奥穗高岳(上高地〜岳沢〜重太郎新道〜吊り尾根〜奥穂〜ザイテン〜涸沢〜横尾〜上高地)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 25.1km
- 登り
- 1,862m
- 下り
- 1,856m
コースタイム
(2日目)穗高岳山荘700〜835涸沢900〜1003本谷橋1015〜1100横尾1110〜1250明神1300〜1340上高地バスターミナル
天候 | 1日目・晴れ 2日目・雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
帰り)上高地〜(バス・電車)〜松本〜(高速バス)〜新宿 |
コース状況/ 危険箇所等 |
上高地〜岳沢小屋) 整備された登山道です。 重太郎新道) くさり・ハシゴ・岩登りです。高度感ある箇所もあります。慎重さが必要です。 吊り尾根)片側切れ落ちですが、慎重に行けば問題ないと思います。 山頂〜山荘)高度感ありです。 ザイテングラード)雨でしたが要所要所慎重に行けば問題ないです。 涸沢〜横尾)整備された登山道です。 横尾〜上高地)なが〜い林道です。 |
写真
感想
前の週に死亡事故があり(違うルートだけど)、その後雪が降り、さらには巨大台風が近づいているというのに、奥穗高岳に行った。
涸沢の紅葉ピークも過ぎたせいか、新宿から上高地へ向かう夜行バスはガラガラ。広く席を使えてゆっくり眠ることができた。
閑散としたバスターミナルで登山届けをポストに入れてスタート。去年、まだド素人にも関わらず、槍ヶ岳に登ったときよりも、要領を得ている。地図だって持っているし、体重も軽くなっている。
ところが、異様に人が少ない。登山道に入ってから岳沢小屋までの間にすれ違ったのは一人。しかも、登山という感じではなく、写真を撮りに来た感じの様相だった。
岳沢小屋も小屋の人以外誰もいなかった。テラスから見上げると険しい穗高連峰。雪は残っていないようだ。とは言っても、あまりにも心細すぎた。帰りたい・・・。と、少し思ってしまった。
よく目を凝らすと、重太郎新道を一人登っている人が見えた。「よし、あの人に追いつこう。追いついて話をしながら行こう!」と、意を決して、重太郎新道に取り付いた。
いざ、登り始めてしまえば、なんてことはない。前の人に追いつくことはなかったのだけれど、だんだんと楽しくなってくる。今まで登って来た山々とは登ってる感が全然違う。山登りというより、よじ登りだ。
次々と岩を登っていると少し平坦なところで、嫌なものを発見する。黒いフンだ。
「さっき登ってた前の人の?」
いやいやそんなわけない。もしかして・・・・。
「待って〜!前の人〜!」と、叫びたい気持ちを抑え、足早にその場を去った。
そんな出来事も忘れかけた頃、紀美子平に到着。昼食をここでとることにしていた。写真で見たら、結構広い感じに見えたのだけれど、狭い。そして、風が強く寒い。座っていたら凍死しそうなので、立ったまま足踏みをしながら、昼食をとった。
ちなみに、ザックが1つデポしてあったので、前の人は前穗高岳に登っているようだった。僕も、予定表には「10時半までに紀美子平に着いたら前穂」と、書いてあり、着いたのは10時29分だったのだが、まったく登る気にはならず、吊り尾根へ向かった。
さてさて吊り尾根。片側切れ落ちの尾根道だが、意外と怖くない。昔だったら足がカタカタと震えてしまっていた様なところも、スイスイと進める。ずいぶんと進歩したものだと、自分で感心してしまった。
吊り尾根もラストスパートというところで、ようやく登山者発見。前方から若いお兄ちゃんがやってくる。
「こんにちは!」と言うやいなや「やばいっす!誰もいないっす!!」と、大興奮の様子。聞けば、上高地〜西穂〜奥穂〜上高地日帰りだそうだ。人を見たのは僕が初めての模様。
「すげ〜!あんな怖いところ(行ったことないけど・笑)日帰りかよ〜!泊まればいいのに」と言うと、
「連休とれないっす!ジャンダルムはどっから登ったらいいかわかんなかったっす!」ということだそうです。
まだ、話足りなそうだった彼と別れ、奥穗高岳山頂に着いた。ガスがひどくて(とにかく真っ白)、最初ニセ山頂に行ってしまい、「あれ?祠なくなったの?」と探し回ったのだが、少しガスが薄くなった瞬間ぼんやりと先にもピークがあるのが見えて、ようやく本物の山頂に着いた。
雷鳥も見ることができたし、今までで一番達成感を感じた山頂だった。何より、奥穂山頂を独り占めできたのは嬉しかった。
山荘までの下りはなかなか急、少し雪も残っていて怖かったので、ゆっくりと時間をかけて下りた。テラスから山荘の人が下りてくる僕を見ているのが見えた。人を見ると安心する。
ほっとしたのも束の間、山荘の人の言葉でまた現実に引き戻される。「台風来てますけど、大丈夫ですか?」時間は3時なのに、お客さんは僕以外いないようだ。「明日朝一で下りようと思っているので、多分・・・」と言って、受付をする。
早く着いたら涸沢岳ピストンしようと思っていたが、そんな気力はなくなり、部屋にこもって布団に潜り、現実逃避した。
ウトウトとし始めた頃、部屋のドアが開いた、他のお客さんだ。若いカップルだった。ザイテングラードから登ってきたらしい。同志ができたことにより、少し元気が出たので、テラスにでて景色を堪能した。
薄暗くなってきた頃、涸沢岳から男性二人組が下りてきて、山荘に入っていった。更に暗くなって、また二人やってきて、テント場の受付をしていた。
この日は結局7人が穗高岳山荘に泊まった。
夕食は自炊にしたので、一人寂しくお湯を沸かしカップ麺を食べた。食堂では僕以外の小屋泊の四人が楽しそうに食事をしている。しかも、この小屋の食事はおいしそうだ。
食後はみんなで山話で盛り上がり、部屋に帰って眠った。よく眠れた。
翌朝。小雨が降っている。台風という感じにはまだなっていなかった。
カップルは、雨の中奥穂山頂へ向かった。男性二人は槍から来たので奥穂山頂は踏んでいなかったが、天気も悪いので、僕と一緒に下山した。僕も、雨の中ザイテングラードを一人で下りるのは心細かった(結局どうって事無かったのだけれど)ので助かった。
計画ではパノラマコースから帰る予定だったが、雨なので横尾経由にした。
涸沢は紅葉がまだ残っていてきれいだった。涸沢から下はちらほらと人が歩いていた。
横尾から上高地の単調な道は、嫌いな人が多いようだが、僕は意外と好きである。
上高地に着くと雨が強くなってきた。一緒に下りてくれたうちの一人が東京で居酒屋をやっているというので、今度行くと約束して、二人とお別れした。
奥穗高岳はまた行きたいと思える山である。
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