イタリア最高峰、グランパラディーゾ


- GPS
- 17:49
- 距離
- 20.6km
- 登り
- 2,039m
- 下り
- 2,040m
コースタイム
- 山行
- 4:58
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 4:58
- 山行
- 12:52
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 12:52
天候 | 快晴、微風〜そよ風 暑かった(山小屋出発時で既に13℃) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■登山ポスト:なし ■時差:日本から7時間遅れ(サマータイム込み) ■ルート状況 ポントからヴィットーリオ・エマヌエーレ二世小屋までは、つづら折りで踏み固められた歩きやすい一本道が続くだけで、迷う要素はない。地面に細かい砂が多いので、靴が砂まみれにはなるが。 小屋から山頂までは、はじめ一切雪のない岩場、続いて割と傾斜のある雪の斜面、そして山頂直下からはまた雪のない岩場となっていた。山頂を巻くように裏手に回り込んでから登頂して元の位置に戻る形なので、アイゼンとザックは山頂直下の場所に置いていった。 シーズンだからか結構人が多く、山頂では軽い写真待ち位は発生していた。 帰りはガイドさんの計らいで別の道をおりた。技術的には難しくないそうだが、前半の氷河下りはクレバスの巣の中を歩く形であり、クレバスの上にかかっている氷を踏んでいくこともあったのでちょっと薄気味悪く感じることもあった。 そこを過ぎると平坦だが浮石の多い岩場に入り、さらにしばらく行くと下り道になり、最後は穂高のザイテングラートに似た土と岩のくねくね下山道になり、山小屋の裏手に戻る形。 |
その他周辺情報 | ■ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世小屋 ヨーロッパの山小屋ってすごい(こなみ) 雑魚寝じゃない(鍵のかかる客室が割りあてられる!)し、トイレは半分くらい水洗だし、当然のように紙があるし、晩御飯も豪華。 50ユーロくらいしたけど、1ユーロ173円としても8500円ちょいくらい。そう考えると日本の山小屋は高い。まあ、日本と西欧諸国とじゃ登山への考え方も国の姿勢も違うんだろうが…… ■ポント集落 バス停、トイレ、ばかでかい駐車場、そしてロッジくらいしかない。ロッジではコーヒーが飲める(同行者談)。 ヴィルヌーヴ行きの終バスは18:10発(2025年8月12日現在)。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
予備靴下
グローブ
アウター手袋
防寒着
雨具(兼アウターレイヤー)
ゲイター
バラクラバ
冬靴
アプローチシューズ(スニーカー)
ザック(25L)
ザックカバー
アイゼン
ピッケル
行動食
アクエリアスの粉
飲料
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
携帯
サングラス
タオル
ナイフ
ヘルメット
|
---|---|
備考 | ガイドさんに聞いたところ、ゲイター、バラクラバ、雨具のジャケットは小屋にデポして行くことを勧められたため出番なし。実際、バラクラバなんて付けてた日には暑すぎて死んだかも。 また、ガイドさんにストックの使用を勧められたため、それと入れ替わる形で、ピッケルも小屋でお留守番となった。 反対に足りなかったのは行動食。山小屋で買うつもりだったのだが思うようなものがなく詰んだ。雪山の消費量を甘く見ていた。 |
感想
口笛はなぜ遠くまで聞こえるのか、あの雲はなぜ私を待っているのか。その答えを求めて登山隊(2名、プラス小屋で合流したガイドさん1名)はアルプスの高山へ向かった――
いわゆるガイド登山というのは初めての経験だったが、単にアドバイスを貰えたり小屋でサービスを頼んでくれたりするだけでなく、純粋に交流が楽しくもあった。まあ、お値段はかなりのものでしたが……
今回は、あれだこれだという話はさておいて「感想」だけを端的に述べたい。
つまり、わたしの食糧計画が新婚1週間の夫婦より甘かったせいでシャリバテして雪の上に横倒しになってしばらく立ち上がり方が分からなかったとか、日焼け止めの塗りも大きくなったらパパのお嫁さんになるー♡って娘に言われた直後の父親より甘かったせいで左の親指以外がこんがり焼きあがってエクレアみたいになったとか、そもそも一体全体どうしてそんなアメリカあたりのメタボ製造菓子より甘い甘々野郎がイタリア最高峰に向かったのかとか、そういう話を全部すっ飛ばすということだ。
すっ飛ばして……
端的に言うと……
……最高だった!
雲ひとつない澄み渡った空の青と、それに照り映える雪の白、火照った身体を冷ましてくれる冷たい風とはるか高みで輝く太陽。
360度見渡す限りの大展望には尖った山容をそれぞれに誇るアルプスの峰々が何層にもどこまでも連なり、さらにそのほとんどすべてがわたしの目線よりも下にある! そして、その地点まで登ったのはほぼわたしの脚なのだ(ほぼ、と書いたのは、シャリバテで思うように足を踏み出せずにいたところを日が高くなって雪が緩み出すことを危惧したガイドさんに引っ張られてしまった数メートルは「わたしの脚だけ」で登ったとはいえないからだ)。
現金なことに、山頂に何とか這い上がった瞬間、それまでに感じていたシャリバテによる脱力感とめまいが一気に引いた。代わりに訪れたのは、腹の底からにんまりと、深い笑みが静かに込み上げてくるような感覚だった。
征服してやったと思うほど傲慢ではない。努力が報われた嬉しさでもない。達成感や解放感とも何か違う。もっとシンプルな、プリミティブな何か……。言語化を試みること自体が野暮なのかもしれないけれど、敢えて言うならこれこそが「登頂という行為そのものによってヒトの心にもたらされる幸福」であり、数多の死にたがりが山に向かい続ける理由なのかもしれないと妄想するには充分な悦びがそこにはあった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
まあ実際標高が要因としてでかそう、4000メートルだし その高さにしては実際雪が少なかったような気がするし。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する