南アルプス深南部(黒法師岳)


- GPS
- 22:01
- 距離
- 34.6km
- 登り
- 2,635m
- 下り
- 2,922m
天候 | 【2012/1/7】晴れ 【2012/1/8】快晴 【2012/1/9】曇りのち快晴(朝方は雪混じりの強風) |
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過去天気図(気象庁) | 2012年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
自宅400≒中野425〓432新宿442〓502品川510〓621小田原622〓645熱海649〓837金谷914ж1027千頭1040=1125寸又峡温泉―1152飛竜橋1200―1210登山口―1237湯山集落跡―1318林道横断1329―1404栗の木の段―1421休(Co1300m付近)1430―1534イワカガミ群生地1539―1549白ガレの頭―1600コル【幕営】635―658展望所702―744前黒法師岳754―848林道へ降りる―902三叉路(ヘリポート)916―1001二ツ山(東峰)1010―1027二ツ山(西峰)―1100小ピーク(Co1812m)―1114コル1133―1240黒法師岳1255―1338水場のコル(⇔水場)1407―1445バラ谷の頭【幕営】605―打越峠―804荒木平の先(Co1570m付近)814―853前黒法師山900―924コル―947麻布山(東屋)955―分岐(⇔1002三角点)1003―1008倒壊小屋―1020眺見―1055ハイトリバ造林地看板(Co1200m付近)―1103古い鳥居―用兵地平―1132麻布神社(蛇腹)1136―1158戸中橋1205―1251水窪ダム―1255スーパー林道分岐―1330山王峡温泉分岐―1454国道152号線―1506水窪1609〓1823豊橋1831〓1905浜松1919〓2133沼津2146〓2205熱海2208〓2346東京2351〓0010中野≒0022自宅 |
写真
感想
【出発前】単独で僅か3日間の冬合宿。行き先はいろいろと悩んだ挙句に、南アルプス・深南部の黒法師岳。入山口と下山口についてもさまざまなルートとアプローチ手段を検討して、東側の寸又峡温泉から西側の山王峡温泉に抜けることに。このルートだと、黒法師岳の前衛として前黒法師岳に、そして、後衛としては前黒法師山に登ることになります(「岳」と「山」の違い)。メインの黒法師岳は日本三百名山の1つであるとともに、一等三角点三百名山にも選定されていて、しかも通常の三角点より45°傾いた×印の三角点が見られるはず。また、バラ谷の頭は、本邦最南の2000m峰。是非その山頂にテントを張ってみたいと思っていた。調査にあたっては、ネット(山レコなど)上の書き込みだけでなく、愛読書の永野敏夫著「南アルプス・深南部」を参考にしました。
・往路は、未明にユキちゃんとモカちに車で中野駅まで送ってもらって、青春18きっぷの4片目を用いて始発に乗り、東海道線で金谷へ。ここから大井川鐵道で千頭、そこからさらにバスで寸又峡温泉についたときは11時過ぎ。ここは1977年の春合宿以来なので、実に35年ぶり。
・小春日和の日差し中を、飛竜橋へ。途中で落石防止用ネットの張り替え工事をやっていたが、たまたまお昼休みとかで、通行できラッキーでした。工事関係者の誘導員の方から、「上は寒いから気をつけて」と暖かい声を掛けて頂く。この人と分かれてからは下山するまで、結局だれにも会わず。
・飛竜橋の左岸にある登山ポストに入山届。最後は2011年12月30日に前黒法師岳を日帰り往復した東京都の男性1名だった模様。2012年の初入山者ってことかな。
・飛竜橋からさらに10分ほど西奥に進んだ登山口からは、いきなり急登でしかも足元が崩れ気味。やや進んで、湯山集落跡。一体全体何が嬉しくてこんなところに集落があったのだろうと素直に不思議。さらに登って林道を横切り、尾根に乗った栗の木の段あたりから、深南部の樹林帯の魅力がじわじわと。
・イワカガミ群生地は薄っすらと雪化粧がなされているものの、群生はたしかに大規模なので、花の時期にはきっと素晴らしいことでしょう。
・調子が良ければ前黒法師岳までと、とらぬ狸の皮算用をしていたが、白ガレの頭で16時近くになってしまった。明日は多少時間的余裕があるはずなので、ちょっと先のコルに近いところで平地を見つけて、幕営。展望は南側に少々。夜は冷えるものの、冬用羽毛シュラフと昨晩の寝不足のお陰でぐっすりと眠れた。
・二日目は6時半過ぎに出発。前黒法師岳へは急登が続くが、途中の展望所からは、南アルプスの深南部だけでなく、冠雪した主脈(光、上河内、聖、兎・大沢、赤石岳)までが望めて慰められます。
・展望の乏しい前黒法師岳を後にし、一旦300mほど下る。積雪量はほんの僅か。林道に出ると、鹿の群れ。ここから先もなんども群れと遭遇し、鹿の天国のよう。
・林道三叉路(ヘリポート)付近は開けていて、北も南も展望がばっちり。無風快晴でのんびりしたくなる。
・樹林帯歩きの愉しみを噛みしめながら、二ツ山へ。二つ目の西峰のコブからやや狭い尾根を辿ってコルへ。ここには木に古い標識が残っていて、どうやら左(西)側に下ると水が得られるらしい。
