安全登山指導者講習会で岩木山へ
KS-Mountain
その他30人 
体力度について
- GPS
- 06:21
- 距離
- 6.4km
- 登り
- 1,307m
- 下り
- 352m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2014年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
バス
帰りは8合目からバスの送迎で下山しました。 百沢スキー場の駐車場は午前7時半過ぎの到着時では余り駐車は見られませんでした。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
【登山道概況】 1）百沢スキー場〜焼止ヒュッテ 大部分はそれほど急勾配ではなく、歩きやすい道です。 深く抉れた旧道の脇を通るようにして道が伸びています。 この辺りは樹林帯の中なので眺望は余り良くなく、風も遮られそうなので夏場は暑いかも・・・。 2）焼止ヒュッテ〜鳳鳴ヒュッテ 焼止ヒュッテを過ぎると間もなく登山道が沢に取り付き、岩場も現れる急登になります。 鎖場や梯子はありません。 長いストックは邪魔になるので、短く縮めて手でバランスを取りながら登りました。 途中に水場「錫杖清水」があります。 3）鳳鳴ヒュッテ〜山頂 鳳鳴ヒュッテからは再び急登です。 岩場なので浮石に注意。 鳳鳴ヒュッテから山頂が見えるかのようですが、実は山頂の手前で、山頂はもう少し奥です。 鳳鳴ヒュッテから山頂へは標高差にして約150mです。 4）鳳鳴ヒュッテ〜八合目 急登はなく、歩きやすい道です。 やはり樹林の中なので、眺望は良くありません。 【水場】 錫杖清水 【避難小屋】 焼止ヒュッテ・鳳鳴ヒュッテ 【地形図】 25000分の1 岩木山・十面沢 |
| その他周辺情報 | 温泉は宿泊先の「岩木青少年スポーツセンター」。 大人 300円 内湯（源泉） ※ボディソープ・シャンプー類・ドライヤーなし |
写真
この日は岩木山で実際に登山行動を行います。
バスへと乗り込んでゆく猛者達。
登山前に我が班、第3班で記念撮影。う〜ん、やっぱり猛者揃いの面子＾＾；
登山歴たかだか1年ちょっとですが、ついていけるようガンバります。
2
う〜ん、やっぱり猛者揃いの面子＾＾；
登山歴たかだか1年ちょっとですが、ついていけるようガンバります。
ドングリやクリだけでなく、アケビまで実っていました。
実りの秋が訪れています。
地形図によるとこの先は沢の急登があるため、ストックを縮めて携行します。
行列のためゆっくりでなかったらきっとキツいだろうなあ。
でも後で膝が痛くならないか怖いな・・・。
凄い！
こんな眺めを待っていました。
生憎、いつものチタンカップを持ってこなかったので飲みませんでした。
ちょっと下流の沢の水は飲みましたが。
講習中の班以外は休憩です。
カフェオレが美味い！
各々の装備から救助に使える道具を出し合いながら救助作業に当たりました。
でももうあと少し。
時間の都合で、山頂は行けないかも？と言われていましたが何とか登頂！励ましあったり掛け念仏を唱えたり（歌ったり）しながら登りました。
わずか5分ほどの滞在でしたが、登頂出来て良かった。
5
励ましあったり掛け念仏を唱えたり（歌ったり）しながら登りました。
わずか5分ほどの滞在でしたが、登頂出来て良かった。
山頂にはトイレもあります。素晴らしい。
なお、トイレは用を足した後、脇の自転車のペダルをこいで撹拌処理します。
海援隊の歌が聞こえて・・・くるわけないか。
素晴らしい。
なお、トイレは用を足した後、脇の自転車のペダルをこいで撹拌処理します。
海援隊の歌が聞こえて・・・くるわけないか。
わずかな滞在に名残惜しみながら下山。ここは8合目です。
時間の都合と、料金所のゲートが4時に閉まってしまうので、8合目からはバスで下ります。
