岡山県西粟倉村 駒の尾山〜大海里山〜ダルガ峰 サラサドウダン他



- GPS
- 03:08
- 距離
- 8.1km
- 登り
- 497m
- 下り
- 490m
コースタイム
天候 | 晴れのち曇りのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
駒の尾山までの道はかなり整備され、歩きやすいです。階段状の道が多く、雨でも安全です。 駒の尾山からダルガ峰(なる)に行くまでに、途中、大海里(だいかいり)山の頂上への道標<写真21>がありました。逆サイドにも同様の道標<写真28>がありました。この区間にある大海里山の尾根道はわずかに踏み跡がある程度ですが、ひたすら尾根を辿っていけば、無事頂上に到達します。ただし、大海里山の南は滑りやすい黒土の急登やプチ岩場があるため、地面が濡れているときは南からアプローチしたほうが上りなので安全です。ロープはあります。 ダルガ峰からの下りは、当初予定よりも南にあった踏み跡を進んでみました。「駒の尾山まで○m」の道標がある作業道は南東に曲がり始めたので、適当に短い草が茂ったヤブを歩いて南西に向かうとまた違う作業道に合流しました。しばらくその道を歩いていると、知らない間に北上していたので、西にかすかに見えている林道ダルガ峰線までヤブを歩きました。下草は短くまばらで、ヤブコギというほどではありませんでした。林道との合流点には階段状の踏み跡がありました。 ダルガ峰線まで出たら、あとはこの舗装道路沿いに進みました。車の往来もなく、安全でした。 |
その他周辺情報 | 西に下りると、「道の駅レストセンターあわくらんど」があり、南に進むと、「愛の村パーク」があり、それぞれ温泉に入浴したり、格安でランチバイキングを食べたりすることができます。 |
写真
粘り強いので鎌や鎚の柄にされますが、あまり大きくはならないため、せいぜい1m程の材木にしかならないそうです。このようなことから、鎌程度の柄には良い材料であるとの意味で、カマツカと呼ばれているとも思われます。ちょうど満開でした。今回の山行中に何度も見ました。ちなみに、周辺にはツキノワグマの前足跡がありました。
田植えの時期に花が咲くので田植え花としても知られています。新緑の中で咲くピンクの花はひときわ映えて見えるので、すぐに見つかります。雨で傷んだのか、色が薄くなっている花が多かったのですが、まだつぼみも残っていました。この地点に水場もあります。林道ダルガ峰(なる)線沿いには特にたくさん生えていました。
花冠の先は浅く5つに裂け、花の色は、淡い黄色の地に紅色の筋が入り、先端が少し紅色になって、とても美しいです。道沿いに生えている木は幹の下の方を金網で保護してあるので、見つけやすいです。
第1展望所は見晴らしがいい所ですが、以前にキセキレイの巣があったため、あまり中には入らないようにしています。この時の天気はまだ雲量7ぐらいの晴れでしたが、上空にはもう巻積雲が広がっていました。
第1展望所の東脇より南西方面にある引谷川とその周辺の集落(新田や引谷等)や山の景色を望みました。牧歌的な風景で気持ちが安らぎます。手前の白い花はナナカマドです。ここから動画を撮りました。
花の姿を更紗染めの模様に見立てたのがこの名前の由来だそうで、別名を風鈴躑躅(ツツジ)といいます。日が当たってきれいでした。標高1,160m地点にある第2展望所を過ぎた辺りから道沿いにちょくちょく見られました。花つきはいいようです。
駒の尾山頂上から東南東に延びた尾根を望むと、手前から順に鍋ヶ谷山(1,253m)、船木山(1,334m)、後山(1,344m)が見えました。県下でも有数の美しい稜線です。
駒の尾山頂上から西方面を望むと、那岐(なぎ)山(1,255m)が見えました。なお、岡山県の山の標高トップ5は1後山、2船木山、3駒の尾山、4那岐山、5鍋ヶ谷山で、ここからすべて見ることができます。
駒の尾山頂上から北(鳥取県)方面を望むと、東山(1,388m)が見えました。富士山のような穏やかな山容とは裏腹に山頂一帯を根曲がり竹(チシマザサ)が覆い、人を容易に寄せ付けない孤高の山です。近年は登山道が整備されていますが、少しでも道を外すと大変なことになるでしょう。
「若杉峠から日名倉山までの尾根筋16.6kmの中間地点」と表記されていました。今からちょうど2年前の同時期に「県境尾根交流けんこう登山会」が開催されたそうです。ちなみに、今年は6月12日にダルガ峰登山口から駒の尾山、大海里山、長義山を経て峰越(みそぎ)峠までを往復する健脚コースが予定されています。
岩を登ったところから南東方面を望むと、手前から鍋ヶ谷山、船木山、後山の3ショットが見事でした。ここから石が埋まった道をサラサドウダンを見ながら歩いていると、とうとう霧雨が降り始めました。
