蝶ヶ岳 〜まさに 槍・穂の展望台〜
- GPS
- --:--
- 距離
- 10.5km
- 登り
- 1,419m
- 下り
- 1,409m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
この日は雪が緩んでいて、それほど危険は感じませんでしたが、そうでない時は滑落の危険性のある場所が何カ所かあります。 |
その他周辺情報 | なんといっても、同じ県道烏川線沿いにある温泉「ほりでーゆ〜」でしょう。 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
装備
備考 | 写真は撮影順が一部異なります。ご了承を。 |
---|
感想
今シーズンの雪山もほぼ終りかなと思っていたが、世間ではまだまだ楽しんでいる人がいっぱいいる。
となれば、自ずとこちらもだんだん座していられない気持になってくる。
ということで・・・。
蝶ヶ岳は、隣の常念岳と共に山登りを始めてから2年目に登った初めての日本アルプスの山。
言わずもがな、槍、穂高の展望の山としても名高い。
雪を冠った壮大な景色を眺めて見たくて、今回、6年ぶりに登ってきた。
過去のこの時期の他の人のブログを拝見すると、総じて雪質は固くアイゼン、ピッケルは必携の様子。
なにしろ、これまでに登った2、3000メートル級の雪山は、先月登った中央アルプスの将棊頭山(2,730m)と恵那山だけ。装備の必要性は身に染みて体験している。ということで、これまで使ったことがなかったピッケルを新たに購入。
今回は、スノーシュー、ストックは必要なさそうだが車に積み込む分には問題ないので、もしものためのつもりで一応持参。
金曜の夜、我家を出発した。
松本ICを夜中の12時過ぎに下りて(なにを勘違いしたか安曇野ICの一つ手前で下りてしまった 。これも高校時代、松本に通った縁か)、昨日、冬期閉鎖を終えたばかりの烏川林道を走り、ゲート前の駐車場に到着したのは1時近く。
さすがに冬期閉鎖が解除されたばかりということもあってか、この時点で止まっている車はまだ2台。
少しの仮眠の後、出発の準備をしていて、どうしようか迷った。
スノーシューを持参するべきか否か。
この山でのこの時期のスノーシューはないだろうことはもう分かっているが、だが、やっぱり迷う(軽くはないだけに尚更)。
「備えあれば・・・」結局、持参して必要なしと思ったら道脇に置いていくだけ、との結論に。
月明かりの中、ヘッドランプをつけて3時14分、ゲート前を出発。
この時期の割りにはあまり寒さを感じない。
16分後、あっという間に登山相談所のある(もちろん、この時間には誰もいない)登山口に到着。
登山届けをボックスに入れて、その先にある左、蝶ヶ岳、右、常念岳の分岐を左に向かう。
登ることしばらく、眼下の安曇野の空に朝焼けが広がってきた。
いい天気になりそうだ。
登山口から2時間弱で「まめうち平」に到着。5時23分。
暖冬気味で例年よりも雪が少ないとはいえ、ここから一気に雪の量が増えてきた。しかも、その雪質は想像していたよりもかなり柔らかい。ちょっと強く踏込んだだけで、ズボッと靴が潜ってしまう。
一昨日の雨の影響と、この暖かさで固まり切っていないのだろう。
迷うことなく、もしものためにと担いできたスノーシューを選択。
(結局この日、アイゼンとピッケルの出番はまわってこなかった)
とはいっても、これで楽になったというわけでは勿論ない。
進むほどに傾斜の度は増して、緩んだ雪のせいで踏ん張りも効かず、なにしろ歩きにくい。
加えて、薄く残ったトレースも消えること度々。頼りの赤テープも途中で見失って次を探すのに、あっちを見たりこっちを見たり。
それでも、なんとか登山口から5時間半。前方が開けて、ようやくコースも終盤に入ったことを知らせてくれる。
いつもの年だったら、カチカチで一旦滑ったら下まで行ってしまいそうなところも、この雪質のせいで怖さはほとんど感じない。
運がいいのか、悪いのか。
頂上近くまでくると日当りがいいせいか、これまでの雪が嘘のように消えて無くなってきた。
雪面から土面に変わるところでスノーシューを外していると、蝶ヶ岳ヒュッテの男性が赤テープを付けたポールを何本か持って下りてきた。この近辺のコースの目印になるようにと、これから立てに行くとのこと。(こちら的には一歩違いだったわけだが 汗)
こうした半ばボランティア的なことまで当たり前のようにこなされる姿には頭が下がる。
そして、そこから残り数十メートルで稜線。
これまでまったく見えていなかった槍、穂高の山並みが目の前に姿を現した。
これが見たくて汗もいとわず登ってきた。
右から槍、南岳、大キレット、北穂、涸沢岳、奥穂、前穂等々、雪を冠った錚々たる山々がズラリと並んで聳えている。
絶景という言葉はこのためにあるのではとさえ思ってしまう。
北方向には6年前、この蝶ヶ岳へと縦走した常念岳も間近に見えている。
一通り景色を堪能した後、ヒュッテの南側にある蝶ヶ岳頂上(2677m)へ。
ここから眺める、常念岳へと繋がるなだらかな稜線がまた美しい。
いつの日かまた、この稜線を槍・穂を横に見ながら、のんびり歩いてみたいものだ。
ヒュッテでは、明後日(25日)の小屋開きを前に、金槌の音が響いていた。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する