山岳ミステリー『失踪者』下村敦史著

8月最後の日曜になってようやく夏らしい青空の一日 　朝に野暮用でお山には行けないので、最近読みかけの山岳小説をイッキ読み。８月の中国出張時のお供にこの作者の文庫本”生還者”を買って読みましたが中々面白いミステリー小説でした。山岳小説となると作者自身になにがしかの登山経験があったりなんですが、この方は山登りの経験がほとんどないらしくそれにしては良く書けた内容です。かなり下準備されたんだろうなと。山岳小説はこれが１冊目だったようです。
先日、図書館の新刊の棚にこの作者の『失踪者』が並んでおり早速借りて読み始める。表紙も山好きには中々そそられるデザイン。んが、通勤時間だけでは物足りないので寝る前に読もうとしますがｚｚｚで中々読み進まない。でイッキ読みと相成りましたがこれは前作を確実に凌駕する内容でした。１０年前に事故で亡くなったはずの親友のザイルパートナーが実は生還していたのでは？なぜ彼は誰にも連絡せずに偽名を使って再び山に戻って同じ場所で命を落としてしまったのか？　孤高のクライマー樋口が唯一のザイルパートナーとして認めた主人公”ヤマミチ”とかかわっていく展開と８０００ｍ峰全座登頂を目指す新進気鋭のクライマー榊の野望の実態。。。クライマックスにはまさかの結末 　秋の夜長におススメの１冊です。　若い作者なので次の山岳小説にも期待しちゃいます。　今日は新たに笹本稜平２冊を借りて秋の夜長に備えます

コメント

saitama-n

信頼を失ったリーダー
同じ作者の「生還者」を読みました。生還者（山岳ガイド）の遭難原因（方位の誤差）は雪山に行くぐらいだったら知っている事では？と思うような面もありますが、楽しめました。
信頼を失ったリーダー（山岳ガイド）に対してのツアー参加者の仕打ちが酷いんですよねぇ。
未読の方はどんな仕打ちなのか「生還者」を読んで、真実を知った主人公と同じ気持ちを味わって下さい。

satokun

Re: 信頼を失ったリーダー
saitama-nさん　こんばんわ。
”生還者”も二重三重の仕掛けが隠されていて何が何やらって感じでしたが最後になってクロスワードパズルが完成するような展開でしたね 　まだあまりメジャーな作家ではないのかもですが、山岳小説以外も読んでみたいです。　コメありがとうございました！