今年の干支である申(猿)を想起する際に、ふと、1992年のGWに訪れたネパールのカトマンズにあるネパール仏教寺院であるスワヤンブナートを訪問した記憶が蘇りました。世界遺産にも登録されており、寺院中央には仏塔<写真>があり、ネパール仏教にとっては最も重要な仏塔と言われていました。この寺院はなぜか、Monkey Templeと呼ばれるほど猿が多く、猿も信仰の対象となっていました。地震によりこの寺院は完全修復が不可能なほど壊滅的な被害を受けましたが、この仏塔だけは辛うじて原型を留めていました。ネパール地震はカトマンズだけではなく、エベレスト登山者やシェルパ等の山岳民族にも史上最悪の被害をもたらせました。お世話になったカトマンズの人たちやシェルパの人たちの無事を祈りながら、地震の犠牲となった方々に哀悼の意を捧げます。
一方、ボルネオ島にあるキナバル山で起きた地震も多くの登山客に被害をもたらせました。キナバル山は世界遺産に登録されており、麓には世界最大の花ラフレシアが咲き、山道にはたくさんの食虫植物ピッチャープラント(ウツボカズラ)が原生しています。そして頂上付近は大規模な花崗岩の一枚岩で形成され、その中の一つである標高4,054mのDonkey’s Ears(ロバの耳)の片耳が地震の影響で破損していました。キナバル山は世界中の人たちが集まる山の聖地です。毎年ここで山岳レースが開催されています。今はわかりませんが、当時、圧倒的に強かったのはネパールのグルカ兵でした。2時間台で標高4,095mのキナバル山頂上を往復していました。地震の犠牲となった方々に哀悼の意を捧げると共に、現地の方々および山を愛する方々が再びこの山の聖地で活発に活動されることを心より祈願しております。
自然が起こした出来事(惨事)は不可抗力であり、それを真摯に受け止め、今後も謙虚に自然と末永く付き合っていきたいと思います。それぞれの地震の前の姿を永遠に自分の記憶に留めるために、写真も掲載しました。
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