▼ヤブレコ男鹿岳〜栗生沢より大川峠経由往復 雪と藪
- GPS
- 08:04
- 距離
- 20.0km
- 登り
- 1,758m
- 下り
- 1,747m
コースタイム
天候 | 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
白河ICより西那須野塩原ICから山王トンネルを越えて行ったほうが、距離が短い。 国道121号線沿いにある、荒海農産物直売所の丁字路を右へ曲がると、 栗生沢集落へショートカット。栗生沢集落内は複雑で道が狭い。通過注意。 栗生沢集落から林道終点(駐車場所)まで約4.5kmのダート。 未舗装区間は比較的フラットで走りやすい。 男鹿岳のすぐ南側にある林道も、周辺の林道も全て崩落通行止め。 復旧の見込みは永遠になし。 ▼距離関係 西那須野塩原IC〜道の駅たじま 39km 道の駅たじま〜栗生沢集落 19km 栗生沢集落〜林道終点 4.5km ▼駐車場所 県道369号・栗生沢田島線の終点箇所に数台分。 未舗装、無料、出入り自由、区分けなし、道路脇のスペースって感じ。 トイレなし、街灯なし、ポストなし、何もなし。 ▼今後の参考 道の駅たじま外気温 23時30分11度。5時30分7度。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
○駐車場所〜大川峠 歩き始めてから暫く雪なし。行程の半分以上で地面露出。 オーガ沢橋の辺りから徐々に雪が出てくるけど大川峠までアイゼンなし。 何か所か、滑落したら谷底へって箇所があったけど、 気温上昇で雪が緩んでいたので、それほどの怖さはなし。 ○大川峠〜栗石山 藪と雪のミックス。張り出した雪庇の上は無理に歩かずとも、 藪の中に踏み跡がある。 踏み跡は明瞭な個所と藪をかき分ければ出てくる箇所と、全く無い箇所。 早めにアイゼンを付けてしまったので雪の上を歩いたけども、 藪の中を主体に歩けば楽だし安全。 藪地帯を抜けると、傾斜はあるけども、雪が緩んでいるうえに、 周囲は木々が生えているので、高度感はそんなでもない。 ○栗石山〜男鹿岳 ちょいと鞍部までおりますが。広くなっているので、そこだけ注意。 ○男鹿岳〜駐車場所(復路) 気温が高くて自分がつけたトレースは、ほぼ消えてました。 なので。帰りは安泰でもなく。よく進路を確認しながら進みました。 帰りには気温上昇で踏み抜き数回程度あり。といっても脛位まで。 進路に藪と雪があると、雪のほうへ進みたくなるのですが。 進路を確認しないで、歩きやすいほうへ進んでしまいますと。 東の方へそれていってしまうかもしれんです。 特に栗石山から大川峠へのくだりで広くなってる箇所。 雪上の歩きやすさに惑わされずに、藪の尾根をくだります。 行程中に道標は一切ありません。 でも、テープはけっこうついていた。過信は禁物ですが。 ※このレコで登録しているGPS生ログの累積標高差が2100mになってますけど、実際には1000mくらいです。 多分。大川峠まで林道のすぐ脇が谷底なのが影響してると思われます。 |
その他周辺情報 | ▼温泉 ○会津高原温泉 夢の湯(源掛) ¥500 10:00-20:00 2・4木休 福島県南会津郡南会津町滝原向熊久保1373-1 0241-66-3131 http://www.yumenoyu.com/ ○塩原温泉日帰り入浴施設一覧 http://www.siobara.or.jp/viewhigaeri.htm ▼食事 ○会津ラーメン処みのや 10:00-18:00 木休 福島県南会津郡南会津町糸沢字作道317 0241-66-2711 http://www.aizu-concierge.com/map/spot/10604 http://siragazii.exblog.jp/ ○アルカディア 11:00-15:00(4月から営業時間変更)水休 福島県南会津郡南会津町滝原字恋路川端1779 0241-66-2478 ○その他の施設 http://www.aizu-concierge.com/map/tokusyu/11 ▼バッチ 男鹿岳のバッチはないと思ったので、特に探してません |
写真
装備
個人装備 |
12本爪アイゼン
グリベル・コンドル
トレランポール(トレキンポール忘れたので)
水1.5リットル(1.2リットル消費)
ツェルト
防寒着他
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感想
登山道のない山。残雪期限定の山。積雪期以外は藪漕ぎの山。
栃木百名山の中では、1、2位を争う登頂困難峰。
