瑞牆山(カンマンボロン経由で不動沢へ)


- GPS
- 08:09
- 距離
- 11.5km
- 登り
- 1,588m
- 下り
- 1,568m
コースタイム
天候 | 晴れ後曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
みずがき山自然公園管理棟前に広大な駐車場あり。きれいなトイレもある。 管理棟から南(瑞牆山荘側)500m位の所にも10台位の駐車スペースあり。 不動沢方面であれば小川山林道(ダート)終点に20台位の駐車スペースあり。 ◆ルート 須玉ICからみずがき湖で黒森経由と増富温泉経由のいずれでも行けるが黒森経由(県道610号)の方が道幅も広く楽。更に小川山林道と本谷釜瀬林道の分岐があるが小川山林道よりも本谷釜瀬林道を取った方が良いようだ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆登山ポスト みずがき山自然公園近辺には登山ポストは見当たらなかった。 ◆ルート状況 カンマンボロンまではスズランテープや赤丸等でそれなりマーキングあり。その先、目印を見失っていつしかシャクナゲの林の藪漕ぎをしていた。おそらくホケイ岩の辺り(1750m〜1800m)。御祝儀岩辺りからは急登をロープに導かれる。基本的に岩登りのアプローチルート。 ◆みずがき山自然公園 とても気持ちが良い公園。管理棟ではそば等飲食も可能。白桃アイス(320円)は美味。その他地元特産品等の販売もあり。 |
写真
感想
瑞牆山には1995年の秋に瑞牆山荘から登ったが、どうも暗くて良い印象が無い。でもヤマレコのレポートを拾い読みすると園地が出来て不動沢方面へのラウンドトリップも現実的になった様子。更にはカンマンボロンを巡って行くのも可能みたい。カンマンボロン、十一面岩、不動沢の岩場とかつて本で読んだ記憶がある。是非、見てみたい。
そこで日頃は丹沢がメインの仲間にたまには奥秩父まで足を延ばしましょうよと誘い、梅雨の合間の晴間を狙って瑞牆山に向かった。ルートはカンマンボロンを巡って不動沢に降りるルートを設定、さあどうなることやら?
小川山林道からアプローチしたのだが、みずがき山自然公園の芝生広場の駐車場に出逢って先ずその広さに仰天した。八ヶ岳がまだはっきりと見えた。気温は25℃を指しているが暑くもなく寒くもない登山日和と感じた。林道を500m程、南に歩くと駐車スペースがある。そこに掲げられている案内板を確認し、天鳥川南沢の手前の登山道を登って行った。案内板には赤い道と緑の道が網目状に巡らされているが、中に入ってしまうとどこにいるのかは解りづらい。カラマツと白樺の林の中の小径でフカフカでとても歩きやすく、森林浴いっぱいと言う感じの素晴らしい園地だ。
登り口には富士見平小屋との標識があったが、どこで南沢を横切るのかは解らなかった。この道、真っ直ぐ行くと突然に突き当たる。斜面の上を見上げると1本小径が走っているようなので樹林の斜面を横切って登りそこに合流する。この小径もすぐに終点に行き当たり、そこに写真に示す注意書きがあるのだが、明確な踏み跡が続いていた。つまり園地の終点であり、カンマンボロンへの道の始点になる訳だ。
しばらくは南沢に沿って歩いて行く。そこここに赤丸マークや透明スズランテープの目印がある。やがて南沢から離れる(約1540m)と勾配がキツくなって行く。所々で赤く「カ」と木や岩に書かれているのを見る。「カ」は「カンマンボロン」の「カ」らしい。沢から離れて15分も登ると樹林越しにカンマンボロンの岩場が見えてくる。更に15分でどうやら岩場の基部に到着。人声がすると思ったらクライマーだ。そこから岩伝いに東に進み、一旦岩場から離れて行くのだがそこから大ハングが良く見えた。その大ハングを目指して進んで行くと岩壁に突き当たる。岩の隙間から光が漏れさしている。先人も神々しさを感じたのだろう。そこで出逢った紋様も偶然とは思えなかったのかもしれない。大ハングはイワツバメの営巣地になっていてそこここに飛び交っていた。大ハングから水滴がしきりに落ちてくるのだが、幸いにもフンでは無かった。台風の影響でコケも水分を随分と含んでいたからこれもその影響なんだろう。実に展望もよく気持ちの良い岩場でしばし小休止。見上げるとヒコーキ雲。それと日暈だ。天気も下り坂だろうか。
