大峯奥駈道を繋げたい♪明星ヶ岳〜釈迦ヶ岳(太尾登山口からピストン)
- GPS
- 14:51
- 距離
- 24.7km
- 登り
- 1,871m
- 下り
- 1,860m
コースタイム
- 山行
- 13:56
- 休憩
- 0:47
- 合計
- 14:43
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
※国道168号旭橋から林道に入り約19km(所要40分) |
コース状況/ 危険箇所等 |
《太尾登山口⇔釈迦ヶ岳》 登山口から僅かな時間で稜線に上がると緩やかな笹原の道です。途中で踏み跡が分かれる箇所がありますが最終的には合流するようです。千丈平の先で深仙ノ宿方面の踏み跡が右手にあるので注意です。水場付近はマーキングが多いので見つけやすいと思います。 《釈迦ヶ岳⇔楊枝ノ宿》 釈迦ヶ岳から孔雀岳は岩尾根の危険箇所が連続しますが、鎖やロープが設置されているので安心感はありました。孔雀岳、仏生ヶ岳のピークは分岐を示す標板があり縦走路を外れます。孔雀岳〜仏生ヶ岳の間にある鳥の水は冷たく美味しかったです。仏生ヶ岳からずっと下ると楊枝ノ宿で、2階建てのログハウス風の綺麗な避難小屋です。水場は確認していません。 《楊枝ノ宿⇔明星ヶ岳》 楊枝ノ宿から山腹のトラバース道で小さなアップダウンはあるものの、ほぼ高低差を感じずに五鈷峰に至ります。五鈷峰は本来の登山道が崩壊した為に岩峰を高巻きしますが、案内板もありルートは迷いませんでした。 岩場は崩れ易く混雑時は落石注意で、ロープが設置されてはいますが慎重に登り下りしました。五鈷峰から明星ヶ岳は約200mの急登です。傾斜が落ち着いて、弥山辻に続く緩やかな道の2本の木に黄色いテープが巻かれている所が明星ヶ岳への取り付きです。頂上までは5分程度です。 |
その他周辺情報 | 大塔温泉 『夢の湯』 大人600円 営業時間(終了時間) 平日・日曜日・祝日 日帰り温泉 11:00〜19:00(最終受付 18:00) レストラン 11:00〜17:00(ラストオーダー 16:00) 土曜日 日帰り温泉 11:00〜21:00(最終受付 20:00) レストラン 11:00〜17:00(ラストオーダー 16:00) http://www.ootou.jp/fureai.html |
写真
感想
今まで日を分けて大峯奥駈道を繋いでいましたが、弥山辻〜釈迦ヶ岳間が日帰りで歩くのは難しく、ほぼ中間地点に位置する楊枝ノ宿に宿泊して1泊2日で歩くか、行者還トンネル西口と太尾登山口からそれぞれ楊枝ノ宿までのピストンを2回に分けて歩くかを考えていました。
そこでGW前半の先月29日にトンネル西口からスタートしましたが、想定外の強風と寒さで開始20分で引き返したので奥駈道は繋げませんでした。
相方の提案で十津川村の太尾登山口を夜明け前に出発して、途中ご来光を見ながら釈迦ヶ岳の山頂に立ち、奥駈道で弥山辻を目指して縦走してからピストンするということになりました。出発予定は4時で引き返すリミットを11時に決めました。山と高原地図2014年版のコースタイムでは太尾登山口から弥山辻までが6時間45分で復路が6時間40分なので、所要時間を7時間とすれば18時に戻れる計算ですがどうなることやら…
好天予報の14日の土曜の前夜に登山口に着いて車中泊。満点の星空の下、予定より早めの3時40分に太尾登山口をスタートしました。
太尾登山口から歩くのは3回目なのでヘッデン歩きも不安はなく、20分程で稜線に上がると既に空が青ばみ始めていました。1465Pを過ぎて暫くで東の空が明るくなって、古田の森で日の出時間になりましたが、ちょうど釈迦ヶ岳に太陽が隠される位置だったのでご来光は見れませんでした。
ただ釈迦ヶ岳の周囲がオレンジ色に染まってとても神々しかったです。
5時を過ぎてすっかり明るくなった千丈平付近にテントは見当たりませんでしたが、代わりに朝食中のシカの群れに出くわしました。山で見たシカは必ず逃げるものだと思ってたのに、人慣れしてるのかここのシカは至近距離で食事を続けながらじっと私達を見つめています。
朝ごはんの邪魔してごめんねと声をかけて通り過ぎました(笑)
かくし水も潤沢に出ている事を確認して、少し傾斜を増した道から奥駈道に合流して少し登ると3回目となる釈迦ヶ岳に到着しました。
山頂のお釈迦様に日の出間もない朝日の後光が差してとても綺麗です。
小休憩の後、5時30分に弥山辻を目指して縦走を開始しました。
山頂直下の急坂を下りると、切り立った岩尾根歩きが始まりました。
鎖やロープが設置された馬の背、大きな壁のような岩塊の橡ノ鼻、怖い顔の蔵王権現様が鎮座された両部分け、五百羅漢が見下ろせる孔雀覗と落ちたらタダでは済まない難所が続きます。でも意外と楽しいです。
やがて孔雀岳へ向かう分岐の標板があったのでそちらに向かいます。
この日に歩いた釈迦ヶ岳から北への奥駈道では、殆どの山頂を巻いているのでピークを踏もうとすると縦走路を外れる必要があります。分岐から5分程で孔雀岳に着くと、特に展望のないひっそりとした山頂でした。
孔雀岳からは来た道を戻らず、尾根を北に下りて縦走路に合流しました。
