記録ID: 81896
全員に公開
沢登り
白神山地・岩木山
日程 | 2010年10月10日(日) ~ 2010年10月11日(月) |
---|---|
メンバー | , その他メンバー1人 |
天候 | 一日目雨 二日目曇りのち晴れ |
アクセス |
利用交通機関
車・バイク
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|




地図/標高グラフ


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コースタイム [注]
一日目
青森5:00→岩崎8:00→追良瀬川堰堤9:05→10:10-15天狗沢二股→F1巻き終わり11:20→Co470 13:00→スラブの真ん中Co580m二股14:00→道に出る15:05→天狗岳15:30-40→天場四十八滝沢Co550m17:10
二日目
天場8:25→追良瀬川本流出会い8:45→天狗沢出会い10:25→追良瀬堰堤11:30ー12:00→岩崎13:00→青森16:00
青森5:00→岩崎8:00→追良瀬川堰堤9:05→10:10-15天狗沢二股→F1巻き終わり11:20→Co470 13:00→スラブの真ん中Co580m二股14:00→道に出る15:05→天狗岳15:30-40→天場四十八滝沢Co550m17:10
二日目
天場8:25→追良瀬川本流出会い8:45→天狗沢出会い10:25→追良瀬堰堤11:30ー12:00→岩崎13:00→青森16:00
コース状況/ 危険箇所等 | 天狗沢に大きな滝3本。詰めには100m、幅数百mの大スラブあり。驚く。 記録の無い沢は、何が出ても驚き、面白い。 |
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過去天気図(気象庁) |
2010年10月の天気図 [pdf] |
写真
感想/記録
by イグルスキー米山
10月10日曇りのち小雨
白神で数少ない山頂らしい山頂の天狗岳に、道からではなく、未知の沢ルートから計画した。これまでここを登った記録は無かった。
三連休の後半二日をあてる。一日目は雨。前夜からしょぼしょぼ降り続いたが、追良瀬川河口でそれほどの増水でない事を確認して、突入決定。水はやや多めぐらいだ。紅葉が始まっている。雨が時々降る。
天狗沢出会いからいきなり巨岩帯をこえ、荒々しい渓相で心高まる。すぐにF1。12mほどの滝。水流が多くなければホールドなどありそうだが、巻くとする。左岸のルンゼ状を登り、左に泥壁をだましだましトラバースしてブッシュにいくまでが落ちたらヤバい感じなのでザイルを出す。トラバース終了点から懸垂下降。20mいっぱいで滝の上のゆるいところに着陸。そこにブナハリタケあり。いただき。
ほどなくコンタ400の、支流出会いの本流に、直登できない16mのF2。この右股の支流ルンゼを登り、大岩が屋根を塞いでいる下のトンネルをくぐったりして左へトラバースできそうなところを探し登って行く。ずいぶん上でいけそうな所を見つけ、急な斜面をトラバる。乗った細い尾根の向こう側は絶壁。尾根伝いに木にぶら下がり下降するが、ガケのところで遂に懸垂。やはり20mいっぱいでなんとか沢のすぐ上に着陸できた。こんなの続くと気がめいるなあ。
三つ目の二段6+8mは快適に登れる滝。フリクションをきかせ、ホオルドをかっちりはめて快登。
その後も小さな滝がいくつか現れよどみなく進む。
コンタ600下あたりから、幅数百m、高度差100mの大スラブが突然現れ、舌を巻いた。側壁ではなく、行く手である。傾斜はわりと緩いが、ホールドスタンスは全体に細かく、ジェードル状の真ん中にあるクラックに、フェルト地下足袋を縦に押し込んで進むような、かなり爽快な大スラブ。高度感はばっちりだ。結局40+40+20mで100mあった。1ピッチ目の終了点が二股で、両方ともスラブ沢。ここは左を選んだ。
スラブが終わったあとも同じ一枚岩のスラブ小滝がいくつもでる。技術的にはこちらの方が難しく、数mの段差なのに、滑り落ちる事数回。アクロバチコなムーブでようやく抜けるものもあり。
スラブも終えると源頭の詰めは結構ダルい。倒木のジャングルジムなどもあり、息が上がってシゴかれて来たところで登山道。そこから山頂まで30分。薮こぎで直上するよりは楽をした。山頂は展望が利くよう樹木が刈られていてありがたいのだが、ガスで視界は2キロ程。紅葉始まりかけの追良川の懐をかいま見る。
下りは南へ直滑降。くたびれて来ているので歌ったり叫んだりして小滝群のクライムダウン。6mと20m滝を二度、懸垂下降した。日暮れとの競争だ。暗くなりかけた頃、ようやく増水にも耐えられそうな天場に至り、サワグルミの巨木に紐を張ってタープを張る。相かわらず小雨だ。
ずぶぬれながら屋根の下で充実の気分で乾いたものに着替え、楽しい食事と飲酒。夜半雨が降り続き、4時頃までやまなかった。浸水してくる夢を見る。気温はそれほど低くない。
10月11日
明るくなると雨はやんでいる。多少水は多いが本流を行けそうと判断し、下降する。四十八滝沢にはイワナがたくさんいる。
本流はやや増水しているが徒渉に問題は無い。とはいえ、徒渉するより泳いだ方が楽な箇所が多く、10月で黄葉の季節というのに、何度か泳いで下る。水温は意外に高く、それほどつらくない。雪渓のゴルジュに比べたら鼻歌ものだ。黄色のトンネルを、ザックにのっかって平泳ぎしていると、世界一幸せものの気分になる。
ありがたい陽光を浴び、黄色に染まった峰に囲まれ追良瀬川を下る。
