大天井岳・中山(二ノ俣尾根・二ノ俣谷)
- GPS
- 19:23
- 距離
- 31.2km
- 登り
- 2,279m
- 下り
- 2,210m
コースタイム
- 山行
- 5:50
- 休憩
- 1:48
- 合計
- 7:38
- 山行
- 10:23
- 休憩
- 1:12
- 合計
- 11:35
天候 | 1日目:曇り時々晴れ 2日目:快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
穂高駅→中房温泉(バス) 上高地BT→新島々BT(バス) 新島々駅→松本駅(JR上高地線) 松本駅→穂高駅(JR大糸線) 穂高駅駐車場→岐阜(自家用車) |
写真
感想
100年ほど前までの槍ヶ岳へのメインルートは「中房温泉 - (合戦尾根) - 大天井岳 - 東天井岳 - (二ノ俣尾根) - 中山乗越 - (二ノ俣谷) - (槍沢) - 槍ヶ岳」だったようであるが、喜作新道ができる(1920年頃)とそちらに取って代わられ、現在では廃道となっている。自分が今回このルートを歩くきっかけとなったのは中山に登りたかったからであるが、1泊2日程度で様々なルート(常念乗越からのアプローチや二ノ俣谷のピストン)を考慮した結果、ウエストンも歩いたルートということもあり、中房温泉を起点として二ノ俣尾根を下るルートに決定した。
前日は岐阜から下道で移動し、穂高駅付近の登山者用駐車場に20時半頃に到着。夜の天気は雨。なかなか寝付けず眠りについたのは23時半頃だった。
1日目。天気は曇りで何とか保っているような状態。体調はイマイチで吐き気もあった。まずはバスで1時間ほどかけて中房温泉へ向かう。料金は1,700円。バスに酔ってしまうも、飴を舐めて耐える。中房温泉にはバスやタクシーが何台も止まっていて多くの人でごった返していた。トイレも渋滞がひどい。6時過ぎに出発。1年以上小屋泊ばかりだったため、テント泊装備の重みが肩に堪える。第1ベンチ付近の水場で水を汲む。今日の行程では唯一の水場。合戦小屋まで適宜休憩を取りつつ登っていく。周辺の木々は紅葉が進み始めているが、あと1〜2週間後が一番の見頃か。合戦沢ノ頭に到着する頃には天気も回復していないかと期待したが、結局燕山荘に到着しても晴れることはなかった。燕山荘には10時少し前に到着。計画よりも1時間以上早く到着することができて一安心。燕岳には登らず、大天井岳へと向かう。剱岳方面の眺望がないのは非常に残念であったが、雨に降られないだけでも十分か。燕山荘以降は一気に登山者が少なくなった。珍しく後半にペースが落ちることなく、13時よりも前に大天荘に着くことができた。早速受付を済ませて(700円)、テントを設営する。テン場からは翌日向かう予定の中山がよく見えている。少し休憩したのち、大天井岳へと向かう。しかし、この日の眺望は結局ダメで、槍の穂先が雲の切れ間からチラッと見えるくらいであった。テントに戻って仮眠をとり、夕方に目を覚ますと体調が悪くなっていることを自覚する(頭痛・吐き気・寒気)。薬を飲むために夕ご飯を食べるが、戻してしまった。早く睡眠を取ろうと、着られるものを全て着てシュラフに潜るも、すぐに目を覚ましてしまう。翌日のことを考えて小屋の方に申し入れ、小屋の談話室で寝させていただくことに。21時過ぎの消灯後に寝る準備をして就寝。
