鳳凰三山を歩く


- GPS
- 12:06
- 距離
- 21.3km
- 登り
- 2,423m
- 下り
- 2,114m
コースタイム
- 山行
- 4:05
- 休憩
- 0:08
- 合計
- 4:13
- 山行
- 6:51
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 7:47
天候 | 晴れ〜曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
【帰り】夜叉神峠登山口から山梨交通のバスで竜王駐車場(JR竜王駅)へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
基本的には危険個所なし。 三山の稜線を渡る辺りは、かなり急な昇り降りがあるので足を滑らせないように少々注意が必要。 |
その他周辺情報 | 竜王駅前は何もありませんでした… 最寄りの食堂もまさかの定休日を引いてしまう始末。 夜叉神峠から戻るときは、素直に甲府駅まで行くべきでしょう。 |
写真
装備
個人装備 |
【ここから衣服】ハイカット登山靴
登山用靴下
登山用半ズボン
速乾インナー
長袖シャツ
ハット
雨具上下
【ここから食料】水3L(コンツアー3L)
ゼリー飲料12パック
【ここから登山ギア】ザック(60L)
ストック2本
ヘッデン
ヘルメット
ガベッジバッグ4L
手ぬぐい
下山後用着替え一式
下山後用お風呂セット
【ここから消耗品】皮膚用日焼け止め
唇用日焼け止め
ティッシュ
ペーパータオル
ビニール袋
【ここから電子機器】携帯電話2機
モバイルバッテリー
充電ケーブル
カメラ(OM-3)
Garminウォッチ
VTIGERライト
【ここから緊急用品】エマージェンシーシート
エスケープヴィヴィ
ツェルト
ロープ2本
ドルマイシン軟膏
三角巾
包帯
折りたたみハサミ
サムスプリント指
サムスプリント
浄水器
チョコバー
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感想
今週末は、みんなの山行記録を見て前から気になっていた、鳳凰三山を縦走してきました。
【前節】
7/30 の水曜日に、鳳凰三山に行きたい欲がなぜか爆発したので、仕事の休憩時間で
鳳凰小屋と南アルプス鳳凰三山登山バスの予約が可能かを問い合わせ。
結果、小屋の方はテン場は埋まっていたものの、小屋泊はいけるとのこと。
そして登山バスも、9時10分発の2便はガラガラであることが確認できました。
ので、その場で即予約!
帰りのバスは1時半と3時半があるけど、これは下山タイミングを見て良き方に乗ろう、
ということで手配完了。
なお、この判断が後に大問題を引き起こすことに…
【JR韮崎駅〜御座石温泉登山口】
今日は初めて下車する JR 駅、かつ初めて利用するバスを利用する計画。
なので余裕をもって、バス時間の40分前には韮崎駅に到着する形で行動。
到着後、ちゃんとバス停の番線と位置も現地でチェックして、これで一安心。
ということで余った時間で軽食を頂いたり、小屋で愉しむ用の山梨ワインでも買おうかな…
としたのですが、なんと駅前にそういった食事処も商店もどこも開いてないというトラップを喰らう。
物理的にお店はあるんですが、9時前に空いていないのです…
ということでやることがなくなったので駅前ベンチで読書しながらバスの到着を待つ。
ちなみに駅には空調の効いた待合室的な場所はあるんですが、冷房が強すぎて数分も耐えられませんでした…
そうこうしているうちに 9 時になり、バスが到着。
今回は乗車予約をした方々が早々と全員そろったので、予定より早めに出発!
まずは青木鉱泉登山口手前まで向かい、その後に終点の御座石温泉登山口へ。
そこで下車して、帰りの便の確認を運転手さんに確認してみたところ…
「乗車予定日の2日前まで予約受付の、完全予約制スタイルだから今予約してなかったら乗れないよ」
という死刑宣告を受けてしまう。なんてこった!
この時点で、青木鉱泉下山後はハイヤーを呼んで諭吉さんとお別れするか、泣きながら歩くか、
の 2 つの選択肢が手招きする幻覚を見ながら登山をする羽目に。
【御座石温泉登山口〜燕頭山】
とはいえ、やっちまったもんは仕方なし。
気持ちを切り替えて登山スタート!
小屋の予約時、大将から「暑すぎてリタイヤしてる人も出てるから、水はとにかくたっぷり持ってきてな!」
と警告されてたので、3L たっぷり持ってきた…
のですが、実際登山口の時点で言うほど熱くなく、かつ今回選んだ燕頭山ルートは最初から最後まで
樹林帯たっぷりで、ほぼ直射日光を浴びる心配もありません。
その結果、汗は多少かく程度で、それも 2,000m を超えるあたりは速度を上げれば汗ばむかな?
