富士ビュー満喫! 犬越路-大室山-加入道山
- GPS
- 06:34
- 距離
- 15.7km
- 登り
- 1,239m
- 下り
- 1,231m
コースタイム
- 山行
- 5:31
- 休憩
- 1:03
- 合計
- 6:34
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰路は道路混雑で遅れることも |
コース状況/ 危険箇所等 |
犬越路、白石峠とも沢沿いの部分にやや分かりにくい所がありますが、指導標は充実。 |
写真
感想
始発電車で出ても神奈川県西部の新松田駅到着は午前7時過ぎ。20分発のバスに乗ろうと駅前に出ると、すでに長蛇の列がバスに乗り込むところだった。先行する臨時便とのこと。終点まで1時間以上の長距離便だけに、満員というより満席プラスアルファ程度の乗車で出発した。次の定期バスはわずかの差で「後は立ち席になります」となったが、構わず乗り込んだ。結局、玄倉でユーシンに向かう人が大勢下りて、最後は座ることができた。
新緑の西丹沢自然教室前を出発。雲一つない快晴で、バスからチラチラ見えた富士山も雪の多い全身をさらしていた。その展望を期待してまずは犬越路の稜線へ急ぐ。用木沢出合でヤマビル用心にディート剤を染み込ませたスパッツを装着(結果的に無用だったが)。右に曲がって整備された鉄の橋を渡り、桟道や木橋を辿った。
男女7、8人の年配登山者を追い抜き、ふと思い出して顔に日焼け止めを塗る。今日は紫外線が強そうだ。追いつかれる少し前に進発し、左から流れ込む小沢に寄って水を補給した。以前、犬越路から降りて来たときに最初に出合った水場で、逆に言えば登りではこれが最後の水場となる。そんなことをしていたら、再び先ほどのパーティーに追いつかれそうになり、「ときどき寄道してくれたら追いつけますね」と言われてしまった。同じコースを歩くそうなので、「途中でへばっていたら助けてください」と言い置いて先を急いだ。
間もなく道は涸れ沢のガレ場を辿り出し、急激に勾配が増した。少し先を歩いていた単独の男性が休憩するわきを追い抜き、最後に木製階段を登って少々行くと、上から声が聞こえて犬越路に到着した。ベンチでパンを早弁し、既に疲れの出ている脚を鞭打って大杉丸への登りにかかる。
100mほど登ると西の視界が大きく開け、(千葉県民の感覚では)巨大な富士山が大迫力で視界に飛び込んできた。下を見やればヤマザクラの混じる新緑が美しい森が広がる。これは来た甲斐があるというものだ。稜線の木々はまだ若葉が開ききっておらず、枝の間から終始富士山が見える贅沢な尾根歩きとなった。
じわじわと標高を稼ぎ、別の年配パーティーを追い抜いた所が下りの鎖場だった。短いので素早く下りて笹の生える尾根を登っていくと、いつの間にかパーティーが差を詰めてきている。結構飛ばしているつもりなのに「?」と思っていると、何のことはない、全く別の高校生らしきグループだった。
いったん道を譲った高校生が休憩中のところを抜き返し、頂上近くの木段が見えてきた辺りで再び先を譲ったが、前方を団体が歩いていて数珠つなぎ状態となり、30人くらいが一緒に西の肩に到着した。そこから大室山まではほとんど登り返しもない一投足。この間の眺望は木々の間にちらちら檜洞丸などの主稜線と道志村方面が覗く程度で、あまり良くはなかった。木段の手前で西側が完璧に開けた展望地があるので、休憩はそこでした方が良かったかもしれないが、とにかく腹が減ったので弁当にする。
カップ麺とお握りを食べ終わったころ、先ほどの高校生たちがへばり気味の顧問の先生を急き立てて「ザックアップ!」と号令をかけて立ちあがった。当方もおもむろに支度する。道はすっかり乾いているので蛭対策のスパッツは外した。周りを見ても誰一人着けていない。
西の肩まで戻ると、右下に道志村小善地地区の家並みが見えた。そう言えば、この辺りは山梨県と神奈川県の県境尾根に当たる。正面には大きな富士山が見え隠れして飽きない。今日は午後になっても雲が広がらず、絶好の富士ビュー山歩となった。
