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鞍掛峠から鞍掛尾根を辿るとまるで鹿の楽園だった。
登山道にたむろする群れ、夏草が茂る斜面を縦横に横切る獣道を
走り去る集団。
人の気配に警戒を発する甲高い鳴き声。
人影の薄れた真夏の御池岳はまさしく、動物のテリトリーである山に
お邪魔しているのは我々登山者だと実感させられた。
しかし、鹿の食害も放置できない問題として浮かび上がってきている。
以前、登山を始めた頃の鈴鹿と言えば北も南も笹の藪漕ぎが
代名詞の山だった。
だが、今は僅かに南雨乞岳周辺辺りに名残を留める程度だ。
これほど広範囲に笹が後退した原因は、ジネグ（地根苦？）現象とか、
酸性雨などによる環境の悪化だけでは解明できないそうだが、
鹿による食害が拍車をかけているのは事実だろう。
山で見られる花は鹿が避けるものばかり、
山肌をさらし保水力が低下した斜面、
雨のたびに崩れる登山道。
自然の保全を考えると放置できない問題として、
特に御池岳周辺では景観を損ねる事は否めないが、
いたる所で鹿の食害を防ぐためのネットや、鹿の動向を追跡調査する
カメラが設けられ、笹の復元実験が行われている。
そして日照りの続く酷暑の夏、風池や北池がすっかり
干上がってしまった事には驚いた。
至極当たり前に目にしていた景色が、いつまでも変わらず残る事は
貴重な事なのだと 改めて気付かされた。
資源開発目的で削り取られた三角点も含め、少しずつ姿を変えていく
鈴鹿の自然。
変わらずにいつまでも保たれるのは難しいのだろうかと
そんな事を考えさせられた真夏の御池岳山行だった。
おはようございます。
昔の鈴鹿は、笹だらけだったんですか！
最近、歩き始めたばかりなので、草原や二次林が鈴鹿のイメージです。
あるがままの自然も、少しずつ変化しているのですね。
当たり前の自然を人間が壊してしまったため、天敵が減り鹿が広範に繁殖しているのかなと思っています。
狼がいたころは、もっと鹿も少なく、自然も一段と厳しかったのでしょう
奥三河地方でも、鹿の移動や繁殖とともに、今までいなかったヒルが、一気に増えたと新聞にありました。
人間の活動範囲が、どんどん都市部に押し込められていくのではと危惧しています。
この日記を拝見し、普段は何気なく過ごしていましたが、貴重な自然との共生、快適な生活との両立など、改めて考えるきっかけになりました。
totokさん 今晩は。
私が登山を始めた頃の鈴鹿は、何処も登山道を外すと腰が隠れるほどの
笹の山でした。
御池岳の山中にはこれほどの鹿が居たのかと驚き、
思いもしなかった干上がった池に驚きと、今回の驚きの連続が、
長い年月が経過しても変わらない事がいかに貴重なのかを
気付かせてくれました。
こんにちはonetotaniさん
台地一面に笹が生い茂る姿は、今の御池岳しか知らない自分には想像出来ませんが、短い期間で急速に植生が変化したのは事実なんですね。それが人間の営みによる影響なのは間違いないと思います。鹿や猪が（おそらく熊も）増えたのも、元はと言えば、我々人間のせいだと思います。
変化していく自然環境の流れを、急に変える事は無理ですが、それを危惧する人が増えれば、やがて流れを良い方に導いて行く事ができるのではないかと思います。私達に出来ることは、そんな人間を一人でも増やすことでしょうか。将来を担う世代を育てている親御さん達に、”ごく当たり前の自然”の事を考えてもらえたらいいですね。
teppan2013さん 今晩は。
他の山に比べて御池岳は笹の復元実験や、鹿の食害対策があちこちで
見られます。それだけ被害が大きいとも考えられますが。
谷筋で多く見られるシマリスにしても外来種で、
愛嬌があって可愛いなんて喜んでばかりはいられないですね。
生態系の乱れを思うと複雑です。
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