奥秩父主脈縦走ならず。。。雁坂小屋での食飲研修に潜入
- GPS
- 53:34
- 距離
- 41.1km
- 登り
- 3,332m
- 下り
- 2,775m
コースタイム
- 山行
- 8:42
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 9:08
- 山行
- 7:14
- 休憩
- 1:29
- 合計
- 8:43
- 山行
- 4:40
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 5:18
天候 | 晴れのち暴風雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:西沢渓谷入り口からバスで塩山駅。JR快速にて帰還。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
雪もなく危険な箇所はありませんでした。ただし雁坂峠から道の駅「みとみ」へ下山するルート上には 1) ロープ使って降りる箇所,2) 沢を渡る箇所(2つ)があります。写真で説明しておりますのでご覧ください。 |
その他周辺情報 | 道の駅にて各種おみやげあり。 |
写真
装備
個人装備 |
ブーツ(春夏用)
グラナイトギア クラウン VC60
パーゴワークスチェストパック
ストック
アイゼン
iPhone・ケーブル
コンパス
ANKER X 2
地図
腕時計
ナイフ
プラティパス 2.0 L
キャンドル・コルク板
ヘッドライト (予備電池)
救急用具
筆記用具
タオル
トイレットペーパー
ウエットティッシュ
行動食(エナジーバー)
ビニール袋・ジップロック
補修テープ
ガイロープ
ダクトテープ
コンタクトレンズ
歯磨きセット
財布
ラジオ
熊よけ
ピコシェルター
魔法瓶
ドライレイヤー
靴下 x 2
メリノウール下着
アルファフーディ
ATOM SL フーディー
ニュウモラップ
ゴアテックスパンツ
ショートスパッツ
ホグロフス手袋
帽子
ホッカイロ
ガスストーブ
ライター
コッヘル・ボウル
スプーン・フォーク
食料
予備(ガス)
なんちゃってククサ
ツエルト
MSR ステイク4本
イーストンペグ8本
X-ペグ4本
ナンガシュラフ
モンベル座布団
EVERNEW マットUL
KLYMIT イナーティア Xライト
Xライト用ポンプ
エマージェンシーブランケット
LED ソーラーランタン
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感想
GW の初日には吾妻連峰に出かけましたが,雪と突風にやられ避難小屋生活を余儀なくされました。翌日も暴風で,旅館に移動し安達太良山を目指しましたが,猛烈な暴風雨にて撤退。。。それならば暖かな奥秩父に行こうと思いました。
とあるヤマレコユーザーさんが金峰山で素敵な登山をされたので,どうせなら縦走をと思いました。いろいろと検索したところ,LArcさんというハンドルネームの方が,2013年に奥秩父の主脈縦走をされておりました。それを参考にし自分なりに計画を立てました。まず,日程と体力が限られているために,とても読めない丹波天平(タバデンデイロ)を経由し,飛龍権現で「奥秩父主脈縦走路」にバイパスする計画を立てました。
バスは鴨沢よりも手前で止まり,タバデンデイロの登山口につくまでに1時間ぐらい歩きました。登りは集落跡地を通過します。何かが出たがっている小さな廃屋がありました。ちょっと不気味でした。頑張って尾根に出ると,素晴らしい広葉樹林帯に遭遇します。こんなところで冬のビバークも楽しいかもしれません。しかし,前飛竜にかかるアップダウンで少し息切れを起こし,将監小屋までつけるのかなーと不安になりました。GPSアプリで将監小屋まで10キロもないことを確認し,平地なら1時間で走れるのだから大丈夫!と自分に言い聞かせ将監峠に向かいました。
将監小屋のテント場についたのは,僕が最後だったと思います。疲れきった身体でなんとかツエルトを設営し,ビールを飲んで19時には爆睡しました。夜中,大雨が降っていると勘違いしてしまい,やや遅めに起きました。しかし大雨など降っておらず,木々のざわめきを大雨だと思ったのです。。。この遅く出発した時点で,将監峠からの甲武信小屋というプランはなくなり,雁坂小屋から大弛路線に変更しようと思いました。家人に「ごめんね,一日遅れるね」とメッセージを送って,この山脈をじっくり味わおうと思いました。
ここで急遽,テント泊することになった雁坂小屋は,当初プランではノーマークなので,僕的には管理人が変なオヤジだったら嫌だなぐらいにしか思ってませんでした。主脈から雁坂小屋へ至る小道は明るく,しばらくすると青い屋根が見えてきました。もう少し近づくと笑い声が聞こえてきました。日の出スポットの絵も可愛らしく,この小屋は,もしかすると当たりかもしれない,,,と思いました。
小屋の主をさがそうとする前に,小屋の前にいた数名の方から,「いらっしゃいませ!」と声をかけられ,その中から明るい女性の方が受付票をもってきました。そして,その脇にいた柔道をやっていそうな頑強な男性がいろいろと説明してくれました。「そうかこの山小屋はこの女性が管理人さんで,この頑強な男性はゴウリキだな,きっと」と,勝手に思いました。
