ガースー白光り・ホワイトアウト百名山 伊吹山山頂から滑降
- GPS
- 06:29
- 距離
- 10.3km
- 登り
- 1,184m
- 下り
- 1,171m
コースタイム
- 山行
- 5:56
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 6:22
天候 | 雪のち曇り 五合目より上ホワイトアウト |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
元日寒波で道路も積雪がたくさん、何台もの車がスリップして中央分離帯にまたがっていたり田んぼに転落している中を伊吹山に行ってきました。
伊吹山の登山口に雪がしっかり残るのはドカ雪が降った直後なので、多少の困難は承知で向かいます。こんな時に高速を使うとリスクが高いので下道で延々走ります。
さて7:30くらいに高橋さんちの駐車場に着くもまだ一台だけ、さすがこんな日に来る物好きは少ないです。
事前準備をしっかりしておいたので出発準備は速くできました。道にも雪が積もっているので駐車場から即スキー登行の開始です。高橋さんに驚かれました(笑)
一合目までの登山道を歩いていると、途中で歩きの方2名と遭遇、追い抜きます。
今日はアウターのポケットに飲み物、行動食をしのばせておいたのでザックを下ろさずどこまで行けるか?ということで一合目も休憩なしにそのままラッセルを継続します。と言ってもスノーシューのトレースがあり、ちょっと助かってます。
二合目の手前あたりで山スキー三人組の方が追いついてきました。やはり二番手は速いです。お言葉に甘えて先頭を交代してもらい、四人でラッセルを回します。
二合目を過ぎると二人組が下山されてきました。なんでも2.5合目あたりで幕営していたとか。腰までもぐるようなラッセルで下山されてました。お互いラッセルが少し楽になります。
三合目の手前では先行者の単独スノーシューの方が歩いておられました。やはりこの新雪ではスノーシューでもかなり大変そうです。山スキー四人変態、いや編隊で先に進みます。
三合目のトイレ(閉鎖中)で小休止、ポケットにしのばせていた飲み物がなくなりました。激しいラッセルで汗だくなんです。ここでザックを下ろして補充します。
小さなペットボトルをアウターのポケットに入れておくと、飲み物が温められて飲む際に胃腸に優しい感じになります。飲み物はもちろんカルピスです。冷えで失われた善玉菌を補充します。
ここでまた単独ラッセルで進みます。しかしまた三人組の方々に追いつかれて、ラッセルを交代してもらいます。やっぱり楽。しかし楽すぎて体が冷えてくるのでまた先頭に立ちます。
五合目からはガスってて視界がほとんどなく、ルート取りが難しくなります。何とか六合目避難小屋に到着、ここで中に入って濡れたアンダーと手袋を交換します。手袋は本来汗取りタオルで濡れないようにしているのですが、それ以上の汗で手袋も濡れて手がすっかり冷えてしまいました。こうなるとBDのガイド・ロブスターの登場です。ここにカイロを入れると無敵の暖かさになります。
と、三人組の方々はもうシールを剥がして下山されるよう。私も一瞬悩みますが、まだ11時前で時間には余裕があるので、頂上を目指すことにします。
完全なホワイトアウトで視界は足元だけ、GPSを確認しながら九十九折に登ります。今日は50cmほどの新雪が積もってますので、通常のルートは危険と考えて右よりの尾根に入って登ることにしました。
とは言え実際の雪の状況を判断しながらのルート取りになりますので、なるべく斜度が急でないルートを選びつつ登ります。
時々新雪の下の氷化した部分が出てきましたので、キムタクの奥さん・・・工藤静香、クドーシズカ。あ、クトーを装着しました。
装着を終えると後方から「ラッセルありがとう」という声、まさかここで誰かが登ってくるとは思いませんでした。しかもラッセルを交代してもらえて楽できました。
聞くところによるとここ最近2連続敗退でピークを踏まれてなくて、今日の伊吹山もだめかな〜と思っていたら山頂に向かうトレースがあったので追いかけてきた、ということです。んー、私のトレースが無駄にならずによかったです。
さてホワイトアウトと降雪の中、孤独でなくなったのはありがたいです。ルートも現場を見ながらなるべく歩きやすいところで転回し、これまでの伊吹山スキー登行の中で一番楽に九合目に登れたと思います。このルートは参考にしていただいてもいいのではないかと思います。
