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2014年11月29日 13:56山の安全全体に公開

日本の山は、常に誰かに見守られている。(冬の西穂高の捜索事例から)

2014.11.22に冬の北アルプス西穂高岳に、男3人で、アタックをした。
あと数百メートルで山頂だったが、タイムアップになったので、帰りも考慮し、あと一歩の所で、引き返して来た。
夕方、最後のピークの独標を越え、ようやく岩稜から、なだらかな稜線に戻ってきた。
すると上空にヘリコプターが飛んでおり、隊員が我々の所に近寄って来た。
「何事だ!」とびっくりしたが、聞けば、2時間程前、この独標付近で、
「女性の叫び声が聞こえた。滑落したのでは。」
との登山者からの通報があり、捜索をしていたが、痕跡が見当たらないので、下山者に聞き込みをしていたとのこと。
こちらからは、
「我々は最後の下山者だと思うが、滑落痕も、岩壁に取り残された人や、下から助けを求める声も認められなかった。」
と情報を提供した。
ヘリコプターは、その後も日没ぎりぎりまで、捜索していた。
以前聞いたことがあるが、目視が頼りのヘリコプターにとって、視界の利かない薄暮時に飛ぶことはかなり危険なことらしい。
それでも、日没ギリギリまで懸命に捜索をしていた姿勢には頭が下がる。
その晩、山荘に未帰還だった人は誰もいないようだった。
後日、「遭難はなし。勘違いして通報した可能性が高い。」との報道があり、改めて、誰も犠牲になっていないので、ホッとした。
(筆者の同日の山行記録参照)
勘違いの可能性が高いのは、本当に幸いだっだが、もし、これが、本当の遭難であったなら、どうだろう。
報道では、通報者は女性の叫び声を聞いた後、「大丈夫ですか?」と叫んだが返答がないので、山荘まで急ぎ駆け戻って、山荘の従業員を通じ通報したとのこと。
先のとおり、通報を受けた警察は駆けつけて、日没ギリギリまで懸命に捜索をしていた。
遭難者が、もし、
「意識を失っていた。」
「怪我をして身動きが取れなかった。」
「助けを呼ぼうにも携帯電話が通じず、通報してくれる仲間もいなかった。」
場合、これほどありがたいことはないだろう。
自分が、もし、その立場になった場合を想像すれば、よく分かるだろう。
日本の山では、誰かが遭難しても、誰かが聞きつけ、誰かが気付き、誰かが警察に速報してくれる。
警察は、駆けつけて日没まで懸命に捜索をしてくれる。
正に「日本の山は、常に誰かに見守られている。」ことを知る一幕だった。
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