レベルまで涼しくなった結果、山小屋到着までに半分も消費できなかったのです。
まあ、水については多すぎるのは足りないより遥かに良いので、結果オーライ。
そしてこのルート、鳳凰小屋のルート解説で初心者でも経験者と変わらない感じで登れるよ!
と書かれているだけあって、道迷いしそうな個所もほぼなし。
燕頭山までは息のつくような急登ともあるものの、実際の所そこまできつい傾斜に感じるような個所は
正直ほとんどなく、ヤマレコアプリの PCE ペースに合わせて歩けば問題ない感じでした。
ただ、もちろん 1,300m の獲得標高、また初心者向けとはいえところどころは歩くのに注意を要する
ような個所(道幅が50cmあるかないかみたいな細いところなど)はあるので、あくまで
「鳳凰三山を目指す決断をする程度の山経験値を持っている」前提にはなりそうです。
そうして到達した燕頭山、背丈の低い笹が広がるちょっとした平場になっています。
ここまでは真摯に登り続ける道なので、ほどよく一休みしやすい空間です。
【燕頭山〜鳳凰小屋】
ここからも真摯に登り続けますが、斜度は一気に緩むので、お気楽てくてくタイムです。
さらに燕頭山を越えた時点でほぼ 2,200m を超えるので、気温もさらに下がって快適さもプラス。
ただ、このあたりから四方八方から雲がもくもく上がってきて、展望がかなり残念なことに。
鳳凰小屋の解説で、夏は霧になりやすいみたいなことが書いてあったけど、
雲が登山道まで上がってくると、確かにこりゃ霧だぁ…
【宿泊】
小屋到着後はまずは受付。
ちなみにこの受付の際、山小屋なので当然「どのルートで来たか、どのルートで帰るか」
の報告が必要です。
そこで、下山について青木鉱泉の予約が取れなかったので、何か公共交通機関で
下山できる方法はないか?ということを伺ったのですが…
なんと、夜叉神峠からは予約不要のバスが複数出ているじゃありませんか!
ということで、下山ルートは急遽ドンドコ沢ルートからの青木鉱泉ゴールから、
ひたすら南下して夜叉神峠駐車場ゴールに変更することが決定。
というか、今回は親切な小屋スタッフさんのおかげで事なきを得ましたが、こういうトラブルにも
備えて、ちゃんとエスケープルート候補についても事前に調査をしておかないといかんですな。
受付後は感謝の気持ちも込みで、鳳凰小屋グッズにビールを購入。
荷物を置いてから、調理可能扱いのテーブルエリアにて自分へのご褒美タイム。
んでたまたま隣にいらっしゃった、大阪方面からの遠征組の方と楽しく語らっていると…
なぜかテーブルエリアに突然トロンボーンを持って現れたスタッフが。
そして、このスタッフさんによる突然の演奏会が始まるといううれしいサプライズ!
案内によると、一か月ほどスタッフとして鳳凰小屋に滞在する間、トロンボーンによる
演奏会を開こう、という企画みたいです。
さらに今日はその企画の初日ということで、幸運なタイミングで立ち会うことができました。
演奏としては 5 曲ほどが演奏され、山に関連する曲、ジブリ曲、スタッフさん出身地の曲など
セットリストも小粒ながらしっかり練りこまれており、聴きごたえも抜群。
更に、ジブリ曲はラピュタの曲だったので、試しにパズーが鳩小屋で演奏してた曲を!
とリクエストしてみたら、即興でそれも演奏してもらえました!
なんたる僥倖!スタッフさん感謝です。
ということで、鳳凰三山に興味があるそこのアナタ!
鳳凰小屋泊で計画を立てるなら、今がチャンスですよ(ダイマ
そんな楽しいひと時を過ごしたのちは、17時半からのディナータイム。
これまた鳳凰小屋のページで、鳳凰小屋といえばカレー!
と書いてあったので、今回の小屋泊の楽しみの一つでしたが…
うん、うまいぞよ!
しかもお代わり自由ときたもんで、今日つかった分と明日使う分のエネルギー補充のため、
3回ほどお代わりさせていただきました。
3杯目はそっと出し?知らんなガハハ!
