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雨飾山等)
2015年3月7日
3月14日北陸新幹線が長野から金沢まで開業する。
それに伴い、並行する区間の在来線はJRから経営分離され第三セクター化する。
さらに、その区間を走る特急はくたか、北越も全廃になることから、惜別の思いで両特急に乗車してきた。
ちなみに、毎週末、家族をほったらかし、山か、トレーニングに没頭していたので、たまの罪滅ぼしと、子供を連れて行った。
さて、多くの読者の方の関心は、特急の廃止よりも、新幹線開業により
Г沿線地域の登山口へのアクセスがどう向上するか?」であると思うので、それを含め新幹線開通によるメリットおよび、デメリットについて述べたい。
1メリットについて、開通する駅毎に長野側から順に述べる。
(1)まず長野県の「飯山」駅であるが、この駅は、これまで単線非電化、特急なしの飯山線のみであったので、新幹線開業で飛躍的にアクセスは向上するだろう。
東京からは、最速で1時間40分程となる。
山は同駅のすぐ北側にのべ100kmにおよぶ日本有数のロングトレイルコース「信越トレイル」がある。
なんと、駅では、レインウェアーやトレッキングシューズのレンタルまであるとか。
スキーのメッカである野沢温泉にも近い。
(2)次に新潟県のГ妙高上越」駅だ。
東京からは、最速で1時間50分程となる。
この駅は、上越市と妙高市の境目近くにあるので、その名が着いたが、百名山で、登山スキーのメッカである「妙高山」の最寄り駅は信越線(開業後はえちごトキメキ鉄道)の「妙高高原駅」であり長野側へ30kmも戻る。
Г妙高高原駅」は、長野駅からは38Kmと、ちょうど両駅の中間なので、東京方面からはこれまでどおり長野駅乗り換えの方が早い。
東京と上越市とは、既に同市の鉄道の要衝であるГ直江津駅」と、上越新幹線の越後湯沢駅経由で特急はくたかにより2時間弱で結ばれており、北越新幹線開業前と、殆ど時間差がない
その上、「妙高上越」駅は直江津駅とは離れており、市街地へは在来線との乗り換えが必要で、新幹線が開業しても、対東京の時間短縮効果は薄い
しかし、関西、北陸方面から妙高山方面に行くなら、Г妙高上越」駅で乗り換えた方が良い。
同方面からは、これまでより1時間の短縮になり、関西からは、金沢で新幹線に乗り換えると、最速3時間台で来られるようになり、関西からは近くなった。
対東京ばかり注目されるが、関西からは遠かった信越の山々がと近くなるのは大きい。
今後、北陸新幹線は関西方面に向けて延伸される予定なので、さらに期待したい。
ちなみに、このГ妙高上越」駅だがГ上越新幹線が通っている」と勘違いされる可能性があり駅の名付けも、一苦労あったようだ。
上越新幹線の「上越」は、群馬県と新潟県を通ることから、両県の旧国名「上州」と「越後」の頭の合成語だ。
対して、上越市はГ上越地方」(京の都からみて越後の上部)に由来しており、上越新幹線は通っていないので、あしからず。
上越新幹線は、新潟県中部のГ中越地方」を通っているので、Г中越新幹線」とした方が混同しないだろうか?
(3) 次は新潟県のГ糸魚川」駅だ。
対東京でこれまでより、30分程短縮され、東京から2時間程となる。
ここも、東京からだけでなく関西方面からもアクセスしやすくなり、大阪からは3時間20分程となった。
同駅から大岩壁でのクライミングで有名な「明星山」や、バスで、百名山のГ雨飾山」や、Г白馬岳」の蓮華温泉口はアクセスしやすくなるだろう。
ちなみにこの駅は、Г日本海に一番近い新幹線駅」と呼ばれているとのこと。
確かに、駅の眼前には、日本海が見える。
(4)次は富山県の「黒部宇奈月温泉」駅だ。
これは、同駅から富山地方鉄道という私鉄に乗り換えると、その先に「黒部峡谷」の玄関ロである宇奈月温泉があるので、「黒部峡谷」へのアクセスは向上するだろう。
(4) 次は「富山」駅だ。
これまでより対東京で1時間程短縮され、東京から2時間10分程となる。
立山黒部アルペンルートの玄関口である。
「立山」「劔岳」では、より余裕を持った山行ができるだろう。
(5)次は富山県の「新高岡」駅だ。
世界遺産の五箇山や白川郷のアクセスに良いだろう。
(6)最後に「金沢」駅だ。
これまでより対東京で1時間20分程短縮され、東京から2時間30分程となる。
言わずと知れた加賀百万石の観光地だが、百名山の霊峰「白山」への玄関ロでもあり、同山へも行きやすくなるだろう。
(7)時間短縮効果は、このとおり対東京では、東京から遠い駅ほど、その効果は大きい。
逆に、Г飯山」駅を除き、より東京に近い「妙高上越」駅では、その効果は僅かだが、北陸、関西方面からのアクセスは向上する。
2 次は開業に伴って生じるデメリットについて述べる。
(1)新幹線と平行する在来線は新幹線開業と引き換えに、第三セクター化され、各県毎に4社にも分社化される。
これまで、普通列車で通しで乗れた長野、直江津間や直江津、富山間でも各県毎の運営のため、県境付近での乗り換えが必要になる。
加えて、名社間やJRと跨いで乗車すると、会社毎に新たに初乗料金が発生する。
実質的な値上げである。
著しく利便性を低下させている上、自治体や会社間の縦割を利用者にしわ寄せしているに過ぎない。
(2) 次に、平行する在来線を走る特急が廃止される。
これにより、新幹線のルートから外れた従来の特急停車駅は利便性が著しく低下する。
このような駅は沿線に11駅も存在する。
新幹線ルートから外れた駅は、これまでの例から衰退している。
3 デメリットへの対策
(1)まず平行在来線には、経営分離前と変わらぬ利便性と、料金体系を強く求めたい。
分離するにしても、各県毎に会社を立ち上げ、利用者に不便と、値上げを求めるのでは、愚の骨頂である。
なぜ、平行在来線を一本化した会社にしなかったのか、呆れてしまう。
これまでどおり、乗り換えのない運行と、JRと通しの料金体系に見直すことを強く求めたい。
(2)次に特急廃止に伴う特急停車駅の利便性の低下である。
これまでの例から新幹線のルートから外れた駅は衰退している。
これは特急の存続を求めたい。
そもそも、新幹線開通に際して、なぜ特急を廃止するのか?
