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昭和44年5月1日に結婚し、その年の8月に夫婦で貴小屋にお邪魔して歓待されました。妻の記憶では、カレーを調理して、喜んで食べてもらったようです。下山時には、貴方達が開拓した新ルートの八本歯の下り口まで送っていただき本当に有難うございました。
その時点では、本当に長い年月、山と言う山から遠ざかってしまうとは夢にも思いませんでした。
翌年4月に娘が誕生(妻のお腹に小さな命が宿っているとは知らず、険しい山登りをさせてしまったようです)その子が障害を持って生まれてきた為、病院や、治療していただくための部門への相談に出向く事が多く、山へ足が向かなくなりました。住まいにしていた東京の赤羽では、色んな出来事が有りました。周りの人々に支えられながらも人生で一番試練の時期だったと思います。
そんな家庭の事情で会社を退職し、昭和48年2月に生まれ故郷へ帰り、貴方とは数年、年賀状のやりとりのみでしたが、それもぷっつりと絶ってしまいました。
仕事は帰郷以来より、叔父と一緒に始めた会社を経営しましたが、昨年7月に整理し、清算の手続き等が終わり、気持ちも楽になり、しばらく離れた山への想いが湧いてきました。きっかけは、夫婦で出かけた「立山・黒部アルペンルート」のツアーでした。1泊2日のツアーでしたが、5月1日〜2日は私達の結婚記念日を祝ってくれるかような晴天に恵まれました。初めての北アルプス(南アルプスにしか行かなかったので)の残雪に輝く山並にスイッチが入り、以来、東北の山を登っております。
なかなか遠くまでは行けませんので、その分を山岳雑誌をむさぼり読んで卓上登山を行っていました。
山の本の中では、白旗史朗さんの著書に貴方や森本さんの名前を見つけては、若い頃の思い出に浸っていました。そんな折、「山と渓谷」の6月号の特集で貴方の写真を観て、懐かしさ一杯でいろいろ尋ね電話した次第です。腰を悪くされたとのこと、早く治してくださいネ!
半世紀も前の記憶をたどりながら拙文したためました。再開の機会有らんことを祈りつつ!
乱筆ご容赦下さい。
平成15年6月吉日
※記述した事柄について。
1、小屋番F氏は、その後天国に旅立った事を、ご子息から連絡を受けました。
素晴らしき山人・・・・その名は 深沢今朝光 さんです。
2、北岳小屋は当時、稜線(現在の北岳山荘)から20分ほど下った所にありました。
3、画像の3に写っている中の3人は鬼籍に入られた方々です。
合掌
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