快晴!富士山/富士宮口〜宝永山
- GPS
- 08:05
- 距離
- 11.6km
- 登り
- 1,536m
- 下り
- 1,533m
コースタイム
天候 | 快晴(下界は時々曇り) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
9月2日の閉山後、六合目バリケードから先は自己責任(トイレの始末も!〜携帯トイレ必携)の世界でした。気候的に未明発の弾丸組はほとんどいなかったようですが、当方のような車中泊・早朝発組は数十人はいたようです。 この時期、風雪に備えて一部道標が撤去されています。少し前の雪は解けて夏道でした。風向きは北西で登山道側は弱かったのですが、お鉢巡りの小内院付近ではまっすぐ歩けないほど。快晴でも油断大敵です。 宝永山火口は、大砂走り同様の深い砂利道状で快適に走り降りました(登るのは難儀でしょう)。 |
予約できる山小屋 |
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写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ 1
予備電池 1
1/25,000地形図 1
ガイド地図 1
コンパス 1
筆記具 1
保険証 1
飲料 1 水
ティッシュ 1
バンドエイド 1
タオル 3
携帯電話 1
計画書 1
雨具 1 上下
防寒着 2 羽毛ベスト、羽毛上着
ストック 1
水筒 2
時計 1 高度計付
非常食 1
緊急保温シート 1
着替え 1 上下、靴下、下着
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共同装備 |
ツェルト ○
ファーストエイドキット ○
医薬品 ○ 解熱、胃腸、咳止め
カメラ ○
GPS ○
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感想
山歴11年、実は富士山は初めて。「いつか1度は」と思ううち、大人気の世界遺産になってしまった。9月を狙ったが体調不良と天候不良で果たせず、今年はあきらめて登山靴をソール張替えに出してしまった。そこへ最近のバカ陽気。靴の修理がギリギリ12日に上がると分かり、上々の天気予報も確認して急きょ富士宮口へ駆けつけた。
日の出とともに歩きだし、できればお鉢巡りをして、さらに条件が良ければ大砂走りのさわりを下って宝永山経由で戻る計画。路端で鹿が餌を食べる真っ暗な富士山スカイラインを登り、日付が変わって間もなく五合目駐車場に到着した。半信半疑だったが、登山口付近の駐車枠は大半が埋まっていた。中には深夜デート組もいるようだが、ほとんどは同好の士と見え、なぜか駐車枠にテントを張っている御仁も。ヘッドライトで上のトイレへ行き、満点の星を撮影して寝袋にもぐりこんだ。
寒さで4時ごろ目が覚めて、5時に目覚ましが鳴って、「あっ!」と飛び起きたのが5時44分。東の空から太陽が顔を出すところだった。ご来光を車中で眺めながら朝食のパンにかぶりつき、朝日あふれる五合目を出発した。雲海と対照的に、見上げれば山頂まで遮るものはなく上空にも雲一つない。
それにしても体が重いし、息が上がる。標高は2400m余。空気の薄さも多少は関係するだろうが、やはりまだ体が目覚めていないのだろう。観光客も訪れる六合目まで結構苦労した印象だった。バリケードはヤマレコで研究した通り右へ迂回し、「自己責任」の領域へと踏み入る。
顔を上げると、遥か頂上へ続くジグザグ道と途中の山小屋が点々と見える。出遅れた上にスピードも本調子でないが、見下ろす雲海の景色は格別だ。技術がいるわけではなく、この好天では道迷いのしようもない道を一歩ずつ踏みしめて登る。分かりやすい「八合目」の看板を見て、高度計を見やると3200mを超えていた。過去最高の奥穂高岳の山頂を超えて、自分には未踏の標高に達したことになる。
さて、八合目の上の鳥居をくぐり、硬貨が差しこまれた棒杭を過ぎるあたりまでは、体も動き出してエンジンがかかった気がしていたが、九合目が近づくころからひどく息切れするようになってきた。気圧は700ヘクトパスカルを切っている。九合目の小屋前で景色を見るふりをして息を整えていると、抜きつ抜かれつして来た男性に「ヘルメットは必要なのでしょうか?」と尋ねられた。当方が八合目で被ったのを見たようだ。ヤマレコの山行記録の受け売りであると断ったうえで、「落石などの可能性があるから念のため」と答えた。
休んでいると何ともないが、歩き出すと間もなく心臓と肺がもたなくなる。10秒間ほど息を整え、10歩進んでまた休憩という体たらくだ。頭痛、吐き気といった症状はないが、少しふらつくような気がする。これも高山病、高度障害の一つなのだろう。最後は目と鼻の先の頂上の鳥居まで、よたよたと喘ぎながら慎重に足を運んで辿り着いた。
