ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 642994
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

槍ヶ岳(新穂高温泉より)

2015年05月16日(土) 〜 2015年05月17日(日)
 - 拍手
体力度
6
1〜2泊以上が適当
GPS
22:08
距離
26.6km
登り
2,300m
下り
2,306m
歩くペース
ゆっくり
1.21.3
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
11:00
休憩
0:52
合計
11:52
7:17
14
7:31
7:31
41
8:12
8:13
39
8:52
8:53
121
10:54
11:16
4
11:20
11:33
76
12:49
13:02
186
16:08
16:09
158
18:47
18:48
21
19:09
槍ヶ岳山荘
2日目
山行
8:02
休憩
2:07
合計
10:09
7:51
42
槍ヶ岳山荘
8:33
9:01
51
9:52
10:29
12
10:41
10:42
54
11:36
11:36
78
12:54
13:31
83
14:54
14:54
8
15:02
15:24
93
16:57
16:58
26
17:24
17:25
21
17:46
17:46
14
18:00
新穂高温泉駅
天候 一日目:雨のち曇り 二日目:快晴
過去天気図(気象庁) 2015年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
新穂高温泉の無料駐車場はガラガラでした。
予約できる山小屋
槍平小屋
林道からのぞむせせらぎ
2015年05月16日 07:35撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
1
5/16 7:35
林道からのぞむせせらぎ
小雨の中、樹林帯を進む
2015年05月16日 09:12撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
1
5/16 9:12
小雨の中、樹林帯を進む
白出沢を過ぎると、積雪箇所が現れる
2015年05月16日 09:44撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/16 9:44
白出沢を過ぎると、積雪箇所が現れる
斜面のトラバースがあります。アイゼンを装着した方が、早く進めると思います。
2015年05月16日 09:57撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
1
5/16 9:57
斜面のトラバースがあります。アイゼンを装着した方が、早く進めると思います。
トラバース。ここは結構急です。
2015年05月16日 09:57撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/16 9:57
トラバース。ここは結構急です。
飛騨沢を左に見ながら、斜面を進みます。
2015年05月16日 10:37撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/16 10:37
飛騨沢を左に見ながら、斜面を進みます。
2015年05月16日 10:48撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/16 10:48
雲に覆われた滝谷を望む
2015年05月16日 11:24撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
1
5/16 11:24
雲に覆われた滝谷を望む
来し方を振り返る。雲が近い!
2015年05月16日 12:07撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
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5/16 12:07
来し方を振り返る。雲が近い!
カールまで登って来た!
2015年05月16日 15:22撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
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5/16 15:22
カールまで登って来た!
遠くに山荘が見えるけれども…
2015年05月16日 16:25撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/16 16:25
遠くに山荘が見えるけれども…
やっぱり遠いです。
2015年05月16日 16:25撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
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5/16 16:25
やっぱり遠いです。
後ろを振り返ると、ガスの合間から日差しが差す。
2015年05月16日 16:35撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/16 16:35
後ろを振り返ると、ガスの合間から日差しが差す。
笠ヶ岳が見えるのか、見えないのか…。
2015年05月16日 16:35撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/16 16:35
笠ヶ岳が見えるのか、見えないのか…。
夕暮れも近くなって、雲が切れ始めた。
2015年05月16日 17:47撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
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5/16 17:47
夕暮れも近くなって、雲が切れ始めた。
西鎌の方の山も見えてきた。
2015年05月16日 17:58撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/16 17:58
西鎌の方の山も見えてきた。
夕方の日差しと雲が織りなす景色。
2015年05月16日 18:22撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
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5/16 18:22
夕方の日差しと雲が織りなす景色。
日がますます傾いてきた。
2015年05月16日 18:34撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
4
5/16 18:34
日がますます傾いてきた。
夕日に染まる大喰岳。
2015年05月16日 18:44撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
3
5/16 18:44
夕日に染まる大喰岳。
飛騨乗越まで来て、やっと槍を拝む。
2015年05月16日 18:49撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
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5/16 18:49
飛騨乗越まで来て、やっと槍を拝む。
東鎌、常念を望む。
2015年05月16日 18:49撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
2
5/16 18:49
東鎌、常念を望む。
飛騨沢のカールに日が沈む(その1)
2015年05月16日 18:51撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5
5/16 18:51
飛騨沢のカールに日が沈む(その1)
飛騨沢のカールに日が沈む(その2)
2015年05月16日 18:51撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
4
5/16 18:51
飛騨沢のカールに日が沈む(その2)
飛騨沢のカールに日が沈む(その3)
