【大人の休日】沼ノ原沈没プラン


- GPS
- 03:15
- 距離
- 7.9km
- 登り
- 412m
- 下り
- 408m
コースタイム
- 山行
- 1:43
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 1:44
- 山行
- 1:23
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 1:23
天候 | 1日目・ガス→雨 2日目・雨→晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
途中、ゲートのある分岐の所で高原温泉とクチャンベツ登山口へ分かれます。ゲートは開いていました。駐車スペースには20台以上停められると思います。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【過去レコ】 沼ノ原にはほぼ毎年、あらゆる方向から行きますが、レコはほとんどアップしていません。^^; そのうちするかも。いや、絶対しないな。 いい写真が沢山あるので、自分のギャラリーで沼ノ原展を開催しようと思います。 ■2020年7月11日~12日(1泊2日)沼ノ原~五色岳(新幕デビュー) https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2430005.html ◾2018年9月1日~3日(2泊3日)石狩岳~沼ノ原~五色岳~化雲岳~天人峡 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1575679.html ◾2015年7月11日~12日(1泊2日)沼ノ原~ヒサゴ沼 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-675786.html |
その他周辺情報 | 層雲峡の黒岳の湯(日帰り入浴600円)に行きました。 ロープウェイ乗り場の割引券利用で500円で入れると思います。 |
写真
誰か引き継いでくれる人いますか?
ローカスギア クフ(日本製)
・テント(タイベック・ファスナー赤)
・3/4メッシュインナーテント(赤)
・テント用ポール
・ペグ(MSR)
・タイベックシート
一式8万円ほどで買ってます。
めっちゃ使用感あるし、結構汚れてますが、ソーランタンセットで5万円で出そうと思ってます。
沼ノ原が良く似合いますが、大雪山のほとんどのテン場と利尻や知床でも問題なく使用できました。
山泊の時はインナーテントは使っていません。
ULに転向したい方、フロアレス&非自立式のワンポールテントは上級者向けですが、北海道の山に似合うし、とにかくカッコいいです。
お湯を沸かすだけならケトルが一番使いやすいけど、ご飯炊いたり、しっかり調理するならメスティンがいいし、雑炊程度ならばシェラカップ2個使いも便利です。
ストーブはSOTOのマイクロレギュレーターストーブウインドマスターを採用。ジェットボイルは大きくてスペースを取るので、アトリエ専用になりました。
超軽量で高強度、防水性を兼ね備えたDCF素材です。
好きなデザインのが日本で買えなくて、個人輸入しました。
送料と関税合わせて30,000円近くしたかも。
去年剥がれた爪が少しずつ再生してる。
あそこからここまで縦走できます。2018年(片道)と2023年(往復)に歩きましたが、そろそろ藪が濃くなっていると思います。
アトリエのイメージカラーのジャパンブルー(藍色)と白のコーデ。好きな赤がアクセントカラーになっています。
これから秋のチャレンジに向けて身体を仕上げていきます。
天気と休みが合うことを祈りましょう。
いつも持ってくるペラペラのシェルパンツも忘れましたが、靴下を履き替えて、SOLのエスケープビビィで寒さを凌げました。
お盆過ぎたらきっと寒くなるので、防寒対策しましょうね。
一眼レフも持ちましたが、水込みで13kgぐらいだと思います。
Arc'teryx アルファFL30
30Lですが、ロールトップを伸ばして拡張できます。
完全防水ではありませんが、かなり耐水性が高いので、ザックカバーも使いません。
どのルートも2回以上は歩いていますが、簡単なことは何一つないです。
笹刈りが入った年は皆ブイブイ歩くんですけど、5年で相当藪が伸びるので、皆で歩いて、トレイルを確保しておきたいところですね。
感想
■時間を忘れるという贈り物
2021年に購入したGarminのスマートウォッチは、私の山行をずっと支えてくれました。2ヶ月ほど前にベルトの穴が切れて、ちょうど良い位置で留められなくなりました。そろそろ買い替え時かと思いましたが、特に欲しいモデルもなかったので、新しいベルトに交換するだけにしておきました。
