【冬山講習】安達太良山
- GPS
- 29:50
- 距離
- 11.5km
- 登り
- 798m
- 下り
- 798m
コースタイム
0830受付・開講式-0907奥岳登山口出発-0935小休止0945-1013小休止1026
-1058くろがね小屋/安達太良山頂分岐-1200くろがね小屋着
昼食後はくろがね小屋周辺で各訓練行う
2/6(日)
0738くろがね小屋発-0800小休止0808-0825小休止0830-0916安達太良山頂
-0925山頂直下で小休止0933-1025くろがね小屋の上で各訓練1115
-1120昼食-1215くろがね小屋発-1310訓練1400-1435奥岳登山口着
天候 | 2011/2/5(土) 曇時々晴 気温高い 2011/2/6(日) 晴のち曇 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
◇二本松駅⇔岳温泉 ¥580 福島交通バス http://www.fukushima-koutu.co.jp/bus/index.php トップ>運賃を調べる>出発停留所「二本松駅前」⇒到着停留所「岳温泉」 で検索すると、 出発・到着時刻がわかります。往復切り替えもできます。平日用と休日用があるので注意要。 ・二本松駅前のバス停は駅を出て右手にありました。 ・二本松駅正面左手に7-11有。 ◇岳温泉⇔あだたら高原スキー場 ¥300 シャトルバス http://www.adatara-resort.com/ski/traffic.stm ・乗車券を購入する必要があります。現金支払い不可。 岳温泉:バス停留所隣の観光案内所で購入可。 あだたら高原スキー場:バス発着所脇の富士急ホテルフロント、スキーリフトチケット売り場で購入可。 ・日曜日15時スキー場発のシャトルバスは満席で乗れませんでした。 ・岳温泉のバス停留所、福島交通バス停留所とシャトルバス停留所は同じ場所です(観光案内所の左隣) |
コース状況/ 危険箇所等 |
◇コース状況 ・奥岳登山口〜くろがね小屋:ツボ足で上り下りできた。山スキーヤー多い。 ・くろがね小屋〜安達太良山頂:アイゼン要 ◇温泉 岳の湯 入浴¥300 石鹸のみ、ドライヤー有 営業時間10:00〜20:00 岳の湯の素泊まり ¥3850(宿泊¥3350+暖房費¥500) 16:00in〜10:00out 清掃時(20:30〜23:30、9:00〜10:00)以外はいつでも入浴可。 部屋:浴衣&丹前、食器類、冷蔵庫、有料TV。布団は大変清潔でした。au携帯のワンセグ受信良好。 自炊室:電子レンジ(無料)、ガスコンロ(10円玉で有料)、鍋等。 ソフトドリンクとビールの自動販売機有。徒歩5分の距離にファミリーマート。 |
写真
感想
茨城県山岳連盟主催の第51回冬山講習会・指導員研修会が安達太良山・くろがね小屋周辺にて開催され、
初級コースに参加受講した。
【概要】
・参加者
初級クラス9名、中級クラス9名。指導員6名、研修7名。受講生は県岳連所属山岳会と一般参加で半々程度。
・屋外講習
初級:雪上歩行技術(つぼ足歩行、輪かん歩行、アイゼン歩行)、ピッケル技術、滑落停止、耐風姿勢、
ビバーク技術(雪洞、ツェルト)、雪崩の回避法(雪崩ビーコン基本操作等)、その他安全登山に必要な
知識・技術の指導など
中級:初級に加えロープワーク
・屋内講習
気象(概論、観天望気など)、ロープワーク
【各講習概略と要点】 ※以下、個人の記憶で書いているので誤解を含む可能性があります
