吉ヶ平〜守門大岳〜網張山(吉ヶ平ルートで周回)
- GPS
- --:--
- 距離
- 13.6km
- 登り
- 1,114m
- 下り
- 1,115m
コースタイム
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
昔から吉ヶ平ルートと呼ばれていた、守門川に沿いの破線ルートです。 道の状況は明瞭な区間もあるが不明瞭で通行困難な箇所もあり。特に沢沿いや山腹のトラバースなど道が自然に還っておりルーファイ困難な区間もあり。かなり昔に踏破したときは大崩平まで辛うじて踏み跡を辿ることが出来たが、今回の山行ではさらに道の荒廃が進んでいることが分かった。何度も道を失いルーファイに手間取ったり諦めて薮こぎや沢登りをしたり、一筋縄にいかなかった。 |
その他周辺情報 | 八木鼻温泉「いい湯らてい」 |
写真
感想
吉ヶ平コース(旧道)は吉ヶ平から守門川沿いを遡り爆裂火口の斜面に沿って大岳と青雲岳の鞍部(網張)へ登り現登山道に合流する。近年、吉ヶ平から網張山へ直登するコースが整備され周回も可能になった。かつて山の神周辺では炭焼きが行われ、そこまで林道が通っていたというが、時代の流れとともに吉ヶ平集落は廃村となり、現在は訪れる人の稀な荒廃した道へと変貌した。10年以上前に一度訪れたことがあり、当時の記憶を思い出しながら再び吉ヶ平コースを歩いてみた。
(吉ヶ平〜山の神)
吉ヶ平から守門川の左岸沿いの林道は大池分岐の少し先で終点となり、ここからスタート。左に滝の音が大きくなると古い堰堤が現れる。迂回するように左岸斜面に付けられた巻き道を進む。草藪の密集した足元の不安定なヘツリ道であり非常に歩きにくい。季節が良ければ守門川の河原を遡行したほうが安全で早そうだ。その先も足場の悪い急な小尾根の乗越しがあり気の抜けない区間が続く。また岸辺ぎりぎりに踏み跡がついていたり注意を怠れない。時々現れるピンクのテープには助けられるが、それでも立ち止まる場面もあり。
左岸から下会沢が合流して間もなく桂のへつりとなる。この先左岸は崖になっているので右岸へ渡渉となる。河原へ降りる崖には頼りないトラロープあり。水量は膝上程度、長靴なのでギリギリ濡らさずに済む。100mほど対岸を進み再び左岸へ渡渉。この先ようやく落ち着いて踏み跡をたどれるようになる。ただ枝沢の通過の度に道を失いがちである。踏み跡は基本的には巻くことはなく川に沿って付けられている。
(山の神〜田ノ倉乗越)
谷間が開け沢がカーブするたびに上流に守門岳の姿を望むことが出来る。下会沢を通過すると段丘上にブナ林が広がり穏やかな雰囲気。上人岩は気づかずに通過。このあたりの守門川は鮮やかなコバルトブルーをしている。上会沢手前で再び道を失い河原を歩く。赤茶けた河原の岩から硫黄の匂いが漂っていた。かつてここが爆裂火口であったことを再認識。中津又岳を源頭とする上会沢を越えると、踏み跡は段丘上の高い場所を進む。次の田ノ倉沢(730m)を越えると踏み跡は大岳の東尾根末端部に取り付く。田ノ倉沢の右岸に沿って斜面をトラバース気味に登っていく。やはり途中で道を失ってしまった。諦めて高巻き後、トラバース気味に天狗の田(880m)を目指した。天狗の田は葦に覆われた平らな湿地帯で小さな池塘も点在していた。この先も踏み跡は不明瞭なので田ノ倉沢の遡行に切り替えた。沢が狭まり小滝が現れるがそれほど難しいところはない。1000m付近の二股では支流の左股へ進み最後まで詰めるとピンクテープとともに踏み跡が現れた。せっかくの踏み跡を辿るが、またしても不明瞭となり見失た。諦めて沢型地形を薮こぎすると、ほどなく東尾根の田ノ倉乗越(1100m)で踏み跡に合流できた。標柱は破損し散乱し文字は確認できない。前回来たときは、ここまでほぼ踏み跡を辿れたのだが、だいぶ荒廃が進んでいるようだ。
(田ノ倉乗越〜網張)
乗越から反対側へ沢型地形を下ると草紅葉に覆われた湿地帯、田ノ倉平(1070m)に出る。ここにも標柱はあるが文字が不鮮明。湿地の外れにピンクテープが付いている。ちょうど小沢が流入しており、ここを遡るように踏み跡が付いているようだ。最後まで詰めると大岩壁に囲まれた荒涼とした大崩平(1110m)に出る。倒れた標柱には大崩平の文字が確認できた。周囲を袴腰〜守門岳〜大岳〜中津又岳の火口壁に囲まれ、荒涼とした赤茶色の大崩平の風景は、ここが守門岳の一角であることを忘れさせるほど壮観であった。この先踏み跡は浸食されて確認できない。前回の記憶を思い出し、正面やや左側のゴーロ状の沢を登った。途中は滝のような急勾配で落石や浮石に注意しながらの登となる。徐々に水流は細くなり1240mで涸れる。涸沢を最後まで詰め草紅葉の草原が見えてくれば登山道はすぐである。鞍部の網張は標高が1305m、大岳(1432m)までの僅か100mの登りでも疲労した身体にはこたえた。
(網張〜大岳〜雨晴)
大岳、中津又岳とすれ違う登山者もなく寂しい登山道。中津又岳付近では、たどってきた吉ヶ平コースを一望できる場所がある。冬枯れ色の山肌に黄金色に点在する天狗の田と田ノ倉平は印象的だった。
(雨晴〜網張山〜吉ヶ平)
1180m付近で入塩川コースと雨晴新道コースの分岐点あり。右の雨晴新道コースを下る。最初は緩やかな下りで網張山へ。網張山から先の尾根道は東側が切れ落ちており、北から東にかけて高度感のある展望を楽しめる。下るにつれ尾根は勾配が急になり痩せてくる。キノコで重くなったザックで足取りは遅くなり、落ち葉には気を付けながら下った。尾根末端の階段を下れば幅広のトラバース道となり、かつての吉ヶ平集落が栄えていたころの田畑を縫うように付けられた作業道路を想像しながら吉ヶ平に向かった。車を回収後、「いい湯らてい」で汗を流してから帰宅した。
(参考文献)「越後の山旅」藤島玄 著
コメント
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こんばんは、はじめまして。
詳しい山行記録の公開ありがとうございます。catwalk15さんの記録を頼りに、
憧れの旧ルート(吉ヶ平ルート?)で行けそうな気がしてまいりました。今年は無理かもしれませんが、来年時期を見て行ってみたいと思います。
ksite様、コメントありがとうございます。
マニアックな古いコースですが行程中はそれほど技術的に難しい箇所はないように思いました。ただしルーファイ力がかなり必要になるコースです。もし道を失った場合は自然の地形を進むしかありません。苦労の末、テラス状の大崩平に至り、眼前に広がる守門岳の火口壁に対峙すれば達成感が湧いてくるでしょう。あとは網張へひと登りで登山道へ。
是非、良い季節にチャレンジをお勧めします。
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