鳥海山の東側山域を巡る


- GPS
- 11:24
- 距離
- 23.4km
- 登り
- 1,133m
- 下り
- 1,133m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2025年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
装備
個人装備 |
スパイク長靴。
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感想
昨年2月に山形との県境稜線上に立つ三滝山へ登って遠上山へ向かう際、さらに西側に立つ山々が気になった。高さは鳥海山とは比べようもないが、きっと手付かずの自然が残されているだろう。ルートを検討したが、アプローチが長すぎて、私の足ではどうしても2日が必要になる。
今回、本当は百宅大森(ももやけおおもり 890.3m)に登るつもりだった。ダム建設が進む百宅地区へ今冬は車では入れないので、法体の滝までの道路が通れるようになってから、玉田渓谷沿い遊歩道を歩いてアプローチする。赤沢川や上玉田川の渡渉は簡単ではないだろう。林道歩きが長くなるが、西側に回り込んで、水量の比較的少なそうな沢を渡渉し、登り易そうな尾根に取り付こう。ほとんど藪漕ぎになるだろうから、アイゼン・ピッケルは持参せず、スパイク長靴にヘルメット・保護メガネは必携だ。
尾根に取り付いて間もなく、予定していた尾根の南側の尾根に取り付いてしまったことに気が付いた。P868に至る尾根だ。そこから百宅大森へは、両側が崖マークの細い稜線を通過することになる。笹や木に掴まりつつ登っていくと、右手にまだ雪の付いた県境稜線が木々の間に見える。その時ふと、百宅大森ではなく、県境稜線を歩くことはできないだろうか・・という考えが浮かんだ。
P868に上がり、予定を変更して県境稜線に向かってみることにした。藪漕ぎではあるが、背丈を超える太いネマガリタケに囲まれることは、比較的少ない。県境稜線に達すると、残雪に恵まれることも多くなった。県境稜線に関しては、雪堤歩きの方が藪漕ぎよりも若干多かったかもしれない。
県境稜線上のP966.4は二等三角点だけあって、眺望は素晴らしい。秋田の三角点を圧倒的な情熱で訪ね歩いているmountrexさんのブログによると、「納屋ノ上」という三角点とのこと。山形側に聳えるP約990mが、丁岳の南に聳える雁唐山のような存在感を見せている。この山に名前はないのだろうか。
次は県境稜線より少し西に立つ兜山へ。風も収まり、雪肌まで明瞭な鳥海山東面を眺めながら、ゆっくり昼食とした。その後、県境稜線は北へ。細い所では藪に入ることが多くなる。P864で西に折れる県境と分かれ、下山は北に伸びる尾根を行く。広く平らな尾根は、幕営地として考えていた所で、やはりいい雰囲気だった。
尾根末端への下山では、先日の太平山地での失敗が頭にあって、急な下りを避けようと右へ寄り過ぎてしまったが許容範囲。身体の強い疲労感と共に心には深い満足感を覚えながら、長い林道を戻った。
赤沢川を右岸側へ渡ったあたりで、スノーモービルが数台、轟音を響かせながら追い越していった。水芭蕉があちこちに群生を作り、多くの生き物が暮らすこの桃源郷に、この轟音はまったく似つかわしくないと、私は思う。
コメント
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今回も長距離歩かれましたね。
兜山からの鳥海南東アングルはやはり圧巻ですね。この地に立って初めての出会える絶景と言うところでしょうか。南方山形方面の無名峰(990m)も魅了的に感じました。山頂稜線の林間を歩ければさぞかし楽しいかと。流量豊かな法体の滝も懐かしいです。
お疲れ様でした。
tonkaraさんもかつて歩かれた丁山地の、一番鳥海山に近い山域を今回歩くことができて幸いでした。
山形の約990m無名峰は、とても存在感があって、何か宝物を掘り当てたような気分です。山形の岳人で何度も登っているという方は、きっといらっしゃると思いますが・・
実はヤマケイの「美しき日本の山」というカレンダーを毎年部屋で使っているのですが、今年の5月は丁岳からの鳥海山の写真です(秋田の山岳写真家 大川清一氏撮影)。よく見てみると、県境稜線からこの無名峰にかけてもしっかり写っていて、うれしくなりました。
お疲れさまでした。いつものことながら圧巻です。雪がつながっている所もありますが、それ以外は藪ではないですか
必携3品とか書いていますが、私の文章は自分のその時その時考えたことを綴る、言わば独り言です
でもこの三点は、藪漕ぎに望むに当たっては強い味方になりますね。ピッケルは持参したいところですが、私の物は昔の長いピッケルで、藪に引っかかります
今シーズンは天気と休日がなかなか合わず消化不良気味でしたが、なんとか一つ、満足感を覚える山歩きができました。今回登れなかった百宅大森など、宿題はたくさん残っていますので、mametanさんのようなアスリート並みのトレーニングはできませんが、可能な限り体力維持に努めたいと思います
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