・つぼ足歩行
平地では2本のレールができるようにして後に続く人が歩きやすいように。のぼりでのステップカットは
つま先を2〜3回蹴り込み、下りでは踵を使う。傾斜地(片斜面)トラバース時は、山側の足は進行
方向、谷側の足は逆ハの字につま先を谷側に向ける。
・輪かん、スノーシュー歩行
自分はスノーシューだったのでスノーシューの内容。のぼりではつま先の爪を効かせる。下りは後傾すると
爪が効かず滑り落ちるので、膝を前に出すようにするとよい。
・アイゼン歩行
内側、特に踵側の爪をひっかけやすいので注意。歩行途中に緩んだときの対応時に手指の凍傷に注意。
・ピッケル技術
歩行時で杖にしないとき、利き手で親指側ブレード、小指側ピックになるように握り、利き手反対側で
シャフト下部を握る←滑落停止の握り方に直ちに移行できる
杖にするときは利き手反対側を離すのみ(常に親指ブレード、小指ピックの握り方)
・滑落停止
空身になり背中で滑り落ちる→号令で反転し滑落停止姿勢を取る、の実技練習。危険防止のため
アイゼン装着なしで実施。
反転は利き手側から行う。ピッケル技術のピッケル持ち方で保持し脇を締めて体に近いところで構え、ピック
を雪面に刺しシャフト側は浮かせる。膝から下は必ず曲げて雪面から離すこと(アイゼンを引っ掛ける危険)。
頭を下に前向きに滑落したときは、まずピックを雪面に刺して頭上・足下に向くようピックを中心に
半回転して停止姿勢を取る。
実際は滑落すると停止はほとんど不可能なので、 《《《滑落しないような歩行を心がけるのが最も大事》》》
動画 http://www.youtube.com/watch?v=EVXJG_sX6Ug
・耐風姿勢
体格や斜面や個人の流儀により様々な姿勢があるが、基本は風上に向け両足とピッケル(を抱えた腕)で
正三角形をつくる。顔は風下側に向ける。
・ビバーク技術(雪洞、ツェルト)
緩斜面で雪洞製作(途中まで)とツェルト張りを行った。雪洞はまず入口として1m四方に垂直に1.5m程度
まで掘り下げる。掘り下げと平行して入口竪穴への階段もつくる。掘り下げ終わったら奥に向かって掘り進む。
雪はブロック状に切り出すと搬出が楽。
ツェルトは樹木に紐をかけて吊る。樹木がなければストックやピッケルで代用。
・雪崩の回避法(雪崩ビーコン基本操作、ゾンデ)
発信ビーコンを雪に埋めて捜索の実技。捜索側に発信モードが混ざっていると捜索不可なため送信・発信
モードに気をつける。メーカーや機種によって取扱いや操作法に違いがあるので注意が必要。
下半身を1m程度の深さの雪に埋めた講師へゾンデを刺し、雪と人体の感触の違いを体感。
・その他
パーティ行動ではいちばん歩の遅い人に合わせること。一番前の人は常に後ろに目を配り、後ろの人も
遅れがちならば前の人の声を掛ける。一番前の人は歩幅を小さめに足跡をつける。
【感想】
雑誌や本、Webで知識としては知っていた冬山訓練を、実際に体を動かして体感し、ようやく
それぞれの技術や道具のさわりに触れた、という気がしている。
今回教わったことを全部脳みそにインプットするのは不可能であるし、人によって道具の使い方や
技術に対する持論も異なるはずで、実際に冬山に入り雪山を歩き、考えながら経験を積み磨いていく
なかで、今回教えていただいたことを試行錯誤しながら実践し身につけ発展させていくことが必要と感じた。
と、カタいことを考えながらも、ようやく冬山に入れる喜びで胸が踊っている!
