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記録ID: 1869554
全員に公開
ハイキング
九州・沖縄

【鎮西作戦・第二日目】烏帽子岳〜五勇山〜国見岳【丙32.5】

2019年05月26日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
07:56
距離
19.9km
登り
1,167m
下り
1,160m
歩くペース
とても速い
0.60.7
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
6:24
休憩
1:32
合計
7:56
4:57
20
5:17
5:18
63
6:21
6:21
5
烏帽子岳・五勇山分岐
6:26
6:30
5
6:35
6:35
18
烏帽子岳・五勇山分岐
6:53
6:56
26
7:22
7:32
44
8:16
8:20
22
8:42
9:13
26
9:39
9:46
41
10:27
10:39
28
11:07
11:13
15
11:28
11:28
3
烏帽子岳・五勇山分岐
11:31
11:45
5
11:50
11:50
48
烏帽子岳・五勇山分岐
12:38
12:38
15
12:53
天候 晴れ(明け方曇り)
過去天気図(気象庁) 2019年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
新椎葉越
コース状況/
危険箇所等
登り始めが標高1500m超で最高地点が国見岳なので、昇降はさほど辛くない。
新椎葉越〜五勇山:背丈ほどの高さの藪に挟まれた道を行く。ハードではないが、蜘蛛の糸が大量に引っかかる。烏帽子岳分岐、五勇山付近は藪濃いめ。
五勇山〜国見岳:道の状態がかなり良くなる。小国見岳を通る道は踏み跡薄い。
標識に「〇〇分」と所要時間が書いてあるが、結構きつめ。
前日、日没前に新椎葉越に到着。温泉等で汗を流したかったが、ウェットシートで足を拭く程度に留める。
2019年05月25日 18:25撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/25 18:25
前日、日没前に新椎葉越に到着。温泉等で汗を流したかったが、ウェットシートで足を拭く程度に留める。
翌朝、日の出前に出発する。
2019年05月26日 04:56撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 4:56
翌朝、日の出前に出発する。
登山口は駐車スペース傍。「烏帽子岳登山口」とある。
2019年05月26日 04:56撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 4:56
登山口は駐車スペース傍。「烏帽子岳登山口」とある。
夜明け前の東側稜線
2019年05月26日 05:01撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 5:01
夜明け前の東側稜線
日が昇るのを確認。
2019年05月26日 05:12撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 5:12
日が昇るのを確認。
椎葉越。お坊さんが行き来したことから「ぼんさん越え」とも。私の出発地は峰越峠(他に県境峠)とも言うらしい。
2019年05月26日 05:17撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 5:17
椎葉越。お坊さんが行き来したことから「ぼんさん越え」とも。私の出発地は峰越峠(他に県境峠)とも言うらしい。
ふうむ、空が薄い雲に覆われている。
2019年05月26日 05:21撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 5:21
ふうむ、空が薄い雲に覆われている。
大木と岩の狭間を抜ける。
2019年05月26日 05:42撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 5:42
大木と岩の狭間を抜ける。
この後の季節、道が覆われそうな予感がする。
2019年05月26日 05:55撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 5:55
この後の季節、道が覆われそうな予感がする。
基本、倒木はそのままになっているようだ。
2019年05月26日 05:56撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 5:56
基本、倒木はそのままになっているようだ。
烏帽子岳が近づき、いよいよ高度を上げ始める。
2019年05月26日 06:13撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 6:13
烏帽子岳が近づき、いよいよ高度を上げ始める。
石楠花に埋もれた分岐表示
2019年05月26日 06:20撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 6:20
石楠花に埋もれた分岐表示
烏帽子岳山頂
2019年05月26日 06:25撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 6:25
烏帽子岳山頂
太陽の輪郭が徐々にはっきりしてきている。もう少し。
2019年05月26日 06:25撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 6:25
太陽の輪郭が徐々にはっきりしてきている。もう少し。
霞の中に山の黒い影が二重三重に重なって見えるのも良いものだ。
2019年05月26日 06:27撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 6:27
霞の中に山の黒い影が二重三重に重なって見えるのも良いものだ。
影の形もはっきりしてきた。間もなく陽光が雲を破るだろう。
2019年05月26日 06:33撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 6:33
影の形もはっきりしてきた。間もなく陽光が雲を破るだろう。
分岐付近は藪が濃い目
2019年05月26日 06:35撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 6:35
分岐付近は藪が濃い目
雲が晴れれば、さらに緑が映えることだろう。
2019年05月26日 06:41撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 6:41
雲が晴れれば、さらに緑が映えることだろう。
展望岩の案内
2019年05月26日 06:52撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 6:52
展望岩の案内
太陽が姿を現した。帰路にはさらに展望が良くなっていることだろう。
2019年05月26日 06:54撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 6:54