・いよいよ黒法師岳への急な登り返し。着実に高度を稼いて、山頂着。積雪は山頂の吹き溜まりでもせいぜい30cm程度。×印の三角点は雪の下だったので、ちょっと探すのに時間がかかりましたが、国土地理院の杭の近くにありました。確かに変形。それと、一等三角点にしては石の大きさ(一辺)が小さいように思われます。
・山頂から少し西側に移動すると、バラ谷の頭から丸盆岳への縦走路に出て(道標あり)、いきなりズバッと大空間に投げ出されたかのような開放感。一人だけなのに、思わず歓喜の声をあげてしまう。
・西南西へ笹の中の急坂を下って、気持ちの良い縦走路を辿ると、水場のコル。水場を示す標識は外れてしまっていて、針金だけが木に残されていました。ここから南側の水場への踏み跡には、鹿の足跡がたくさん。水場は凍ってしまっているのではないかと心配も杞憂で、しっかりと水を汲むことができました。
・コルからはガレ場脇の急登なので、せっかく持ってきたことだしと、アイゼンを装着してバラ谷の頭へ。ガレ上の広場からの南アルプス・深南部および主脈の展望がまた、素晴らしい。この展望広場にテントを張るか、それとも最高点の「本邦最南2000mの地(千頭山の会)」の標識があるところにするか、かなり頭を悩ませましたが、後者とすることに。こちらも西側は開けているので、夕陽がばっちり鑑賞できるとふんだからです。
・夕陽を堪能した後、気温はそれほど低くないものの、風が少しずつ強くなりだし、起床した3時半には、風に雪が混じっていることが天幕を打つ音で分かりました。
・三日目の行程は下山してからも長いので、早め早めに行動することとし、明るくなる前の6時に出発。風雪が強いので、テントは畳めずそのままザックの一番上に押し込んで出発。
・もともとがそうだったのか、夜の積雪があったからなのか、バラ谷の頭から西への縦走路の方が、東側に比較して雪が明らかに多い。それでもせいぜい膝までなので、ラッセルというほどでもなく壺足で難なく進む。前半は笹で後半は岩混じり。
・コル(打越峠)まで下ると広くゆったりとした尾根になり、ところどころ倒木を乗り越えたり潜ったりして南アルプスを満喫。嬉しくて楽しみながらのんびり歩いていたら、結構時間が経っているのに気付き、少々ペースを戻して前黒法師山へ。展望はなし。
・麻布山までも気持ちの良い縦走路で、ルンルン。そのうち遊園地のようなしっかりした丸太(木造でなくセメント?)の階段が出てくると、間もなく東屋のある山頂広場。いつの間にか天候も完全回復していました。
・山頂広場から南東に少し進むと、分岐があって、右に僅かで三角点。戻って、南に下ると間もなく倒壊小屋。ここが麻布神社へのルートの入口。リボンに導かれて尾根筋を下り、「眺見」という標識のあるところから右へ折れ、急坂を転げるように下って、小さな派生尾根に移ってぐんぐん下る。
・途中、携帯電話をオンにし山王峡温泉「しらかば荘」に電話してみると繋がった。しかし、なんと今日は定休日とのこと。温泉で汗を流す目論見が外れてがっかり。
・いつしか造林地に入り、しっかりした道を下る。古い鳥居を過ぎ、用兵地平を抜けると、道が急に悪く(狭く)なってひょっこり麻布神社へ。すぐ手前に「蛇塚」の標識あり。
・この麻布神社から下は上よりも良い道かと思いきや、その正反対。鹿除けのネットを抜け、急斜面の崩れかけたトラバース道を辿り、踏み跡の薄い、落ち葉や枝の埋まった植林帯を進む。なんとか道を間違えずに2つの廃屋を過ぎるとようやく戸中橋。鉄製の吊橋で遠目にはしっかりしているが、近くでみるとかなり古いようで、揺れ方があまり気持ち良くなかった。渡った右岸側に登山ポストがあったので、下山届を記入。
・未舗装の林道をしばらく歩いて、右からの舗装道を併せて、水窪ダムへ。ロックフィル式にダムを渡って左岸に移るとスーパー林道の分岐(冬季通行止め)。右に折れ、時折、ダンプカーや地元の作業用の軽自動車が通る程度の道を下って、山王峡温泉分岐。右に800mで「しらかば荘」との看板があるが、チラ見して過ぎる。重い冬山用登山靴で頑張り通して、水窪駅着は予定よりも(温泉に入れなかった分だけ)約1時間早い。余った時間で朝畳むことができなかったテントを干したり、残り物の食料をお腹に詰めたり。
・復路は、青春18きっぷの5片(最終)目には、豊橋行普通列車の車掌さんが手書きで日付印を入れてくれる。豊橋から先も、浜松、沼津、熱海で普通列車を乗り継いで東京へ。中野駅についたときは日付が変わっていましたが、帰りもユキちゃんとモカちのお迎えがあったので、楽ちんで帰宅。三日分の汗を自宅湯で流し、湯上りのビールで無事下山を乾杯。充実したとても良い冬合宿でした。
コメント
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はじめまして
羨ましいコース歩かれましたね。私は地図読みに自信が無いため、深南部は好きですがなかなか歩けません。積雪の具合も気になっていましたが、こちらの記録読ませていただき、麻布山くらいなら、行けそうかなと思いました
ありがとうございました
これからもレコ楽しみにしています
> huuka05さん、
コメントありがとうございました。
静かな山旅が楽しめて、とても良かったです。もし行かれるなら、麻布山からさらに前黒法師山くらいまで足を延ばされるのをお薦めします。この間ののびやかな尾根は捨てがたいように感じました。(危険なところは全くありません)
私もいつかは、奥茶臼山にも足跡を残したいと思っています。
これからもよろしくお願い致します。
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