白毛門(谷川連峰の雪はどんなかな?)
- GPS
- 05:45
- 距離
- 6.3km
- 登り
- 1,038m
- 下り
- 1,055m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雪はやや重め。 雪庇とクラックに注意。もちろん、雪崩にも。 山頂付近は雪が吹きだまっており、踏みぬきの下にぎょっとするくらい深い空洞があったりします。一人じゃたぶん、脱出不可能。要注意。 |
写真
感想
そろそろ、谷川連峰も春山で遊べるかな〜、雪の具合はどんなやろうね〜と思って、白毛門に出かけることにしました。
前日に決めて、天気予報を見ると、土曜日は雪で日曜日も夕方から雪。ですが奇跡的に、日中は晴れ。
この上越ならではの、荒天の合間の晴れを狙いすまして、白毛門に向かいます。
のっけから大ちょんぼ。
土合までの電車を調べたつもりが、水上までを調べていて、電車の接続が悪く、結局バスで水上から土合まで移動。……いらん出費が……。
土合橋についてびっくり。
白毛門の登山口の駐車場は、積雪3メートルほどの台地になっていました。すごい雪!
そして登りはじめて、すぐにやや不安になります。
そういえばここ、夏に馬蹄形縦走した時、この急登でばててしまいもう勘弁って思ってたんだっけ。大丈夫か?
尾根自体は単調な尾根なので、尾根に乗ってしまうとあとはもくもくと登るのみ。
ルートはトレースあるのですが、トレース以外のところを登ろうとすると、雪に阻まれて遅々として進まず、びっくりするくらい体力と時間がかかります。
そしてひざ上ラッセルがまっています。
もくもくと登るのみです。
急登連続しますが、左を見ると谷川連峰の雪をまとった岩壁が堂々とそびえたっているので、飽きません。
写真がそればっかりになるという難あり。きれいなものは、しかたない。
途中、雪庇のはりだした場所も多々あり、通過には神経を使います。
登って登って登って、ようやく松ノ木沢ノ頭に到着。
トレースがあったおかげで、2時間チョイで到達できました。
ここで、アイゼンとピッケルを装着。
少し行くと、降りてくる人とすれ違いました。
先の雪壁の上で雪庇が張り出しているので、撤退したとのこと。
気を引き締めます。
少し行くとトレースは消えて、まっさらな雪面が広がっています。
ここまでのトレース、ありがとうございました。
ここからは、自力です。
急斜面ですので、ツボ足のひざ上ラッセルです。
ぼすぼす進みますが、体力使うばかりでちっとも進まない。本当に、トレースはありがたい。
見上げると、上部稜線の左右に大小の雪庇が張り出しています。
中央斜面が軽く盛り上がっているので、そこを選んで登る。斜度は45度越えています。
ピッケルを刺し、空いている左手も雪に差し込んで、キックステップを使いながらザクザク登り稜線へ。
急斜面と雪庇で、写真なんて撮っている余裕は絶無です。
稜線上はウィンドクラストしていて、シュカブラが美しい。
ただ、雪庇の根もとのさらに奥あたりにうっすらとクラックが走っていて、踏みぬくと下にびっくりするくらい深い空洞ができています。
吹きだまっているせいなのか、いずれにせよ慎重に進みます。
雪庇崩落もいやですが、この穴に落ちたら自力では脱出不可能でしょう。ソロはこういうところが怖い。
最後の登りをひと登りすると、山頂へ。
馬蹄形方面が望めますが、クリームみたいにたっぷりと雪がついていて、この先に行こうとすると相当なラッセルを余儀なくされるでしょう。
冬の谷川岳が人を寄せ付けないわけがわかる気がします。
とても美しいのですが、その美しさは凶悪です。
今の私の実力では、この先はムリ。一部のエキスパートにのみ許された世界なんでしょうね。
さて、下ります。
シリセードとかでざっくり下ってやろうと思いましたが、雪が重くて滑らない。
無理に滑ろうとすると大量の雪をまきこみ、自分が雪崩の原因になりそうなので、やめます。
それでなくても、自分の足元から雪が崩れ、沢方面に表層雪崩が起きたりしているのを目の当たりにすると、怖いです。
雪崩の瞬間って、すごいですよ。小さなきっかけが、あっというまに、ひろがって。
というわけで、5〜10センチくらいのところに弱層があり(昨日の雪だな、たぶん)小さな雪玉で雪崩を誘発してしまう状況なので、雪を落とさないように慎重に下ります。
ぐいぐい登った斜面は、ぐいぐい下らねばななりません。
腐り気味の雪に足を取られながらも、頑張って下山しました。
15時に土合駅に着くと、間もなく雪が降り始め、すぐに降りが強くなり、さっきまで晴れて見えていた白毛門はガスに閉ざされました。
さすが、天気予報。いや、さすが上越の雪山!!