気温は低いが風は弱く、結構暖かく感じる。最後はペースダウンしたものの、寝坊による遅れはほぼ取り戻したので、お鉢巡りを敢行することにした。下山前に説明版を読んでいた若い男性に聞くと、多少風の吹く区間もあるが問題なかったとのこと。まずは浅間大社の左へ最高点の剣ヶ峰を目指す。
結氷した池というか水溜りの横を通り、最後の70mほどの登りに挑むが、やはり喘ぐばかりでスピードが出ない。着実に足を進める人もいるので、多分、喘息持ちの肺では十分酸素が取り込めないのだろう。剣ヶ峰で記念撮影し、裏に回って南アルプスでも撮ろうとしたら、測候所跡の裏は立ち入り禁止になったとのことだった。
お鉢巡りは、まず火口内寄りへと下る。大沢崩れ上部では南ア方向、甲府盆地と甲斐駒・八ヶ岳方面の写真を撮った。そこまでは無風で快適だったが、小内院付近では横に飛ばされそうなほどの風が吹いていた。ガス一つない快晴、こずえを揺らす樹木もなく、強風の存在は近づくまで分からない。
白山岳の陰に入ったあたりから再び風がやんで一息。二股を左に取って富士五湖方面を見下ろして進み、吉田口山頂に着いた。休憩中、隣に詳しそうな2人組がいたので、御殿場ルート〜宝永山経由の下山について尋ねてみた。御殿場在住というリーダー格の人によると、宝永山がガスに包まれない限り道を間違える心配はないとのこと。お礼を言って先を急いだ。
部分的に白い花崗岩質の山肌をさらすピークを過ぎ、大きなアップダウンもないまま御殿場口山頂に到着。ベンチに腰かけて昼食のカップめんを準備していると、突如強めの風が吹きわたり、あやうくカップを持って行かれるところだった。幸いその風はすぐやんだので、お握り2個とカップめん、コンビーフの昼食を落ち着いて食べられた。なお、計算上87度くらいという沸点でも、カップめんの調理に支障はないようだ。
御殿場口への下り口に立つと、真っ直ぐ下の方位140度に宝永山が見える。山を囲むように白い雲が湧いているが、まあ大丈夫とみて予定通り宝永山経由ルートで下山を始めた。トレラン風の男性を先に通し、その姿を追いながら下り続ける。吉田口で教えてもらった七合目の分岐までは一本道だ。
酸化した赤いスコリアの多い所に建つ赤岩八合館前を過ぎた先で、自転車の男性に出会った。富士宮口から時々自転車を担ぎながら登ってお鉢巡りを走り、ブル道経由で御殿場口へ降りるという。到底まねはできないが、富士山にもいろいろな楽しみ方がある。
青い日の出山荘の下で教えられたとおり一番右の道を選ぶと、足もとが分厚い砂利に変わった。大砂走りのはしりの部分という訳だ。ペットボトル1本だけ提げて登って来た男性が、「こっちを登るのはきつい」とこぼしていた。「七合目で折り返す」とのことだったが、こんな準備不足で富士山に来てほしくない。
ゆっくりリズムを付けて弾むように下っていくと、登りの登山道と合流した。正面に馬の背から宝永山山頂に至る道が見える。写真に収めると丸で全体が登り坂のように見えた。実際は馬の背まではそこそこの下りで、その先がごく緩い登りとなる。
馬の背で振り返ると、真っ直ぐ上に別の砂走りルートらしきものが伸びており、先ほど遥か後ろにいたはずの登山者が降りきって近づいてきた。そちらの方が本格的な砂走りのようだが、まあ仕方ない。
ほとんど平らな尾根伝いに宝永山の山頂に着くと、大勢が下の雲海に歓声を上げていた。大砂走りのような砂利で潜る登山道を苦労して登って来た皆さんらしい。記念撮影のお手伝いをして、その砂走りもどきの道を下る。要領は一緒だから速いし疲れない。なおも続々と登って来る観光客や家族連れとすれ違う時だけ気を付けて火口底に着いた。
道は、左に第二火口を抱えながら、わずかに登り返す形で伸びている。運動靴で赤ん坊を抱いて宝永山に向かう女性に驚きながら、第一火口分岐に着いた。すぐ先に六合目の宝永山荘が見え、右上には遥かな斜面が頂上へと続いている。大勢の観光客と、六合目に戻ってきた少数の登山者と一緒になりながら最後の下り坂を辿った。駐車場は、なおも出入りする車で賑わっていた。
余談。帰る途中に御胎内温泉健康センターに寄り、4時半過ぎに御殿場インターに向かうと、カーナビが逆方向を指示した。?と思って道路の情報表示を見ると、東名は秦野中井の先25km自然渋滞に加えて大井松田まで事故渋滞とのこと。仕方なく指示通り中央道に向かったが、こちらも大渋滞。おまけにコツンと追突事故まで喰らって、帰路は散々だった。
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