山靴を考察する。

長いブランクを経て再び山に向かってから早8年が過ぎ、
9年目を迎えた。
再デビューに選んだのは雪融けの進んだ春、鈴鹿の入道ヶ岳だった。
北尾根の馬酔木の群落から望んだ鎌ヶ岳〜釈迦ヶ岳の姿に
鈴鹿に帰って来たと実感したあの感激は、今でも鮮明に覚えている。

2008年の9月、鈴鹿山系に未曾有の被害 をもたらしたゲリラ豪雨の
影響が色濃く残る頃だった事もあり、
久しぶりの鈴鹿は当時と比べると大きく様変わりしていた。

電車、バスを乗り継ぎ徒歩で向かった登山口へは直接マイカーで。
鈴鹿の代名詞だった漕ぐような笹が姿を消し、今では雨乞岳一帯に
当時の名残を留める程度だ。
そして驚いたのは山登りのスタイル、装備の進化だった。
靴も衣装も一変し、己の装備はひどく時代遅れになっていた。

特に進化が進んだのは山靴だろう。
重い革の山靴に代わり、軽量化されまるでスニーカーの様だった。

最初に手にしたのはキャラバンのガルモントタワーGTX。
細身の足にフィットした形状、僅かなスタンスでも足裏全体を支える
硬い靴底。 鮮やかなカラー。
しばらくして足に馴染み、なんのストレスを感じる事無く履き続けたが
90日程の使用で形が崩れてきたのか、爪先が当たる様な感じになって
来た。
緩んだ足裏のアーチ形状を改善するため「スーパーフィート」を
購入し対策してみたがやはり下りでは効果が無かった。

そして次に選んだのはスポルティバのトランゴ　アルプ GTX。　
求めた内容はほぼ同仕様でサイズを27mmから27.5mmへアップ。
靴紐が緩まないロック機構付きも決め手になった。
インソールのスーパーフィートも同時購入し早速使用してみると、
初日からなんの違和感を感じず履き続ける事ができたが、
やはり90日を越える頃からアイゼンなどを付けて斜面を
トラバースする場合に山側にストレスを感じると共に爪先も
当るようになってきた。
100日を越えると靴底も摩耗し、靴底、周囲のラバー張替込みの
見積もりを聞くと 全て純正品の為17,000円程度との回答で
買い替えを決意。

その結果最高の山靴に出逢った。メーカーは同じスポルティバの
トランゴ S EVO GTXだ。
売りは「3Dフレックスシステム」なる踵の固定と足首角度の自由度の
アップ。これなら斜面のトラバースなどにもしっかり接地しながら
姿勢を保って歩けそうだ。
靴紐が緩まない機構も引き続き採用されている。
これもお気に入りポイントだ。
そして更に27.9mmにサイズアップして購入。

同じドランゴシリーズでフィット感覚も申し分なく、90日を越えた今も
ストレスはゼロ。 鈴鹿ではオールシーズン履いているが、濡れも
冷えも無く、個人的にはベストな靴に辿り着いたと思っている。
しかしベストな山靴も靴底の摩耗がアルプGTXよりも早いようで、
最近は靴底のグリップ力に不満を感じるようになってきた。
アッパーも痛んできたし・・・。
張替に要する費用は純正品ではやはりアルプと同額程度、
状態によっては20,000円越えで、期間は約1ヶ月だと言うが、
張替後の寿命が不明なので悩むところだ。

200％お気に入りの靴だけに、次も迷うことなく同じ靴になるだろうが
靴底の耐久性が向上しないかな〜。
張替か買い替えか・・・。迷うと共にセールが待ち遠しい今日
この頃だ。

コメント

すぎちゃん

RE: 山靴を考察する。
こんばんは
僕なんか足は小さいし（25ｃｍ）、幅は細いし、甲は低いしでなかなか合う靴探しに一苦労です。
確かに昔のごつい表革の登山靴に比べると今の靴は履きやすいですよね。
軽量かつおしゃれな靴が多くなってきました。
でもなぜか登山靴となると昔人間の僕はついついソールの堅いごつい靴を選んでしまいます。
現在一番のお気に入りはアゾロのアコンカグアという靴で北アルプスの岩稜帯には欠かせない靴です。但し、既に廃盤となっているようなのでソール交換できるか不安です。
次がガルモントのピナクルという靴ですが、これは昔ながらの重登山靴の雰囲気いっぱいの靴でとにかく重い（1ｋｇ位）。でも非常に頑丈なので冬靴としても使っています。僕のアイゼンは皆この靴に合わせています。
そして、夏の低山はもっぱらスカルパのキネシスという軽登山靴です。
実はある雑誌社のモニター募集で当たった靴なんですが、履きやすさだけならこの靴が1番かもしれません。ソールは柔らかいのですがしっかりした作りなので、ひょっとしたら、槍ヶ岳でも充分登れるのではないかと思っています。
但し、この靴は履きすぎてソールがそろそろピーク。
ソール張替を見積もってもらったら約16,000円。買い替えか張替か悩ましい所です。
でも、僕の場合はなかなかサイズが合う靴がないので、やはり張替かな。

onetotani

RE: 山靴を考察する。
今日は。　今年は厳しい寒さが続きますね。

状況に応じた靴を複数お持ちなんですね。
私は重い革の山靴と2足の使い分けですが、
山域によってはオーバースペックになる事もありますが、
お気に入りなのでドランゴ一辺倒です。

幸いなんの不満の無い靴に出逢えてたのですが、
高価な物なので、張替えだけでも一足買えそうです。
年間多く入山される方には、足に合えばグレードを
落として安価な靴を短期間で使い捨てする方も多いようです。