「新幹線の客を奪う」からと言うが、どうだろうか?
。
現に、北陸新幹線長野先行開業以前の新幹線では、平行在来線は分離しなかったので、全線とは行かないが、JRは今でも平行在来線に特急を走らせている。
新幹線の客を奪うなら、自社間でそんなことをしない。
特急を走らせても、新幹線に影響がない証だろう。
平行在来線を経営分離するのだから、堂々と特急を走らせれば良いものを、明らかにJRに遠慮しているとしか思えない。
平行在来線に特急を走らせても、新幹線と競合するのではなく、新幹線駅までの接続や、地方都市間の連絡等、大都市を結ぶ新幹線との役割を分ければ良いのである。
東海道新幹線で言う各駅停車型の「こだま」の役割を特急に持たせるのである。
そうすれば、両者に取っても補完し合え、共存しあえるはずである。
経営が厳しいことが予想される平行在来線にとって、大きな助けとなるだろう。
(3)最後に、新幹線駅からの二次交通の利便性向上を強く求めたい。
今回の、開業駅の中で、「妙高上越」駅、「黒部宇奈月温泉」駅、Г新高岡」駅は市街地から外れた郊外にある。
「妙高上越」駅については、駅を設置するなら先の「妙高高原駅」やГ直江津駅」であるべきだったが、ルート上の制約ため、現在地に折衷したのだろう。
「黒部宇奈月温泉」駅周辺は、平行在来線の北陸線(新幹線開業後はあいの風とやま鉄道)から、ルートが大きく離れるので、地元私鉄と交わる同所に落ち着いのだろう。
前の二つはルート上の制約からだが、Г新高岡」駅に関しては、ルート上の制約もなさそうに思われるし、鉄道要衝の現「高岡」駅に設置するべきだが、なぜこんな所に設置したのか首を傾げたくなる。
いづれにしても、車で乗り付けられる地元住民は別として、来訪者は、市街地までの在来線やバスの二次交通の利便性が悪ければ、周囲に何もない陸の孤島に取り残されてしまう。
ぜひこれらの駅からの二次交通の利便性向上を求めたい。
(4)また駅周辺だけでなく、さらにその先の地域へのアクセスの利便性向上を強く願いたい。
例えば、「糸魚川」駅は大糸線で、白馬、大町市方面と結ばれており、新幹線を利用してその地域を訪れる人が増えることが、期待できる。
その地域には、Г白馬大雪渓」百名山のГ五竜岳」「鹿島槍ヶ岳」等の大糸線沿線の後立山連峰の山々が並んでおり、妙高地域と並んで登山とスキーのメッカである。
しかし、この大糸線の利便性が悪すぎる。
大糸線は長野、新潟の県境付近で、管轄がJR東日本、西日本と分かれており、両社間の直通列車は一本もない。
特に新潟県側は、非電化で列車本数が数時間に1本しかない。
これでは、わざわざ、自ら糸魚川側から、人の流れを堰止めている様なものだ。
沿線には、まだこういった所が多いと思われる。
先の平行在来線も、しかりである。
新幹線駅周辺だけでなく、さらにその先の地域へのアクセスの利便性向上を強く求めたい。
4最後に、沿線は新幹線開業ムードに湧いていた。
開業後は訪れる人が増えるだろう。
これを一過性のものにせず、デメリットを解消しつつ、沿線地域の持続的な振興に繋がることを期待したい。
echigonogakuさん、新潟登山ツアーコンダクターになれますよ!
すごい便利で詳しい良い情報ですね!
フォローさせていただきました(〃艸〃)
またいつか新潟の山と電車での山行の相談に乗って頂けたら嬉しいです
いえいえ、ただの能書きで、お恥ずかしい限りです。
フォローまでしていただき、恐縮です。
私も、登山口までのアクセスは専ら自動車が多いですが、自動車は再び元の駐車場に戻ってこなければならないという難点があるのですよね。
今日、北陸新幹線が開通しましたが、新幹線を使うと、より信越、北陸の山が縦走しやくなるかもしれませんね。
その折は、私でよろしければ、ご相談にのらせて頂きますよ。
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