雁坂小屋についた時点でかなり風が強かったので,一段低いテント場にファイントラックのツエルトを設営しました。このツエルトはタープ仕様も考慮されており,床の真ん中をリボン結びで止め合わせるスタイルなのですが,虫嫌いな僕としてはここをガッツリとダクトテープでシールしてあります(これが大雨でも泥水が侵入しない結果となりました)。あと,雪上での設営を考えてイーストン社の長いペグを持参してきたので,かなりの暴風雨でもびくともしませんでした。持つべきものは長いペグですね(笑)
閑話休題。小屋でビールを買ったときに,「夕方,こっちの小屋にきませんか」と柔道家(あとで,陸上をやっていたTさんと判明)に誘われました。ツエルト内でレトルトのグリーンカレーを食べたあとで,管理人さんがいるらしい小屋へと向かいました。小屋のドアを開けようとする前に,なかからドアを開けてくれて,そこには常連客と思われる方々がおられました。「ああ,これは場違いなところに来てしまった!」と思いましたが,皆さんに暖かく招き入れられ,テーブルにつきました。
僕が悩んだのは,誰が客で,誰がこの山小屋で働いているのか? ということでした。しばらく話を進めていくと,受付をしてくれた方も,親切な柔道家の方も,GW に手伝いにきた雁坂小屋のバックアップ隊員(実際にはこの小屋に通う素敵な常連さんたち)だと判明しました。そうこうするうちに,山小屋の管理人さんとオーナーのゴローさんともお話することができて,スタッフが異様に多い山小屋の謎は氷解しました。小屋のHPを見てみると,素泊まりのみとなっておりますので,ここに集う登山客の皆さんがアルコールも含めて持ち寄って,おいしく山の食事を頂こうというアイディアなのです。ちなみにこの集いは「食飲研修」と呼ばれているそうです。また,お祝いもあって(Mさん,おめでとうございます!),とても美味しいケーキ(シブーストかな?)を崩さずに運び上げた方がいらして,いいなあと思いました。あと,底にザラメがついたカステラも美味しかった。手ぶらできたので,今度はフル装備で参戦しますね。
小屋の壁にはヤマレコユーザーの名札が貼ってあって,左上にはなんとLArcさんのお名前もあるではありませんか! 実は,LArcさんもこの小屋の常連だそうで,不思議なめぐり合わせを感じました。僕が感動したのは,管理人さんもオーナーさんも,そして常連の皆さんも暖かく招き入れてくれたことでした。また,管理人さんのお隣に座らせて頂いて,おおらかな優しさとこの小屋にかける愛情を感じました。食卓を囲んだ皆さんの多くはヤマレコというSNSを通して集まった,雁坂小屋を愛して止まない方々でした。こういった場所では,はじめて来た者にとっては疎外感を感じることもあるのですが,それがまったくありませんでした。稀有な山小屋だと思います。
明日もあるので皆さんに御礼をしてテント場にもどりました。風は強くなる一方で,ツエルトを激しい雨が叩きつけます。それでも爆睡し,iPhone の目覚ましで3時半に起きて,雨に悪態をつきながら結露と雨で濡れたツエルトの撤収を図りました。4時過ぎに全てをザックに詰め込んで,小屋に向かいました。管理人さんやTさんも起きていて,この暴風雨ではどうかなとアドバイスを受けました。甲武信ヶ岳のルートは未経験なので,今回は断念し道の駅までのルートを降りることにしました。天気が晴れるまで小屋でゆっくりしてくださいとオーナーのゴローさんにすすめられ,暖かなストーブの前で常連さんと話をしました。テント泊なのにこんなに親切にしてもらってかたじけない,という気持ちになりました。
最後は,皆さんに見送られて小屋をあとにしました。港を出て行く船のような感じでした。下山してまもなくすると,ガスが山裾を上がっていき,富士山までもが綺麗に見えました。ちょっと,くやしい。。。今回のGWは,西吾妻山,安達太良山,奥秩父主脈縦走のすべてが,悪天候で叶いませんでした。
雁坂小屋でお世話になった一夜はとても楽しかったし,ここでの思い出を今回は最後として,奥秩父主脈縦走路を離れるのも悪くはないと思いました。無理に甲武信ヶ岳へ向かうよりも,「いつかは甲武信」でいいんじゃないかと。。。
本日,ホグロフス原宿店に短パンを買いに行くと,バックにつけてあった雁坂小屋の木札をスタッフの方がめざとく発見して小屋の話となりました。管理人さんの思惑通りですね(笑)
LArcさんという点と雁坂小屋で線として繋がったときに僕が驚いたように,小屋を訪れる皆さんには新鮮な驚きが待っているかもしれません。僕のハンドルネームは「CLIMB EV’RY MOUNTAIN」からアレンジしたものですが,もっと簡単なものにしておけば良かったと思いました(笑)
コメント
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こんにちは。「明るい女性」ことkerolinaです
雁坂小屋へ、ようこそでした〜
食飲研修も堪能されて何よりです
LArcさんにevclimMoutnさんのことお伝えしましたよ!
