甲武信ヶ岳 (西沢渓谷から往復)
- GPS
- 07:40
- 距離
- 15.6km
- 登り
- 1,694m
- 下り
- 1,693m
コースタイム
- 山行
- 7:12
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 7:33
天候 | 快晴 無風・微風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・この日は西沢渓谷周辺の道路に積雪や凍結はなく、ノーマルタイヤで問題なし。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・徳ちゃん新道:傾斜が急なところが多かったがよく手入れされていて歩きやすい。この日は積雪や凍結は全くなし。 ・分岐-木賊山:標高2000メートル付近から雪ではなく大分前に氷が見られるようになるが、本格的にアイゼンが必要になるのは2300メートルくらいから。 ・木賊山-甲武信小屋-甲武信ヶ岳:木賊山からは一回下った後に甲武信小屋に達する。小屋から山頂の区間はほぼ夏道だが、それ以外はほぼ凍っていて、特に下りではアイゼンがないと厳しい。 ・近丸新道:分岐からヌク沢を渡るあたりまではごく普通の登山道だが、沢を渡ってから林道に出るまでに危険箇所多い。沢を渡る際はピンクのマーキングを追えば特に難しくないが、この時期は沢のそばの岩が凍っているので要注意。沢を過ぎると片側の切れ落ちた斜面を歩くが、斜面が崩壊して登山道がなくなっているところが何カ所もあった。そのようなところは柔らかい土砂が堆積していて歩くと少し潜る。トラロープが渡してあるところもあったが、本格的に頼ることはできないと思われる。近丸新道は、特に初心者には勧められない。 |
写真
感想
アイゼンを一部で使ったので、分類は積雪期の山行としたが、全体の8割は夏道なので、無雪期山行としても分類できるように思う。このエリアも他と同様に積雪は少なく、というより雪はなくて氷しか見られなかった。
諸事情により遅い時間に駐車場に到着し、7:50頃に出発。気温はマイナス5℃と寒いけど、風がないので開始時からジャケットは着ないで歩く。ペースを上げて歩くと徐々に体が温まり、20分ほどで徳ちゃん新道の入口に到着。前後左右に登山者の姿はない。さすがに1月の日帰り山行の出発としては時間が遅いようだった。甲武信ヶ岳は以前毛木平から周遊コースで歩いたことはあったが、西沢渓谷からはこれが初めて。徳ちゃん新道を歩き始めると、始めのうちはなだらかだったが以後は分岐までずっと急登で休む間もないくらいだった。アイゼンやピッケルが重く感じる区間だった。雪氷は全くなく、しばらく雨も降っていないため、登山道を少し歩くだけでもうもうと土埃が舞う。こんな登山道初めてだ。分岐まで到達しその後は少し楽できるかと思ったがそうはならず相変わらず傾斜の急な斜面が続く。しかも倒木が多かったり、登山道の段差が多かったりで一向に楽できない。入口からずっと樹林帯歩きで視界も葉の落ちた樹木の間から見られる程度で楽しみがない。どこまで登れば雪が出てくるかと思ったが、結局「雪」は山頂まで見られず、その代わりにカチコチになった硬い氷は2000メートルくらいから見られるようになる。そして2300メートルを超えると登山道を覆うようになり、場所に寄ってはスケートリンクのようになったので、木賊山の登りの手前あたりでアイゼンを付けて歩き始める。木賊山を越えると一旦下りになるが、この斜面も例外なく凍っていてアイゼンなしでは厳しいように感じた。下り切ったところに甲武信小屋があり、営業はしていないものの、休憩スペースもありゆっくりしたかったが、出発が遅く、途中でペースもガタ落ちしたので写真だけで先に進む。小屋から山頂までは日当たりが良いためか、登山道に氷はほとんどなくて夏道が露出していた。本当はアイゼンを外したほうが良いのだろうが億劫なのでそのまま歩いて山頂に到達。ここまでほとんど展望がなかったがようやく360度のパノラマが広がる所に出られた。が、既に時間は正午に近く、日の入りの時間のことを考えるとゆっくりしていられないのでそそくさと下山開始。下りも当然山頂直下は夏道の上をアイゼン歩行となった。小屋を過ぎ、木賊山の登りをこなし、ガチガチの氷の斜面を降って2300メートル付近まで下ったところでアイゼンを外す。昨日のように藪の中をアイゼンで歩くことは今日はなかったししたくなかった。アイゼンを外してもしばらくは氷の上を歩くことはあったが、距離も短いのでそれほど緊張せずに進める。下っていると時折大きなザックを背負った登山者が登って来るのが見え、いずれも甲武信小屋でテント泊をするようだった。氷が消えた後に気になるようになったのは登山道の土埃だった。雪どころかここしばらく雨も全く降っていないと見えて、登山道は乾燥していて、一歩登山靴で歩く度に埃が舞っていた。スパッツは雪がブーツに入らないために使っていたが、砂よけに使うことになるとは思っていなかった。それでも順調に標高を下げ、当初の予定通りに近丸新道を下り始める。このルートを下り始めてもしばらくは普通の登山道のように見えたが、所々に白い小石が散らばっているのが目に付くようになる。登山地図に硅石の採掘場があったとかいてあるので、自分が見たのもこの石なのだろうと思う。更に標高を下げ沢を渡渉することになったが、沢に近づいて見ると金属の橋が沢に落ちていたりして、渡るのを躊躇ってしまう。マーキングを頼りにして沢を渡るが、渡渉後はもっと難しいところが出てくる。片側が切れ落ちた斜面を歩くのだが、斜面が崩壊している箇所が多く、歩いていても斜面の上のほうからパラパラ小石が落ちてくる。登山道が小石と砂と落ち葉で見えなくなっている箇所もあり慎重な通過を余儀なくされる。落ち葉が厚く堆積しているところは、ストックで地面があるか確認しながら進み、小石と砂の蟻地獄状の箇所は、ストックを上手く使ってバランスを取りながら歩く。正直こんなに降りてきてこんなに苦労するところに出会すとは想像していなかった。でもこれ以外に道はないので先に進む意外にない。トロッコ軌道の跡と思われるレールも散見され、そのレールごとごっそり崩落しているようなところもあり、自分が歩いている時に崩れないことを祈るしかない。渡渉から林道に出るまで大した時間ではなかったはずだが、長く感じたのは言うまでもない。
出発から7時間超で駐車場に戻る。歩いている時はほとんど感じなかったが、止まって後片付けをしていると風もあって大変寒く感じた。近丸新道は今後どうするのか分からないが、このまま崩壊が進めば登山道として維持するのは難しいと思うし、正直なところ、ここはもう歩きたくない。
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