というより、4杯目をお願いしようかなーというタイミングで、スタッフさんから
カレーが売り切れ御礼直前アナウンスが。
…さすがに、もう在庫がほぼない状況で 4 杯目はアカンよなぁ、と思いお代わりを中止。
ともかく満腹満足となったので、明日に備えて早めに就寝。
zzz...
【鳳凰小屋〜地蔵ヶ岳】
なんか夜中に何度か目が覚めた際に、結構雨が強く降ってたような音が聞こえていた…
けど、4時時点では幸いながら雨は既にあがっていました。
…本当はご来光を地蔵か観音で拝むつもりが、この時点で地蔵ヶ岳すら間に合わないことが
確定したのでした。
先週の日光といい、どうにも寝坊してしまう。
個人でのテン泊はともかく、他の人がいる避難小屋や山小屋だと目覚ましをかけるわけにも
いかないしなぁ。
どうしたもんだか。
ともかくヘッデンと共に行動開始!
ただ出発がほぼ4時半に対し、今日の日の出予定は4時50分くらい。
トレランでもしない限り、山頂のご来光は無理じゃよー。
前半は普通にそこそこ斜度の登山道、そして後半は賽の河原と呼ばれているエリア。
このエリアは長年かけて風化して、ほぼ砂になりかけてる花崗岩に占められています。
そうそう、これ!この白い斜面を登るのが、鳳凰三山の目当ての一つだったんだ!
ただ、ここは大変幅広になっていて足跡がいまいちわかりにくく。
踏み固められている足跡から外れると、サラサラとザラザラの中間点くらいの足元のせいで
かなり足をとられたり。
あぁ、この感覚は富士山の須走をちょっと思い出す…
登りでなくて下りだったら、下り最速ダッシュごっこができそう。
そして賽の河原を抜けると、そこはオベリスクの目の前。
せっかくなので、地蔵ヶ岳の前にオベリスクを登れるところまで登ってみよう!
そのために、わざわざヘルメットも担ぎ上げてきたからね。
…ただ、踏み跡を辿れるのは(自分の技量では)2,745m くらいの地点が限度でした。
それ以上はルートが見つからない、いけそうなところも失敗したらただじゃすまない危険性を
孕んでいるのが明白だったので、おとなしくここで引き上げ。
これ以上はロッククライミングの経験と装備が必要っぽい。
そうして地蔵ヶ岳に到着。
その名の通り、お地蔵さんがやたら大量に設置してあります。
何のために設置されているのか、については特に現地では説明らしきものはなかったので、
詳細は不明です。
【地蔵ヶ岳〜観音岳】
ここからは鳳凰三山縦走の核心部。
先ほどの賽の河原のような場所を歩いたり、岩ごつごつのところをなんとか昇り降りしたり、
普通に土と樹林を通り過ぎたり、と目まぐるしく情景が入れ替わります。
そして何より周囲に広がる、特に目の前の南アルプスの大パノラマが…!
が…
見えない!雲がもっくもくに上がってきてやがる!
鳳凰小屋スタッフの予想だと、太平洋高気圧が出張ってくるから午前中くらいから低い標高に
雲海がかかって、午後にはその雲が上がって視界がなくなりそう、ということでしたが、
その予想よりはるかに早く雲が上がってきちゃったみたいです。
最近、山頂からの眺望に恵まれなさ過ぎて泣きそうになる…
そうして到着した観音岳!
眺望は…ぐあああ、もうだいぶ雲があがってきてしまっているではないか。
具体的にいうと、すぐそばにあるはずのオベリスクが全く見えないくらいほどに。
といっても嘆いて雲が晴れるわけもなし、仕方がないので鳳凰小屋で包んでもらった朝ごはん弁当を
ここで食べる形で小休止を。
お弁当のおかずは、お肉の大和煮と、ふきと椎茸の煮物でしたが、個人的にはこの煮物がヒット。
ふきの煮物大好きマンというのものあるけど、この煮つけの優しい味で心がほっこりできました。
ありがとう鳳凰小屋のスタッフさん!
【観音岳〜薬師岳】
観音岳を出発するあたりで、周囲は完全に雲の中。
どのくらい雲かというと、自分の少し前を歩いてるハイカーさんが、30m も距離があるともうだいぶ
姿が朧気になる程度。
これ 100m も離れたら存在を認識することすらできなさそう…
道中に関しては前の区画とそう変わりなく、ゆるいのと険しいのとが交互に出てくる、
よくある稜線わたりな風味が続きます。
そうして到着した薬師岳、これにて鳳凰三山を踏破だ!
