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渓谷で、大先輩の勧めで、ハングした岩場での宙づりからの脱出に備え、空中懸垂と、アッセンダー(登高器)でのロープ登高練習を行った。
どちらも過去に練習はしたことはあったし、要領は心得ていた「つもり」でいた。
ところが空中懸垂の最中、「安全のために」にと着けてもらったスリングで作ったバックアップ(クレイムハイストノット)が、思わぬところで作動し、ザイルに食い込み外れなくなった。
やむを得ず、その状態からアッセンダーをセットし登り返すことにしたが、アッセンダーに加重がうまく移行しないため、バックアップが全く外れず、渓谷のど真ん中で宙吊りのまま、登ることも、降りることもできなくなった。
久々に進退窮まった。
ナイフでバックアップを切断しようかと考えたが、大先輩からの冷静な指導で、アッセンダーにうまく加重を移すことができ、バックアップを外して、無事に登り返すことができた。
久々に本気で焦った一時だった。
こういう時は、「冷静になり、整理して状態を再度、良く見直すことが大切である。」と教訓を得た。
濃密で貴重な体験となった。