天気は快晴、11月にしては気温も寒くなく、風もなく日差しが心地いい最高のシチュエーションで、他に誰もおらず静かな最高の山旅を楽しんでいた。
突然、谷の方から落ち葉を踏むザ、ザ、ザァーと大きな音を立て何か来る気配がした。
ん?
なんだ、なんだ、なんだ???
ド、ド、ド、ドー、っと黒い物体が谷を駆けあがってきた。
熊だー!熊、熊、熊!!!
最初に一匹、少し離れて後に二匹がくっついて駆けてくる。
いままで山で、シカやサル、ニホンカモシカ、ムササビなどは見たことはあったが、熊は初めてだった。それも三頭も!
唖然、茫然、・・・
が、次に思ったのは
「カメラ、カメラ、カメラ」
ウエストバックから急ぎ取りだしスイッチオン。
既に一匹は20〜30m前方の登山道を横切り反対側の谷へ駆け下りて行った。
残りの二匹をめがけてシャッターを連写するが、コンデジの悲しさ、瞬時に連写モードには切り替わらない。おまけにオートフォーカスは熊にではなく周りの木や枝にピントが合ってしまう。
バシャ、バシャ、バシャ・・・
結果、一番よく映っていてもアップした画像(左)ぐらい。
悲しい・・・迫力が全く伝わらない・・・
三頭の熊が反対側の谷に姿を消して全てが終わるまでわずか7,8秒ぐらいのもんだった。
再び辺りに静寂が戻った。
が、なんか興奮と感動でメチャ嬉しくなってしまった。
不思議と怖いとか恐怖心は起こらなかった。
昔、北海道知床で地元の人に
「めったに見れねー熊、見れるなんてラッキーだべさ」
「襲われて、初めて不幸になるんだっぺ」
と笑い話を言われた記憶がよみがえった。
牛ノ寝通りは紅葉も終わって木々はみな葉を落とし幹や枝の間からけっこう遠くまで見ることができたが、これが春や夏などの葉が生い茂り藪がぼうぼうの時だったら、相当近くまで来ても見えなかったり気付かなかったりすることもあるんだろうな、と思った。
熊鈴、ってやっぱ必要な時もあるのかもな・・・
と考えてしまった。
その後、行った大菩薩峠〜大菩薩嶺は天気も良く富士山、南アルプス、甲府盆地、みんな見渡せて最高だった。
そして、ハイカーも多かった。
そんな人気の大菩薩峠から雷岩までの間のひっきりなしにハイカーの行き交う道でも普通に熊鈴を鳴らして歩いているおじさんを見かけた。
きっといままで下界でも周りに気を使うことなどほとんど考えない幸せな人生を歩んできたんだろうな、と、チクッと思ってしまった。
♪ある日、森の中、熊さんに出会〜った〜
tabioさん はじめまして
ちゃんと写っていますね!いいな!
私も先日ブナの木にいたのが
慌てて降りてきたのを目撃したのですが
口を開けて見ていて
写真がなくて残念です。
ツキノワグマ生息域にしばしば入りますが
50数回の山歩きでで初めて見れました。
人にはほとんど会わないので
いつも遠慮なく熊鈴をつけていますが
くまさんは冬に備えて夢中でドングリを食べて
わからなかったのでしょう。
10mくらい先の木から落ちるように降りたので
びっくりさせて悪かったな、と思ったんですよ。
黒い艶々に胸の月の輪がくっきり、綺麗な熊でした。
赤ちゃん連れ、手負いや錯乱した🐻は危険ですが
普通はバキバキ大慌てで逃げてくれますよね。
こんばんわ、hobbitさん、初めまして。
10mの距離で突然目撃したら自分も写真など撮る余裕はなさそうです。
今回20mぐらい離れていたし、向こうが先に気がついて逃げていってくれたのでデジカメ出すゆとりがありました。
枯葉だらけの晩秋の山にあれだけ大きな体を維持する食べ物がそんなに豊富にあるとも思えませんし、彼らも精いっぱい頑張って生きているんだな・・・と愛おしく思えてしまいました。
コメントありがとうございました。
こんばんわ
私は奥上高地で1度、5mほどの距離で見たことがあります
tabioさんと同じように不思議と怖さを感じることなく、結構冷静にシャッターを切ってました
同行した嫁にその後、こっぴどく怒られましたけどね(汗)
西上州では1度うなり声を聞いて、もう1度は強い「けもの臭」を感じたこともあります
そうそう!尾瀬のアヤメ平では腰高の熊笹の中を慌てて逃げる音も聞いたことがありました
出来れば出会いたくない熊
厳冬期以外は熊よけ鈴必須ですね
こんばんわ、air_4224さん
5mの近距離はさすがヤバいでしょう
完全に目と目で視線がぶつかるでしょうし。
以前、サルとそのくらいの距離でガン飛ばしあったことありましたが、サルが相手でもけっこう緊張しました。
唸り声ももし聞こえたら相当ビビりそうです。
色々な経験を積んでいくに従って熊鈴の重要性、必要性が増々わかってくるんでしょうね。
コメント、体験談ありがとうございました。
何度も熊を見たことがありますが(今年は2回)、写真撮影されるチャンスは滅多にないですね。普通は熊の方が先に気付いて逃げている途中の音で人間が気付くパターンなのでカメラを出す余裕もなく視界から消えてしまいます。
単独行ばかり、しかも今の時期は登山道が無い山を歩くことが多く、熊の気配はよく感じます。志賀高原北部では林道上にいくつも熊の糞がありました。この付近のこの時期の主食はブナの実のようで、糞にはブナの実の薄皮がたくさん含まれていました。熊鈴は必需品です。
ちなみに丹波山村はかなり熊が多そうです。私は関東甲信越、南会津の山をたくさん登ってあちこちで熊棚を見ていますが、昔は新潟が一番多いかと思っていましたが、実際には丹波山村が一番多かったです。これは意外でした。大菩薩の一角?の芦沢山へ登る途中にたくさんありました。
こんばんわ、toradangoさん
丹波山村・・・
そうなんですか、チャンスあれば行ってみるつもりでしたが気をつけます。
激藪ホムペ拝見させて頂きました。
情報量、年季の入り方がハンパないですね、ビックリ、感心しました。
これからも無事故で藪こぎを続けていってください。
コメント、情報、ありがとうございました。
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