写真に写っている地面一帯に群生しています。マンネンスギはシダ植物で、スギの葉のような枝葉と胞子穂を持ちます。踏まれないように迂回ルートが設定されていました。兵庫県では絶滅危惧種に指定されているそうですが、今回の山行では、ここ以外にも何ヶ所か群生しているのを見ました。杉の木の赤ちゃんのようなのを見かけたら、踏まないようにしたいです。
大海里山の滑りやすい黒土の北尾根を下りた標高1,130m地点で従来の駒の尾山&ダルガ峰(なる)コースと再び道が合流しました。北からアプローチする場合はここが大海里山北尾根入口となります。
標高1,163mのダルガ峰の頂上です。山頂付近が平らで約40haの平坦地が広がります。達磨大師が座している姿に似ていることから達磨が峰と呼ぶようになったと言われています。地形図の点線の道よりも南にあった踏み跡に入って、岡山県側の林道ダルガ峰線に下ることにしました。数分で南東に下り始めたのでヤブを進み、作業道に合流しましたが、今度は北上したので西のヤブを下りてやっと舗装道路に出ました。
林道ダルガ峰線沿いにたくさん咲いていました。ここを歩く人は極めて少ないので、山行ルートに設定し、ラッキーでした。車も通らず安全でした。地形図の大海里峠<写真20>から林道ダルガ峰線へと延びる点線の道との合流点には、白雲の滝がありました。動画を撮ったところで本降りになったため、少し西の木陰でカッパを着ました。ちなみに、上記の点線の道は3年前には歩くと沈み、コンクリートの割れ目から水がしみ出してきました。
今回の山行中、クリンソウを発見しました。レッドデータブックでは兵庫県は絶滅危惧種、岡山県では情報不足となっています。自生を見守る意味で発見場所は伏せました。4株だけでしたが、これから増えるでしょうか。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
軍手
雨具
スパッツ
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
サブザック
ザックカバー
地形図
コンパス
ファスナー付クリアーファイル
筆記用具
携帯
時計(防水)
タオル
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(山使用可能)
eTrex30(GPSナビゲーター)
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感想
この日は昼から天候が崩れる予報だったので、午前中に山行を終えられ、万が一雨が降っても安全なコースを設定しました。案の定、山行中に天候が晴れから、曇り、そして雨と目まぐるしく変化していきました。山なので、こうした不安定な天候は織り込み済みなので、できるだけ早いタイミングで景観を楽しめるスポットに到着するようにしました。
今回初めて大海里山の頂上に立つことができました。今までは正規の登山道ルートを進むと、必然的に西側をトラバースすることになり、頂上はスルーしていました。ところが、今回は道標<写真21と28>がいつの間にか設置されていたので、それに従って登る(下る)ことができました。踏み跡しかない道ですが、ほぼ迷うことなく登頂できました。またこの尾根上から見た鍋ヶ谷山、船木山、後山の稜線<写真23>がもっとも美しく見えました。
動物は鹿が多い印象です。今回の山行中に2回見ました。また、獣臭や足跡などからツキノワグマも駒の尾山からダルガ峰に集中しているような気がします。両方とも臆病な生き物ですので、努めて人前に現れることはありませんが、スズノコ(根曲がり竹のタケノコ)がよく採れるこの時期はそれを好物としているツキノワグマと不意に出遭うことも想定されますので、スズノコ狩りの人は一応のクマ対策(鈴など)はしておいたほうがよさそうです。以前、大海里峠の南で遭遇したことがありますが、北から登ってきた人の笛の音に怯えてすぐに逃げ去りました。
植物はサラサドウダンとタニウツギがたくさん咲いているだろうと思っていましたが、まさにその通りでした。しかし、クリンソウは想定外でした。クリンソウは兵庫県のちくさ高原側にはたくさん自生しており、去年のちょうど今頃に見に行きましたが、岡山県側ではまだ見たことがありませんでした。4株だけでしたが、このまま岡山県側でも自生し、やがて群生していくことを願って止みません。
マンネンスギは今回初めて知りました。保護されている群生地以外にも何ヶ所か群生していたので、これからはもっと足元に気を付けたいと思います。
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