私にとって男鹿岳は。禍々しいばかりの負の瘴気をまとった不穏なイメージの付きまとう山。
長い廃林道歩きの末にたどり着く大川峠から先は無雪期は藪漕ぎなもんですから、藪の上を歩ける残雪期のこの時期を狙って行ってきたというわけでした。
いや、なかなかどうして、この廃林道歩き。途中の大崩落箇所までなら、オートバイでも入ってこれそうでした。車両は通行止めですけど。自転車なら、崩落個所は担いで越えれば、相当な行程短縮になったんではないですかね。とまあ、それはさておき。
本日はピックが出し入れ可能なグリベルのコンドルを持ってきた。ピッケルを使うほどではないけども、ダブルストックでは少々、心もとなくもあるので。もう片方のストックは、スノーバスケット付のトレッキングポールを持ってきたつもりだったが、忘れた。仕方なく常に車に積んであるトレランポールを相方にすることにした。左右で重量が倍以上違うので、厄介でしたけど。グリベルは450gなんです。手持ちのピッケルより重たい。これならピッケル持参でもよかったのかも。雪の表面は融けてましたけど締まっていたので、スノーバスケットなしのトレランポールでも、深く突き刺さることも、そんなになかったです。
このところの気温上昇で、林道の雪はだいぶ融けたみたいですね。先人のレコを見ると、少し前までは駐車場所付近にも雪があったようですけど、もうなくなってました。オーガ沢橋を過ぎるあたりから、徐々に雪の上を歩く距離が延びてきて、白糸橋を過ぎて少し行くと、もう完全に林道は雪に覆われました。残雪は谷川に傾斜がついて林道にのっかっているので、カチコチに凍ってたら緊張する場面です。滑ろうものなら、谷底へ一直線です。100メートルくらい。でも、もう表面が融けてたので、それほど緊張することもなく大川峠につきました。
大川峠では、よく写真で見ていた朽ちた車を写真に収めて出発。想像していた以上に雪が融けていたので、藪漕ぎを強いられるのかと思ったら、けっこう明瞭な踏み跡が藪の中に続いていた。これなら、無雪期でも、登れたんじゃないかと思いつつも、藪と雪が交互に現れる実に面倒な斜面を登ることになる。早々と12本爪アイゼンを付けてしまったことを後悔しつつも、面倒だからと藪でもアイゼンを外さずに登る。爪が笹に引っかかって登りづらいことこの上なし。少し時期が遅かったか。しかしながら、時期が早いと大川峠までの廃林道に雪がもっとあってカチコチで、それはそれでまた怖い。
藪区間が終わって雪の斜面を登りきると栗石山。もうここまで来てしまうと男鹿岳へはあとわずか。鞍部へおりて登り返すだけ。山頂が目の前に見えている。ほどなく男鹿岳山頂。東側のみ展望が開けていて、那須岳がよく見えた。かつて那須岳に登った時は、そこから今、自分がいる山も見えていたはずだけど、なんて山だか想像だにしなかったし興味もなかったんだろうなと思いつつ、隔世の感を味わいながら男鹿岳に上り詰めた満足感を丹念に味わって、パンを齧り。12時ちょうどに下山を開始。追いついた先行者2名は先に下山していった。駐車場所には、もう1台の車が止まっていたけど、この人は流行りの短縮路を往復したようで、全く姿を見かけなかった。
栗石山を過ぎるあたりまで、先行下山者2名のトレースがついていたものの、途中からトレースが東へそれ始める。はて? おかしいかな。左手の藪の中に入らないと大川峠からは遠ざかっていくだろうに。確かに雪の上のほうが歩きやすいけど。きっと、藪は歩きづらいから、雪の上を歩いて先のほうで方向を修正するのだろう。と、この時は思って自分は藪の中に入った。藪を抜けた先で雪面を見渡すけども、先行者2名のトレースが見当たらない。まーさか、あのまま下って行ってしまったのか。いや、自分の目の届かないところにトレースがあるのだろう。と大川峠に到着。ここから先の雪面にもトレースは見当たらない。これは? ほぼ一直線なルート上で全く姿を見ることなく、先行者を追い越してしまったようだ。さっきのトレースだ。東の方へそれてしまったのか。気になったので、大川峠でのんびりとアイゼンをはずしながら、二人を待ったけども、現れないので、仕方なく歩き出す。あるいはひょっとして。まさかな。男鹿岳に登る人だから、万一の時には、自分でリカバリできる人だろうし。それほど心配することもないだろうと思いつつも、時折、振り返りつつ林道を歩きはじめる。
二人の姿を見ることなく、ついに駐車場所まで戻って来てしまった。ああー。車が自分の他にまだ2台止まってる。自分より先に下山したはずの二人のものと思われる車が、まだ止まってる。追い越していないのに、戻ってきてない。どうしたものか。地元警察に届けておくか。いや、もう少し待って様子をみるか。のんびりと靴を脱いだりして二人を待つこと1時間。二人一緒に林道を歩いてくるのを確認した。無事だったようだ。心配するほどでもなかったかな。