ここは8合目です。
時間の都合と、料金所のゲートが4時に閉まってしまうので、8合目からはバスで下ります。
横向きに倒れている負傷者の設定で救助演習をします。意識が不明で体の震えもないため、中度〜高度に進行中の低体温症とみられました。
地面からの冷気の伝導を断ち切るため、背中側に救助シートを敷き、加温のためのお湯を入れたペットボトル（という設定）を中に入れ、シートでくるんで密閉。
シートを縛っているのは自分のレインウェア（下）です。
1
意識が不明で体の震えもないため、中度〜高度に進行中の低体温症とみられました。
地面からの冷気の伝導を断ち切るため、背中側に救助シートを敷き、加温のためのお湯を入れたペットボトル（という設定）を中に入れ、シートでくるんで密閉。
シートを縛っているのは自分のレインウェア（下）です。
一緒に山を登った仲なので皆笑顔。
三味線演奏までありました。こういう場で音楽があるっていいですね。
私はピアノが弾けるのでキーボードを持っていますが、電源が要るし持ち運ぶには少々デカい・・・。
オカリナでも覚えようかな。
4
こういう場で音楽があるっていいですね。
私はピアノが弾けるのでキーボードを持っていますが、電源が要るし持ち運ぶには少々デカい・・・。
オカリナでも覚えようかな。
鳳鳴ヒュッテから山頂へと登るときに歌った掛け念仏。山へ登るときに一度死んで、生まれ変わって山を下りてくる・・・という内容だそうです。
山へ登るときに一度死んで、生まれ変わって山を下りてくる・・・という内容だそうです。
お世話になった岩木青少年スポーツセンター。岩木山がすぐの絶好のロケーションでした。
キャンプもできますので、近くに来たらまた利用したいですね。
岩木山がすぐの絶好のロケーションでした。
キャンプもできますので、近くに来たらまた利用したいですね。
装備
| 個人装備 |
ヘッドランプ(1)
折畳傘(1)
1/25
000地形図(1)
虫除けスプレー(1)
シルバコンパス(1)
熊鈴(1)
筆記具(1)
保険証(1)
飲料水
ティッシュ(1)
医薬品類(1)
タオル(1)
雨具(1)
携帯電話(1)
計画書(1)
ウェットティッシュ(1)
腕時計(1)
食糧
エマージェンシーシート(1)
携帯用簡易トイレ(2)
ツェルト(1)
サバイバルシュラフ(1)
行動食
ナイフ(1)
|
|---|
感想
青森県の岩木山で行われた中高年安全登山指導者講習会に参加してきました。
我が山岳会からは自分を含めて2人が参加。
初日が金曜日なので、休暇を取っての参加です。
今回の講習会のテーマは「ファーストエイド」で、すなわち応急処置。
登山行動中に負傷者を発見した際、どのような手順でどのように処置を行い、医療機関へ引き継ぐまでの間、いかに負傷者の命を繋ぎとめるかの講習でした。
カリキュラムは1日目と3日目が座学で、2日目が実際に岩木山へ登っての実地講習。
最初の講義は中高年登山者の課題と現状がテーマで、統計と実例からそれを学びます。
昨今の登山ブームで、中高年となってから登山を始める人が増えましたが、若年者と比べて体力面や身体機能面で劣ること、それまでの人生経験が慢心を生み事故に繋がってしまうことなどが挙げられました。
興味深かったのは、講師の人がある山で登山客へアンケートを取っていた際、日帰りの中高年登山客にヘッドランプを持っているか尋ねたところ、「日帰りなのになんでそんなものが必要なのか」と返された逸話でした。
日帰り登山のつもりであっても滑落や道迷いなどにより日没を迎えてしまいヘッドランプが必要となる場合があるし、今盛んに報道されている御嶽山では噴火の影響で陽の光が遮られて空が真っ暗になり、ヘッドランプを付けて下山した例が報告されています。
その登山客はそうした不慮の事態の認識の欠落、何かあっても何とかなるだろうという慢心と楽観さがあったのだと思われました。