大縦走は適いませんでしたが、『いつかは甲武信』でまたいらして下さい!
楽しみにしております
kerolinaさん:
先日は本当にお世話になりました。最初は雁坂小屋のスタッフかと思いました(笑)でも,それだけ皆さんが,雁坂小屋に溶け込んでいるということですね!
皆さんと楽しく語らうことができて,もう一泊したくなりました。次回はガッツリと担ぎあげて,参戦したいと思います!
すっかり雁坂小屋のファンとなりましたので,必ず再訪します。
また,LArcさんに伝えていただきまして,ありがとうございます
evclimMoutnさん こんにちは。
柔道じゃなく陸上をやっていたTです。
小屋に見えられた日は強風で翌朝はあの天候と天気は残念な感じでしたが雁坂小屋の中は明るいので楽しんでいただけて何よりです
雁坂から金峰への道もまた変化に富んで楽しい道ですし、次回はぜひ雁坂小屋でまず英気を養っていただいて続きをお歩きください、小屋への直行直帰もありですが
お疲れ様でした。
masatさん:
雁坂小屋ではほんとうにお世話になりました。僕が格闘技をやっているので,masatさんは柔道家と勝手に判断してしまいました(笑) あいにくの天候で縦走は叶いませんでしたが,masatさんや他のヤマレコユーザーの方々と繋がることができて感激しました。
雁坂小屋にて,お世話になりましたので,次回は担ぎあげたいと思います(笑)
そして,皆さんとの再会を願っております☆
evclimMoutnさん、こんにちは。
LArcさんの名札を紹介しました、rgz91です(私もハンドルネームが型番なので読めません)。
雁坂小屋は初めてだったのですね。
オーナーや小屋番さんはもちろんのこと、常連の方もそうではない方も、小屋泊まりの方も幕営の方も、気兼ねなく楽しめる雰囲気が醸し出されているのが、雁坂小屋の一番の魅力だと思います。
今回は悪天候のため、当初の主脈縦走は断念せざるを得なかったかと思いますが、この晩にこうしてご一緒できたのも何かの縁かと思いますので、甲武信を目指す際でも小屋ピストンの際でも、是非また雁坂小屋でご一緒できればと思います。
rgz91さん:
返信遅れてごめんなさい。。。これまで,ヤマレコユーザーさんと繋がることは,ほとんどなかったので慣れてなくて(笑)
でも,こういった繋がりもとても楽しいと思いました。今後ともよろしくお願いします。
rgz91さんの仰るとおり,雁坂小屋にはまったく垣根がなく本当に楽しめました。こういう雰囲気の山小屋は実はありそうでないんです。それだけでも今回の縦走の価値はありました。ラジオ体操も初体験でしたが,今度は小屋にも宿泊したいと思います。
また,皆さんとの再会したいと思いますので,よろしくお願いします!
evclimMoutnさんのコメント、小屋から降りてきて拝見しました。
ありがとうございます。嬉しいです。
本当になんだか元気の出てくる励ましを頂いたような気持ちで、疲れがとびます。
私が言うのもなんですが、いいでしょううちのスタッフの皆さん。
そしてね、そのことを感づいてしまったevclimMoutnさん、もうあなたもスタッフの仲間入りしかありませんね。
またおいでください。お待ちしていますから。
isiさん:
雁坂小屋ではお世話になりました。
そして,こんなに気持ちがあたたかくなって下山したのは,ほんとうに久しぶりです。それも isiさんをはじめとしたスタッフさんの優しさだと思います。
基本,僕はソロで行動していて山に登っているときは孤独です。でも下山してから,じわじわと孤独な山行でさえも,なにか滋養のようなものが湧き出てくるのです。今回の山行では,完全にやられました。。。isiさんには,これまでとは違った山の楽しみ方を教えていただきまして,とても感謝しております。
今度はスタッフとしてこき使ってください(笑)すばらしい山小屋を,皆さんに知ってもらいたいです。 isiさんとスタッフの皆さんがされていることは,まさに山小屋の再定義ですよね。
是非とも再訪します。雁坂小屋でお会いしましょう。スタッフの皆さんにもよろしくお伝え下さいませ
奥秩父主脈縦走は荒天で残念でした。
しかし、いかがでしたでしょうか?
