1.コース取りが自由
駐車場所に車を取りに帰る必要が無いのでピストンと周回だけでなく縦走や山越えができます。
2.安全
山間部では狭隘で見通しの悪い道が多く、早朝の寝不足や下山後の疲れは居眠り運転にもつながり危険です。交通事故は毎年30万件以上起き2〜3千人の死者を出しますが、鉄道やバスで乗客が死亡する事故は滅多にありませんし、事故があっても自分の責任にはならず、加害者になって面倒な事故処理をせずに済みます。
3.時間の有効利用
運転の必要がないので移動中に居眠りでも読書でも景色の鑑賞でも何でもできます。特急や新幹線なら食事も可能ですし、少々なら飲酒しても問題ありません。
4.面白い
鉄道やバスは日常生活を支えるインフラであり、それぞれの地域で景観の個性を作っています。自分の日常の生活圏と異なる地域での知らない日常に触れるのは旅の醍醐味です。人の流動から地域間の繋がりを観察したり、ふと方言が聞こえたり、見慣れない広告を見たり、行先の土地に対する理解が深まります。
5.環境負荷が低い
公共交通は輸送量当たりのCO2排出量が自家用自動車に比べて低く、バスでおよそ3分の1、鉄道でおよそ9分の1です。自分一人の移動で考えればマイカーはわざわざガソリンを燃やすのに対して公共交通は自分が乗ろうが乗るまいがダイヤ通りに走っているので自分の移動によって改めて出るCO2はほぼ無いようなものです。
登山は自然を楽しむ遊びで、我々の目を楽しませ心を癒してくれる高山植物や氷雪現象にとって地球温暖化は大きな脅威です。山の美しさを長く楽しむために温室効果ガス削減は必須です。また、車による野生動物の轢死やタイヤの摩耗によるマイクロプラスチックの発生も深刻な被害を生んでいて、走行台数を減らすことで被害を軽減できます。
6.地域貢献
近年人口減少、モータリゼーションの進展、ロードサイド店や郊外型ショッピングモールの増加による中心市街地の空洞化など厳しい環境変化により公共交通機関が経営難に陥り減便や廃止が相次いでいます。高齢者や未成年、障害者、低所得者、運転が苦手な人、外国人など自家用車の利用が不可能または困難な人たちにとっては死活問題であり、外出の自由が損なわれることにより生活の質が大いに低下します。登山では地方の鉄道・バス会社や山間部の路線を利用することが多く、経営が難しい路線の運賃収入や利用実績に僅かばかりでも貢献することができます。地域の中小企業や公共インフラにお金を落とすことはその地域を応援することに繋がります。
〈参考〉
「交通事故発生状況」(財)交通事故総合分析センター https://www.itarda.or.jp/situation_accidents
「進行する地球温暖化とわたしたちのくらし〜地球温暖化対策に向けた国土交通行政の展開〜」国土交通省 https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/hakusho/h20/html/j1211300.html
「【図解】海洋中のマイクロプラスチック その発生源と内訳」AFP通信 https://www.afpbb.com/articles/-/3327761
「ロードキル対策」環境省やんばる野生生物保護センターウフギー自然館 https://www.ufugi-yambaru.com/save/roadkill
「移動権(交通権)」Beyond Health|ビヨンドヘルス 日経BP https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/keyword/19/00105/
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する