暫くで鳥の水と書かれた水場があり、減ったペットボトルを満たしましたが、冷たくてとても美味しい水でした。鳥の水からバイケイソウが生い茂る野菜畑のような明るい稜線を過ぎると、仏生ヶ岳への分岐になります。
孔雀岳同様に縦走路を外れて頂上に立ち寄りました。釈迦ヶ岳より5m程高い仏生ヶ岳は木々に覆われて展望はありませんでしたが、離れた場所からも確認出来る孔雀岳と仏生ヶ岳の山頂には立ちたかったんです。
仏生ヶ岳から来た道を戻って奥駈道に戻り、約200m程下って楊枝ノ宿に向かいますが、到着寸前に間違って谷筋を下りてしまい、すぐに間違いに気が付いて登り返しました。楊枝ノ宿は登山道からほんの少し下りた場所にあり、ログハウス風のとても綺麗な避難小屋です。2階建ての小屋の中も綺麗で、上下で10人以上は泊まれそうです。
今日は最低でも楊枝ノ宿までは辿り着きたかったので、とりあえず最低ノルマは達成です。時間はまだ8時20分、小休憩しながらこの先の行程を確認しますが、ここから弥山辻までは高低差300mの登り基調になる筈なので、当初の予定通りリミットの11時まで行ける所まで進みます。
楊枝ノ宿からすぐの道が崩れた危険箇所を過ぎると、前方に楊枝の森の大きなピークが見えますが、縦走路は楊枝の森の右の山腹をトラバースする道になります。アップダウンをあまり感じないまま明るい陽射しのトラバース道が暫く続き、地図にあった舟ノ垰をいつの間に通過したのか、前方に五鈷峰と思われる崩壊した荒々しい岩峰が現れました。
岩峰を高巻きするのですが、足元が崩れ易いのでロープの助けを借りながら乗り越えていきます。この辺りはコースが不明瞭との情報があったのですが、親切な指導標が新たに設置されたのか迷わずに進めました。
そして五鈷峰を越えるといよいよ明星ヶ岳が見えてきました。時間は10時を過ぎていますが、ここまで来たら引き返す訳にはいきません。
既に10kmの距離を歩いている足には明星ヶ岳への急登が堪えます。
五鈷峰から標高差200mを1時間かけて、ようやく2度目の明星ヶ岳に到着しました。ここで吉野から釈迦ヶ岳までの奥駈道が繋がりました。
誰も居ない明星ヶ岳で大の字で寝転んで休憩しました(笑)ここでずっと休憩したい気分でしたが、ここでやっと半分なので来た道を引き返します。
明星ヶ岳を11時17分に出発。往路で釈迦ヶ岳から5時間40分かかりましたが、復路は概ね下り基調で仏生ヶ岳と孔雀岳の往復がない分、行程時間は短くなる筈です。ところが五鈷峰を下って、舟ノ垰から楊枝ノ宿の間で行程が8時間を超えた頃からはっきりとペースが落ちてしまいます。
楊枝ノ宿を13時30分に通過して仏生ヶ岳への登り道になると10分毎に足を止めて水を飲み、目の前の登り道に足が上がってくれません。
食欲がなく何も食べていなかったので、無理におにぎりを食べて進みましたが、この頃は鳥の水で水を補給する事だけを楽しみに歩いていました。
念願の水場で空になった全部のペットボトルを満タンにしました。非常用の500MLを残して4本2Lがここまでに空になっていたので、鳥の水が涸れていたら歩けなかったと思います。
おにぎりと水で少し元気になったのか、孔雀岳付近からペースが少し戻って、目の前に聳える釈迦ヶ岳を見据えながら2度目の岩尾根を歩きます。
橡ノ鼻を過ぎて、釈迦ヶ岳への最後の急登になると、あと少し、あと少しと言葉に出しながら1歩1歩登っていきます。やがて最後のロープに掴まりながら、16時36分にやっとの思いで釈迦ヶ岳に到着しました。
山頂で荒い息のままお釈迦様を見ると、まるでずっと私達の帰りを待っていてくれていたと思える様な、とても優しいお顔に見えました。
5分程の休憩で呼吸も整ったので、最後にお釈迦様にお礼を述べてから下山を開始します。いつからか膝に痛みがあり、下り道でもスピードが出せませんが、日没まで余裕もあるのでゆっくりと下りました。
千丈平では往路で見たシカは見当たりませんでしたが、代わりに2張りのテントがこれから訪れる夜を前にした一時を楽しんでおられました。
私達も次にここに来る時は釈迦ヶ岳から太古の辻までの奥駈道を繋いで、千丈平でテント泊にしたいです。
古田の森から小さなアップダウンもある稜線を下る道は往路ではヘッデン歩きだったので周囲は見えなかったのですが、なだらかな笹原の道は蒜山高原を思い出すお気に入りの稜線です。今日の余韻を楽しみながらゆっくり歩いて稜線を離れ、やがて駐車地の登山口に18時20分に到着しました。
実に朝のスタートから14時間40分かけての帰還となりました。
思い返せば行程に少し無理があったとは思いますが、ほぼ計画した予定通りに歩く事が出来ました。ずっと頭で思い描いていた八経ヶ岳〜釈迦ヶ岳の奥駈道はとても素晴らしい道で、この区間を1日で往復した経験は忘れられないと思うし、これからの自信にもなると思います。
そして遠方から来られて、奥駈道縦走を並々ならぬ思いで歩かれている方との出会いではとても貴重なお話も聴けました。
そしてなによりも今日の自分へ…「よく頑張りました!」
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