太陽が姿を現した。帰路にはさらに展望が良くなっていることだろう。
次に目指す五勇山
2019年05月26日 06:54撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 6:54
次に目指す五勇山
今度は笹薮をかき分けて進む。
2019年05月26日 07:01撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 7:01
今度は笹薮をかき分けて進む。
五勇山山頂
2019年05月26日 07:21撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 7:21
五勇山山頂
山頂からちょっと東側に進むと若干展望あり。黒岳辺りの稜線だろうか。
2019年05月26日 07:23撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 7:23
山頂からちょっと東側に進むと若干展望あり。黒岳辺りの稜線だろうか。
石楠花は若干季節を外したようだ。
2019年05月26日 07:31撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 7:31
石楠花は若干季節を外したようだ。
いよいよ本丸の国見岳へ向かう。
2019年05月26日 07:34撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 7:34
いよいよ本丸の国見岳へ向かう。
ああ、雲が晴れてきた。国見岳に着く頃には・・・。
2019年05月26日 07:44撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 7:44
ああ、雲が晴れてきた。国見岳に着く頃には・・・。
道が、烏帽子岳までの藪が両脇に聳える道と打って変わって開放感に溢れる。
2019年05月26日 07:50撮影 by  XQ2, FUJIFILM
1
5/26 7:50
道が、烏帽子岳までの藪が両脇に聳える道と打って変わって開放感に溢れる。
倒木も若干処理されている。
2019年05月26日 07:51撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 7:51
倒木も若干処理されている。
小国見岳は主ルートから外れたところにある。分岐表示あり。
2019年05月26日 08:15撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 8:15
小国見岳は主ルートから外れたところにある。分岐表示あり。
小国見岳から西側、熊本県八代市の山々
2019年05月26日 08:16撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 8:16
小国見岳から西側、熊本県八代市の山々
小国見岳三角点。稜線上ルートは踏み跡薄い。
2019年05月26日 08:20撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 8:20
小国見岳三角点。稜線上ルートは踏み跡薄い。
小国見岳から北西方稜線
2019年05月26日 08:20撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 8:20
小国見岳から北西方稜線
いよいよ国見岳と相対する。
2019年05月26日 08:23撮影 by  XQ2, FUJIFILM
1
5/26 8:23
いよいよ国見岳と相対する。
一旦鞍部に降りて、
2019年05月26日 08:33撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 8:33
一旦鞍部に降りて、
青空へ向かって一直線。
2019年05月26日 08:37撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 8:37
青空へ向かって一直線。
2019年05月26日 08:40撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 8:40
熊本県最高峰、国見岳に到着。
2019年05月26日 08:45撮影 by  XQ2, FUJIFILM
1
5/26 8:45
熊本県最高峰、国見岳に到着。
主に南側〜西側稜線
2019年05月26日 08:47撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 8:47
主に南側〜西側稜線
主に北側〜東側稜線
2019年05月26日 08:49撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 8:49
主に北側〜東側稜線
山頂で単独女性と歓談し、もう少し憩っていたい気持ちもあったが、帰路に就く。(最終的に宮崎空港着がぎりぎりになったので結果オーライ。)
2019年05月26日 09:15撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 9:15
山頂で単独女性と歓談し、もう少し憩っていたい気持ちもあったが、帰路に就く。(最終的に宮崎空港着がぎりぎりになったので結果オーライ。)
この清々しさを形容する術無し。画像では万分の一も表わせていない。
2019年05月26日 09:33撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 9:33
この清々しさを形容する術無し。画像では万分の一も表わせていない。
帰路も小国見岳に立ち寄る。
2019年05月26日 09:39撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 9:39
帰路も小国見岳に立ち寄る。
やはり、光の量というのは山行において重要だ。
2019年05月26日 09:55撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 9:55
やはり、光の量というのは山行において重要だ。
五勇山まで戻る。
2019年05月26日 10:26撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 10:26
五勇山まで戻る。
あれは標高が同じくらいだから扇山かな?
2019年05月26日 10:27撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 10:27
あれは標高が同じくらいだから扇山かな?
こっちは向坂山とか白岩山辺りだろうか。
2019年05月26日 10:27撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 10:27
こっちは向坂山とか白岩山辺りだろうか。
標高差はそれほど無いが、歩きごたえのある稜線だった。
2019年05月26日 10:51撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 10:51
標高差はそれほど無いが、歩きごたえのある稜線だった。
烏帽子岳、ではない。まだまだ先だ。