緑岳で時間を確認し、目的地の白雲岳避難小屋に到着して再び時間を見ようとすると、腕にあったはずの時計が見当たりませんでした。
背負子の痛みを軽減しようと何度もヨイショと体勢を変えたときに、外れてしまったのかもしれません。小屋番の方に事情を説明し、連絡先を伝えておきました。
時計を落としたのは、緑岳から白雲岳避難小屋までのごく短い区間です。帰りも同じ道を通るので、自分で見つけられるかもしれないし、たとえ見つからなくても、きっと誰かが拾って届けてくれるでしょう。
以前、石狩岳からニペソツ山の耳までの区間でGoProを失くしたことがありました。そのときは、電波が届く場所まで戻ってSNSに投稿しておきました。翌日には拾った方もSNSに投稿していて、山友がその情報を教えてくれて、1週間ほどで手元に戻ってきたのです。
山のネットワークは、本当に心強いものです。
今回も、必ず見つかるという確信がありました。
スマートウォッチが腕から離れてしまったのは、もしかすると「時間に縛られすぎている私に、自然がそっとブレーキをかけてくれた」そんなふうにも思えました。
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■車中泊をしない選択
私の車は車中泊にあまり向いていないため、泊まりが必要なときは、ゲストハウスや民宿などの宿泊施設を利用するようにしています。
しっかり身体を休めたいという理由もありますが、その土地に少しでもお金を落とすことができるし、宿で面白い出会いがあることも楽しみのひとつです。
もし登山口で一夜を過ごすなら、山の上でテント泊をしたいと思っています。北海道の山で短時間でキャンプ地にたどり着ける場所は限られていますが、いくつか選択肢はあります。
層雲峡から短時間で登頂できる黒岳は賑やかになりすぎて、今の私には向いていません。
緑岳を下山し、もう一つの林道を進めば「クチャンベツ登山口」があり、そこから2時間ほど歩くと、「沼ノ原」というまさに天空の楽園にたどり着きます。
以前、林道が豪雨災害で長く閉鎖されていた時期がありました。2018年にはどうしてもそこに行きたくて、石狩岳から激藪を漕ぎ、半ば遭難しかけながら歩いたこともありました。
8月に入ってからというもの、暑さやストレスの影響か、毎晩2時間ほどしか眠れない日々が続いていました。
眠れない夜は無理に眠ろうとせず、いっそ疲れ果てるまで身体を動かせば、きっとぐっすり眠れる、そんなふうに思いました。
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■午後からの入山
山では早出早着が基本ですが、2時間以内でキャンプ地に着けるのであれば、午後からの入山も可能です。
クチャンベツ登山口を16時までに出発できれば、日没までに余裕をもって到着できるし、運が良ければ、夕陽が湿原を染める美しい景色に出会えるかもしれません。
日帰り組が帰った後は、駐車場も空いているでしょう。
天気予報や登山指数ばかりを気にして、空を見上げることが少なくなった人が増えたように感じます。
沼ノ原の標高はそれほど高くありません。
夕方にはガスに包まれるのは山のセオリーです。
ご来光は望めず、一日中雨が降ることもあります。
でも、天気なんてどうでもよかったのです。
私はここで沈没したい。
晴れることをほんの少しだけ想定して、贅沢な道具や撮影機材をできるだけ詰め込み、ただ黙々と歩き続けました。
身体にぴったり合ったザックのおかげで歩きやすく、淡々と進むだけでした。湿原の入り口には笹が覆いかぶさっていて、梅雨で下半身が濡れました。
下界の暑さが嘘のように、ここはひんやりと涼しく、そして静寂に包まれていました。
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■魂の住処
沼ノ原からトムラウシまで、日帰りでアタックしたこともあるし、日帰りなのにテントを担ぎ、一日中ここで過ごしたこともありました。
どこかへ向かうのではなく、ただここに身を置いて、深い眠りにつき、魂を静めたいそんな想いでした。
この日の野営地には、想像していたよりもテントが少なく、私以外には2〜3張でした。あたりはガスに包まれ、雨が降り出したこともあって、テントを張ったあとは外に出ることもありませんでした。
残っていた梅おにぎりを雑炊にして、ゆず酒をお湯割りにしました。
お酒を飲み終える頃には、歯磨きもせずにそのまま眠りにつきました。おそらく19時頃だったと思います。周囲に宴会をするパーティもなく、とにかく静かな夜でした。
シュラフは持たず、いつも私を包んでくれるダウンを着て、靴下を履き替え、ビビィに足を滑り込ませれば、それだけで寒さは十分しのげました。