コメント
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タレントのイモトがアコンカグアに登った時の映像で、
雪崩の起きる瞬間の音「パシッ!!」と言う音を思い出したりして、
写真見ていて手に汗を握りました。
私なんかでは、到底先へ進めない状況です。
どこ歩いたらいいのか、、
その反面、とても感動しました
「こんな感じのところも通過」の所とか、怖いけどきれいです。
白毛門、なかなかいい感じでしたよ。
尾根はわかりやすいので、迷うことはないでしょう。
ただ、雪庇はちょっと気を使いました。
雪崩は5〜10センチの表層なので、「バシッ」とはいわず、音もなくさっと崩落雪面が横に広がり、サーっと流れ去っていきました。
ノートレースになってからは、やはり緊張しましたね〜。
雪山は怖いです。怖いけど、きれいなんです。
ここら辺が思案のしどころですね。
私は怖がりなんで、慎重にステップアップしたいなーと思います。
yukiさんも、ぜひぜひ。
しかし、白毛門も春の様相で、だんだん冬が去っていきますね……。
谷川岳=雪崩のイメージなのですが
怖くて近寄りがたいけど、惹きつけられるものがありますネ
私も秋に谷川岳 に行って白毛門を眺めていたので大変興味深く拝見しました
それにしてもガスの多い谷川連峰だけど、上手く晴れ間をついて行かれましたね
確か前回の谷川岳も良いお天気でしたよね?
私の方は、また再訪する予定なので、白毛門が見えたら、このレコを思い出すと思います
私の知らない谷川連峰、seizanryoさんのレコで堪能させて頂きました〜(^^)
コメントありがとうございます。
おかげさまで、谷川岳に行くときはいつも天候に恵まれています。
ま、今回は天候不安定な時期なので、天気予報と天気図見て隙間をつけそうなので突っ込んだ感じですね。
でも、下山後はふもとでも吹雪いていたので、上越の天候はあなどれません。
谷川岳=雪崩のイメージは共感できますね。恐ろしすぎです。
今回、特に注意したのは、雪庇ですね。
踏みぬいたらあの世行きなので、相当慎重にルートとりました。
雪の白毛門、いいですよ。
今の時期、急激な天候変化は気をつけなければですが、それ以外は、雪山をなめてかからなければ大丈夫だと思います。
そろそろ谷川も春山。
そして今、白毛門の先に行こうかどうしようか、すごい悩み中。
すごい、きれい!素晴らしい
こんにちは、seizanryoさん。
白毛門からの雪を纏った谷川岳
今シーズンは是非見てみたいのですが…
5月頃でもまだ残ってますかね?
雪庇も怖そう、クラックつーのも怖そうですねぇ。
もし踏み抜いたら、埋もれて雪解けまで発見されないとか!
そんな感じでしょうか?(((( ;゚Д゚)))ガクブル
今回はお疲れさまでした。
でも、その白毛門から先を企んでいるとか…?
お気を付けてくださいませ
ukkysuzさん、こんばんは。
ちょっと気持ち的に腐っていたんですが、白い谷川岳はそんなの吹っ飛ばしてくれました!!
雪庇は注意しないとです。
踏みぬきもありますが、今の時期あたたかいので、崩落のまきぞえになる危険性もあります。
慎重さが肝要です。
クラックもざっくりで、春山です。
クラックで怖かったのは、やっぱり山頂付近の稜線の雪の下の空洞ですね。
雪庇の自重でひびが入ったところに、上から雪がかぶって見えなくなっている。落ちたらたぶん、自力ではい上がれない。
ま、そういうリスクと雪山の美しさは表裏一体なので、これがまたこわいところか?
白毛門の先は、超悩み中です。
ま、いずれにしても、天候と雪の状態とのご相談なんで、超慎重に悩んでます。
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