あだたら高原スキー場への公共交通機関アクセスは二本松駅から岳温泉経由でバスの乗り継ぎが一番便利。
岳温泉からスキー場へは30分足らず。前泊した岳の湯はバス停目と鼻の先で、自炊湯治施設としては極めて
清潔に保たれていて快適に利用させてもらった。ソースカツ丼にありつけなかったのが心残り。
安達太良山は初めてだったが、運よく好天に恵まれ展望を楽しむことができた。毎年同じ時期に冬山講習を
行っているそうだが、大抵は悪天候で登頂できないらしい。
くろがね小屋は大勢の客で溢れかえっていた。カレーライスや朝食ご飯のおかわりに制限がかかるほど。
夕食後に屋内講習を蚕棚のような部屋で行ったが、中高年グループの騒ぐ声がやかましく閉口した。
風呂のお湯は最高!石鹸は使えないが、お湯に浸かるだけでさっぱり気持ちいい。原則、朝食後のテルモス用
のお湯以外の水は分けてもらえないようなので、歯磨き等で必要な場合は個人装備で持ち上げたほうがいいだろう。
冬山講習は初級・中級コースに分かれ、それぞれ3人に指導員がひとりの班編制とされた。初級コースは
3班まとめて行動し訓練を受けた。歩行は1→2→3班の順に一列を成し、頻繁に前後を入れ替える。
また班の中でも前後をまめに入れ替えていた。これも訓練なのだろう。
講師の指導員は昭和の体育会系などと偏見に満ちた大変失礼な先入観を持っていたが、まったく異なり、
基本穏やかに、時に厳しく指導という感じで、また教えるのがとても上手で、細かいところにもマメに
声を掛け教えていただけたのがとてもありがたかった。受講生は山岳会所属だけでなく、県外の一般の方
もおられ、広く門戸を開放しているようだった。
普段からあまり山岳会や岳連などの組織活動に関心を払っていなかったが、多くの方々のご尽力があって
このような素晴らしい冬山講習が実施されていることを目の当たりにし、まだまだヒヨッコの自分では
あるが、何か人の役に立てるようなことをやっていけたらと思う。
この場をお借りし、茨城県山岳連盟の関係各位に心から御礼を申し上げます。
どうもありがとうございました。
[謝辞]参加受講に際し、S研山の会に補助頂きました。感謝いたします。
ebi0813さん、
当日中級を受講していた者です。私もヤマレコに投稿しようと思っていましたが、完璧なレポートでもう必要ないですね。アプローチや前泊の情報も実に親切で後人の参考になると思います。
技術習得内容もハイレベルで消化されており完璧ですね。脱帽!
担当指導員は昨年私も初級で受講した際教えていただいた県岳連のベテラン名リーダーです。
帰りに入った岳の湯(混んでいたのが残念)でも講師にお会いしました。
その後我々は成駒屋のボリームのあるソースかつ丼食べてきました。
次は5月末の岩登りの訓練でご一緒できますかね?
ヤマレコ、茨城県のメンバー多い様な気がします。これ欲目?
我が班の受講メンバーの30代の若い人2人も共に「メンバー登録はしていないが閲覧はよくしている」とのことでした。
2/9
tak1155さんこんばんは。こちらでははじめまして。
講習会ご一緒させていただいたのですね!
今回の山行記録は特に自分専用備忘録の意味合いが強いのですが、初歩的な冬山技術の記述を含んでいて、教わったことを勘違いして捉えているかももしそうなら記録として公開するのはかなりマズいかもと恐れておりました。中級クラスのtak1155さんにお墨付きをいただけてホッとしました。どうもありがとうございます。
tak1155さんの記録もぜひ拝見したいです。中級クラスの講習内容も知りたいですし。もしよろしければ、是非今回の山行記録作成してください成駒屋のソースカツ丼のレポートもお願いします
所属班の指導員の方は県岳連のベテラン名リーダーなのですね!講師の方々は皆さんとてもフレンドリーかつ適度な緊張感で素晴らしい方々でしたが、特に担当指導員はオーラがありました。少し個人的に詳しくお話を伺う機会に恵まれたのですが、技術や教え方はもちろん、人間的にも心から尊敬できるお方と思いました。
岩登り訓練でご一緒できますと嬉しいです
今後ともどうぞよろしくお願いします。
またまた、読み入ってしまいました。ころがね小屋は講習の方が多いようですね。
この前週もほとんどが講習会か団体ツアーの方達でいっぱいでした。
むかし、ガイドツアーでよくやった滑落訓練。それ以後一度も練習していません。年に一回ぐらいはこのような講習を受けた方がいいかなと思うしだいです。
kaitoさんほどのご経験者は、講習は必要ないのでは
くろがね小屋周辺は滑落停止訓練にちょうどよい斜度と長さの斜面や、岩と雪のミックスしたアイゼン歩行の練習斜面など、雪訓に向いたロケーションだなと思いました。
でも、せっかく温泉のある小屋ですし、自分も昼間から飲んだくれたかったです
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