木道を過ぎ、しばらくすると急な下り勾配になる。破風口まで200mほど下って前大室へと登り返すが、急降下の手前で向こうに富士、足下には行く手の加入道山という大きな展望が開けた。加入道の先に御正体山らしいピークが見える。もう一つ重なる山並みは杓子山だろうか。
破風口を過ぎると、「クマヨケ」と記した木の輪切りの板が転がっていた。叩いてくれということだろうか。加入道山までの間にあと2つ同じような板が木の枝に掛けられていた。右手には遠く奥多摩の大岳山が見えるが、今は冬枯れの木々が葉を繁らせたら見えなくなってしまいそうだ。
前大室から馬場峠へ50mほど下り、軽く登り返すと程なく加入道山の避難小屋が見えた。疲れたのでまずは小屋に転がり込む。予想以上に新しく、まだ木の香りがした。リュックを置いてしばらく大の字になって休憩した。そんな時に何人かが扉を開けて中を覗いていく。「お邪魔しました」と挨拶してくれるが、当方に占有権があるわけでもなく、いささか恐縮してしまう。
靴ひもを下りモードに絞め増して出発。白石峠までは10分で着いた。ここから左へジグザグに急坂を下ると、じきに道は涸れ沢の様相を呈し始める。ゴロゴロ転がっている青っぽい岩の表面が滑らかで、確かに他とは違う変成岩のようだ。そんな岩場の短い鎖場を過ぎ、林の中に入ると今度は真っ白な岩も目立ち始めた。これがこの沢特有の天然記念物・大理石なのだろう。
途中、登って来た人に「あれ、お会いした方ですよね」と声を掛けられた。見れば朝、用木沢で追い抜いた7,8人グループのリーダーらしき男性だ。「どうしてここに?」と問い返すと、なんでもあの後の急坂で女性1人がギブアップしてしまい、登山口まで同行下山して帰らせた後、自分は一行に出会うべく逆コースで登って来たとのこと。結構な年配とお見受けしたが、その健脚には舌を巻いた。ただ、そのせいで引き連れたお仲間には少々オーバーペースだったのかもしれない。
白石峠までは快調なペースだったので、あわよくば2時台のバスに乗れるか?と頑張ってみたが、この下りで脚がいっぱいいっぱいになってきた。無理はやめて一休みし、すぐ後ろにいた健脚3人パーティーを先に通した。
その姿が見えなくなって踏み跡を目で探しながら歩いていると、木道が現れた。沢の左岸に取りつき、小滝で落ちていく沢と離れる道を辿る。少し歩いて振り返ると、先ほどの小滝の下が大きな二条の滝筋になっていた。白石滝に違いない。じきに滝の説明板も見つかったが、木々が邪魔をして今の季節でも全貌を見ることはできない。
満開のミツバツツジ?を横目に急な山腹の道を下り、金属製堰堤のある大きな沢の右岸に降り立った。標高900m前後で、後は沢伝いに下る簡単なルートかと思ったが、西丹沢登山詳細図記載の登山道と異なり、道は白石沢の右岸を中心に何度か木橋で渡渉を繰り返して続いていく。水の少ない今は飛び石で渡れる所ばかりで、結構長くて揺れる木橋を渡る方がかえって怖いのかもしれない。
踏み跡を見失わないように注意して歩くうちに、右岸の道が少しずつはっきりしてきて、やがて林道に至った。まだ日は高いが、到底2時40分のバスには間に合わない。ゆるゆると林道を流して歩き、西丹沢自然教室バス停には3時過ぎに到着した。バス停には20人ほどの列ができていて、さらに倍くらいに伸びたが、バスは続行便を従えてやって来たので全員が着席できた。
さて、座れたのは良かったが、連休の日曜日とあって国道246号がかなり混雑している様子。このバスだと、谷峨か山北で松田着16時55分の御殿場線に乗り換えられる。ダイヤ上は49分着のバスより6分遅いが、渋滞の心配はなく実は運賃もわずかに安い。試しに山北で乗り換えてみたところ、東山北駅を過ぎたところで電車がバスを抜き去った。山北〜松田所要7分、してやったりだったが、車内は混んでいて座ることはできなかった。
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