山頂の広場ももちろん視界がなく、GPSを頼りに山頂方面に向かうと割とすぐに到着しました。今回はちゃんと日本武尊まで行きました。写真も撮っていただき助かりました。
さて山頂のお堂でシールを剥がして滑降の準備をします。しかし外に出ると相変わらず視界がなく、またまたGPS頼りにドロップポイントを目指します。
何とかドロップポイントに到着し、私から先にドロップしてしばらくするとガクンと大きく落ちる感じがしました。またまた表層雪崩です。雪崩と一緒に下りながらはてエアバッグのトリガーを引くか?いやこれは10cm程度の表層で全然大丈夫、ということでそのまま途中まで滑り降りました。やはりこれだけの急斜面で新雪ですから、表層雪崩は普通に発生します。登りの時に通常のルートを使わなくてよかったです。
相変わらず視界はありませんので、慎重に下ります。ご一緒させていただいた方が先になると進行方向が分かりやすいので滑りやすいのですが、自分が先頭になると真っ白で地形も何も分かりません。
八合目あたりまで来ると樹木がうっすら見えてきました。この辺りは慣れ親しんだ場所なので、どこをどう滑るかがだいたい分かります。七合目からの大斜面は避難小屋が見えるまでは慎重に、見えたら大胆にものすごいパウダーを顔スプレーしながら滑ります。
そのまま五合目まで下りると視界も開け、あとは余裕です。ただ足の筋肉はそんな連続でパウダー滑るほど強靭ではありませんから、半合くらいで休みながら滑ります。
二合目の手前では薮斜面に入りましたが、薮で雪が浮いていて、かなりスキーのトップを浮かせないと薮の中に板が入り込んで脱出するのに往生しました。
二合目から一合目までの大斜面は超快適、他の山スキーヤーも滑っておられ楽しそうな表情でした。
一合目からは登山道ではなく脇の薮斜面を行きました。ここも薮にめり込む危険があって難しいですが、何とか必死でクリア。あとは登山道を時々ガリッと言わせながら滑り降り、最後は登山口を通り越して道路の途中で雪が切れたところで滑走終了となりました。
今回は厳しい条件を予想してはいましたが、予想よりも時間がかかりました。ラッセルの厳しさを改めて実感した次第です。もう少しゆっくりしたペースにしないと汗で体が冷えて有事の際に低体温症に陥るリスクが高まります。体力が残っていれば動くことで何とかなるのですが、何かトラブルがあるとそうもいかないでしょうし、そんな時がピンチになるのでしょう・・・。
2015年の初山スキーは何とか山頂ゲットできて幸先良いスタートとなりました。前回の経ヶ岳では途中撤退でしたから、今回は危険でない限りはピークを踏むぞと思っていました。
しかし問題ないレベルとは言え表層雪崩に連続して遭遇していますので、油断禁物。コンディションをよく読んで臨みたいと思います。
単独スノーシューです。
最近にしては珍しい大雪で,お互いなかなか楽しい山行になりましたね。
もう少し雪が締まって来れば,スノーシューでもどうにかなると思うのですが,
降雪直後の雪が軽いときはやはりスキーの浮力が羨ましいです。
今回もスキーで行こうかとちらっと思ったのですが,
今シーズンはまだゲレスキすら行っていないので,
いきなりの伊吹山は冒険かと思って見送りました。
しかし,登山口まで全部滑り降りるガッツは驚きです。
ソールがガリガリになりそうで怖いです。
せめて,3合目から全部ゲレンデ跡を滑れるくらいの雪があるとやる気になるのですが。
abeyさんこんばんは。
三合目で休憩もせず黙々と登られている姿を見て根性あるなぁ〜と思っていたのですが、追い抜かせてもらってから姿を拝見してないのでまさかあの状況で登頂されたとは驚きました
私はラッセルと薮まみれのスキーでかなり体力を使い果たした感に浸っています
ソールの傷は少ないに越したことないのですが、それよりも限界まで滑り切る方に情熱を燃やしています。本当は高橋さんちの駐車場まで滑り切りたかったのです
momochannさん、はじめまして
タイトルで、ヤマレコ内の初笑いさせていただきました。ありがとうございます。
さきほど録画しておいた未公開SPも楽しみ。
コメントはあまりしないんですが、今後のスキーレコも楽しく拝見させていただきます。
ko-さん、コメントありがとうございます。
他のきょとんとされている方に解説致しますと、ガスってて真っ白な状態の"ガス"と"ガースー"もリンクしてまして、ホワイトアウトだから黒光りならぬ白光り、というところまで理解していただければパーフェクトです
また後ほど本日のレコ書き込みますのでよろしくお願いします
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