鳳凰三山 青木鉱泉から周回 🛰au Starlink Direct検証山行


- GPS
- 08:17
- 距離
- 17.0km
- 登り
- 2,188m
- 下り
- 2,189m
コースタイム
- 山行
- 7:37
- 休憩
- 0:41
- 合計
- 8:18
天候 | 晴れのちくもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
とてもよく整備された一般登山道 |
その他周辺情報 | ラーメン山岡家 山梨甲斐店 |
写真
赤色のマーカーがStarlink経由で保存された位置情報です
感想
残雪期の鳳凰三山を堪能しました
◆ 計画
元々先週末に計画していたのですが強風予報により延期した山行です。
5/17(土)、前日に確認した直前天気予報によると晴れが見込めてお昼頃以降に風が収まる予報だったので5/18(日)で改めて計画しました
今回はau Starlink Directを利用した山行中の位置情報自動クラウド保存の実験も兼ねています
◆ 山行
あまり早い時間帯に稜線まで登ると強風の影響が大きそうだったので、下山時刻から逆算してギリギリ遅めの6時出発としました
5/11のレコ( https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-8159444.html )を読むと歩きづらい雪道が占める割合が多かったことがうかがえますが、ここ1週間の高温と降雨によってかなりのスピードで融雪が進み、踏み抜き箇所もおおよそ踏み抜かれ尽くした状況でかなり歩きやすくなっていました
鳳凰小屋をすぎたところでトレランシューズから沢靴へ装備変更し、以降下山までずっと沢靴でした。
重くてかさばる雪山靴を持って登るよりも沢靴のほうがコンパクト・軽量で多少はキックステップも効くので残雪期には重宝しそうです
ドンドコ沢ルートの残雪は標高2,250m以上、中道ルートは標高2,500m以上くらいでした。
いずれも雪の端っこは凍結気味で滑りやすい箇所がありますが、常時チェーンスパイクで通すよりはフリクションがしっかりした靴とストックでバランスを取るほうが歩きやすいように感じました
事前の天気予報で期待していたとおり、高層雲はあるものの近隣の南アルプスの山々から富士山まで見渡せる素晴らしい景色でした
あと、わかっていたことではありますが日帰り2,000m↑2,000m↓は結構足にこたえます。北岳のときにも感じたことですが、下山途中で足のスタミナ(?)が不足してフラフラ気味になって転倒しやすくなる気がします
◆ au Starlink Directを安全登山に役立てる検証
今回の目的のひとつ、低軌道通信衛星を通じた山行中の定期的な位置情報送信とその可視化
通信衛星へのスマホからの直接接続によって「遭難してから衛星経由で助けを呼べる」というのはひとつの重要要件ですが、いざ滑落して動けないときに衛星電波を掴める場所まで移動できるかは運次第です。滑落時にスマホを失うこともあります。
そのときに生死を分けるのは事前に定期送信されていた位置情報です。
GarminのGPSMAPやヤマレコのいまココを通じた家族・友人に対する位置情報の共有は、事故る前に軌跡データをオンラインへ置いて適切な範囲へ公開できることに価値があります。
現状のau Starlink Directの提供機能にはデータ通信が含まれないため、いまココへ直接データを送信することはできません。
しかし代替の仕組みを構築すれば現状のau Starlink Directでも安全登山へと役立てられるのではないか、と考えました。このため、今回の実験では
・au Starlink Directと未改造のAndroidスマホを利用して位置情報を定期的に送信し、いまココ風のアクセス制御付きマップで直近の軌跡を確認できる
ことを目指しています
位置情報の自動送信用の事前準備として
・対応端末の入手:Xiaomi Redmi 12 5G
・衛星通信対応バージョンへのアップデート
・Termuxの導入
・位置情報の定期送信用スクリプトの改修
・SMS送信権限の付与(Android 15の特殊要件)
を実施しておきました
ヤマレコのいまココに該当するサービスはこちらです。
https://anzenmap-asd-alpha.tozantools.workers.dev/
前回の初期バージョンから、次の点を改善してあります
・未認証状態でアクセスすると直近4時間よりも前のデータのみを表示するようにした(リアルタイム位置情報の一般公開はしたくないけれど4時間前のデータなら構わない、というユーザー像を想定)
・認証キーをあらかじめ渡してある人(家族・山岳会・友人を想定)は4時間前制約なしでデータアクセス可能にした
・指定地点から数km以内のデータは公開対象から除外するようにした(自宅付近でテストデータ送信した際に自宅バレすることを防ぐため)
また、Starlink DTC衛星が視界に入っているか・直近いつごろ視界に入るか、という情報を最大仰角フィルタ込みで取得できないと山行中にはStarlink衛星経由で通信するのは至難の業ということが事前のテスト山行でわかっていたので、位置情報送信をするスマホとは別のスマホ上で593機のStarlink DTC衛星の軌道計算をして視界確認するプログラムを用意しておきました
結果、一日全体で約150回の位置情報送信のうち8回はStarlinkを通じた送信となりました。
この割合はちょっと低めに感じるかもしれませんが、Android 15は通常のLTE回線が圏外になるまで衛星を接続対象に含めない挙動をするので「案外見通しの悪い山中でもau回線がつながっている時間が多かった」という評価もできます。
実は鳳凰三山はauのエリアマップ上では全域が圏外なのですが、携帯電話の地上基地局は電波の反射や回り込みによって案外通じるところもある、ということがよくわかります
今回は東西に走る沢筋(谷)の北側を登る部分が序盤のStarlink的なクライマックスで、天頂を含めて南側が開けた斜面のつづら折りを登っていく際に南西側上空を仰角45-60度で通過する衛星経由で通信できた気配がありました。
最初の写真にあるマーカーのうち、赤色はStarlink衛星経由で共有された位置情報です
今回でau Starlink Directを用いたいまココ風の仕組みはひとまず完成しました。そしてau Starlink Directのサービスポテンシャルは今回の検証でかなりポジティブに捉えられました。
しかし今回私が取り組んだ事前準備をすべてこなさないと家族・友人へ衛星経由の自動位置情報共有をできないというのは結構厄介なところです。
au自体が衛星経由のデータ通信の開放も視野に入れている旨はアナウンスされていますが、今年の夏山シーズンに間に合うのかは謎です。
今回プロトタイプとして組んだもろもろを果たして一般公開するサービスに仕上げるのか コードだけ公開してひとまず使いたい人だけ使ってください式にするのか、ここはまだ考えあぐねています
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