爺ヶ岳〜鹿島槍ヶ岳
- GPS
- 56:00
- 距離
- 22.1km
- 登り
- 2,377m
- 下り
- 2,406m
コースタイム
2日目 5:10種池山荘-6:10爺ヶ岳山頂(南峰)-6:30爺ヶ岳山頂(中峰)-7:45冷池山荘8:20-9:40布引山-10:20鹿島槍ヶ岳山頂(南峰)10:40−11:10布引山-12:10冷池山荘13:00-14:40種池山荘
3日目 6:30種池山荘-9:00ケルン-9:40爺ヶ岳登山口-10:00扇沢駐車場
天候 | 1日目 快晴 2日目 晴れのち曇り 3日目 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
爺ヶ岳は道が整備されて登りやすいです。 種池山荘に着く30分くらい手前あたりに落石注意の幅の狭い巻き道があります。 標識も丁寧に注意喚起しています。 鹿島槍に向かう、爺ヶ岳からの道は狭く、崖沿いなので人とのすれ違いに注意。 冷池山荘〜鹿島槍南峰まではとりたてて危険箇所というところはありませんでした。 |
写真
感想
今回は2回目の北アルプス。
TVのにっぽん百名山を観て、その美しい山容と眺望から登ってみたいと思ってた山だ。
北アルプスでは初のテント泊装備。
この季節防寒も完備しないといけないのでなかなかの重量だ。
家を4時に出発して4時間運転、扇沢に8時到着。
さすがに秋の3連休。駐車場もいっぱいで奥の遠いところに誘導された。
当てにしていた最寄りのコンビニが閉店していたので、扇沢のバスターミナルまで食材の買い出しとトイレを借りに。スタート地点が遠くなる。
食材はちと厳しい感じなので、何食かは小屋を頼るしかなさそうだ。
8時20分爺ヶ岳登山口からスタート。黒部ダムから流れてくる水の流れが美しい。
爺ヶ岳の登山道は、とても整備されて登りやすい。
段差も細かく作られていて、優しさを感じる。
種池山荘の主人が7年かけて整備した道なんだとか。
ザックは重いが、序盤は道の歩き易さもあり、快調。
左手に見える針ノ木岳、蓮華岳が美しい。
アルプスに来たなぁ〜と実感しながらうっとりと進む。
歩き始めて1時間ほどたつと徐々に急坂になってくる。
標高はしらずしらずの間に稼いでいて、「え、もうそんな高さ?」と思えるところは燕岳の合戦尾根のようだ。道の登りやすさでだいぶ疲労度が違うんだな〜と実感する。
歩いて3時間ほどたったところで狭い巻道で落石が今にも落ちてきそうなポイントを通過。
このあたりからザックの重みがズシズシきはじめ、スピードが遅くなる。
急にキツイ。やはりテント泊するにはまだまだ修業が足りないようだ。
爺ヶ岳の山頂が見えてきた。雄大な美しい山容。紅葉が始まっていて綺麗。
種池山荘までのラスト1時間、なかなか坂も厳しく、着いた時はホッとした。
もっと長い距離は背負っても普通にならなければ。序盤は良かったんだけどな..
テント場に着くとスペースの無さに愕然とする。
こんなに狭いテント場だとは思わなかった...
建てられそうなスペースは全て埋まっていて、隙間を探すも、うちのテントのサイズは大きめなので難しそうだ。
途方に暮れかけた時、何と建てていたテントをわざわざ移動して大きめのスペースを開けてくれるという神様のような人が現れた...!!なんて素敵な人達なんだ...
感激して何度もお礼を言う。
助かった。ここまで重い思いして担いできて小屋泊になるところだった。
ありがとうありがとう!!
テントを無事設営し、昼食を小屋でとる。
軽食メニューしか無かったので、カップ麺、餅入りぜんざい、ビールという妙な組み合わせ。しかし、登山後だと糖分と塩分が不足してるのでやたら美味い。
爺ヶ岳山頂、鹿島槍ヶ岳に登るのは明日だが、今日はやる事も無いし天気も快晴なので、写真を撮りにちょっと散歩。
歩いて5分で眺望が開けた。鹿島槍ヶ岳が目の前に堂々と現れ、左手を見ると荒々しい劔岳が。あれが劔か〜!と初お目見えに興奮。
爺ヶ岳も大きく見えて美しく、贅沢な時間になった。やはり快晴の山はミラクルだ。
小屋に戻りコーヒーを淹れたらもう夕食の時間。
山菜おこわに扇沢で購入した信州りんご和牛カレーをかけて食べる。
このカレーが予想以上にヒット。今までのレトルトで一番美味しいかも。
スープは道場六三郎監修、鯛のお吸い物。
お腹が満足した所で日没の時間。
先ほどの劔岳〜鹿島槍〜爺ヶ岳のミラクルスポットに再び見に行く。
太陽がちょうど劔岳の横に沈むのを眺め、じんわり。
帰りに明日の水を補給して7時に就寝。
8時頃、テントの隣からバサバサ設営する音が聞こえて目を覚ます。
うちのテントの三方は埋まっていて一方は登山道のはずだがその登山道に強引に立てているらしい。
隙間も全然ないので、出入口から出れなくなってしまった(苦笑)
うちのペグ打ち込んだまんまなんだけど大丈夫なんだろうか。逞しい。
出入口は逆側にもあるのでなんとかはなるようだ。
聞こえてくるその人達の会話を聞いてると、ハン・テングリとか登った話をしていた。テント設置のワイルドさも納得なような。
朝2時頃寒さで目を覚ます。
やはり北アルプスの夜は9月でも寒い。ダウンも着込んだら落ちついて眠れた。
4時30分起床。5時種池山荘出発。