下山後。食事。
一直線に食事処のアルカディアを目指す。お目当ては「トマトとカボチャのつけめん¥700」。去年だかにみつけて密かに目をつけていたのさ。ひょーと思いながら、走りついてみれば。準備中。何故? 店の前で農業をしていた店のオヤジみたいな人が、「4月から午後3時までの営業になったんです」と。ああ。楽しみにしていたのに。ラーメンを食べようと思って食べられないとなると、やっぱり、食べたいのはラーメンなんです。そういえば、そば処かいなりの向かい側にラーメン屋があったなと。
温泉。
そこに行く前に近くの温泉に入っておくかと会津高原温泉夢の湯へ。宿泊もできるみたいですけど、日帰り施設みたいな温泉でした。無色無臭で源泉掛け流し。露天もあるような看板が出ていたような気がしたけども、入れたのはそんなに大きくない内湯だけでした。
気を取り直して、食事。
そば処かいなりの向かい側にある会津ラーメンみのやにて。会津ラーメンを食べる。500円だったかな。シンプルで非常に好みの味だったので、お土産に5食入り700円を買って帰りました。
寄る予定はなかったけども、塩原の街まで戻ってきたところで、地元スーパーのいしかわに立ち寄り。小さいながらも、地元密着でなかなかの品揃えで、予想外に買いこんでしまいました。カウンターのとこにあったイナゴの佃煮(¥298、茨城県産)が実に気になったけど、結局買わなかった。今時、珍しい。イナゴ、見かけなくなったな。それだけ、農薬バリバリってことですかね。
男鹿岳は。なかなかどうして。久しぶりに。
抜群に登った感を存分に味わえる満足十分な登山となりました。
この長大な行程で、見かけたヒトは2人だけ。
いずれも、見た目にも明らかな猛者。自分とは違って。
登り応えあり過ぎ。でも、また行きたいかも。
そう思わせてくれる山でした。
南会津はやっぱり、えーとこじゃわい。毎年のこの時期の恒例になりそうだ。
これで、今年の目標のうち一つは達成かな。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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moglessさん、こんにちは。
bicycleです。
まず、初めの通行止めの看板の、「当分の間」ってのがいい味ですね。
崩落・崩壊の限りを尽くしている道に廃林道。
簡単には入り込ませない雰囲気を持っていて、とてもハードさが伝わってきます。
しかし、達成感はハンパなさそうですね^^
こういったチャレンジが出来る山があるってのは、いいですね
自分の住まいからはちょっと遠いのが残念ですが、いつかは僕もチャレンジしたいと思いましたので、お気に入り登録させて頂きます
グリベルのコンドルですか〜
初めて知りました 写真で見て想像すると、SF映画に出そうな武器のようにイメージしました(笑)
カッコイイですねぇ〜〜〜
bicycleさん、コメントありがとうございました。
あの林道は元々必要があって造ったのかどうか、怪しい感じの林道ですからねえ。今となっては、もはや男鹿岳に登るためのアプローチ道以外に、利用方法があるのかどうか。造ったら造りっぱなし。造るのが目的で造った林道かもしれんです。出来上がったら、あとは知らんと朽ちるままにほったらかし。ここみたいに、ほったらかしでも特に害がないならよいですけど、造ってしまったがために、後々まで害をなす公共施設も世の中にはありますからねえ。
この長大な林道歩きがあるがために、登山者を寄せ付けないですね。
そもそも登山口までもが遠いですし。ですが。久々に山に登ったという満足感を味わえた山です。この辺りの山はどこも好みなんです。
コンドルは、ずっしりと重たいです。これなら、別にダブルストックにピッケル持参でもよかったかなとも思ったりもしました。しかしながら。ずるりとバランスと崩した時には、咄嗟に雪面に差し込んで、体勢を立て直すのに役には立ってました。
moglessさん、こんばんは。
素敵なものを見せられ、グリベル好きの私としてはもう我慢ができなくなり、速攻楽天で購入してしまいました。
12月くらいまで使用する機会はないと思いますが、部屋のインテリアとしてでも十分ですね。
ダブルで使用したらカマキリの様で、周囲の視線を釘付けにすることでしょう。
いつも最新のトレンドを紹介いただき、感謝しています。
「タケシ君タオル」も検討中です。
会津ラーメン行かれましたか!