そしてメインテーマのファーストエイドの講義。
講師は、エベレストに登頂した三浦氏をサポートした女医の大城さんでした。
凄い人を連れてきたなあ＾＾；
登山行動において負傷者を発見した際、その処置は「3SABCDE（スリーエスエービーシーディーイー）」の流れにより行われます。
最初に行われるのは「3S」で、「3S」とはScene（状況）、Safety（安全）Spine（脊椎）を意味します。
すなわち、何が起きているのかを把握し、周囲が安全であることを確認し（安全でないときは安全な場所に移動する）、頭・首・体の軸を真っ直ぐにし首が動かないよう支えます。
その後、気道の確保、呼吸の有無、脈拍と手の汗と出血の有無の確認、意識や身体の障害の有無の確認、周囲の悪条件からの負傷者の保護を行います。
一通り講義を聞いて、その後研修室の空きスペースで2人1組となって負傷者と救助者に分かれて演習を行いました。
まず、負傷者に「どうかしたのですか」と問い掛けます。
問いかける際には、負傷者の目線の先から問い掛けるようにします。
もし負傷者が首を負傷しており、負傷者の目線以外から声を掛けた場合、負傷者が声のした方へ首を動かしてしまい、負傷を悪化させる恐れがあるためです。
「滑落した」との返事があったので、これで滑落により負傷したこと、そして気道が確保されており呼吸ができることが分かります。
続いて「私は○○です。動かないでください。これから応急処置を行いますがいいですね」と声をかけ、安静にさせるとともに負傷者が不安を抱くことのないようにします。
脈を測り、手の汗を確認し、出血を調べます。
「ここは大丈夫ですか」などと声をかけながら頭の先からつま先まで手で触って負傷部位も調べていきます。
負傷者が痛みを感じている部位以外にも負傷している箇所が潜んでいる恐れがあるためです。
最初の演習はここまでで、上手くこなせたような書き方をしましたが、実際やってみると慌ててしまい、結構あたふたします。
怪我の部位を調べることにばかり気を取られ脈をみるのを忘れてしまったりとか・・・。
踏むべき手順を実際の現場で漏れなくやっていくのはとても難しいと感じました。
冷静にかつ速やかに行っていくべきことですが、「冷静に」なるというのは容易ではありません。
続いて、低体温症に対する処置を学びます。
体温は、風などの対流や汗の冷え、地面からの冷気の伝導、カロリーの不足による体熱生産力の低下などによって下がり、それらが進行するとやがて低体温症になります。
低体温症は、軽度・中度・高度・重度の4段階に分けられ、その対処は食物摂取（カロリーの摂取（炭水化物を優先的に摂る）により体熱を生み出す）・保温（重ね着などにより温度を保つ）・加温（ホッカイロなどの温かいもの（お湯を入れたプラティパスが最も有効）を体にあてて温める）・隔離（体を冷気から守る）の4つによって行われます。
軽度の低体温症は意識は正常で体の震えと呼吸がある状態で、食物（炭水化物を優先）を摂らせ衣服などを着せて保温に努めます。
意識が正常でなくなったり、体の震えが無くなる、呼吸や脈などのバイタルサインが弱くなるなどになってくると、低体温症はいよいよ深刻になってきます。
食物を摂取することもできなくなってくるため、ダウンジャケットなどの衣服やサバイバルシート、ツェルトなどで体を包み、温かいものを中に入れて体を温めて対処します。
体の震えは体熱を作り出し低体温症を脱するための作用ですが、それがなくなるということは自分で体熱を生み出すことができなくなっている状態にあることを意味しているからです。
単純に着るものを多く持ち歩くだけでは低体温症の対処はできないのだと感じました。
2日目は1日目で学んだことを山で実践します。
岩木山に登り、途中の錫杖清水でザックを背負った状態から、ザックを背負ったままの負傷者の救助にあたりました。
