異例の梅雨明け 初夏の緑が眩しい大台ヶ原へ
三重県
奈良県
しかおのこ
その他1人 
体力度について
- GPS
- 05:10
- 距離
- 8.1km
- 登り
- 471m
- 下り
- 467m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 3:28
- 休憩
- 1:43
- 合計
- 5:11
| 天候 | 晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2025年06月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
近鉄の大和八木駅、橿原神宮前駅などから奈良交通バスが大台ケ原ビジターセンターまで通じています。 https://www.narakotsu.co.jp/temporary/2024spring_oodaigahara/ |
| コース状況／ 危険箇所等 |
大蛇グラではスリップ注意 |
写真
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装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ガイド地図（ブック）
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
カメラ
|
|---|
感想
例年より22日も早く近畿地方の梅雨が開けました。
「気が利く高気圧やね」
そんなことを口にしつつ気象の大きな変化に一抹の不安を覚えながらも気分は高まります。私が登山が好きだと知り興味をもった職場の後輩と、日本でも有数の多雨地帯として知られる大台ヶ原へ向かう計画がこの晴天によって確実になったからです。
午前7時、自宅を出発し、同僚を迎えに行きます。後輩は今日初めての登山に胸を膨らませているようでした。そこから3時間の道のりを経て、標高1,570mの大台ヶ原駐車場に到着したのは10時ちょうど。標高が高いおかげか、下界のじりじりとした暑さとは違い、爽やかな空気が迎えてくれました。
まずはビジターセンターで情報収集。年間降水量4,770mm。屋久島よりも多いという数字に驚きつつ、この地の特異な自然環境への期待が高まります。準備運動を終えいざ出発です。
「わあ、緑がすごく綺麗ですね！」
後輩は苔やブナ、トウヒに覆われた森の景色に目を輝かせています。その無邪気な様子に、自分が初めて山に足を踏み入れた時のときめきを思い出し、自然と笑みがこぼれました。
舗装された道を歩き、まず目指したのは「海の見える展望台」です。名前とは裏腹に、展望台の案内板には「海からの湿った空気が山にぶつかって雲が生まれやすく、海が見えないことがあります」と記されています。なるほど今日もまた雲の中。それでも、眼下に広がる濃密な緑の海は十分に非日常で、同僚はスマホのカメラを構えています。
ふと見上げると、青い空に3機の飛行機がゆっくりと飛んでいます。1機は白い尾を引いています。「いつもより近く見えますね」という後輩の言葉に、「ここは標高約1,650mだからね」とつい得意げに返してしまいます。
整備の行き届いた木の階段を登りきり、午前11時半ごろ、標高1,695mの日出ヶ岳山頂に到着しました。山頂周辺には遮るものがなく、じりじりと太陽が肌を焼きます。噴き出す汗を拭いながら、展望台一階の日陰で昼食をとることにしました。
昼食は持参したレーズンパンとカップ麺です。汗ばむシャツの裾をパタパタとあおぐと、ひんやりとした風が吹き込みます。青葉の瑞々しい山々を眺めながら、ジャンクな炭水化物と塩分を摂取します。運動をしているので罪悪感なく食べられます。登山ならではの至福のひとときを過ごしました。
昼食後、私の小さな楽しみの無線交信をしました。標高の高い山上の電波は良好で、運が良ければ遠方の局とも繋がることがあり、山行中、稜線などでは無線の電源を入れています。
この日は、徳島県の眉山と大阪の高槻市淀川河川敷にいる方と交信することができました。信号強度や天候などをやり取りすると、高槻はかなり暑いようです。
山路を歩きながら、それぞれの場所を想像しここから人力で行くとどれくらいの時間がかかるだろうと想像します。今や携帯電話やインターネットが普及し世界中と一瞬で繋がれるのが当たり前になりましたが、実際に体を動かして移動し距離を体感するとその凄さを実感します。
ノイズ混じりで不安定ながら、距離を超えて直接声が届いたことに言いようのない感動を覚えました。
正木ヶ原を過ぎ、正木峠へと差し掛かりました。案内板によるとこの場所は66年前の伊勢湾台風で壊滅的な被害を受け、森の再生がいまだに進んでいない場所だそうで、かつて木々に覆われていた頃の写真も添えられていました。見晴らしが良い今も良いけれど、人間に例えるなら薄毛のようなものかと思うと、少し複雑な気持ちになります。
尾鷲辻の東屋でひと休みし、神武天皇像のある牛石ヶ原を通り、いよいよこのコース最大のハイライト、大蛇�瑤悄�
「ここに足置いて、注意してね」
風化した岩の上を慎重に進み、先端へ後輩をいざないます。すると、断崖絶壁の右側に目をやると、ほぼ垂直の壁を登るクライマーが4人いるではありませんか。急に恥ずかしくなり、講釈を垂れるのをやめました。その場にいるだけで十分、この大自然の凄さを感じられます。
コースも終盤、シオカラ谷へ下ります。清らかな渓流で顔を洗い、冷たい自然の空気に体が生き返るようでした。サーモスに入れてきたお湯で淹れるコーヒーは、山でしか味わえない格別な一杯です。吊橋を渡りビジターセンターの駐車場までは同僚に先頭を譲りましたが、元剣道部の脚力についていくのがやっとでした。なんとも頼もしいです。
15時半、無事に駐車場へ戻りました。一息つき大台ヶ原を後にしたのは16時すぎ。道の駅で休憩を挟み、18時過ぎには「あすかの湯」で汗を流しました。風呂上がりの夕食は、後輩は豚カツ、私はチキン南蛮定食にデザートにアイスをつけました。登山後は何を食べても美味しく、消費したカロリーを思う存分補給しました。
帰路の途中で給油し、午後9時50分に後輩を自宅に送り、私は午後10時過ぎに帰宅しました。
「見どころが多くて楽しかったです！次は8月の長野ですね！」
後輩からのメッセージに、心底嬉しくなりました。次の予定も決まり、充実した一日となりました。
費用内訳
・あすかの湯入浴料：900円
・夕食代：1,300円
・給油代：2,683円（169円/L × 15.9L）
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