ほぼ夜明けと共にスタート。雲は多少たなびいているものの今日も青空が期待できそうだ。
種池山荘から爺ヶ岳山頂までの道は、夜明けのピンク色の空とそれを反射した鹿島槍ヶ岳、劔・立山が美しく、いきなり大興奮のスタートになった。
例のごとく写真を撮りすぎで大幅にタイムロスする。
少し登っていくと槍ヶ岳も右手から現れ、そこを基準に前に登った常念岳〜蝶ヶ岳の稜線も見えて嬉しくなる。
6時爺ヶ岳南峰に到着した。
360度の大パノラマ。もうここまでの景色でも充分贅沢だ。
美しさ、感動度合いにおいて自分の過去最高を競う眺望だった。
冷池山荘を目指すが、せっかくなので爺ヶ岳最高地点を通ることにする。
軽い気持ちで登るが、なかなか傾斜のきつい頂だ。
6時30分爺ヶ岳中峰到着。ここの眺望も素晴らしい。
爺ヶ岳、スケールが大きく山容も美しく、登りごたえもあり百名山でも良いのでは?と個人的に思った。
そこから北峰の巻道を通り、立山・劔岳をずっと左手に眺めながら冷池山荘を目指す。種池山荘がもうあんなに遠い。ほんとに気持ちがいい。巻道なので下を見ると少し怖い。
自分のペースがいつもより早いのか同行者の奥様がやたら遅れる。
何度も待つが、巻道は狭いので開けたポイントしか待てない。
奥様を先行させて行くと意外に順調なペースですすむ。
見てないとサボってんのかな...!?(笑)
冷乗越を越え、一回大きく下って少し登り7時45分冷池山荘に到着した。
お腹が空いていた。
朝食は種池山荘で買った800円のチラシ弁当。足りないのでカップラーメンも食べる。
冷池山荘は、種池山荘よりも広くて快適なように見えた。
(泊まったわけでないので分からないが)
8時20分冷池山荘出発。10分ほど坂を登ると冷池テント場にでた。
最初の計画だとここに張る予定だったが、自分達の体力やテント場の傾斜、トイレまで10分もかかる事を考えるとつくづく種池山荘テント場でよかった。
ただ劔岳が綺麗に見えるのは魅力だ。
そこから布引山までの坂を登る。ガレ気味の急坂を長い時間ジグザグに登っていく。無心で登ると案外早く山頂に着いた。
9時40分布引山山頂到着。
結構疲れてきたが、目指す鹿島槍ヶ岳まであと少し。
ようやく鹿島槍ヶ岳南峰まで何のピークも挟まない景色になった。
近い近いと思って登ると遠いのが山頂。特に鹿島槍の穂先は長く感じた。
ガレた道を丁寧に黙々と登る。
いつの間にか曇り空になりテンションもやや落ちていたのかもしれない。
でもついに10時20分鹿島槍ヶ岳到着。ここまでの道のりが長かった分、嬉しかった。曇り空ではあったが視界は良好で劔は綺麗に見えるし、北峰から続いていく五竜岳への縦走路がかっこいい。
本当は北峰まで行って双耳峰を踏破したいところだが時間の都合上、ここで戻ることにする。
10時40分下山開始。
12時10分冷池山荘到着。
布引山の長い下りで、まだ元気なんだけどかなり足がクタクタに。
登山靴を脱いで談話室で昼食をとることにした。靴脱ぐだけでかなり楽になる。
昼食は800円のカレーと200円のカップ味噌汁。メニューがそれしかないからだが、この2日カレーかラーメンばかり食べていて飽きてきた。
13時冷池山荘出発。ゆっくり出来たのは良いが外はいつの間にかガスガスに。。湿った空気がたちこめて今にも降りそうだ。
ここから種池山荘まで2時間20分の道程。
頼むから天気もってくれと念じながら歩く。
ここからの登り返しが疲れた身体にこたえる。
爺ヶ岳、厳しい爺さんだ。
天気も天気なので黙々とペースを落とさずに進むと中峰までのタイムが40分も短縮できた。そんな早く進んでないので???とはなったが、疲れた身体に嬉しい話。
天気もなんとか太陽が出たり消えたり膠着状態を保ったまま、無事14:40種池山荘に到着した。
2日目の夕食は準備が無かったので種池山荘で頂く。
3日目、今日はもう下るだけ。
空は快晴、雲海が広がり綺麗だ。名残り惜しい。
下っていくと、雲海の下に入ったのか曇りになった。
危険ゾーンの巻道落石注意帯を緊張して渡る。渡り終えて油断したところ、先の少し尖った石を踏んで足首がぐねっていった。
普段ならそれでも一歩足を前に出して踏ん張れそうだが足に蓄積したダメージとザックの重みで間に合わない。
一瞬崖側に身体を持ってかれそうになる。
スローモーションのようになって背中が危機を感じてゾッとするのが分かった。
夢中で身体を山側にひねり、何とか腕で受身をとれた。
山で滑落の危機を感じたのは二度目だったが本当にどんなところでも油断大敵だ。
手に擦り傷を負って、凹み気味に下山。ザックがやはりキャパオーバー気味に重い。登山口につくまでにかなり音をあげ気味になっていた。修業不足。
10時に無事下山した。
今回はかなり頑張った感もあり、絶景も見れて充実感のある山行だった。
アルプスへの惚れこみは深まる一方だ。
■トイレコ(一般家庭の綺麗な水洗トイレが★5つ基準)
種池山荘トイレ
ボットン蓋付き和式。皆さん綺麗に使ってます。
小窓がついていて、鹿島槍ヶ岳が見えます(笑)
★★★
冷池山荘トイレ
自分が使用してないので分からないが
嫁が★4といっていた。洋式水洗。
★★★★
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