立山周辺(その1 山崎カール途中まで)


- GPS
- 04:51
- 距離
- 5.7km
- 登り
- 726m
- 下り
- 721m
コースタイム
天候 | 曇り時々雨、雪(12日)、快晴(13日) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
山崎カールは、スキーを担いで雄山を登るのがきついのと、状況の分からない雪面にいきなり入り込むのが怖いので下から登る計画にした。室堂駅の指導員からも下から登ることを勧められた。デブリや落石の形跡はなく、長時間滞在しても比較的安全と思われた。斜度はかなりあり、雪面がカチカチでもグズグズでもシール登行は苦労しそうなので、良い時間帯を選びたい。稜線から滑り込むときは十分に雪の状態をチェックする必要がある。 |
写真
感想
昨年の楽しさが忘れられず、二年連続で来てしまった。今回の第一目標は山崎カールで、昨年の経験からクトーを調達して臨んだ。
5月12日
室堂駅11:30〜雷鳥荘11:55
室堂はガスに包まれ、時折雪粒や雨粒がパラつく。本降りでなかっただけましというものだ。浄土山あたりで遊ぶつもりだったが諦めて雷鳥荘に向かう。昨年より雪が多く、ほぼスキーで歩けた。午後になれば天候は回復するかとも思っていたが、既に雪はたっぷり水を含みグチャグチャで、宿に着く頃には迷いもなく温泉ビール路線に変更した。
5月13日
雷鳥荘7:35〜モレーン2段目9:17/9:57〜ローソク岩10:50/11:37〜雷鳥荘12:54
快晴で、前日の新雪のおかげで山は白く美しい。歩きだしてみると放射冷却のためか雪面は意外にもカリカリだ。昨年と同様に一旦谷に降り、目の前の尾根に乗りたいのだが、側斜面を登るのも苦労しそうなので少し下って尾根末端から取り付いた。雪の砂漠のような緩い尾根には人の姿はなく、一人行くのは楽しくもあり心細くもある。近づいてくる浄土山の姿が本場のアルプスのように凛々しい。
いよいよクトーを付けて一段目のモレーンの右寄りの斜面を登り始める。硬い雪面にシールの効きが悪く、ほとんどクトーの刃に頼る感じだ。時々ズルっと後ずさりするのでヒヤヒヤする。シールも今季購入したものだが、老い先短いからと安いナイロン製にしたのが失敗だった。やはり命を預ける物に金を惜しんではならない。こんな時間にもうガリガリの斜面を降りてくる二人連れがいた。相当の脚前だろう。
苦労してようやくモレーンの上に出ると大きな窪みになっており不思議な眺めだ。次の二段目のモレーンの斜面にかかると、斜度と硬さは増し、一歩を踏み出すのに躊躇することもしばしばだ。最後はクトー任せの階段登行で何とか昨年の到達点であるハイマツの島の上に出て一息つくことができた。これ以上登っても、下りで転倒が滑落になりかねないので雪面が緩むか様子見をすることにした。周囲の白一色の雄大な景観を眺めながら40分も横になっていると、ようやく雪が指でほじくれるようになってきたので出発する。今度は良い加減にシールが貼りつくので気持ち良く登れる。頭上は広いU字を描く空間が広がり、左上は氷の付いた岩稜に、右上は大きく雪庇が張り出しており、ブロックや落石が落ちている様子はないが、念のため左寄りを登る。気温が上がってきたからか、稜線からシャラシャラと細かい氷片がのべつ斜面を流れ落ちてくる。顕著なローソク岩が間近になってくると、また雪面が硬くなり、緊張の一歩が続く。最後は再びクトー階段登行でようやく岩峰の基部に辿り着いた。稜線の建物がさほど遠くなく見えたが、さらに急になっている斜面に取り付く気力はもう残っていなかった。
スキーをスリングで身体に確保し、腰を下ろして小屋の弁当を頂く。緊張で喉を通るかと思ったが意外と大丈夫だった。ほとんど風がないので、辛うじて青と白だけの空間を味わう余裕もあった。連休の翌週なので、遠くに点在する登山者達の黒点も少なく感じる。休んでいる間に雪面も柔らかくなったので腰を上げる。滑り出すと初めは傾斜に気圧されてズリズリと斜滑降をしてしまったが、流心に入って思い切ってターンすれば、後は快適に滑ることができた。ピッチを切って後ろを振り返りながら、一段目のモレーンの上に下り着いた。昨年滑った斜面の、ハイマツ帯をはさんだもう一つ右側(代表写真で一番左側のシュプールのある部分)に入ってみる。もうザラメになりかけていて、眼下の大雪原に向かって楽しみながらスキーを走らせた。一気に下ろうとしたが途中で休まざるを得ない標高差があった。氷河を思わせる雪原を解放感に浸りながら流し、野営場の手前でカールを仰ぎながらコーヒータイムにする。この時間になると、稜線から滑り込む人や、上がって行くパーティが見える。強い陽射しに照らされながら雷鳥荘に登り返し、小屋上のベンチで自分のシュプールを目で辿りながら飲むビールは旨かった。稜線までは行けなかったが、私の技量と今日の条件では目途としていたローソク岩に到達できて十分満足だ。来て良かったとつくづく思った。
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