2019年05月26日 10:59撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 10:59
烏帽子岳、ではない。まだまだ先だ。
帰路の展望岩からの大展望
2019年05月26日 11:08撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 11:08
帰路の展望岩からの大展望
展望岩からの展望パノラマ
2019年05月26日 11:10撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 11:10
展望岩からの展望パノラマ
あの結構高そうなのは市房山かな。
2019年05月26日 11:11撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 11:11
あの結構高そうなのは市房山かな。
烏帽子岳直前からのパノラマ
2019年05月26日 11:21撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 11:21
烏帽子岳直前からのパノラマ
いよいよ烏帽子岳、と言っても山頂部は岩塊の向こう側だ。
2019年05月26日 11:21撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 11:21
いよいよ烏帽子岳、と言っても山頂部は岩塊の向こう側だ。
再度の烏帽子岳から国見岳
2019年05月26日 11:31撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 11:31
再度の烏帽子岳から国見岳
九州の脊梁山地
2019年05月26日 11:32撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 11:32
九州の脊梁山地
同パノラマ
2019年05月26日 11:33撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 11:33
同パノラマ
芝生に覆われた山というのも新鮮な感じがする。
2019年05月26日 11:44撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 11:44
芝生に覆われた山というのも新鮮な感じがする。
展望山歩から森の中山歩へ。
2019年05月26日 12:00撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 12:00
展望山歩から森の中山歩へ。
時折岩場が現れ、単調になりがちな稜線歩きに変化をもたらしてくれる。
2019年05月26日 12:19撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 12:19
時折岩場が現れ、単調になりがちな稜線歩きに変化をもたらしてくれる。
ふと上を見上げると、緑の中に紫が。
2019年05月26日 12:20撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 12:20
ふと上を見上げると、緑の中に紫が。
久し振りの展望
2019年05月26日 12:27撮影 by  XQ2, FUJIFILM
3
5/26 12:27
久し振りの展望
椎葉越(ぼんさん越え)
2019年05月26日 12:37撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 12:37
椎葉越(ぼんさん越え)
今回歩いた稜線は、苔の色鮮やかな緑の回廊でもあった。
2019年05月26日 12:43撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 12:43
今回歩いた稜線は、苔の色鮮やかな緑の回廊でもあった。
道中の所々に見られる巨木には、ついつい挨拶をしたくなる。
2019年05月26日 12:47撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 12:47
道中の所々に見られる巨木には、ついつい挨拶をしたくなる。
新榛葉越に戻る。先着していた車の人達と出会わないと思っていたら、別の山に行っていたようだ。
2019年05月26日 12:52撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 12:52
新榛葉越に戻る。先着していた車の人達と出会わないと思っていたら、別の山に行っていたようだ。
【アプローチ参考情報】
落石はあちこちで見られるが、心配していたほどではなかった。
2019年05月26日 13:03撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 13:03
【アプローチ参考情報】
落石はあちこちで見られるが、心配していたほどではなかった。
【アプローチ参考情報】
道がこの状態なので、2トン車以上は通行不可。
2019年05月26日 13:24撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 13:24
【アプローチ参考情報】
道がこの状態なので、2トン車以上は通行不可。
【アプローチ参考情報】
椎葉村内で通行規制時間帯あり。
2019年05月26日 13:29撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 13:29
【アプローチ参考情報】
椎葉村内で通行規制時間帯あり。
「国見岳は真の天孫降臨の峯である」って、どこかと降臨地を争っているのかね。
2019年05月26日 13:38撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 13:38
「国見岳は真の天孫降臨の峯である」って、どこかと降臨地を争っているのかね。
上椎葉ダムと日向椎葉湖
2019年05月26日 14:03撮影 by  XQ2, FUJIFILM
1
5/26 14:03
上椎葉ダムと日向椎葉湖
2019年05月26日 14:03撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 14:03
関東周辺なら1200〜1500円くらいしてもおかしくないが、基本料金は1000円未満の定食で昼食をいただく。
2019年05月26日 14:27撮影 by  XQ2, FUJIFILM
1
5/26 14:27
関東周辺なら1200〜1500円くらいしてもおかしくないが、基本料金は1000円未満の定食で昼食をいただく。
水量豊かな耳川
2019年05月26日 15:01撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 15:01
水量豊かな耳川
山行後に宮崎神宮に参拝して締めとする。
2019年05月26日 17:47撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 17:47
山行後に宮崎神宮に参拝して締めとする。
お疲れさまでした。
2019年05月26日 19:27撮影 by  XQ2, FUJIFILM
5/26 19:27
お疲れさまでした。