日本海に抜け、青森に向かう途上で、イカ焼き通りでイカ焼きを求める。今日は名犬わさおがいて、お客がたくさん見ていた。
白神で数少ない山頂らしい山頂の天狗岳に、道からではなく、未知の沢ルートから計画した。これまでここを登った記録は無かった。
三連休の後半二日をあてる。一日目は雨。前夜からしょぼしょぼ降り続いたが、追良瀬川河口でそれほどの増水でない事を確認して、突入決定。水はやや多めぐらいだ。紅葉が始まっている。雨が時々降る。
天狗沢出会いからいきなり巨岩帯をこえ、荒々しい渓相で心高まる。すぐにF1。12mほどの滝。水流が多くなければホールドなどありそうだが、巻くとする。左岸のルンゼ状を登り、左に泥壁をだましだましトラバースしてブッシュにいくまでが落ちたらヤバい感じなのでザイルを出す。トラバース終了点から懸垂下降。20mいっぱいで滝の上のゆるいところに着陸。そこにブナハリタケあり。いただき。
ほどなくコンタ400の、支流出会いの本流に、直登できない16mのF2。この右股の支流ルンゼを登り、大岩が屋根を塞いでいる下のトンネルをくぐったりして左へトラバースできそうなところを探し登って行く。ずいぶん上でいけそうな所を見つけ、急な斜面をトラバる。乗った細い尾根の向こう側は絶壁。尾根伝いに木にぶら下がり下降するが、ガケのところで遂に懸垂。やはり20mいっぱいでなんとか沢のすぐ上に着陸できた。こんなの続くと気がめいるなあ。
三つ目の二段6+8mは快適に登れる滝。フリクションをきかせ、ホオルドをかっちりはめて快登。
その後も小さな滝がいくつか現れよどみなく進む。
コンタ600下あたりから、幅数百m、高度差100mの大スラブが突然現れ、舌を巻いた。側壁ではなく、行く手である。傾斜はわりと緩いが、ホールドスタンスは全体に細かく、ジェードル状の真ん中にあるクラックに、フェルト地下足袋を縦に押し込んで進むような、かなり爽快な大スラブ。高度感はばっちりだ。結局40+40+20mで100mあった。1ピッチ目の終了点が二股で、両方ともスラブ沢。ここは左を選んだ。
スラブが終わったあとも同じ一枚岩のスラブ小滝がいくつもでる。技術的にはこちらの方が難しく、数mの段差なのに、滑り落ちる事数回。アクロバチコなムーブでようやく抜けるものもあり。
スラブも終えると源頭の詰めは結構ダルい。倒木のジャングルジムなどもあり、息が上がってシゴかれて来たところで登山道。そこから山頂まで30分。薮こぎで直上するよりは楽をした。山頂は展望が利くよう樹木が刈られていてありがたいのだが、ガスで視界は2キロ程。紅葉始まりかけの追良川の懐をかいま見る。
下りは南へ直滑降。くたびれて来ているので歌ったり叫んだりして小滝群のクライムダウン。6mと20m滝を二度、懸垂下降した。日暮れとの競争だ。暗くなりかけた頃、ようやく増水にも耐えられそうな天場に至り、サワグルミの巨木に紐を張ってタープを張る。相かわらず小雨だ。
ずぶぬれながら屋根の下で充実の気分で乾いたものに着替え、楽しい食事と飲酒。夜半雨が降り続き、4時頃までやまなかった。浸水してくる夢を見る。気温はそれほど低くない。
10月11日
明るくなると雨はやんでいる。多少水は多いが本流を行けそうと判断し、下降する。四十八滝沢にはイワナがたくさんいる。
本流はやや増水しているが徒渉に問題は無い。とはいえ、徒渉するより泳いだ方が楽な箇所が多く、10月で黄葉の季節というのに、何度か泳いで下る。水温は意外に高く、それほどつらくない。雪渓のゴルジュに比べたら鼻歌ものだ。黄色のトンネルを、ザックにのっかって平泳ぎしていると、世界一幸せものの気分になる。
ありがたい陽光を浴び、黄色に染まった峰に囲まれ追良瀬川を下る。
日本海に抜け、青森に向かう途上で、イカ焼き通りでイカ焼きを求める。今日は名犬わさおがいて、お客がたくさん見ていた。
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コメント
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米さん・ま〜くん沢登り お疲れ様でした。
うらめしや〜〜(ー_ー)!!、、、
・・・自分は8月中から休み無く仕事です。、、
うらやましや〜〜の間違いでしょう。
仕事一段落したら雪山行きましょう。
私も1980年頃、たぶん、この沢を登りましたよ。大変きれいなスラブで終わりが無いような気分、とても感動しました。
我々は80年代にほとんどの白神の沢は登っています。ここに執念を燃やしていたのが私の直属の先輩でした。その後、彼はウルタルなどに登頂しましたよ。
今は、忙しくて、近くて遠い場所になってしまいました。
pamir88さんこんにちは
80年代に弘前大がこの辺の沢を登ったという話、聞いています。でもお仲間はあまり記録を公には残しておられないようですね。昔の記録を読むのがとても楽しみです。
残念ながら昔の記録はほとんど残っていません。私たちは部誌を毎年発行していましたが、それも紛失してしまい、記憶にあるだけです。
写真も白神ではほとんど撮っていません。また、沢の名前や位置も今となっては定かではありません。
私の手元に残っている写真は合宿でのものがほとんどです。白神は合宿ではなかったのでカメラなどは持参しない事が多かったように思います。
合宿の記録でしたら、幾つか載せてありますから、ご覧下さい。
白神の記録に関しては、ご期待に添えないと思います。
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