2015年05月16日 18:55撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
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5/16 18:55
飛騨沢のカールに日が沈む(その3)
飛騨沢のカールに日が沈む(その4)
2015年05月16日 18:58撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
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5/16 18:58
飛騨沢のカールに日が沈む(その4)
飛騨沢のカールに日が沈む(その5)
2015年05月16日 18:59撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
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5/16 18:59
飛騨沢のカールに日が沈む(その5)
まさに日没!
2015年05月16日 18:59撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5
5/16 18:59
まさに日没!
笠ヶ岳とその向こうに白山を望む
2015年05月16日 19:04撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
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5/16 19:04
笠ヶ岳とその向こうに白山を望む
小屋はすぐそこ!
2015年05月16日 19:08撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
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5/16 19:08
小屋はすぐそこ!
双六岳でしょうか?
2015年05月16日 19:10撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/16 19:10
双六岳でしょうか?
2015年05月16日 19:10撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/16 19:10
残照の槍
2015年05月16日 19:14撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
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5/16 19:14
残照の槍
快晴の槍
2015年05月17日 05:20撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
1
5/17 5:20
快晴の槍
槍沢カールを見下ろす
2015年05月17日 05:22撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
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5/17 5:22
槍沢カールを見下ろす
槍!
2015年05月17日 05:23撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
1
5/17 5:23
槍!
またまた槍!
2015年05月17日 05:23撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 5:23
またまた槍!
遠くに富士山も見えてます!
2015年05月17日 05:26撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 5:26
遠くに富士山も見えてます!
これぞ槍!
2015年05月17日 07:50撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
2
5/17 7:50
これぞ槍!
てっぺんのハシゴも良く見えます!
2015年05月17日 07:50撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 7:50
てっぺんのハシゴも良く見えます!
快晴に映える槍!
2015年05月17日 07:52撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 7:52
快晴に映える槍!
槍に登り始めました。
2015年05月17日 07:56撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
1
5/17 7:56
槍に登り始めました。
槍の登りで振り返れば、穂高連峰が望めます。
2015年05月17日 07:56撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
1
5/17 7:56
槍の登りで振り返れば、穂高連峰が望めます。
少しずつ小屋が遠ざかる。背後には乗鞍。
2015年05月17日 08:03撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
1
5/17 8:03
少しずつ小屋が遠ざかる。背後には乗鞍。
そびえる槍!
2015年05月17日 08:07撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 8:07
そびえる槍!
雪もなく、混雑もなく、最高です!
2015年05月17日 08:07撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
1
5/17 8:07
雪もなく、混雑もなく、最高です!
最高の天気
2015年05月17日 08:27撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
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5/17 8:27
最高の天気
頂上から望む穂高連峰。
2015年05月17日 08:34撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 8:34
頂上から望む穂高連峰。
広角レンズで空と共に穂高を撮る。
2015年05月17日 08:34撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
1
5/17 8:34
広角レンズで空と共に穂高を撮る。
小屋は真下です。
2015年05月17日 08:39撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
3
5/17 8:39
小屋は真下です。
それにしてもきれいな空。
2015年05月17日 08:52撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 8:52
それにしてもきれいな空。
東鎌方向。その先に常念。
2015年05月17日 08:59撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 8:59
東鎌方向。その先に常念。
常念はほとんど雪が見えませんね。
2015年05月17日 08:59撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 8:59
常念はほとんど雪が見えませんね。
それでは、下りましょう!
2015年05月17日 08:59撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 8:59
それでは、下りましょう!
ハシゴを降りて…
2015年05月17日 09:07撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
1
5/17 9:07
ハシゴを降りて…
もうこんなに降りました。
2015年05月17日 09:20撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 9:20
もうこんなに降りました。