雨音が強くなっても、睡魔の方が上回っていました。
私の尖がりテントには床がありません。テントよりわずかに大きなグランドシートが雨に打たれても、テントをピンと張っていれば、雨水は中に入らないのです。
風が強ければ話は違いますが、ありがたいことに、この夜は無風でした。
私はとにかく、ここでぐっすり眠りたかったのです。
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■やっちまった眠り姫
夜中の2時、ふと目が覚めると、雨は止んでおり、外には美しい星空が広がっていました。
尖がりテントと星空、そしてトムラウシを一枚に収めたくてカメラを構えましたが、結果はブレブレでした。
久しぶりに一眼レフを使ったせいか、うまくいきません。三脚も持っておらず、スマホのナイトモードで撮ったほうがよほど綺麗でした。
再び眠れず、辺りをチョロチョロと動き回ったり、本を開いてみたりと色々試しているうちに、ようやく二度寝に入りました。
次に目が覚めたのは、3時半。ちょうど日の出の30分前で、外はほのかに明るくなり、薄く霞んだトムラウシが姿を見せていました。
ただ、空は全体的に曇っていて、朝焼けは期待できそうにありませんでした。
「今日はダメなパターンかもしれないな…」そう思いながらも、「でもいいの、私はここで眠りたかっただけだから」と、お姫さまのように自分に言い訳をして、三度目の眠りにつきました。
そして次に目が覚めたとき、テントの外は明るい陽の光で満たされていました。
――ああ、やっちまった。
左腕を見ても時間は分からず、慌ててスマホで時間を確認すると、6時半を過ぎていました。
完全に陽は昇りきり、空は透き通るような青さで澄み渡っていました。
トムラウシには少しだけ雲がかかっていましたが、その輪郭ははっきりとしていて、大沼の水面にくっきりと映り込み、美しい水鏡を作っていました。
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■贅沢な時間の使い方
この2時間のあいだに、どんな天空のショーが繰り広げられていたのかは分かりません。
でも、そんなことはどうでもよかったのです。
私が大切にしたいのは、この幸せな瞬間にしっかりと向き合うこと、それだけでした。
太陽の光はとても暖かく、私はワラーチを履いて、あたりをゆっくり歩きながら何枚か写真を撮りました。
大きくて平らな石をテーブル代わりにして、食べ物を広げ、朝食の準備を始めました。
まだ残っていた梅おにぎりは、また雑炊にして食べ、食後にはもう一度お湯を沸かしてスープを作り、次の山泊のためにルーティンを確認しておきました。
シェラカップにフルーツを盛りつけ、椅子に腰かけて、本を読む。
いつのまにか、周囲のテントはすべて撤収されており、静かな湿原に戻っていました。
五色岳に向かって歩いていく人の鈴の音と、鳥たちのさえずりが、心地よく響いていました。
時間に囚われることもなく、電波を探すこともありません。
今ここにいるこの瞬間が、私にとっては最高の命の使い方だったのです。
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■やったことはそのまま自分に返ってくる
下山後、層雲峡に移動して、いつもの「黒岳の湯」で2日分の汗を流しました。車に戻ると、見慣れない番号から着信がありました。
白雲小屋からだとすぐにわかりました。
途切れ途切れの通話でしたが、私のスマートウォッチを拾ってくれた方が、山守隊を通じて連絡してくれました。
文字盤は割れているけれど、電源は入っているそうです。着払いで送ってもらうようショートメールで送付先を伝えました。
拾ってくれたのは、板垣新道あたりですれ違ったご夫婦でした。
「大きな竹籠に整備用の資材を元気に運んでいる姿を見て、頭が下がる思いでした」と、心のこもったメッセージと、山守隊のキーホルダーが同封されていて、支払は元払いでした。
私は何かを期待して行動したわけではありません。
でも、行いというのは、いつか必ず、自分に返ってくるのだと思います。
時計が腕から離れたとき、「もう手放すときかもしれない」と思いました。
でも、私が歩いてきた道のりと、その途中で出会った、目には見えないけれど確かなつながりを忘れないために、またこの時計を、左腕につけることにしました。
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※フルバージョンのドローン映像は数日だけ公開します。
その後はいつものショートバージョンに変更します。
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