り始める。薬師岳は目の前だ。
雪の少ない白砂の道を一歩ずつ進み、鳳凰三山の南峰である薬師岳に登頂。頬を赤く染めていた北岳は落ち着きを取り戻している。北には鳳凰三山最高峰の観音岳、そして北杜市をはさんで八ヶ岳が見える。薬師岳からは甲斐駒ヶ岳は見えないようだ。
西からの強風を受けながら観音岳に向かう。稜線は岩と雪が混ざるが雪のほうが多い。トレースは明瞭だが、少しトレースを外すと膝下まで埋まるぐらいの積雪量がある。ハイマツ帯なのでライチョウがいるかもしれないと思って歩いたが残念ながら出会うことは出来なかった。
8時50分、観音岳に登頂。観音岳の北側からは、これまで見えなかった甲斐駒ヶ岳がようやく顔を見せてくれた。その奥には北アルプスまで見渡せる。甲斐駒から西に目を向ければ仙丈ヶ岳、奥には中央アルプス。北岳からは南アルプス最高峰の威厳が感じられる。元旦からこれほどの景色を見られるのは幸せだ。一方その頃、tanyaさんは低体温症の恐怖と戦っていた。気持ちは地蔵岳に向かうが、本能は一刻も早く温かい場所に行きたいらしい。今回は地蔵岳のオベリスクを眺めるだけにして戻ることにしよう。
気温は氷点下7℃。それほど低い気温ではないが西風が冷たい。薬師岳に戻ってきて気付いたのは空が青すぎること。青すぎて白峰三山を覆う雪が青く見えるほどだ。山はどこまで我々を楽しませてくれるのだろうか。
薬師岳から薬師岳小屋、砂払岳を通過して南御室小屋に戻った。予定では2泊だが1泊に変更して下山することにした(寒いので)。
昨日パスした辻山に登り、白峰三山にお別れと再会を誓う。夏に予定している南アルプス南北縦走には間ノ岳と北岳を加えたい。苺平から火事場跡そして杖立峠を経て夜叉神峠へと下る。荷物は少し軽くなっているはずだが、下りは肩にザックが食い込んで痛い。夜叉神峠で白峰三山に最後のあいさつを済ませて登山口へ。
登山口では夕食にする予定だったすき焼きを食べた。少し高めの牛肉は疲れた身体にとって最高級の肉に感じられた。
年末年始を山で過ごすなんでことは、数年前には考えもしなかった。登山を始めて6年、これからもどんどん登っていきたいと思う正月となった。
明けましておめでとうございます。
雪山で年越しですか〜
いいですね〜
しかもテント泊なんて最高じゃないですか
雪山が苦手な私も、今年は挑戦してみようと
色々揃え始めていますよ。
段々とステップアップしていこうと思います。
今年もよろしくお願いします。
では、また。
NJ-TAKAさん、あけましておめでとうございます。2016年もよろしくお願いします。
2回目の雪山テント泊でしたが色々と勉強になりました。テント内に霜がビッシリになったり、ウェットティッシュが凍ったり。そんな苦難を乗り越えて、どうにか見たい景色を見ることが出来ました。
雪山は厳しい寒さとの戦いですが、素晴らしい景色が楽しめます。ぜひ挑戦してください。
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