雨飾温泉-雨飾山-小谷温泉 〜都忘れの一夜〜 A34
- GPS
- 06:44
- 距離
- 11.4km
- 登り
- 1,281m
- 下り
- 1,188m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
当日 雨飾高原BS発13:27(小谷村営バス、840円)南小谷駅着14:07、発14:22(あずさ26号新宿駅行き) ※登山タクシー 予約制、10/21まで |
コース状況/ 危険箇所等 |
雨飾山荘からの登山道は、急登が続くが、静かで薬師尾根が心地よい。4時間半のコースタイムはかなり長め。 山頂直下の急登は渋滞し、小谷への下山路はすれ違い困難な場所多く、混雑時はコースタイム以上の計画が必要。 |
その他周辺情報 | 雨飾山荘 館内はどこも清潔、食事、温泉いずれも素晴らしい。長年の風雪に耐え、時を刻んできた建物を大切にしつつ、リニューアルを繰り返してきたゆえの重厚、快適。 夕食時のご主人の話は、多彩で楽しかった。 夕食付8,000円。 雨飾荘 日帰り温泉で立ち寄った。清潔で、露天風呂が気持ち良かった。700円。 |
写真
感想
直前まで阿弥陀岳と迷う。一時は台風や雨天予報で諦めたが、8日は一過、好天との予想に俄かに交通機関を押えた。夜行か、直江津で1泊か、結局前日に雨飾山荘を予約した。泊まって良かった。夕食付にして良かった。往路の新幹線、山小屋泊夕食付、復路は在来特急、すっかり予算オーバーだったが、行って良かった。
強風のため新幹線には軒並み遅れが出ていた。車内は満員御礼のはずだったが、隣の席は空いていた。途中から未読にしてしまった本と共に時を過ごす。長野を過ぎると曇り空になった。
糸魚川駅には14時34分着、15分の遅れは5分に縮まっていた。静かな雨が降る中、10人以上の登山者と共に登山タクシーを待った。2台に分乗、南へ向かう。雨飾山荘には40分足らずで到着した。
瀟洒な佇まい、長い時を感じながら館内へ。ご夫婦が笑顔で迎えてくれた。この滞在が思い出深くなる予感がした。「鋸」の間に案内された。6畳、相部屋でなかったことに心躍る。ゆったりとした時間を過ごせる。スマホの電源を落とした。
雨はしっかり降っていた。露天風呂「都忘れの湯」は眺めるだけにした。待望の18時、皆待ちきれずに広間に集まってきた。食卓の上には座席を示す名札と、ご馳走が並んでいる。素泊まりから夕食付にして良かった。ご主人の多彩な話に聞き入り、美味しい時間を過ごさせていただいた。
スマホのアラーム無くとも4時半には目覚めた。雨は上がっていた。例によって夜明けを待てずに出発する。はっきりとした道が続いているが、いきなりの急登に戸惑う。やがて薬師尾根。夜明けの時間は過ぎていたが、陽射しは無かった。木々の間から紅葉を身に纏った鋸岳、鬼ヶ面山が姿を現す。そして瞬く間に霧がその姿を隠してゆく。
標高差千メートル強、4時間半の行程。前回の焼岳を思い、用心深く呼吸を整えながら登った。気持ちの良い尾根だが、急登は続き、雨上がりゆえよく滑る。けれども十分な睡眠のお蔭でペースは崩れない。コースタイムより少なめで中の池に到達した。
静かな道だった。前後には同宿だった方が2名いたが、程よい距離をおいていたため、意識せずに進めた。幸い霧に包まれてはいない。急登はなおも続く。
そして、その静かな時間は唐突に終わる。人の声が聞こえてくると間もなく小谷コースとの合流点。予想以上の人の多さに、夢中から現実に引き戻されるようだった。
青空は高く、雲の動きはとても速かった。今さっきまで見えていた山頂が包まれる。先ほどまでの急登が嘘のように伸びやかな草原が広がっていた。程なく再び山頂が見え始めた。多くの人が「壁」を登っていた。ほどなく、上り下りで渋滞しそうなその場所に取りかかる。予定よりも1時間早い時刻、のんびりと出番を待った。
8時30分、山頂に立つ人の数は、まだそれほどではなかった。雲海の向こうに後立山連峰の姿があった。霧と雲海のため、西方以外の眺望は得られない。北と南の峰を踏んでから下山の途に就いた。
岩場で多くの人とすれ違う。なるほど、この時間を見込まなければならない。果たして下りはコースタイムどおりとなった。笹平で小休止後、紅葉に見とれて滑らないよう慎重に進んだ。
やがて急坂が終わり、沢音が聞こえ始めると眼前に荒菅沢があった。清々しさを感じながら、美しい紅葉と、堂々と聳える布団菱を眺める。それからの登り返しに備え、その心地よい場所でもう少し休めばよかった。
樹林帯に入ってからは、木の根と苔の付いた石との闘い。意識を集中させ、緩やかに下ってゆく。ブナの木々の美しい場所を過ぎ、少し急な坂を下れば、やがて大海川に沿って進むようになる。キャンプ場の在る登山口は近い。
車道を2キロメートルほど歩くと目指す雨飾荘に着く。ゆっくり浸かっても予定より1本早いバスに乗れる時間だった。その1時間は、3時間早い帰宅を約束してくれる。素敵な一夜と雲海と紅葉、のどかな秋の山旅を満喫できた。柔らかな日差しが注ぐ中、もう少しその場に留まっていたかった。
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