2015年05月17日 09:20撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 9:20
槍沢から登って来られた方と、写真を交換しました。ありがとうございました!
2015年05月17日 09:48撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 9:48
槍沢から登って来られた方と、写真を交換しました。ありがとうございました!
槍沢に登山者の姿
2015年05月17日 09:54撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 9:54
槍沢に登山者の姿
どなたか頂上におられますね
2015年05月17日 10:09撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 10:09
どなたか頂上におられますね
本当にきれいな雲です。
2015年05月17日 10:19撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 10:19
本当にきれいな雲です。
乗越までくると、大喰岳が大きく見えます。
2015年05月17日 10:42撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 10:42
乗越までくると、大喰岳が大きく見えます。
槍よ、さらば!ここで、槍とお別れです。
2015年05月17日 10:43撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 10:43
槍よ、さらば!ここで、槍とお別れです。
槍をバックに、一枚!
2015年05月17日 10:45撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
3
5/17 10:45
槍をバックに、一枚!
谷底に足が吸い込まれそう!
2015年05月17日 11:05撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 11:05
谷底に足が吸い込まれそう!
雄大な雪面です
2015年05月17日 11:06撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 11:06
雄大な雪面です
登って来られる方が見えます。我々がやっとこさ登ったコースをワンデイと聞いて、驚きました。
2015年05月17日 11:12撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 11:12
登って来られる方が見えます。我々がやっとこさ登ったコースをワンデイと聞いて、驚きました。
随分下りました。
2015年05月17日 11:58撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 11:58
随分下りました。
同行者がシリセードしてます
2015年05月17日 12:06撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 12:06
同行者がシリセードしてます
登りの時は、ほとんど景色が見えませんでした
2015年05月17日 12:39撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 12:39
登りの時は、ほとんど景色が見えませんでした
去年の夏に登ったジャンが見えてます。
2015年05月17日 12:39撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 12:39
去年の夏に登ったジャンが見えてます。
こんなの喰らったら大変です。
2015年05月17日 12:44撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
1
5/17 12:44
こんなの喰らったら大変です。
落ちないように写真撮影。
2015年05月17日 12:47撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
1
5/17 12:47
落ちないように写真撮影。
下界は汗ばむ陽気ですが、ここはやっと春を迎えたところです。
2015年05月17日 12:49撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
1
5/17 12:49
下界は汗ばむ陽気ですが、ここはやっと春を迎えたところです。
春山らしい穏やかな景色
2015年05月17日 12:50撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 12:50
春山らしい穏やかな景色
2015年05月17日 12:50撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 12:50
2015年05月17日 12:53撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 12:53
いい眺め。水の流れがとにかく美しい。
2015年05月17日 12:54撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 12:54
いい眺め。水の流れがとにかく美しい。
槍平小屋にて、雪の造形。
2015年05月17日 13:01撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 13:01
槍平小屋にて、雪の造形。
2015年05月17日 13:54撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
1
5/17 13:54
美しい沢の流れ
2015年05月17日 14:23撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 14:23
美しい沢の流れ
2015年05月17日 14:24撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 14:24
2015年05月17日 14:24撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 14:24
ここが登りの時に手こずった、滝谷の流れです。でも、今日は晴天なので水流が穏やかです。
2015年05月17日 15:02撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 15:02
ここが登りの時に手こずった、滝谷の流れです。でも、今日は晴天なので水流が穏やかです。
橋は壊れているので、ネットしか使えません。
2015年05月17日 15:02撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 15:02
橋は壊れているので、ネットしか使えません。
木の三兄弟が気になって撮影しました。
2015年05月17日 15:40撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 15:40
木の三兄弟が気になって撮影しました。
可憐に咲く花
2015年05月17日 16:07撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 16:07
可憐に咲く花
2015年05月17日 16:07撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 16:07
この倒木が、行く手を阻んでいます。
2015年05月17日 16:30撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 16:30
この倒木が、行く手を阻んでいます。
2015年05月17日 16:34撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 16:34
最後は、深山荘で山を見ながら汗を流しました。
2015年05月17日 18:33撮影 by  NIKON D810, NIKON CORPORATION
5/17 18:33
最後は、深山荘で山を見ながら汗を流しました。
撮影機器:

