ネットで探すと電子書籍版はあるのですが単行本では高額な古本しか見つかりません。なかば諦めていたのですが、今日たまたま家人の買い物に付き合い近くのショッピングモールに行った際、何気に本屋さんに入り在庫検索すると何と現物がヒットしました。思わず興奮しちゃいました。当然即購入。紀伊國屋書店さんありがとうございます。
さて、この本の著者伊藤正一さんはご存知のように戦後間もない頃に三俣蓮華小屋(現在の三俣山荘)、水晶小屋を譲り受け、「山賊」たちの協力を得て湯俣山荘、雲ノ平山荘を次々と建設し、昭和31年には北アルプスの最後の楽園「雲ノ平」への最短ルート、伊藤新道(現在、一般登山道としては使われていない)を独力で完成させた。日本勤労者山岳連盟創設者として、大衆登山発展のため、熱意を注いできた方です。
10年以上も前になるのですが三俣山荘で「黒部の山賊」という本を購入した時、「これプレゼント」といって絵葉書をくれた優しいおじいちゃんが伊藤さんでした。
今回見つかった「源流の記憶」と「黒部の山賊」そして「黒部の山人」この3冊は黒部源流3部作と呼ばれています。秋の夕べ、伊藤さんの足跡を偲んで読み明かそうと思っています。
もう一枚の写真は同じく北アルプスにかかわる本とDVDです。
ひとつは穂高山荘が90周年を迎えたとき配られた「山小屋三代」という小冊子です。重太郎新道で知られる今田重太郎さんから2代目の今田英雄さんそして3代目の今田 恵さんにつながる名門山小屋の物語です。
「剱人」は山と渓谷に連載されていた剱岳に魅せられた男たちの物語です。僕の大好きなガイド稲葉英樹さんや剱の主と呼ばれた佐伯文蔵さんと御子息佐伯友邦さんの物語等々。厳しくも美しい山、北アルプス・剱岳。著者の星野秀樹さんはそんな剱岳に憧れ、愛し、通い続ける男たちを「剱人」と呼んでいます。
そして、「ああ絶景!雲上のアドベンチャー」はNHK制作のDVDです。2009年にこの地方で放映された特別番組をDVD化したものです。
今は亡き田部井淳子さんと、登山歴の浅いNHKアナウンサー内多勝康さんが北アルプスの難ルートに挑戦する冒険の旅です。
立山から、日本最後の秘境といわれる雲ノ平、槍ヶ岳、そして穂高連峰のジャンダルムまでの60キロを、3週間かけて縦走しました。田部井さんの優しさ溢れる素晴らしい番組でした。
因みに終盤の難所である「大キレット」や奥穂からジャンダルムへのガイドは先に紹介した稲葉英樹さんでした。
こちらの3つも秋の夜長に楽しみたい作品です。
2009年8月6日、双六岳の稜線で田部井さんにお会いしました。
顔を拝見した瞬間に誰だか分かりましたが、前後を日焼けした屈強そうな男性が歩いていて、とてもお話できる雰囲気ではなかったです。
後で、北アルプス大縦走の収録中だと知りましたが、内多アナはいらしたのかどうか、気付きませんでした。
伊藤正一さんは、三俣山荘泊の翌朝、お見送りして下さいました。
渋沢栄一に似た温厚なお顔で、雲の上の大御所という印象でした。
山荘のスタッフは里に出るには伊藤新道を使うと仰っていました。
「剱人」は毎号『山と渓谷』で楽しく読んでいました。
立山開山の末裔の佐伯一族の皆さまの山への畏敬の念は、登山者としては基本的な心構えと言えるような気がします。
コメントありがとうございます。
そうですか、2009年当時に収録中の田部井さんに会われましたか。
田部井さん達が双六から槍ヶ岳に向かっている時ですね。確か番組では田部井さんが西鎌尾根で心折れてきた内多アナを励ますシーンがありました。田部井さんの人柄があふれる素晴らしいドキュメンタリーだと思います。
名古屋から近いせいか北アルプスは大好きな山域です。特に立山や剱岳そして黒部源流部には憧れに近いものがあります。今回見つけた「源流の記憶」はカメラマン伊藤正一の傑作写真集です。購入できてよかったです。
かつてここを舞台に活躍した伊藤正一さんや剱岳に惹きつけられる剱人達の足跡を知ることは非常に価値あることと思っています。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する