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Yamareco

記録ID: 8548573
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
ヨーロッパ

イタリア最高峰、グランパラディーゾ

2025年08月11日(月) 〜 2025年08月12日(火)
 - 拍手
どら その他2人
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
17:49
距離
20.6km
登り
2,039m
下り
2,040m
歩くペース
標準
1.01.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
4:58
休憩
0:00
合計
4:58
距離 5.0km 登り 758m 下り 8m
9:00
298
スタート地点
13:58
宿泊地
2日目
山行
12:52
休憩
0:00
合計
12:52
距離 15.6km 登り 1,281m 下り 2,032m
4:13
772
宿泊地
17:04
ゴール地点
天候 快晴、微風〜そよ風
暑かった(山小屋出発時で既に13℃)
過去天気図(気象庁) 2025年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス
アオスタ(Aosta)→ヴィルヌーヴ(Villeneuve)→ポント(Pont Valsavarenche)とarrivaバスを乗り継いで移動。ヴィルヌーヴ―ポント間は本数が少ないので注意
コース状況/
危険箇所等
■登山ポスト:なし
■時差:日本から7時間遅れ(サマータイム込み)


■ルート状況
ポントからヴィットーリオ・エマヌエーレ二世小屋までは、つづら折りで踏み固められた歩きやすい一本道が続くだけで、迷う要素はない。地面に細かい砂が多いので、靴が砂まみれにはなるが。

小屋から山頂までは、はじめ一切雪のない岩場、続いて割と傾斜のある雪の斜面、そして山頂直下からはまた雪のない岩場となっていた。山頂を巻くように裏手に回り込んでから登頂して元の位置に戻る形なので、アイゼンとザックは山頂直下の場所に置いていった。
シーズンだからか結構人が多く、山頂では軽い写真待ち位は発生していた。

帰りはガイドさんの計らいで別の道をおりた。技術的には難しくないそうだが、前半の氷河下りはクレバスの巣の中を歩く形であり、クレバスの上にかかっている氷を踏んでいくこともあったのでちょっと薄気味悪く感じることもあった。
そこを過ぎると平坦だが浮石の多い岩場に入り、さらにしばらく行くと下り道になり、最後は穂高のザイテングラートに似た土と岩のくねくね下山道になり、山小屋の裏手に戻る形。
その他周辺情報 ■ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世小屋
ヨーロッパの山小屋ってすごい(こなみ)
雑魚寝じゃない(鍵のかかる客室が割りあてられる!)し、トイレは半分くらい水洗だし、当然のように紙があるし、晩御飯も豪華。
50ユーロくらいしたけど、1ユーロ173円としても8500円ちょいくらい。そう考えると日本の山小屋は高い。まあ、日本と西欧諸国とじゃ登山への考え方も国の姿勢も違うんだろうが……