装備

個人装備
長袖シャツ 長袖インナー ハードシェル ズボン 靴下 グローブ アウター手袋 ゲイター ザック ザックカバー アイゼン ピッケル 昼ご飯 行動食 非常食 飲料 地図(地形図) コンパス 計画書 ヘッドランプ 予備電池 GPS 筆記用具 ファーストエイドキット 日焼け止め 保険証 携帯 時計 サングラス タオル ツェルト ナイフ カメラ ヘルメット

感想

今年は積雪が少なそうで、穂先の雪も既に解けているとのレコを見て、槍にチャレンジすることにした。重たい一眼レフや交換用レンズを担いで長距離を登るので、かなり厳しい登山になると思っていたが、その通り、体力的に厳しい登山だった。
一日目、新穂高温泉を雨の中、スタート。時折強く降るが、白出沢出合までの林道歩きに支障はない。白出沢出合からは樹林帯に入る。序盤はほとんど積雪がなく、夏道をたどるのでルート的な問題はないが、登山道を完全にふさぐ倒木があり、これを乗り越えて進む必要がある。白出沢から滝谷出合の中間くらいから、徐々に積雪が現れ始め、後半は雪渓を横断する箇所が複数現れる。再び夏道が現れる可能性を考えて、アイゼンを装着せずに進んだが、その後、滝谷出合に至るまで何度もトラバース箇所があった。最初に本格的な積雪に出会った時にアイゼンを装着するのが良い頃合いかと思う。その後、積雪箇所を歩いて滝谷出合に至る。既にこのころは小雨になっていたが、それまでに降っていた雨のせいで滝谷の水量が多く、どのようにして渡るか、河原をしばらく彷徨う。昨夏に掛けられていたであろう木製の橋は完全に崩壊しており、補助的に使用できそうなものは沢の中に張られたネットだけである。しかし、このネットの箇所は水流が激しく、足を踏み入れれば靴の水没は必至である。結局、ネットの下流側に、何とか飛び移れる石を見つけ、飛び石的に渡渉した。この時、同伴者が水流にアルパインポールをすくわれて流してしまったが、気を取り直して先に進む。滝谷渡渉後は、完全に積雪があるので、アイゼンを装着する。トレースは複数あるが、どれを辿っても特に問題はなさそうである。ピンクのリボンはあるにはあるが、密度が低いため、あっ、ここがまさに夏道だったのか…。という感じである。飛騨沢に近づきすぎてドボンとなってはまずいので、少し山側の開けた斜面を進んでいくが、時折、小さな尾根、というか樹林帯を突っ切る必要がある。この時は、強引に藪を漕いで行くか、夏道と同じ個所を辿るか、のどちらかである。藪を漕いだ後に、あっ、こんなところに夏道があったのか、ということがあった。快適な雪上歩行をこなして適度な疲労感を感じながら槍平小屋にたどり着いたが、ここの標高は2000m弱。これからの標高差を考えると、少し気が重くなる。最近、少し体重が増えた上に、カメラを担いでいることもあって、ペースが上がらないようだ。このまま登っても、小屋への遅着は必至なので撤退も考えたが、同行者がまだまだ元気はある、登れる、とのことなので、小屋に電話で遅着の旨を伝えて出発。槍平小屋からの序盤は、落石が転がる飛騨沢を左下に見ながら緩やかな雪面を登っていくが、次第に沢を離れて斜度が急になってくる。登りが体に堪える。千丈分岐の手前まで登ると、遠くに槍ヶ岳山荘が見えた。一歩一歩、小屋が近くなるように感じたので、気が楽になったが、疲れていると脳が錯覚を起こすのか希望的に物事が見えてしまうだけで、実際はここからが長かった。雄大なカールの雪面のど真ん中に建てられた旗竿一本一本を数えながら、一歩一歩、登って行く。斜面はそれなりに急ではあるが、かといって落ちるような危険は感じない程度である。旗竿を辿って登ると、ついに、飛騨乗越まで続く岩場にたどり着く。真正面から岩場に取り付いたが、ここは夏道ではないのでガレの具合が悪く、同行者が難儀していた。ガレ場の末端から取り付くのではなく、右に巻いたところに夏道が出ているので、そこから取り付くのが楽だと後で気が付いた。ガレ場には、完全に積雪がある時に直登するための目印と、夏道を示すもののがあるので、状況に応じて登りやすい方を選ぶと良いと思う。ひどくバテながらもなんとか飛騨乗越にたどり着くと、そこからは明日の晴天を予感させる見事な夕焼けが望めた。ここまでくれば、後は急いで小屋に向かうだけである。遅着にはなったが、何とか無事に小屋に着いた。
二日目、快晴の朝を迎える。小屋で朝食を頂いてから、槍の穂先を往復する。槍に登る途中、かなりの強風であったが、頂上は一転して穏やかな風であった。わずかに日陰に雪が残る程度で、夏と全く同じように登ることができた。頂上を二人で独占できるのも今の時期ならではであった。しばし絶景を楽しみ、また、下山時には槍沢から登って来られた他の登山者の方との会話に花が咲き、穂先の往復にずいぶん時間がかかってしまった。飛騨乗越までは完全な夏道で、そこから夏道でしばらくガレ場を下り、カールの雪面を下る。同行者はアイゼンを装着したが、自分はグリセードで楽しく雪面を下る。スキーなど持ってきたら、最高に楽しい斜面だろう。歩きやすさから、登りの時よりも沢に近い道を下って、槍平小屋に至る。ここで昼食を取った後、足取り軽く、滝谷出合まで下る。滝谷の水量は、昨日に比べて大分落ち着いており、飛び石的に対岸に渡ることができた。滝谷の渡渉後、改めてアイゼンを装着し下山する。雪渓のトラバースを何度かこなせば、後は夏道なので、アイゼンを外し、下へ急ぐ。順調に、白出沢出合を通過し、最後の林道歩きを経て下山した。

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