ここから少し下って岩場を左手に遠巻きに見る感じで進んで行く。カンマンボロンの東には大面岩とあるがどこからがそれかは良く解らなかった。まあでも左側に岩場が見えている限りは安心と思いきや、250mほど進むとパタリと気配が解らなくなった。そしていつの間にかシャクナゲの林の中を藪漕ぎしていた。どうも岩場から離れすぎたようだ。ここからルートに戻るのに一苦労。楽そうな方に行って失敗したようだからもう目標を見定めて我慢して藪漕ぎ。2人には申し訳なかったが、こんなことはまず無いから楽しいと言ってくれた。有り難い。そして何とかルートに戻れた。約1820m地点だった。
マーキングを見失わないように左手にある岩場から離れすぎないように気を付けながら登って行くと右手にすっきりとしたスラブが見えてくる。御祝儀岩だろうか。そう言うことにしておこう。2つの岩壁の間をルートは詰めていき、やがて固定ロープが現れて来た。ロープは4つ5つと続き、どんどんと高度を稼がせてくれる。東の方向に廻りながら斜面を100m程登り詰めて行くと突然に視界が開けた。もうすぐ2000mと言う所。この標高ではシャクナゲが花を付けていた。視界も開け、シャクナゲも咲いて気分も上々だ。絶好の休憩場所なんでここで一本立てることとした。
ここから約20分で大ヤスリ岩に出られた。間近で見ると美しさを感じる。その手前に「廃道につき下山禁止」と言う看板が木の幹にくくられていたが、Sさんこれを見て「ひどいなぁ、Tさん。こんなとこに連れて来て。でも下山禁止で、登山はOKか!」ってニヤニヤしながら呟いてた。まあ完璧に岩場へのアプローチルートでしたね。けれど大ヤスリ岩へのアプローチは瑞牆山荘からの一般登山道から来る方が断然楽なようだ。ものの数分で登山道に出た。そこにはトラロープで遮断されていたけど。登る人も降りる人も間断なく続いていた。やっぱりメインルートは瑞牆山荘からだ。同じルートを我々の後から来た人がここからは15分位ですよと言い残してさっさと登って行った。しかもカンマンボロンルートは「良い道でした」とのこと。結構疲労困憊した我々は力の無さを実感させられた。
でも気を取り直して頂上に向けて歩む。折角だから昼食も頂上でを合い言葉に岩場を登る。そして鞍部に着いて右手に山頂を目指す。10分足らずで山頂に到着したが、大勢の登山者がいてビックリした。流石に百名山、人気の山だ。17年前は2-3パーティしか居なかったけど。平らな場所はほぼ無いけど岩の狭間にストーブをセットして昼食にする。南アルプスは仙丈ヶ岳が少し見える程度か。八ヶ岳は横岳辺りか?金峰山はもう間近に見える。五丈岩もくっきりと。と思っていたら南からガスが押し寄せてきてあっという間に金峰山も見えなくなってしまった。山頂での気温は19℃、風も無し、心地よい昼休みを過ごせた。
帰路を不動沢に取る人も少数派だった。登ってくるパーティも数パーティ止まりだった。不動沢への下山路は明確で迷う心配はないが、湿気が多くてスリップには注意を要した。これも台風の影響だろう。下るペースも遅かったのだが早くから沢の音が聞こえる割にはいつまで経っても滝が現れない。徒渉点のショボいのが不動滝かと勘違いしたら、その直後に嬉しい驚きがあった。実に雄大で且つスッキリとした岩場を要する立派な滝が不動滝であった。ちゃんとベンチもあった。更にここから橋も標識も格段にグレードアップしていた。おかげさまでここからはコースタイム通りで歩けた。右に左にと美しい岩壁が次から次へと現れて驚かせてくれ、実に飽きないルートだ。屏風岩辺りではフリークライミングを楽しむパーティも。カンテを登っていた。
林道終点には10台位のクルマが駐車していた。不動沢の岩場はアプローチも良いようだ。
林道終点から少し行くと本谷釜瀬林道と芝生広場に分かれる分岐があった。芝生広場って駐車場の辺りのことだろうと検討を付けてそちらの道を行くこととした。若干登り基調な点がネガティブだったけど、フカフカの芝生の道は目にも足にも心にも気持ち好い素晴らしい小径だった。樹林の中にボルダーが点在していて、時折人声がするなと見るとボルダリングを楽しんでいる人達だった。案内板が現れるともう駐車場も近い。
不動滝からの1時間余りはまるで夏休みを先取りしたかのような感覚だった。テントを持って来て子どもとどっか簡単なボルダーで遊んで夏の一日を過ごすなんてのも好いなぁとまた妄想を広げてしまう。瑞牆山も好い山だが、この公園も素晴らしい。是非再訪したいと思った。
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