ここで一つ学びましたが、迅速に処置を行うにはまず負傷者からザックを取り外す必要があるということ。
ザックを背負わせたままでは処置はおろか、搬送もままなりません。
考えてみれば当たり前のことなのですが、当たり前のことすぎて逆に想像が及びませんでした。
登山用のザックの多くは肩ベルトが取り外せるようになっているとのことですが、慣れていないので結構手間取りました。
手っ取り早いのは、ベルトをナイフで切ってしまうことだそうです。
やっぱり山で実践すると、座学では想像の及ばなかったことが分かります。
3日目は1日目と2日目で行った座学・演習についての研究討議。
班ごとに気づいた点や疑問点などを出し合いました。
我が班からは、
�．蝓璽澄爾了惻┐鳳茲辰峠菽屬砲△燭襪里鰐渭世里海箸世�、リーダーがクリアすべき手順を全て指示できるとは限らないので、周りの人も自分がリーダーになったつもりでフォローし、クリアすべきことを漏らさないようにすること
��救助にあたって自分の装備ばかりを使ってしまうと、救助のあとで自分の身が危うくなってしまうことが起こりうるので、負傷者の装備を活用する
などの意見が出されました。
救助隊に負傷者を引き継ぎ、搬送する際には負傷者の救助に使用したものはそのまま搬送していってしまう（持っていってしまう）のだそうです。
まあ、例えば確かに低体温症の負傷者に使った自分のツェルトを搬送の際に返してもらう、なんてことはできませんよね。
いろいろなことを学び、他県の猛者達とお酒を飲んで語らい、とても楽しく勉強になった講習でした。
今後は、この講習で学んだことをもとに装備や登山行動に反映させ、万が一負傷者を発見したときには生きて家族のもとへ返せるよう努めていくつもりです。
また、2日目の登山行動中には、御嶽山にて不幸な事件が生じてしまいましたが、亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに被害に巻き込まれてしまった方に対し心からお見舞いを申し上げます。
登山においては火山の噴火でなくても道迷いや滑落、天候悪化、熊やスズメバチなどの脅威がつきまといます。
もし登山者がそれらに遭ってしまったとき、その人の帰りを待つ家族の必死の願いを叶えるにはファーストエイドが不可欠となるはずです。
そう考えると、今回学んだファーストエイドの重要さを改めて感じます。
多くの人にファーストエイドが広がることを望みます。
※山の医学ハンドブック
http://www.sangakui.jp/medical/handbook/post_2.html
※以下、備忘録
1）救助を要請する際は「山岳遭難です」と伝える
→「遭難」は一般的に道迷いがイメージされやすいが、遭難は文字通り「難に遭う」ことなので、何らかの難に遭っていれば「遭難」になる。
警察へ連絡したときは事件か事故かを聞かれるが、「山岳遭難」といえば山において救助を要請していることがすぐに伝わる。
2）完璧でなくても良いので、合理的に救助にあたる。傷病者にとって何が合理的か考える。
→5〜6時間かけて下山か、1〜2時間待ってヘリで搬送するか等
3）可能であれば記録を付ける
複数人で救助にあたっているときは誰かを記録者とし、時刻や経過を記録する。
写真も重要な情報となるので、写真も残しておく。
4）パーティで登山するときは各自に役割を持たせ自覚を持たせる。何も役割がないと、ついていくだけの観光登山になる。
こっそり拍手
コメント
この記録に関連する登山ルート
この記録で登った山／行った場所
関連する山の用語
山行記録を公開しました
X
Facebook
リンク取得
メール
ブログパーツ
情報提供のお願い
山行記録を投稿して、ヤマレコのコミュニティに参加しよう！
この山行記録の写真
岩木山の最新記録
鳥海山の最新記録
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する