あそこは素朴で旨いですよね!
味噌もあったと思いますが、どうなんでしょう?
会津ラーメンの定義がイマイチわかりません。
Kazu405さん、コメントありがとうございました。
なにしろ、アイゼンもピッケルもブラックダイヤモンドなものですから。
元々は、ブラックダイヤモンドのウィペットを買おうと思っていたのですけども。
いざ、買おうかと思ってみると、グリベルにも似たようなのがあるなあと。
しかも、そっちはピックの出し入れが任意に行えるという。
突いた時に雪面に合わせて動くサターンバスケットも面白そうだったので、実は、はじめてのグリベル製品でした。
使ってみて、少々重たかったですけど、満足の物品です。
単なるダブルストックよりも安心感があります。
2本備えるとなると、かなりの出費となりますけど、見た目は怪人カマキリ男みたいで格好いいですね。山ガールも開いた口が塞がらないことでしょう。2本持ち、是非、お願いします。
実は、タケシ君タオルは、この日、使ってました。
値段が高いだけあって、肌触りもよいし、造りもしっかりしてます。
一日中、汗をぬぐいましたけど、臭くはなってなかったと思います。
けっこうよいです。
会津ラーメンみのやに行ったレコをどこかで見た記憶があったと思ったら、Kazu405さんのレコでしたか。
あまりにうまそうな気配を漂わせていたので、いつの日かはと思っていたトコロでした。
私もシンプルで素朴なのが好きです。ゴテゴテしてるのは、何か誤魔化されてるような気がして。
会津で造ってるから、会津ラーメンですかね。
特に会津ラーメンという名称は、はじめて知りましたけど。
味噌、確かにありました。次回のお楽しみにしたいです。
でも、次回こそは、アルカディアですかね。
知らない山をご紹介していただくことが多いので
周辺の地図も見るのを楽しみの1つにしています
登山口へのアクセス 周辺の温泉
会津とのことでしたが那須岳のすぐ近くなのですね
滋味豊かなウドを味噌をつけて食べてみたいです
湯船から見える満開の桜も良いですね
mermaidさん、コメントありがとうございました。
男鹿岳はその位置関係からか、知名度がいまいちで、整備された登山道がないうえに、長い廃林道歩きが人を寄せ付けない静かすぎる山でした。
でもまあ、山に登ってる感触は十分に味わえます。
面白い山ですよ。常に道迷いの危険が付きまといますけど。
位置的には那須岳に近いですね。こっから、超人なら縦走していく人もいるでしょうね。
とても真似できませんけど。
那須と塩原が比較的近いので、そんなに多いわけでもないですけど、温泉もそこそこあります。
よいとこです。南会津は。ちょうど桜が満開だったので、車を走らせてるだけでも目を楽しませてもらいました。
ウドは、太くて食べ応えありました。しかし、安かった。
フキノトウもむしってきて天ぷらにしてまえばよかったかなとも思いましたけど、別に家の裏にも生えているので、やめまときました。
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