2日目は4時に起床。体調は信じられないくらいに回復していた。食欲も戻り、テントで朝食。テントを片付け、小屋の方にお礼を伝えて5時40分に出発。日の出の時間も重なり、素晴らしい景色を堪能することができた。天気も快晴で、前日は見ることができなかった山々も姿を現してくれた。東天井岳付近には石室(跡)がある。これが旧二ノ俣小屋跡かと思うが、ヤマケイ登山地図に記載されている地図とはだいぶ位置がずれている。全く別のものなのだろうか。東天井岳の直下(ニノ俣尾根の起点)で防寒着を脱ぎ、6時半、いよいよ二ノ俣尾根へと進み始める。廃道ということもあり、踏み跡はほとんどないか、偶に現れる程度である。初めはガレ場が多いが、乾いた苔のようなものが張り付いており、パリパリとしている。滑りやすくなっていて歩きづらく、思ったようなペースでは歩けない。ただし、目的地である中山がずっと見えていることもあり、迷うことはなく、危険な箇所もないのは安心である。分岐から1時間ほどで、標高2,503メートル点へと向かう尾根への分岐に到着。ガスの時に下ると、間違って降りてしまうかもしれないと感じた。中山の頂上よりも標高を下げると樹林帯に突入する。自分は進行方向の右手側から突入したが、失敗だった。樹木が猛烈に密生しており、間違いを確信。左手に無理やり進み続けると、樹木の密度が下がり、薄い踏み跡を見つけることができた。その後はほぼ尾根の左側(東側)を尾根に沿って進み、乗越付近では踏み跡は尾根上にきた。分岐から2時間強で中山乗越に到着。標識は何もないがいくつかのピンクテープが迎えてくれる。ここに荷物をデポして、セカンドザックで中山へ向かう。中山への登りは途中から間違った跡を追ってしまったようで、藪に入ってしまい苦労する。中盤以降はハイマツと広葉樹の間を縫うように、苦労しながら進んでいく。9時半過ぎ、中山乗越から1時間弱で中山に登頂。天気も良く、360度の大展望。常念岳は圧巻で槍穂も最高だ。残念なのは時間がなかったこと。休憩もほどほどに中山乗越へと引き返す。下りは踏み跡っぽいところを順調に下ることができた。中山乗越からは二ノ俣谷へ向けて一気に下降する。踏み跡はほとんどないため、自分で下りられるところを下りていく。それでも偶にピンクテープがあるのが心強い。30分ほど下ると沢が現れ、さらに15分ほどで峠沢に合流する。ここからはこれまでの登山スタイルとは様相が一気に変わり、河原歩きとなる。時々高巻きをしつつも、基本的には沢をひたすら下る。12時前には二ノ俣谷に合流。ここが広河原と呼ばれているところ(だと思う)。ここで休憩をした後、沢靴に履き替える。二ノ俣谷は広河原から一般登山道である二ノ俣橋までに渡渉を数十回繰り返すことになる。基本的には右岸側を歩くことが多く、2〜3箇所ほど少しだけ高巻く箇所もある。渡渉する箇所を見極めることで太ももまで濡らすことはなかった。2キロメートルほどを1時間40分ほどかけて下り、二ノ俣橋に13時半過ぎに到着。一般登山道に合流した。ただでさえ平地は歩くのが遅いため、上高地発の最終バスに乗り遅れないようにひたすら歩く。歩く。歩く。足を引きづりながら約13キロメートルを3時間半以上かけて上高地BTに17時15分に到着。18時発新島々行きの最終バスに乗り、松本方面へと向かう。19時過ぎに新島々BTに到着。隣接する新島々駅からJR上高地線で30分ほどかけて松本駅へ。お土産を買い、JR大糸線に乗り換えて穂高駅まで30分。駐車場まで歩き、21時少し前に駐車場に到着した。帰りは松本市内の銭湯「林檎の湯屋 おぶ」で汗を流し、モスで夕食を買い帰途につく。時間も時間であったため流石に高速を利用。中央道から東海環状道と運転し、家には25時半前に到着。靴だけ干してすぐさま就寝。
体調が良くなく反省することも多かったが、何とか目的をすべて達成することができた。今は使われていない昔の道を辿るのは面白い。熊などに出会うこともなく、前回の山行(錫杖沢)でやられたマダニにもやられることもなかった。今シーズンの山はこれで終了の予定。昨年よりは山行回数が半減したが、面白い登山を行うことができた年だった。
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