大量にあるなんちゃら三山、初達成が鳳凰になるとはなぁ…
と、そこで気づく。
ヤマレコアプリくん、いつもの「まもなくなんちゃら山山頂です」って言ってなくない?
そしてアプリを開いて気付く、ヤマレコ的に薬師岳山頂は看板とかが建ってる場所ではなく、
そこからもうちょい東に向かった先にある別のピークになってる。
ということで、そっちのピークに向かおうとしたけど、直接行くルートはロープが張られており、
ピークに向かうにはちょっと迂回が必要っぽい。
この辺の GPS ログがグチャらってるのは、そのう回路探しでうろちょろした結果です。
なぜか真の薬師岳は、ちゃんとした案内看板とか一切ないんよなぁ…
ともかくぐるっと回って、改めて薬師岳登頂完了!鳳凰三山踏破っ!
【薬師岳〜南御室小屋】
ここからは、ひたすらゴールまで下ります。
そして三山の核心部はかなりの人口密度(数分おきにすれ違いや追い越し、各山頂は写真撮影を
お願いされるレベルで人がいっぱい)でしたが、ここからはぐっと減って 10〜20 分おきに
誰かとすれ違うか違わないか、レベルで静かな山行になります。
ちなみに薬師岳小屋でスタッフさんと少し会話しましたが、この後は雷の恐れがあるとか、
昨日も小屋の直近で何発か落ちてきたとか。
幸い、ここから先は基本的に樹林の中だから、ウルトラ運が悪くない限りは大丈夫…なはず。
また、ここからは湿度が常に高い区域になっているようで、樹林+苔の森がメインの景色になり、
苔好きにはなかなか楽しめます。
あと、これは昨日からそうなんですが、道中でキノコがそれなりの頻度で現れるので、
キノコ好きにはこれまたなかなか楽しめます。
今回は特に雲のおかげで風景写真が少ない分、苔とキノコの比率がすごいことに…
そして下りなのでサクサクっと南御室小屋に到着。
今回はここで、鳳凰小屋で包んでもらったお昼ご飯弁当を頂きました。
大和煮は一緒だけど、煮物が蕨とキノコの煮物になってました。
ちょっと具材変えときました!と、受け渡しの時に伝えられていたのですが、
いざ食べるとこういった心づかいがうれしいものですね。
改めてありがとうスタッフさん!
【南御室小屋〜辻山】
南御室小屋を出ると、登山道の整備状況がいきなりワンランクアップ。
幅は広いし、斜度はゆるやかだし、路面はなめらかだしで、どちらかというと登山道でなくて
林道レベルに。
あまりに歩きやすいせいで、半ば駆け下りる形で距離と高度をバシバシ稼げちゃいます。
そして苺平に至る道の途中で、「甲斐ある寄り道 辻山」の看板が。
看板には、辻山山頂から見える峰々の案内も載っているんですが、何より売り文句が
見事なダブルミーニングなのに感心しきり。
こんなナイスなものを見せられたら、寄り道しないわけにはいかないよなぁ!?
ということで 15分ほど寄り道コースを歩いて辻山山頂へ。
ちなみに辻山山頂には特に山頂看板だったりみたいなのは建てられておらず、
見晴らしの良いところのちょっと手前に三角点が設置されているのみです。
そして、わかってはいたけど、見晴らしはゼロなのであった。
くぬぬぬ…まあ今回はナイス看板に応える目的だったから、多少はね?
【辻山〜夜叉神峠駐車場】
寄り道ルートから戻り、あとはまた(9割がたは)極めて歩きやすい道をただひたすら下りまくる。
しかし 2,000m を切ったあたりから汗をかき始めて、1,600m を切ったくらいから汗が止まらず。
あっつぅい!
まあ、これについてはあまりに道の状態がいいせいで、駆け下りまくってる自分も悪いのですが。
そして調子に乗って加速しすぎたせいで、夜叉峠から登山口までの区間で足裏と膝が悲鳴をあげて、
普段のペースの 1/2 〜 1/3 レベルの鈍足になりつつも、何とかゴール!
あとは登山口目の前のヒュッテでソフトクリームとお土産用桃を購入しつつ、バスを待ってからの
下山完了と相成りました。
あと、ここのソフトクリーム、バニラにジャムを乗っけた形でサーブされるんですが、
このジャムの酸味がバニラの甘味と合わさって、疲れた身体に幸せと共にしみわたりました。
皆さんも夜叉神峠から下山した際には、ぜひ!(ダイマ
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