感想

国見岳は熊本県の最高峰であり、平家の落人が麓に集落を築いたような辺境の地にある。そのような山へは登山口へのアプローチさえも難儀すると思われたが、案の定、ヤマケイオンラインで登山口情報を見てみると、いずれの登山口も「難路なので運転には要注意」と紹介されている。さらにインターネットで検索すると、「離合困難」、「落石」、「崩壊」、「通行止め」といった単語が並ぶ。
世の中には登山口へ向かう段階から心を折れさせるような悪路がある。東北山行ではデコボコの砂利道に何度諦めて引き返そうと思ったことか。
そこで、宮崎空港から帰ることを考えて、新椎葉越からの山行とし、道の状況がわかるほどに明るく、かつ、対向車が減って離合の可能性が下がると思われた日没直前の薄暮時に登山口へ肉薄することとした。

【登山口へ】
暗くなると不安なので、祖母山から降りた後、そそくさと椎葉村へ向かう。離合困難なのは林道だけだと思っていたら、その前の国道の時点から道幅は狭く、擦れ違いに注意を要する。村内に入ってからも18時過ぎにもかかわらずポツポツと対向車がやってきて、後退等してやり過ごす場面がある。結構標高が高い所まで民家等があるのだ。物凄い所へ来てしまった。だが、案ずるより産むが易し。思ったよりも道の状況は酷くなかった。登山口には5,6台が駐車。その一端に車を停めて翌日に備える。

【新椎葉越〜烏帽子岳・五勇山】
この日も猛暑が予想される。涼しいうちに稜線を歩ききって宮崎神宮に参拝したい。
そうしたことから長丁場の稜線歩きは夜明け前から。
緩やかな稜線歩きは最初こそチラチラ展望が得られたが、その後延々と左右を藪が囲む道を淡々と歩くことになる。道中、蜘蛛の糸が何度も何度も顔にかかっていい加減嫌な気持にもなる。時折巨岩や大木の出現にオッと気分転換をしていかないとなかなか精神的にきついものがある。
長い蜘蛛の糸潜りを経て烏帽子岳〜五勇山の稜線に乗る。分岐の辺りで藪が濃かったので大丈夫かと思う瞬間もあったが、藪との長い格闘はさすがに無かった。
烏帽子岳から五勇山に向かう頃には影がはっきりしてきて、帰路の展望を確信。実際、その通りとなった。

【国見岳】
五勇山〜国見岳の稜線は、それまで歩いてきた区間よりも歩きやすく、展望もある。烏帽子〜五勇の稜線に乗ってからが佳境と言うべきか、進むにつれて雲も晴れゆき、青の占める割合が広がってくる。それに伴い、山の碧もまた輝き始める。そして、何といっても蜘蛛の糸が引っかからなくなったのが良い。
国見岳に着く頃には完全に上空は晴れた。風はやや強いが、いやな風ではない。もっと吹いてもいいよと言いたくなるような爽快な風だ。
周囲はほぼ360度の展望。この真夏日だ何だという時期によくぞ晴れてくれた。
山頂の祠にて歓待を感謝するとともに、熊本、九州の天地、波風よ安穏なれと祈りを捧げる。
朝早いこともあり、道中2名ほどとすれ違ったが山頂には他に誰もおらず。後から単独女性1名訪れるのみ。女性も早朝に他の山行者がいることを意外に思ったようだったが、これもまた御縁、若干歓談する。どれがどの山だかよくわからないので教えてもらおうと思ったが、女性もビジターだったので残念。
朝早くに山頂に到達するとは同じく車中泊だろう。一人で遠方から登りに来るとはよほど山が好きなんだな、って、それは自分のことか。
山頂は長閑で心地よく、もう少し腰を落ち着けていたい気持ちもあったが、女性にも山頂を一人で占める時間があった方が良かろうと山頂を辞する。後で宮崎空港に帰還したのが19時過ぎであったことを考えると、結果としてグッドタイミングでの折り返しとなった。

【晴れ渡った稜線】
帰路は完全に晴れた空、そよぐ風だ。小国見岳でも五勇山でも展望岩でも烏帽子岳でも目にするのは空の青と山の緑。空には濃い青と薄い水色があって、そこに雲が薄く棚引いていろいろな形になっているのが面白い。山にはこれまた深緑とキラキラした緑があって、ぎらついた陽光をマイルドにして目に優しい。
この稜線歩きは、最後の最後までアップダウンは小さくとも、気持ちの面では最後まで右肩上がりといった感じで、大いなる歓喜と盛り上がりの内に幕を閉じることができた。

【総括】
今回、無事に宮崎及び熊本での山行を厳修、完踏することができた。まことにありがたし。
九州の鎮めを祈るという目的が主だったことから、山行後に宮崎神宮を参拝した他は、旅程のほぼ9割方が山行と移動時間で、温泉も宿泊も無しということになり、そういった点では無念が残る。
この旅路において九州及び九州の山々の良さを改めて認識したところであるので、次回訪れる際には、必ずやそれなりの宿に泊まって、あくせくすることなくまったりと神の国、火の国を堪能満喫することとしたい。

〜鎮西作戦・完〜

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