雁坂小屋を最後に縦走を終えて。
雁坂小屋は不思議な魅力を備えた山小屋です。
まるで引き寄せられるようにステキな面々が自然と集まってきます。
今回は、ワタシのヤマ友が紛らわしくもお手伝いに、また別なヤマ友は縦走の起点として上がっていました。
小屋の宴を食飲研修といってはばからない石さん。
研修に参加したばかりに甲武信ヶ岳に向かうのを断念した登山者は数知れず。
それでも雁坂小屋に行ってしまう。。。そしてまた甲武信にはいけず・・・
今回、好天であってもevclimMoutnさんが行けたかどうか(*´ω`*)
遠路お越しいただいたようですが、また機会がありましたら是非奥秩父に!
東北のおヤマに負けないイイ所です。
そして雁坂小屋でお逢いできれば幸いです。
LArcさん:
コメントありがとうございます☆
このようなかたちでLArcさんとの接点ができるとは雁坂小屋にいくまでは思っておらず,ほんとうに不思議な山小屋です。もちろん,とっても良い意味で。。。
LArcさんの仰るように,晴れていても甲武信にいけたかどうか自信がありません(笑)確実なのは,雁坂小屋に出会えて本当に良かったと思います。僕にとって,とても痺れる山小屋です。山に登るのか,小屋に行くのか解らなくなりますよね。。。
雁坂小屋で,LArcさんにお目にかかれますのを楽しみにしております☆
evclimMoutnさん、先日はありがとうございました。
そして、私たちのレコに訪問&コメントを下さいましてありがとうございます!
evclimMoutnさんのレコ写真、なぜ!?雪を登っている!!?
とびっくりしたのですが、そのような経緯があってこの度の雁坂にいらしたのですね。
雁坂小屋は不思議なところです。
私も昨年5月に初めて訪れ、それからまだ数えるほどしか来ていません。
それなのに「誰がスタッフ?」と言って頂けるほどとは
なんだか嬉しいです。(毎回だた飲んでるだけですが…;)
あの日、また来たいなと思って頂けたならこんなに嬉しい事はないですね。
『いつかは甲武信』
いつか甲武信をピストンしてまた雁坂の小屋に戻って来ましょう(笑)
また雁坂小屋で会いましょう!
aiminさん:
雁坂小屋ではお世話になりました。aiminさんのレコを拝見して食事がハンパないと思いました。山の食事とはありえないぐらいに豪華ですね。山を存分に楽しまれていて羨ましいです。僕なんか,ナッツばかりでまるでリスの食事です(笑)
またいつか,雁坂小屋にてお目にかかれましたら,山のレシピなどをご教授くださいませ。
これからもよろしくお願いします☆
evclimMoutn さん、こんにちは!
奥秩父で最高の思い出を作られてきたんですね !
実は、evclimMoutn さんのレコは連休中に読ませて頂いていたのですが、
もっとちゃんとじっくりと読みたい思って時間がかかってしまいました
歩かれている距離がハンパなくてまずびっくりで
私なんて、あと1キロの看板でも気合い入れないとたどり着けないのに、
あと10キロなんて見たら、とてもじゃないけど歩けないです。
雁坂小屋のお話し、素敵ですね。
まさに山を愛する人達が集まる場所って感じそのもの
みなさんのコメントも拝見して、ほんわかな気持ちになりました。
今回の山行はあまりにも感動したので,ものすごい長文になってしまいました。。。じっくり読んで下さいまして,本当にありがとうございます☆
雁坂小屋は,絶対に peachy さんも気に入ると思います! 縦走でなくても西沢渓谷から直登が可能です。金峰山から向こうに広がるたおやかな山塊を眺めるだけもワクワクしますよ。
今回,縦走は叶いませんでしたが,雁坂小屋と素敵な皆さんに出会えて,とても幸せでした。
あの小屋に行ったら,山へいくのか,小屋にとどまるのか,すごく迷うと思います(笑)
なので,だまされたと思って,雁坂小屋まで足をのばされて下さいね
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