■ポント集落
バス停、トイレ、ばかでかい駐車場、そしてロッジくらいしかない。ロッジではコーヒーが飲める(同行者談)。
ヴィルヌーヴ行きの終バスは18:10発(2025年8月12日現在)。
ポントからスタート
川に沿った道を上流方向へ歩いていく
2025年08月11日 09:13撮影 by  Pixel 9a, Google
8/11 9:13
ポントからスタート
川に沿った道を上流方向へ歩いていく
牛が飼われていた
肉用か、乳用か、はたまた労働家畜か……?
2025年08月11日 09:15撮影 by  Pixel 9a, Google
8/11 9:15
牛が飼われていた
肉用か、乳用か、はたまた労働家畜か……?
「←ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世小屋」の看板に従って進む
歩きやすい道が続く
2025年08月11日 09:24撮影 by  Pixel 9a, Google
8/11 9:24
「←ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世小屋」の看板に従って進む
歩きやすい道が続く
でかいチングルマ。日本のやつのふた回りはデカイ
ヨーロッパオオチングルマと名付けてみたが、セイヨウオキナグサという名前が既にあったようだ
ちなみに科から違う
2025年08月11日 10:26撮影 by  Pixel 9a, Google
8/11 10:26
でかいチングルマ。日本のやつのふた回りはデカイ
ヨーロッパオオチングルマと名付けてみたが、セイヨウオキナグサという名前が既にあったようだ
ちなみに科から違う
よく太ったかわいいクモちゃん
2025年08月11日 11:46撮影 by  Pixel 9a, Google
8/11 11:46
よく太ったかわいいクモちゃん
山に見守られながらつづら折りの道を登っていく
高木は登り始めて割とすぐに姿を消した
2025年08月11日 12:18撮影 by  Pixel 9a, Google
2
8/11 12:18
山に見守られながらつづら折りの道を登っていく
高木は登り始めて割とすぐに姿を消した
ホタルブクロの仲間だろうか?
2025年08月11日 12:42撮影 by  Pixel 9a, Google
8/11 12:42
ホタルブクロの仲間だろうか?
ヨーロッパアルプスの高山植物は日本のそれとはだいぶ趣が異なる
2025年08月11日 12:47撮影 by  Pixel 9a, Google
8/11 12:47
ヨーロッパアルプスの高山植物は日本のそれとはだいぶ趣が異なる
白いちっちゃいのがいっぱいあつまったのが株になってるやつ
2025年08月11日 12:48撮影 by  Pixel 9a, Google
8/11 12:48
白いちっちゃいのがいっぱいあつまったのが株になってるやつ
白いちっちゃいのが別にあつまらずに株になってるやつ
2025年08月11日 12:48撮影 by  Pixel 9a, Google
8/11 12:48
白いちっちゃいのが別にあつまらずに株になってるやつ
これはキリンソウの友達かな
2025年08月11日 12:48撮影 by  Pixel 9a, Google
8/11 12:48
これはキリンソウの友達かな
よく増えるのが嬉しくて子供の頃植えまくったノースポールに似ている
2025年08月11日 12:54撮影 by  Pixel 9a, Google
8/11 12:54
よく増えるのが嬉しくて子供の頃植えまくったノースポールに似ている
リンドウの仲間だろうか?
2025年08月11日 12:56撮影 by  Pixel 9a, Google
8/11 12:56
リンドウの仲間だろうか?
山小屋で遅めの昼食
ブルーチーズ主体の料理が続いていたので、塩とバターのみのシンプルなこの味付けが嬉しい
こういうのでいいんすよ。こういうので。
2025年08月11日 14:16撮影 by  Pixel 9a, Google
2
8/11 14:16
山小屋で遅めの昼食
ブルーチーズ主体の料理が続いていたので、塩とバターのみのシンプルなこの味付けが嬉しい
こういうのでいいんすよ。こういうので。
やたらとアンティークな鍵 この部屋は……
2025年08月11日 16:44撮影 by  Pixel 9a, Google
8/11 16:44
やたらとアンティークな鍵 この部屋は……
山小屋の部屋!
山小屋で個室に泊まれるとは思わなかった
2025年08月11日 16:51撮影 by  Pixel 9a, Google
8/11 16:51
山小屋の部屋!
山小屋で個室に泊まれるとは思わなかった
客室の小窓から見た景色
旗は上から順にEU旗、国旗、州旗
2025年08月11日 16:51撮影 by  Pixel 9a, Google
8/11 16:51
客室の小窓から見た景色
旗は上から順にEU旗、国旗、州旗
晩御飯はコースだった
1品目はチーズリゾット(まあまあ重い)
2025年08月11日 19:14撮影 by  Pixel 9a, Google
8/11 19:14
晩御飯はコースだった
1品目はチーズリゾット(まあまあ重い)
2品目はビーフシチュー、カリフラワーとグリーンピースをなんかしたやつ、ポテトペースト
ポテトペーストが優しい味ですごく美味しかった
2025年08月11日 19:33撮影 by  Pixel 9a, Google
2
8/11 19:33
2品目はビーフシチュー、カリフラワーとグリーンピースをなんかしたやつ、ポテトペースト
ポテトペーストが優しい味ですごく美味しかった
デザート、桃のシロップ漬け
2025年08月11日 19:55撮影 by  Pixel 9a, Google
1
8/11 19:55
デザート、桃のシロップ漬け
出発から一時間ちょい、ようやく明るくなってきた
満月でした
2025年08月12日 05:36撮影 by  Pixel 9a, Google
8/12 5:36
出発から一時間ちょい、ようやく明るくなってきた
満月でした
氷河にはいるので、ガイドさんとアンザイレンで繋いでもらう
2025年08月12日 05:38撮影 by  Pixel 9a, Google
8/12 5:38
氷河にはいるので、ガイドさんとアンザイレンで繋いでもらう
夜が明けてきた
どこまでも連なる山脈のスケールが日本とはまったく違う
2025年08月12日 06:56撮影 by  Pixel 9a, Google
1
8/12 6:56
夜が明けてきた
どこまでも連なる山脈のスケールが日本とはまったく違う
いい感じの岩
一緒にきた人がこのへんでお腹を壊した
2025年08月12日 08:19撮影 by  Pixel 9a, Google
1
8/12 8:19
いい感じの岩
一緒にきた人がこのへんでお腹を壊した
道の傾斜がだんだん強くなる
今度はわたしがこの辺りでシャリバテしはじめる
2025年08月12日 08:19撮影 by  Pixel 9a, Google
2
8/12 8:19
道の傾斜がだんだん強くなる
今度はわたしがこの辺りでシャリバテしはじめる
山頂には日本のような山頂標識ではなく、聖母像があった
2025年08月12日 09:32撮影 by  Pixel 9a, Google
2
8/12 9:32
山頂には日本のような山頂標識ではなく、聖母像があった
ところでマリア様背中ベッタベタですけど大丈夫ですか
2025年08月12日 09:32撮影 by  Pixel 9a, Google
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8/12 9:32
ところでマリア様背中ベッタベタですけど大丈夫ですか
360度の大パノラマ!
最高峰はこれがいいよね
2025年08月12日 09:35撮影 by  Pixel 9a, Google
2
8/12 9:35
360度の大パノラマ!
最高峰はこれがいいよね
帰りの氷河はクレバス祭りだった
これは大きいやつ
2025年08月12日 10:52撮影 by  Pixel 9a, Google
8/12 10:52
帰りの氷河はクレバス祭りだった
これは大きいやつ
なんとか落ちずに通過しました。
2025年08月12日 11:34撮影 by  Pixel 9a, Google
1
8/12 11:34
なんとか落ちずに通過しました。
登頂を祝って山小屋で、茹でムラのあるクリームソースペンネとソフトドリンクで乾杯
茹でムラは標高のせい……だということにしておこう!
2025年08月12日 13:51撮影 by  Pixel 9a, Google
2
8/12 13:51
登頂を祝って山小屋で、茹でムラのあるクリームソースペンネとソフトドリンクで乾杯
茹でムラは標高のせい……だということにしておこう!
下山後、ポント集落の川で足などを洗いました
酷い靴擦れができていた(いつもの)
2025年08月12日 17:09撮影 by  Pixel 9a, Google
8/12 17:09
下山後、ポント集落の川で足などを洗いました
酷い靴擦れができていた(いつもの)
撮影機器:

装備

個人装備
長袖シャツ ズボン 靴下 予備靴下 グローブ アウター手袋 防寒着 雨具(兼アウターレイヤー) ゲイター バラクラバ 冬靴 アプローチシューズ(スニーカー) ザック(25L) ザックカバー アイゼン ピッケル 行動食 アクエリアスの粉 飲料 コンパス 計画書 ヘッドランプ 予備電池 筆記用具 ファーストエイドキット 常備薬 日焼け止め 携帯 サングラス タオル ナイフ ヘルメット
備考 ガイドさんに聞いたところ、ゲイター、バラクラバ、雨具のジャケットは小屋にデポして行くことを勧められたため出番なし。実際、バラクラバなんて付けてた日には暑すぎて死んだかも。
また、ガイドさんにストックの使用を勧められたため、それと入れ替わる形で、ピッケルも小屋でお留守番となった。

反対に足りなかったのは行動食。山小屋で買うつもりだったのだが思うようなものがなく詰んだ。雪山の消費量を甘く見ていた。

感想

口笛はなぜ遠くまで聞こえるのか、あの雲はなぜ私を待っているのか。その答えを求めて登山隊(2名、プラス小屋で合流したガイドさん1名)はアルプスの高山へ向かった――

いわゆるガイド登山というのは初めての経験だったが、単にアドバイスを貰えたり小屋でサービスを頼んでくれたりするだけでなく、純粋に交流が楽しくもあった。まあ、お値段はかなりのものでしたが……


今回は、あれだこれだという話はさておいて「感想」だけを端的に述べたい。
つまり、わたしの食糧計画が新婚1週間の夫婦より甘かったせいでシャリバテして雪の上に横倒しになってしばらく立ち上がり方が分からなかったとか、日焼け止めの塗りも大きくなったらパパのお嫁さんになるー♡って娘に言われた直後の父親より甘かったせいで左の親指以外がこんがり焼きあがってエクレアみたいになったとか、そもそも一体全体どうしてそんなアメリカあたりのメタボ製造菓子より甘い甘々野郎がイタリア最高峰に向かったのかとか、そういう話を全部すっ飛ばすということだ。


すっ飛ばして……


端的に言うと……



……最高だった!



雲ひとつない澄み渡った空の青と、それに照り映える雪の白、火照った身体を冷ましてくれる冷たい風とはるか高みで輝く太陽。
360度見渡す限りの大展望には尖った山容をそれぞれに誇るアルプスの峰々が何層にもどこまでも連なり、さらにそのほとんどすべてがわたしの目線よりも下にある! そして、その地点まで登ったのはほぼわたしの脚なのだ(ほぼ、と書いたのは、シャリバテで思うように足を踏み出せずにいたところを日が高くなって雪が緩み出すことを危惧したガイドさんに引っ張られてしまった数メートルは「わたしの脚だけ」で登ったとはいえないからだ)。

現金なことに、山頂に何とか這い上がった瞬間、それまでに感じていたシャリバテによる脱力感とめまいが一気に引いた。代わりに訪れたのは、腹の底からにんまりと、深い笑みが静かに込み上げてくるような感覚だった。
征服してやったと思うほど傲慢ではない。努力が報われた嬉しさでもない。達成感や解放感とも何か違う。もっとシンプルな、プリミティブな何か……。言語化を試みること自体が野暮なのかもしれないけれど、敢えて言うならこれこそが「登頂という行為そのものによってヒトの心にもたらされる幸福」であり、数多の死にたがりが山に向かい続ける理由なのかもしれないと妄想するには充分な悦びがそこにはあった。

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訪問者数:59人

コメント

イタリアって日本より南ってイメージなんだけどこんなに一面雪なんだ。登頂おめでとう!すっごい
2025/8/16 14:02
いいねいいね
1
ありがとう!
まあ実際標高が要因としてでかそう、4000メートルだし その高さにしては実際雪が少なかったような気がするし。
2025/8/16 14:19
いいねいいね
1
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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