赤坂山〜三国山〜黒河峠


- GPS
- 05:13
- 距離
- 9.5km
- 登り
- 861m
- 下り
- 861m
コースタイム
- 山行
- 5:01
- 休憩
- 0:12
- 合計
- 5:13
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年03月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
湖北の三国山は若狭、越前、近江の三国が接するところであり、北に伸びる野坂山地の主稜線が若越国境稜線となる。無雪期はその狭い山頂広場の周辺には低木の藪が広がり、南側にわずかな展望が広がるばかりであるが、積雪期は低木はすべからく雪の下に埋もれことになる。山頂周辺の複雑な地形の広がる緩斜面を自由気儘に闊歩することができるのもこの季節ならではの魅力がある。
この週の金曜日も休みを取得していたので、まだ家内は積雪期の三国岳を訪れたことがないので、家内を伴って湖北の三国岳を目指すことにする。週末は天気があまり良くないようだが、有難いことに金曜日は日がな晴天の予報である。
湖西道路を北上すると比良の山からはほとんど雪は消えているようだ。春霞がきつく、対岸に見える伊吹山や霊仙山も乳液を流し込んだかのような空気の中に辛うじてその輪郭を同定できるほどである。これらの山々は先週に御池岳から眺めた時よリもさらに雪が減っているようだ。高島市に入ると正面には野坂山地の山々の展望が広がる。大谷山から赤坂山、三国山に至る稜線にはそれなりに雪が残っているようだ。
黒河林道の入口を過ぎたあたりの広い道路余地に車を停めて出発する。積雪期はいつもここは広く除雪されており、三国山に向かう時はこの場所があるのが有難い。林道に出ると雪の上にはおそらく前日のものと思われるスノーシューの跡がある。
まずは明王の禿を目指す。ここに登るにはいくつかの尾根があるが、尾根の斜度からするとp345を通る尾根が登りやすい。林道から尾根に取り付くと、日当たりが良いせいだろう、尾根上の雪は少なく、地面が露出している箇所が多い。しばらくは薄い踏み跡が続いているが登るにつれ不明瞭となる。雪が少ないせいで低木が露出している箇所が多く、藪こぎを強いられることになる。以前に積雪期に登った時には登やすい印象があったのだが、遥かに積雪が深かったためだろう。
Ca500mの小ピークの手前では尾根の左手にわずかばかりの植林が広がるので、植林の中に入ると、小さな鞍部を経て登り返すと、p569の辺りから雪もつながり、早くも快適なブナの疎林が広がるようになる。ca700mに達すると斜度は急に緩くなり、いくつかの谷の源頭が斜面に複雑な地形を刻む。まずは明王の禿の展望を目指して斜面を西側に向かってトラバースすると、目の前には忽然と荒凉とした岩壁の光景が飛び込んでくる。
明王の禿を間近に展望するにはこの地点が最も好適地と思われるが、この好展望は長くは続かない。尾根を登ると視界に入る岩壁が少なくなってゆく。代わりに岩壁の上に赤坂山から寒風を経て大御影山へと至るなだらかな江若国境稜線の展望が大きく広がってゆく。明王の禿に至ると東側に芦原岳、乗鞍山が視界に入る。
まずは赤坂山を目指す。山頂には数人の人影が見える。稜線の北西斜面に広がる叢林の中をトラバースして鞍部に至ると、山頂の人影も消えたようだ。赤坂山の山頂にかけて樹木のない雪原を登る。すぐにも背後に伊吹山地の好展望が広がってゆく。それまでは微風であったが、赤坂山は急に風が感じられる。地形のせいなのだろう、ここは年中、風の強いところであり、この樹木のない雪原も風衝のなせる業といえよう。斜面には数日前のものと思われるスノーシューによる一筋のトレースが微かに残っている。
山頂に至ると風で雪が飛ばされたせいか三角点の柱石の周辺は地面が露出していた。振り返ると三国山にかけて、小さなピークの連なりがみえる。踵を返して三国山に向かって斜面を下降すると急に風も感じられなくなる。
鞍部の左手の小さな谷を渡るとp614に向かって左手の尾根を辿る。尾根上にはブナの純林が広がり、樹々は若木が多いものの快適な樹林となる。p614の左手には樹木のない小ピークがあり、赤坂山方面の好展望が広がる。ここからp614の西側をトラバース気味に進むと三国山から南に伸びる尾根の末端に辿るつく。樹木の少ないこの尾根は山頂に至るまで展望が広がり、積雪期の三国山を訪れる際の定番コースとしている。
山頂にたどり着くと、先ほどの赤坂山の斜面のトレースの続きなのだろう。明王の禿の方から一人分のトレースがついていた。山頂の東側の緩斜面にはジオラマの庭園のような雪原が広がっている。ここでも雪の上には数日前のものと思われるスキーのシュプールがあった。このジオラマの庭園に下降すると、黒河峠を目指して、東に伸びる尾根を下降する。
尾根の南側には随所からマキノの向こうに琵琶湖が見えるが、対岸が霞んでいるために茫洋とした大海が広がっているかのように見える。やがて尾根がブナの高木の立ち並ぶ樹林の中を下るようになると黒河峠に到着する。
ここで林道をショートカットしようとして南に伸びるなだらかな尾根を降ろうとしたのが大きな間違いであった。地図ではなだらかに見えるものの、尾根が林道と交差する末端に近づくと尾根の両側はいずれも林道の法面が崖状の急斜面となっているようだ。諦めて尾根を中程まで戻ったところで、東側斜面を下って林道に着地する。
林道はp569の東側斜面で片斜面となっており緊張を強いられるところではあるが、雪が十分に緩んでいるの斜面にstepを刻みながら通過する。この片斜面を通過すると後は歩きやすい雪道が続き、行きの我々のトレースと合流するとまもなく出発地に戻る。
下山後はマキノ温泉に立ち寄ってからメタセコイアの並木道を通りがかると、丁度、西側の稜線に沈んでゆく夕陽が並木を照らしているところだった。
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