余市岳(白井右股川コース→キロロ山頂駅、Peakカット)


- GPS
- 16:57
- 距離
- 19.4km
- 登り
- 1,161m
- 下り
- 178m
コースタイム
天候 | 1日目、曇りのち雨。2日目、雨のち曇り。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
廃道を通り越してほぼ自然に還っています。何かしらの修行でもない限り通過はオススメしません。万が一通ってみたい方は、一番きつい区間先に消化できるので、キロロから天狗小屋向かうほうが良いです。 スタミナ切れて休み休み行ったので、コースタイムはあまり参考にならないと思います。 |
写真
感想
未知のルート通ってみたいなと思い、積雪期か残雪期しか記録のない余市岳白井右股川コースへ。せっかくなのでキロロ側への乗越も狙う。
入山は定山渓までバスで行って、そこから天狗小屋まで雨の中9キロ徒歩。道路脇を歩いていると車が止まって、乗ってくかと聞かれたが、生憎天狗小屋方面ではないらしい。お気持ちだけいただく。
小屋で入山届書いて林道を歩いていく。気持ちの良い林道だが終始虫がすごい。車とマウンテンバイクのわだちがずっと続いているけどなんなんだろ。釣りの人か?途中真新しい熊の足跡を発見。笛吹いて進む。
崩壊地からはわだちが消えるが元林道だけあって歩きやすい道。なんか懐かしい感じ。膝とか腰の高さぐらいの草の中をワサワサしつつ歩いていく。
林道と夏道がクロスするところから謎の踏み跡へ。夏道とは違うが分かりやすい。廃道感はあるが普通に歩くだけ。850くらいで踏み跡を見失ったので試しにヤブを漕いでみる。パスタの束くらいの太さの根曲り竹が密に生えている。足元を踏ん張りながら腕力で笹をかき分けてスペースを作り、そこに身体をねじ込んでいく。それを無限に繰り返す。
932あたりで夏道復帰するつもりで動くが、どこを探しても道がない。疲れたし日没近かったので、適当にたらいところ見つけてテン場にする。テン場は無風だが、上の方から聞こえてくる風の音がすごい。豪雨の中、雨漏りに耐えながら就寝。傾斜した不愉快な寝床なのだがなぜかよく眠れた。なんか帰ってきたって感じがする。
一晩休んで体力満タン。明るくなってからコンパス方向を見ると、行く手を遮る水平の笹の下に土のラインが続いている。どうやら夏道上にテントを張っていたようだ。昨日思い描いていた歩きやすい夏道など存在しなかった。以降、まともに歩ける場所はほぼなし。倒木や湿地帯に入ると、突然身体が軽くなりこんな道が続けば…と願うが、いつも一瞬で終わった。
ピークに近づくにつれて笹の太さと密度が増していく。徐々に腕があがらなくなり、一歩進むのに5手順くらい使う。こんなところが夏道であったわけがない、もっと歩きやすい道が存在するはずと思うも、ときおり出てくるピンクテープやGPSを見るとちゃんと夏道上にいる。絶望。背の丈以上の笹薮が続くためコンパスはろくに切れない。GPS必須でしょう。なお、うっかり夏道を外したときは足元も目の前も全て笹になる。なんなら空も見えない。槍ぶすまのような根曲がり竹の中で、滑る竹を踏みしめ、束ねた竹をわしづかみにしつつ這いずりまわる。上空から見たら、クモの巣に絡め取られた羽虫のように見えただろう。
途中なんかザックが引っかかるなと思って振り返ると横付けしていたストックが1本だけ飛び出している。嫌な予感。ザックを下ろすと、あるべきところにバックルがない、さらにストックも1本しかない。どうやら確保していたバックルごとヤブに持っていかれたらしい。新品のザックと今年買ったばかりのストックだったのに…。見つけた方がいらっしゃいたら教えてください。
1089の沼を越えたあたりから地図では緩やかなトラバースが続くが、ここからが本当の地獄だった。雪の重みで倒れた笹はほぼ水平になって、不明瞭な夏道跡を覆い尽くしている。這いつくばっても夏道跡がどれかわからず、足裏の感覚で竹の生えていない地面を探す。身体を通すスペースを空けようにも、竹は枝分かれして絡み合っていて力尽くでは持ち上がらない。竹を解きほぐして上部のスペースを開けても足が挟まれて引き抜けない。どうにか足を持ち上げて前方のヤブの中に突っ込み、身体とザックをねじ込んでいく。人間の皮膚って意外と穴があかないものだなと感心したのを覚えている。こんな状態でも、足元が滑らないという一点において夏道跡が一番通過しやすかった。
時たま行く手に白いものが見えるたびに雪渓かと思いぬか喜びするが、大体シラカバの倒木か小さな雪の融け残り。一瞬だけ視界がひらけるが、その後夏道が分かりづらくなるのでむしろ障害物と言える。
1239コルの100メートくらい手前から道に緑色のスポンジ?が張られていてめっちゃ歩きやすい。両側から竹は覆いかぶさってくるが、腕だけで払いのけられる。気分はウィニングラン。文明のありがたみを痛感しつつコル下の雪渓にたどり着く。雪渓でしばし放心。着替えたり虫を払ったりしてダラダラする。
雪渓から1239に上がるところは普通によくわからない。ウロウロするが結局めんどくさくなって5メートルくらいヤブを突破して本物の夏道に復帰、歩きやすすぎて感動。こんなんもう道路じゃん。疲れたし時間もないのでPeakには行かずそのまま下山開始。この辺りでケータイの充電切れてログ終了したみたい。あとは山頂駅まで歩き、スキー場の作業道通って下山。さとバスの最終は行ってしまったので、ホテルでタクシー呼んでもらって南樽駅まで。ありがとうございます。道すがらタクシーの運転手さんに冬の小樽のタクシー事情を教えてもらう。あんな坂の多い町でもタクシーは二駆らしい。あとは家帰って装備洗って爆睡。
辛いことしかなかった気がするが冒険感があって楽しいルートでした。
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